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第二章 発展
【開戦2】
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【開戦2】
朝霧のなか飛行艇は静かに高度を上げていった。肌寒さが残る早朝、サリーナは第一甲板(前方の甲板)に立っていた・・・
飛行時間はおよそ3時間を予定している
「第一竜飛隊は発着艦訓練を開始、第2竜飛隊は飛行待機所にて待機、」
「総員に次ぐ、これは訓練では無い、繰り返す、訓練では無い、実戦だ。総員、第1次警戒態勢を維持、我が領土へ進攻してくるチベスタン軍に我ららの力を思う存分に見せつけてやろう。
各員の奮闘を期待する。」
「おーーーっ!!」
艦内の各所から一斉に雄叫びが上がった。
□ 艦内、地上部隊
「我々は王都に着いてからが本番だ、各小隊ごとに目標の人物を捕獲せよ、対抗すれば殺せ!」
時間との闘いが勝敗を決すると覚悟しろ、貴様達は優秀だ。我がプレデシャール公国の力を思う存分にみせてやれ!!」
地上部隊の最高指揮官 レスカが檄を飛ばしていた。
飛行艇は爆弾の投下装置、および主砲の角度の改良により旋回中には地上への主砲の攻撃も可能な様に変更されていた。
□ チベスタン軍
野営していたチベスタン軍はその頃、野営地で朝食を取っている最中だった。
当初の野営視点と違って見晴らしの良い草原でのんびりと野営していた。
普段ならこういったミスは犯さないところだろうが、幾ら斥候を出しても敵軍は全くいないと言う現実に川が有り平地の広い草原で野営していた。
その時、一兵士が軍団を指揮する将軍のテントへ走り込んできた。
「何事だ・・・」
「将軍、何か船の様な者が飛んできてます。」
「バカモン、船が空を飛ぶ物か?」
そう言いつつ、兵士の指さす方向を見ると確かに船の様な物が飛んできている・・・
その影は次第に大きくなってきた。
軍団長は、長年の経験から危機を感じ取った。
「全軍、戦闘準備、バリスタ隊、前へ」
「なんだ、あれは?」
兵士は一斉に騒ぎ出し、早朝の唯でさえ慌ただしい時間帯に拍車を掛ける様に右往左往に慌てだした。
□■□■□ 飛行艇内
高度を1500mに維持。
爆弾は投下班の判断で透過せよ!!
竜飛隊、第1飛行隊から第6飛行隊まで発進
竜飛隊は爆弾投下後撃ち漏らしを掃討
飛行隊は1隊、8匹の飛竜から成り立っていた、。合計48匹の飛竜が飛び立った。
飛竜には2門の魔道機関砲が鞍に取り付けられていた。
「面舵30、敵軍団、左から爆撃を行う、爆弾投下班は準備用意
「取り舵120、敵隊列上空を通過する」
「爆弾投下開始!!」
敵軍団の上空に爆弾の雨が降り注ぐ・・・
「ドッガーーーーーン」
「ガガーーーーッン」
着弾と同時に爆破する爆弾により吹き飛ばされていく兵士達、地上は阿鼻叫喚の地獄絵図となっていた。
敵、上空を通り過ぎた後、運良く、爆発から逃れた者達には竜飛隊が発射する魔道機関砲の餌食となっていた。
竜飛隊が掃討した後には動いている物はいなかった。
飛行艇はチベスタン王都へと向かった。
サリーナは竜飛隊に着艦指示を出した。魔石燃料の充填、および待機、第7飛行隊から第12飛行隊は発艦準備に移れ
□ チベスタン王国 王城
陛下、先程知らせが入り、プレデシャール公国のリストニア平原を進軍中、未だプレデシャール軍との交戦は無しとの連絡が入りました。
「おう、そうか、やはりまだ、兵力は整ってはいなかったって事だな。、このまま、一気に制圧させろ」
「陛下、プレデシャール公国、最初の街、イリカの30km手間で進軍を止め、そこまでを我が領土として国境線を築くべきです。」
「何を言うか、この時を逃せばプレデシャールを潰す機会は無くなるぞ!」
王は今がプレデシャールを潰す絶好の機会、これを足がかりにランドドルフ、ローラルドと領土を広げていく野望を抱いていたのだった。
「潰すより、残して和平を望んだ方が得策と思いますが・・」
