私の愛した召喚獣

Azanasi

文字の大きさ
上 下
8 / 116
第一章 召喚

【再召喚】

しおりを挟む
【再召喚】

 ひずんだ景色が走馬燈の様に移り変わるのが終わると、アメリアの自室に転移していた。

 「お帰りなさい、ちゃんと召喚できるか心配したよーー」
 「バゥワウ」

 そう、答えた瞬間に頭の中に声がした。
 「スキル:昆虫使役を会得しました。」
 (昆虫使役ってなんだよ、使えそうもないなぁ・・・初回のランダムスキルも逃げ足5倍速だったよなぁ、そもそもランダムでくれるスキルってカススキルなんじゃんぇーの?)
  
 シロがそんな事を考えている・・
 昆虫使役
 『昆虫全般を使役できます、パスを通す事で視野などの五感を共有できます、また、手練次第ではゴキちゃんに盆踊りをさせる事も可能になるかも?』

 なに、それ、使いようがないじゃない・・・

 「シロ、シロ、大丈夫?」
 アメリアが今にも泣き出しそうな目をして不安げな顔を俺を覗いている」

 「な、なんだよ、別になんの問題もないぞ!」
 「うぁーっ、バウォンとしか鳴かないからしゃべれ無くなったのか、普通の犬になったかと思って心配したじゃない」

 安心したのか涙目になっている・・・
 まずい、そんなつもりは無かったがやりすぎたかなぁ・・・

 「ごめん、ごめん、悪かったよ、お土産買ってきたから許して・・・」

 「もう、そんなんじゃごまかされないんだから・・・」

 俺はアメリア用に買ってきたチョラーテとシャンプーとコンディショナーのセット、を取り出した。

 「なに、これ?、えつ、あんた一体何処から出したのよ、もしかしてアイテムボックス持ちなの?」
 「あぁ、そうだよ。」

 平然と答える俺にアメリアはかなり驚いていたが、直ぐにその矛先はチョコレートへとむかった。
 イルメニア王国ではカカオは栽培しておらず(南部では栽培化)原料の輸入はなく製品として輸入されていた為、チョコレートの価格は非常に高価で一部の貴族でしか食べる事は無かった。

 「こんな、高級品、良く買えたわねぇそんなお金持ってたの?、あ、そっかぁ、自分の世界では結構な高給取りだもんねぇ・・・」
 
 「これ、皆貰って良いの?」
 「いいよ」
  
 「ジェシカ達にも少し味見させてあげないと可哀想だよねぇ・・・食べた事ないだろうし・・・」

 (分けてあげるんでなく味見かよ、アメリアも食意地くいいじが張ってるなぁ・・・ま、甘い物に飢えてるからしかたないか?)
 
 アメリアには安物の板チョコレートと300円程度のチョコレートを散り混ぜて5点ほど買ってきた。

 「あ、それは大丈夫、皆に個別にちゃんと買ってきたから、後で渡してくるよ。」
  
 「辺境伯と執事のロゴスさんには甘い物は好きじゃないだろうか買ってきてないけど・・・」

 「あら、お父様はチョコラは大の好物よ、知らなかったの?」

 「そんなの知らないって見た事ないし・・・」
 「そうよねぇ、,王都に行った時に食べる事があるぐらいだもの・・・」
 (実は甘い物好きと知っていたけどあえて買って来なかったんだもんね)

 「このシャンプーってなに?」
 「うん、明日の夜、お風呂に入る時に詳しく説明するけど、これがボディーソープって言って体を洗う奴、これがシャンプーと言って髪を洗う奴で、これがコンディショナーと言って髪を洗った後に、髪がさらさらになる用にする奴だよ。そして、これが俺用のシャンプー、髪も体も一緒だけどね、」

 「シャンプーとコンディショナーはメイドさん達用のも別に買ってきてるから渡してくるね。」

 俺はメイドさんに集まって貰って各個人にチョコレートを渡して、シャンプーなども同じ様に説明してきた。

 チョコレートは皆、大変感激して喜んでくれて、エミリーなんかは初めてですなんて、涙流してた・・・
 原価、78円の板チョコでそんなに喜んで貰えるならまた、買ってこようって思った。

 「辺境伯様やリネーネ様にもお土産があるけど、もう、遅いから明日で良いよね。」
 「そうね、朝食の時で良いんじゃない?」
 

 そんな話をしていたらメイドさん達がやって来た。
 「シロちゃん、今からお風呂に入るから使い方を教えて」
 「うん、いいよ」って事で、それなら私もって事でアメリアももう一度入るって事で皆でお風呂へ直行・・・

 皆の脱衣を楽しんでいたら・・・
 「シロちゃん、退屈でしょう、先にお風呂行ってて良いよ」
 マーラが要らぬ気遣いをしてくれた、あえて拒否もしづらいので浴場で待つ。・・・
 (マーラの奴、要らぬ事言いやがって、次回、お土産に差を付けてやろう・・・)