(そう、上手い事行けば良いのだが、各国の反応、何より公国の反応を見る限り乗せられている様な気がしてならない)
宰相は王とは反対に言い様のならない不安と恐怖にさいなまれていた。宰相は和平を提案するが王はこの機会に公国を滅ぼせると信じていたのだった。
「た、大変です。」
「陛下の前だぞ、無礼な!」
「よい、何事じゃ」
「兵士の乗った飛竜、多数と空に浮かぶ船がやって来ました。」
伝令の兵士は息をつきながらも緊急の事態を知らせに来た。
「すぐに兵を出せ!、騎士団は王宮の守りを固めろ」
騎士団長はすぐにその場を後にする。
「ど、どうなっておる?」
「恐らく100近い飛竜と大型の艦船が空に浮かんでおります、現在の所は攻撃はありません。」
その時だった。、空に浮かぶ船からと思える声が響いた。
「我々はプレデシャール軍だ、我が国への侵略に対する報復に来た。」
「ただ今を持って、王都からの出入りを禁止する、無視する物は容赦しない。」
「チベスタン王国の全面降伏を要求する」
「手初めとして王宮の隣にある離宮を破壊する、巻き込まれたくない物は200数得るうちに逃げ出す事を進める」。
「離宮破壊後、降伏しない場合は、王宮を破壊後、王都をすべて破壊する、市民の犠牲は全て王の責任である。」
「我がプレデシャールに侵攻した軍は全滅した。」
「今から200数え終わったら離宮を破壊する。」
非情なカウントダウンの声が鳴り響いた。
「どうせ、こけおどしに決まってる、うろたえる必要は無い」
軍参謀長は自分に言い聞かせる様に言った。
陛下、離宮には王女やお后が居られます、至急退去を・・・
王はどう対応して良いか、おろおろとして決められずにいた。
「脅しに乗るなど、向こうの思うつぼだ。」
軍参謀長は強がりとも言える顔をしながら宰相にかみつくばかりに言う
「陛下!、脅しなら最初から王宮を破壊すると言うはずです。なにとぞ避難させて下さい。」
必死で王を説得する宰相だったが、王は相変わらずだ・・・
「しかしのう・・・」
「側にいたメイド長にお后らの避難を!、構わぬいけ!」
メイド長は走って離宮へ向かった。
王はそれを横目で見ながらもあえて止めはしなかった。
万が一の場合は、宰相にかぶせれば良いと思っていた。
また、空からの声が響いた。
「今から、離宮を破壊する。」
それまで王宮を周回していた飛竜が一斉にいなくなった。
飛行艇は高度を上げていく。
「陛下、飛竜がいなくなりました。船も上に上がって遠ざかっていきます。」
「ほら、見たでは無いか、所詮、でまかせよ、腹が据わっておらんから口車に乗る」
「わっ、ははは」
軍総司令はそう、言うと大きく笑った。
宰相の考えは違っていた。
(違う、恐らく攻撃に巻き込まれない様に飛竜は遠ざかったに過ぎない、これから来る、必ず攻撃が」
「陛下、避難を・・・」
そこまで言った時だった。
「どがーーーっん」
もの凄い音と供に、王宮は建っていられないほどに揺れた。
「申し上げます。」
兵が急いでやって来て礼を取る」
「構わん、早く話せ!」
「はっ、離宮が破壊されました。、完全破壊されて瓦礫となっております。」
「后、后達が無事か?」
「現在、安否を確認中です。・・・」
兵が話してる時にまた別の兵が来た。
「もうし・・」
「えぇぃ、構わん、早く話せ!」
「王都から無理矢理出て行かれました、ランサー公がプレデシャール軍の飛竜の攻撃により亡くなられました。」
「な、なんと・・・」
「遺体を確認したのか?」
「いえ、城壁からは出られませんので目視による確認だけですが、飛竜からの魔法とも何とも言えない不思議な攻撃で馬、馬車供にばらばらに破壊されております。」
「バカモン、ちゃんと確認してこい!」
「はっ!」
「申し上げます、飛竜に取り囲まれました。先程の船も下りてきているようです。」
飛行艇からの声が聞こえた。
「降伏する準備は出来たか?」
「残念ながら離宮は瓦礫となったが、これ全て王、貴様の責任だ。
降伏する意思があれば、王宮正面の庭に全員武装を解除して並べ、騎士団もだ・・・
我々はこれから昼食に入る、その間だけ待つとしよう。
食事が終わって降伏の意思が見られなければ王城を手始めに王都全体を全て瓦礫になるまで破壊する、その後、降伏しない領地は全て同様に破壊する。
「我々は、一般平民に危害を加えるのは出来るだけ避けたい、もし、降伏がなさらない場合でも、平民の手により王族の討伐が確認出来れば王都への攻撃は行わないと約束しよう。無論、その後の平民に対する徴収など、一切行わない。」
「王が降伏しない場合は、王と供に滅ぶか、生きる道を取るかは王都、都民の意思に掛かっている」
「では、また、後ほど・・・」
「詰んだな・・・この戦負けだ・・・」
宰相は王に聞こえるか聞こえないぐらいの声で呟いた・・・
「た、大変です、城の外に民衆が集まっています。」
「陛下、ご決断を・・・」
「騎士団、民衆を蹴散らせ!」
「陛下、それはなりません、例え民衆を殺しても結果は変わらないでしょう、敵は民衆ではないのですから・・・
民を虐殺した王として歴史に悪名を残す事になりましょう」
「参謀長、どうにかならんのか?、兵の数では圧倒的に上回って居ろう」
「相手が地上に降りてくれば、勝利は確実かと・・・何とか交渉して地上戦に持ち込めば・・」
「馬鹿な、負けると分かって下りてくる訳無かろう。」
「申し上げます、グランツ侯爵が城壁の外へ出られ、飛竜に乗せられ船に乗られた模様です。」
「グランツ殿は恐らく交渉に行かれたのだろう。」
「グランツめ勝手な事をしよって、儂は何の権限も与えておらんぞ」
「しかし、ここはグランツ殿に掛けた方が、少しでも良い条件を引き出して貰った方がいいと思いますが・・・」
「このままでは民衆に殺されるか敵に殺されるか、どっちにしても詰んでますぞ!!」
「クーーーッ、どうしてこうなった。」
「参謀長、どうにかしろ」
「・・・」
□ 飛行艇 プレサンライズ号船内
「私はグランツ・フラン・シュナーゼル侯爵です、お招きに預かり光栄です。」
「私は、ノブ・サキモリ・プレデシャールです。ようこそいらっしゃいました、歓迎いたします。」
「おお、行き成り首を刎ねられる事は無さそうだな。」
「ハハハ、ご冗談がお好きで・・・しませんってそんな野蛮な事、」
「こんな大きい船が空を飛ぶとは凄いですな!」
「ええぇっ、これは戦艦ですが、輸送に使えば何倍も効率は上がるでしょう、内陸に海の魚を新鮮なまま届ける事も可能です。」
「それはまさしく流通の革命になりますな。」
「ま、立ち話も何です、此方へどうぞ!!」
船内にある船長室へと案内した。
「所でどう、納めるおつもりですか?」
「どうも公もありませんよ、告知した通りです、この階段が終わって降伏が成されぬ場合は攻撃を開始します。」
「降伏の条件として公王は何処までお望みですかな?」
「そうですね、王族の全てと貴族の一部ですかな?」
「貴族の一部はもう、選定済みだと?」
「えぇ、そうです。ま、王なんてどうでも良いんですが、やっぱり責任は取って貰わないと」
「公王は国を残すおつもりはありますか?」
「ないですね、私にとってはこの国の政治は好ましく思っていませんので併合するつもりです。」
「コン、コン」
「どうした?、入って良いぞ」
「王城の門で民衆と小競り合いが起きてます、このままでは王城に民衆がなだれ込みます。」
王城の門では冒険者を中心に近衛兵、騎士団がこぞり合いになってけが人も出ていた。
王に降伏させろーっ、民を巻き込むつもりかーっ
自分で起こした責任ぐらい自分でとれーーーっ
王城に押しかけた民衆は王に罵声を浴びせていた・・・
「回線をこっち回してくれ!」
「ちょっと待って下さい。」
ノブは民衆に向かって通達した。
「私はプレデシャール公国、公王、ノブ・サキモリだ、現在、グランツ侯爵が都民の命および財産の嘆願のために除染され交渉中だ、都民よ交渉中に無駄な怪我はしない様に一旦、静かにして欲しい。」
「陛下は最悪の場合は王都民も含めて全滅するおつもりか?」
「まさか?、王城は当然しますけどね。」