 皆が入ってきた・・

 「絶句・・・」

 マーラは爆乳だった。まったく垂れてもいずに、上を向くところはツンと上を向いている。なんて事だ、こんなのを見逃しているとは・・・

 俺とした事がうかつだった・・・恐らくさらしか何かで押さえつけていたんだろう・・・

 体のラインもぐずれていずにとても30とは思えない、ナイスバディーだ・・・
 お土産に差を付けようなんて考えた俺は愚か者だ・・・次回もマーラーにはしっかりと買ってきてあげようと心に誓ったのだった。

 もちろん、皆、ナイスバディなんだけどね、マーラの肢体は俺の脳の奥深くに焼き付けられた。もちろん保存用記録として・・・

♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪

 「ボディシャンプーは特に使い方なんてないのでポンプの部分をおして出てきたのをこの濡らしたタオルに付けて馴染ませたら洗うだけです。」

 「では、最初は洗ってあげますね。・・・・・」
 (くそーっ、この肉球が憎いとこの時ほど思った事は無かった。本来なら、あんなとこや、こんな所を洗えるチャンスだったのに・・・)

 「ごめん、自分で洗ってみて下さい。」
 「シロちゃん、気にしなくて良いのよ、気持ちだけでも凄く嬉しいわ・・」
 ジェシカの慰めの言葉もただ、吹き抜けて行くだけだった・・・

 皆、泡立ちの良さに驚いてる、

 「うわーっ、凄い泡立ち、それに泡がきめ細かくて・・良い香りだわ・・・」
 うん、皆さんに好評で良かった。
 
 見てる俺も好評だ・・・
 (しゃがんで髪を洗う姿は何ともエロチックだ・・・」
 やっぱりシャンプーはシャワーより座って洗う方が風情がある・・・)

 今日のお風呂は楽しさと悔しさが入り交じった何とも微妙な入浴タイムだったが、マーラの新発見ができた事だけでも良しとしよう。

 この後、メイドさん達は部屋に戻った後、お風呂上がりにチョコレートを感動しながら食べたらしい・・・
 歯ブラシと歯磨き粉を渡してあったのでちゃんと磨いたらしい。
 
 この国では特に歯磨きの習慣は無く一部の貴族は布に塩を付けて磨いたりしていたみたいだが塩は高級品なので当然、庶民では使えない、虫歯になると抜くしか治療方法が無かった。

♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪

 「ねえ、シロちゃん嬉しいけど、無理しないでね、あんな高級な物を皆に沢山買ってくるなんて・・」

 「うん、初回だったしね、次回からは多少は加減するよ。」
 「今度も買ってくるつもり、いいよ、そんな召喚の度にお土産なんて必要ないって・・・」
 「ま、気持ち程度にしておくね。」

 「獣魔に負担を掛ける主って笑えないんだぞ・・・」
 アメリアはお土産の事を相当気にしている様だ。

 「ねぇ、失礼だと分かってるけど、これ、幾らぐらしたの?」
 「アメリアは78円の板チョコをもって聞いてきた。」

 「うーん、こっちの金額に直すと、100ルドしないぐらいだよ、この中で一番高いのがこれで300ルドしないぐらい。」

 「えーっ、そんなに安いの?、こっちだったら一万ルドだしてもこれより不味いよ。」

 「向こうだともっと安いのもあるよ、量は減るけど10ルドとか・・・(」
 「こっちに比べるとチョコレートとかはもの凄く安いね。」

 「でも、夜食べると虫歯になるから歯を磨いた方が良いよ。」
 歯ブラシと歯磨き粉を渡した。
 「何これ、このブラシにね、このクリームを絞り出して磨くんだよ。」
 「後は、クチュクチュ、ペッってしてお終い。」

 歯磨きに付いてはメイドさんにもきちんと磨き方を教えた。..この世界では虫歯になったら抜く事になるからね、ま、虫歯事態が少ないんだが、貴族になると食生活が贅沢なのでそれなりに多いらしい・・・

 こちらでは歯磨き棒という木の枝を折った奴で磨くので、歯茎は痛いし辟易して居たので向こうから持って来た。

 召喚二回目の夜はアメリアの胸に抱かれて眠る。..


♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪
2018/09/02:誤字&脱字を修正しました。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

元悪役令嬢はオンボロ修道院で余生を過ごす

こうじ
ファンタジー
両親から妹に婚約者を譲れと言われたレスナー・ティアント。彼女は勝手な両親や裏切った婚約者、寝取った妹に嫌気がさし自ら修道院に入る事にした。研修期間を経て彼女は修道院に入る事になったのだが彼女が送られたのは廃墟寸前の修道院でしかも修道女はレスナー一人のみ。しかし、彼女にとっては好都合だった。『誰にも邪魔されずに好きな事が出来る!これって恵まれているんじゃ?』公爵令嬢から修道女になったレスナーののんびり修道院ライフが始まる!

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので

sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。 早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。 なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。 ※魔法と剣の世界です。 ※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

伯爵夫人のお気に入り

つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。 数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。 喜ぶ伯爵夫人。 伯爵夫人を慕う少女。 静観する伯爵。 三者三様の想いが交差する。 歪な家族の形。 「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」 「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」 「家族?いいえ、貴方は他所の子です」 ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。 「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

処理中です...