「陛下、王の命だけで他は命の保証をして貰えないだろうか?」
「いいですよ?」
「ほ、本当ですか?」
「王族は3親等、斬首なんて思ってましたか?」
「はい、なのでわたしの首を差し出してせめて女子供だけでと考えて下りました。」
「ま、その後と扱いはどうするかは決めてませんけどね。殺しはしない事をお約束します。」
(そうかぁ、殺しはしないが、って事は奴隷として売られるって線が強いか?、当然、国が無くなれば貴族も無くなるか?、とすれば貴族も奴隷落ちの線が濃厚だな)
「貴族は奴隷落ちですか?」
「そうですね、一部の方にはそうなって貰うと思います。」
「ここでも一部なんですね。」
「えぇ、残りの方にはそのまま、領地をお願いしようと思ってます。まあ、断られれば奴隷に落ちて貰うしかありませんが・・・」
断って奴隷落ちを選ぶ領主などいまい
「分かりました、それで話をつけましょう」
「こんな時で無ければもっと、この船の事を見たいんですがそうも言っておられませんしね、最後に1度でもこの船に乗れて良かったです。」
侯爵は自分は王家に近い身、恐らく、鉱山奴隷辺りに落とされるだろうと覚悟していたが、妻子の事だけが気がかりだった。だからといってこの場で妻子の奴隷落ちだけは頼み込みたい気持ちを我慢して血が出るほど拳を握りしめていた。
そう遠くない将来、自分がこの同一艦の船長になるとは知るよしも無かった。
「グランツは飛竜により王城の庭まで送られてきた。」
「グランツ侯爵がいらっしゃいました。」
近衛兵が伝えてきた。
「すぐに通せ!」
「で、話はどうだった?」
皆が口をそろえてきいてきた。
「グランツ、貴様、誰の許しを得て勝手に交渉なんぞにいったのだ」
王は顔を真っ赤にして怒っている、王もバカではない、どう考えても自分が助かる道はないと思っていた。
「陛下、勝手に交渉に言って申し訳ありません、私としては一人でも多くの民を救いたかっただけです。」
その答えに、放心したかの様に、勝手にしよってとつぶやいて黙りこくった。
「向こうの要求は?」
宰相や他の詰めていた貴族達が問い詰める様に聞いてきた。.この時、通常は王城にいない貴族も王都にいる貴族は全て王城に詰めていた。
「向こうの要求は、国の併合、王族、貴族の3親等まで処刑でした。」
グランツは言われた事よりさらに大きな要求があったかの様にふっかけた、後の要求を通しやすくするためである事には他ならない。
「クソーーッ、やっぱりかぁ」
貴族は最悪のパターンとして覚悟は決めていた。
「グランツ殿、お主は交渉はしなかったのか、ただ、向こうの要求を聞いてきただけなのか?」
「いえ、交渉はしてきましたが、此方が飲むかどうかは陛下に決めて貰うしか有りません。」
「王は処刑、これはどうにもなりませんでした、降伏した王族、一部の貴族を除き、他の貴族はその命を家族を含めて保証すると、降伏しない貴族は親族及び関係者も含め処刑すると」
「オーーーッ!」っと何人かが声を上げたが、宰相がすぐに止めた・・・」
「馬鹿者、陛下の前である」
「よい、もう、よいわ・・・もう、こうなってしまったら誰も儂の命令なぞ聞かんじゃろ」
「陛下、そんな事は御座りません。」
「そうか、じゃ、お主が全軍を率いて奴を倒してこい」
「いや・・・それがしでは力不足かと?」
「ふんっ、そうじゃろ」
王は力抜けていたかの様に落ち込んだが・・・急に叫びだした。
「嫌だーっ、何故、わしだけ死なねばならんのじゃ、こうなったらもう道連れじゃ、全滅じゃ」
「儂は降伏なんぞせん、貴様らも降伏する事は許さん、これは国王命令だ」
騎士団長が出て行こうとする。
「貴様何処へ行く?」
「陛下、申し訳ない、団員を無駄死にさせる訳には行きません、騎士団は降伏させます。」
そう、言い残すと退出して行った。
騎士団長は王が皆に降伏を勧めて自分は残ると言うのなら自分も残るつもりでいた、最後ぐらい王としての威厳を保って欲しかった。情けない男に成り下がった時点で王への忠誠心は消えた。もう、王はどうでも良かった、それより団員や家族の命の方が大事だった。
残っていた貴族もぞろぞろと部屋を後にした・・・
朝霧のなか飛行艇は静かに高度を上げていった。肌寒さが残る早朝、サリーナは第一甲板(前方の甲板)に立っていた・・・
飛行時間はおよそ3時間を予定している
「第一竜飛隊は発着艦訓練を開始、第2竜飛隊は飛行待機所にて待機、」
「総員に次ぐ、これは訓練では無い、繰り返す、訓練では無い、実戦だ。総員、第1次警戒態勢を維持、我が領土へ進攻してくるチベスタン軍に我ららの力を思う存分に見せつけてやろう。
各員の奮闘を期待する。」
「おーーーっ!!」
艦内の各所から一斉に雄叫びが上がった。
□ 艦内、地上部隊
「我々は王都に着いてからが本番だ、各小隊ごとに目標の人物を捕獲せよ、対抗すれば殺せ!」
時間との闘いが勝敗を決すると覚悟しろ、貴様達は優秀だ。我がプレデシャール公国の力を思う存分にみせてやれ!!」
地上部隊の最高指揮官 レスカが檄を飛ばしていた。
飛行艇は爆弾の投下装置、および主砲の角度の改良により旋回中には地上への主砲の攻撃も可能な様に変更されていた。
□ チベスタン軍
野営していたチベスタン軍はその頃、野営地で朝食を取っている最中だった。
当初の野営視点と違って見晴らしの良い草原でのんびりと野営していた。
普段ならこういったミスは犯さないところだろうが、幾ら斥候を出しても敵軍は全くいないと言う現実に川が有り平地の広い草原で野営していた。
その時、一兵士が軍団を指揮する将軍のテントへ走り込んできた。
「何事だ・・・」
「将軍、何か船の様な者が飛んできてます。」
「バカモン、船が空を飛ぶ物か?」
そう言いつつ、兵士の指さす方向を見ると確かに船の様な物が飛んできている・・・
その影は次第に大きくなってきた。
軍団長は、長年の経験から危機を感じ取った。
「全軍、戦闘準備、バリスタ隊、前へ」
「なんだ、あれは?」
兵士は一斉に騒ぎ出し、早朝の唯でさえ慌ただしい時間帯に拍車を掛ける様に右往左往に慌てだした。
□■□■□ 飛行艇内
高度を1500mに維持。
爆弾は投下班の判断で透過せよ!!
竜飛隊、第1飛行隊から第6飛行隊まで発進
竜飛隊は爆弾投下後撃ち漏らしを掃討
飛行隊は1隊、8匹の飛竜から成り立っていた、。合計48匹の飛竜が飛び立った。
飛竜には2門の魔道機関砲が鞍に取り付けられていた。
「面舵30、敵軍団、左から爆撃を行う、爆弾投下班は準備用意
「取り舵120、敵隊列上空を通過する」
「爆弾投下開始!!」
敵軍団の上空に爆弾の雨が降り注ぐ・・・
「ドッガーーーーーン」
「ガガーーーーッン」
着弾と同時に爆破する爆弾により吹き飛ばされていく兵士達、地上は阿鼻叫喚の地獄絵図となっていた。
敵、上空を通り過ぎた後、運良く、爆発から逃れた者達には竜飛隊が発射する魔道機関砲の餌食となっていた。
竜飛隊が掃討した後には動いている物はいなかった。
飛行艇はチベスタン王都へと向かった。
サリーナは竜飛隊に着艦指示を出した。魔石燃料の充填、および待機、第7飛行隊から第12飛行隊は発艦準備に移れ
□ チベスタン王国 王城
陛下、先程知らせが入り、プレデシャール公国のリストニア平原を進軍中、未だプレデシャール軍との交戦は無しとの連絡が入りました。
「おう、そうか、やはりまだ、兵力は整ってはいなかったって事だな。、このまま、一気に制圧させろ」
「陛下、プレデシャール公国、最初の街、イリカの30km手間で進軍を止め、そこまでを我が領土として国境線を築くべきです。」
「何を言うか、この時を逃せばプレデシャールを潰す機会は無くなるぞ!」
王は今がプレデシャールを潰す絶好の機会、これを足がかりにランドドルフ、ローラルドと領土を広げていく野望を抱いていたのだった。
「潰すより、残して和平を望んだ方が得策と思いますが・・」
(そう、上手い事行けば良いのだが、各国の反応、何より公国の反応を見る限り乗せられている様な気がしてならない)
宰相は王とは反対に言い様のならない不安と恐怖にさいなまれていた。宰相は和平を提案するが王はこの機会に公国を滅ぼせると信じていたのだった。
「た、大変です。」
「陛下の前だぞ、無礼な!」
「よい、何事じゃ」
「兵士の乗った飛竜、多数と空に浮かぶ船がやって来ました。」
伝令の兵士は息をつきながらも緊急の事態を知らせに来た。
「すぐに兵を出せ!、騎士団は王宮の守りを固めろ」
騎士団長はすぐにその場を後にする。
「ど、どうなっておる?」
「恐らく100近い飛竜と大型の艦船が空に浮かんでおります、現在の所は攻撃はありません。」
その時だった。、空に浮かぶ船からと思える声が響いた。
「我々はプレデシャール軍だ、我が国への侵略に対する報復に来た。」
「ただ今を持って、王都からの出入りを禁止する、無視する物は容赦しない。」
「チベスタン王国の全面降伏を要求する」
「手初めとして王宮の隣にある離宮を破壊する、巻き込まれたくない物は200数得るうちに逃げ出す事を進める」。
「離宮破壊後、降伏しない場合は、王宮を破壊後、王都をすべて破壊する、市民の犠牲は全て王の責任である。」
「我がプレデシャールに侵攻した軍は全滅した。」
「今から200数え終わったら離宮を破壊する。」
非情なカウントダウンの声が鳴り響いた。
「どうせ、こけおどしに決まってる、うろたえる必要は無い」
軍参謀長は自分に言い聞かせる様に言った。
陛下、離宮には王女やお后が居られます、至急退去を・・・
王はどう対応して良いか、おろおろとして決められずにいた。
「脅しに乗るなど、向こうの思うつぼだ。」
軍参謀長は強がりとも言える顔をしながら宰相にかみつくばかりに言う
「陛下!、脅しなら最初から王宮を破壊すると言うはずです。なにとぞ避難させて下さい。」
必死で王を説得する宰相だったが、王は相変わらずだ・・・
「しかしのう・・・」
「側にいたメイド長にお后らの避難を!、構わぬいけ!」
メイド長は走って離宮へ向かった。
王はそれを横目で見ながらもあえて止めはしなかった。
万が一の場合は、宰相にかぶせれば良いと思っていた。
また、空からの声が響いた。
「今から、離宮を破壊する。」
それまで王宮を周回していた飛竜が一斉にいなくなった。
飛行艇は高度を上げていく。
「陛下、飛竜がいなくなりました。船も上に上がって遠ざかっていきます。」
「ほら、見たでは無いか、所詮、でまかせよ、腹が据わっておらんから口車に乗る」
「わっ、ははは」
軍総司令はそう、言うと大きく笑った。
宰相の考えは違っていた。
(違う、恐らく攻撃に巻き込まれない様に飛竜は遠ざかったに過ぎない、これから来る、必ず攻撃が」
「陛下、避難を・・・」
そこまで言った時だった。
「どがーーーっん」
もの凄い音と供に、王宮は建っていられないほどに揺れた。
「申し上げます。」
兵が急いでやって来て礼を取る」
「構わん、早く話せ!」
「はっ、離宮が破壊されました。、完全破壊されて瓦礫となっております。」
「后、后達が無事か?」
「現在、安否を確認中です。・・・」
兵が話してる時にまた別の兵が来た。
「もうし・・」
「えぇぃ、構わん、早く話せ!」
「王都から無理矢理出て行かれました、ランサー公がプレデシャール軍の飛竜の攻撃により亡くなられました。」
「な、なんと・・・」
「遺体を確認したのか?」
「いえ、城壁からは出られませんので目視による確認だけですが、飛竜からの魔法とも何とも言えない不思議な攻撃で馬、馬車供にばらばらに破壊されております。」
「バカモン、ちゃんと確認してこい!」
「はっ!」
「申し上げます、飛竜に取り囲まれました。先程の船も下りてきているようです。」
飛行艇からの声が聞こえた。
「降伏する準備は出来たか?」
「残念ながら離宮は瓦礫となったが、これ全て王、貴様の責任だ。
降伏する意思があれば、王宮正面の庭に全員武装を解除して並べ、騎士団もだ・・・
我々はこれから昼食に入る、その間だけ待つとしよう。
食事が終わって降伏の意思が見られなければ王城を手始めに王都全体を全て瓦礫になるまで破壊する、その後、降伏しない領地は全て同様に破壊する。
「我々は、一般平民に危害を加えるのは出来るだけ避けたい、もし、降伏がなさらない場合でも、平民の手により王族の討伐が確認出来れば王都への攻撃は行わないと約束しよう。無論、その後の平民に対する徴収など、一切行わない。」
「王が降伏しない場合は、王と供に滅ぶか、生きる道を取るかは王都、都民の意思に掛かっている」
「では、また、後ほど・・・」
「詰んだな・・・この戦負けだ・・・」
宰相は王に聞こえるか聞こえないぐらいの声で呟いた・・・
「た、大変です、城の外に民衆が集まっています。」
「陛下、ご決断を・・・」
「騎士団、民衆を蹴散らせ!」
「陛下、それはなりません、例え民衆を殺しても結果は変わらないでしょう、敵は民衆ではないのですから・・・
民を虐殺した王として歴史に悪名を残す事になりましょう」
「参謀長、どうにかならんのか?、兵の数では圧倒的に上回って居ろう」
「相手が地上に降りてくれば、勝利は確実かと・・・何とか交渉して地上戦に持ち込めば・・」
「馬鹿な、負けると分かって下りてくる訳無かろう。」
「申し上げます、グランツ侯爵が城壁の外へ出られ、飛竜に乗せられ船に乗られた模様です。」
「グランツ殿は恐らく交渉に行かれたのだろう。」
「グランツめ勝手な事をしよって、儂は何の権限も与えておらんぞ」
「しかし、ここはグランツ殿に掛けた方が、少しでも良い条件を引き出して貰った方がいいと思いますが・・・」
「このままでは民衆に殺されるか敵に殺されるか、どっちにしても詰んでますぞ!!」
「クーーーッ、どうしてこうなった。」
「参謀長、どうにかしろ」
「・・・」
□ 飛行艇 プレサンライズ号船内
「私はグランツ・フラン・シュナーゼル侯爵です、お招きに預かり光栄です。」
「私は、ノブ・サキモリ・プレデシャールです。ようこそいらっしゃいました、歓迎いたします。」
「おお、行き成り首を刎ねられる事は無さそうだな。」
「ハハハ、ご冗談がお好きで・・・しませんってそんな野蛮な事、」
「こんな大きい船が空を飛ぶとは凄いですな!」
「ええぇっ、これは戦艦ですが、輸送に使えば何倍も効率は上がるでしょう、内陸に海の魚を新鮮なまま届ける事も可能です。」
「それはまさしく流通の革命になりますな。」
「ま、立ち話も何です、此方へどうぞ!!」
船内にある船長室へと案内した。
「所でどう、納めるおつもりですか?」
「どうも公もありませんよ、告知した通りです、この階段が終わって降伏が成されぬ場合は攻撃を開始します。」
「降伏の条件として公王は何処までお望みですかな?」
「そうですね、王族の全てと貴族の一部ですかな?」
「貴族の一部はもう、選定済みだと?」
「えぇ、そうです。ま、王なんてどうでも良いんですが、やっぱり責任は取って貰わないと」
「公王は国を残すおつもりはありますか?」
「ないですね、私にとってはこの国の政治は好ましく思っていませんので併合するつもりです。」
「コン、コン」
「どうした?、入って良いぞ」
「王城の門で民衆と小競り合いが起きてます、このままでは王城に民衆がなだれ込みます。」
王城の門では冒険者を中心に近衛兵、騎士団がこぞり合いになってけが人も出ていた。
王に降伏させろーっ、民を巻き込むつもりかーっ
自分で起こした責任ぐらい自分でとれーーーっ
王城に押しかけた民衆は王に罵声を浴びせていた・・・
「回線をこっち回してくれ!」
「ちょっと待って下さい。」
ノブは民衆に向かって通達した。
「私はプレデシャール公国、公王、ノブ・サキモリだ、現在、グランツ侯爵が都民の命および財産の嘆願のために除染され交渉中だ、都民よ交渉中に無駄な怪我はしない様に一旦、静かにして欲しい。」
「陛下は最悪の場合は王都民も含めて全滅するおつもりか?」
「まさか?、王城は当然しますけどね。」
「陛下、王の命だけで他は命の保証をして貰えないだろうか?」
「いいですよ?」
「ほ、本当ですか?」
「王族は3親等、斬首なんて思ってましたか?」
「はい、なのでわたしの首を差し出してせめて女子供だけでと考えて下りました。」
「ま、その後と扱いはどうするかは決めてませんけどね。殺しはしない事をお約束します。」
(そうかぁ、殺しはしないが、って事は奴隷として売られるって線が強いか?、当然、国が無くなれば貴族も無くなるか?、とすれば貴族も奴隷落ちの線が濃厚だな)
「貴族は奴隷落ちですか?」
「そうですね、一部の方にはそうなって貰うと思います。」
「ここでも一部なんですね。」
「えぇ、残りの方にはそのまま、領地をお願いしようと思ってます。まあ、断られれば奴隷に落ちて貰うしかありませんが・・・」
断って奴隷落ちを選ぶ領主などいまい
「分かりました、それで話をつけましょう」
「こんな時で無ければもっと、この船の事を見たいんですがそうも言っておられませんしね、最後に1度でもこの船に乗れて良かったです。」
侯爵は自分は王家に近い身、恐らく、鉱山奴隷辺りに落とされるだろうと覚悟していたが、妻子の事だけが気がかりだった。だからといってこの場で妻子の奴隷落ちだけは頼み込みたい気持ちを我慢して血が出るほど拳を握りしめていた。
そう遠くない将来、自分がこの同一艦の船長になるとは知るよしも無かった。
「グランツは飛竜により王城の庭まで送られてきた。」
「グランツ侯爵がいらっしゃいました。」
近衛兵が伝えてきた。
「すぐに通せ!」
「で、話はどうだった?」
皆が口をそろえてきいてきた。
「グランツ、貴様、誰の許しを得て勝手に交渉なんぞにいったのだ」
王は顔を真っ赤にして怒っている、王もバカではない、どう考えても自分が助かる道はないと思っていた。
「陛下、勝手に交渉に言って申し訳ありません、私としては一人でも多くの民を救いたかっただけです。」
その答えに、放心したかの様に、勝手にしよってとつぶやいて黙りこくった。
「向こうの要求は?」
宰相や他の詰めていた貴族達が問い詰める様に聞いてきた。.この時、通常は王城にいない貴族も王都にいる貴族は全て王城に詰めていた。
「向こうの要求は、国の併合、王族、貴族の3親等まで処刑でした。」
グランツは言われた事よりさらに大きな要求があったかの様にふっかけた、後の要求を通しやすくするためである事には他ならない。
「クソーーッ、やっぱりかぁ」
貴族は最悪のパターンとして覚悟は決めていた。
「グランツ殿、お主は交渉はしなかったのか、ただ、向こうの要求を聞いてきただけなのか?」
「いえ、交渉はしてきましたが、此方が飲むかどうかは陛下に決めて貰うしか有りません。」
「王は処刑、これはどうにもなりませんでした、降伏した王族、一部の貴族を除き、他の貴族はその命を家族を含めて保証すると、降伏しない貴族は親族及び関係者も含め処刑すると」
「オーーーッ!」っと何人かが声を上げたが、宰相がすぐに止めた・・・」
「馬鹿者、陛下の前である」
「よい、もう、よいわ・・・もう、こうなってしまったら誰も儂の命令なぞ聞かんじゃろ」
「陛下、そんな事は御座りません。」
「そうか、じゃ、お主が全軍を率いて奴を倒してこい」
「いや・・・それがしでは力不足かと?」
「ふんっ、そうじゃろ」
王は力抜けていたかの様に落ち込んだが・・・急に叫びだした。
「嫌だーっ、何故、わしだけ死なねばならんのじゃ、こうなったらもう道連れじゃ、全滅じゃ」
「儂は降伏なんぞせん、貴様らも降伏する事は許さん、これは国王命令だ」
騎士団長が出て行こうとする。
「貴様何処へ行く?」
「陛下、申し訳ない、団員を無駄死にさせる訳には行きません、騎士団は降伏させます。」
そう、言い残すと退出して行った。
騎士団長は王が皆に降伏を勧めて自分は残ると言うのなら自分も残るつもりでいた、最後ぐらい王としての威厳を保って欲しかった。情けない男に成り下がった時点で王への忠誠心は消えた。もう、王はどうでも良かった、それより団員や家族の命の方が大事だった。
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