灰色の冒険者

水室二人

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第9章 始まり

建国 その1

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当面の課題、賢者の国の事と、機神の対策のための会議を行いました。

 その結果、メトロ・ギアの存在を、独立国と認めさせる方針になりました。

 この世界で、国を作ると言うのは、実はそれほどハードルが高くないみたいです。

 と言うのは、ギルドの承諾を得られれば、たいていの事は認証されるみたいです。

 現時点で、ギルドの支配者は私です。

 その力を使えば、賢者の国を滅ぼす事も可能ですが、今はその時ではありません。

 世界の状況を、色々と考えると、うかつな事ができなくなりました。

 この世界、色々と危険なバランスで成り立っています。

 微妙すぎて、何処かが崩れると暴発して文明の崩壊の危機に繋がる可能性もあります。

 この辺のバランスを調整するためにも、建国と言う手を撃つ事にしました。

 こちらは動けば、周りも動く。色々と、大変ですが実行します。




 国を作るのに、何が必要か?

 土地はあります。未開の地を、虹色小隊を中心に、ひたすら開発したので、広大な農地を手に入れました。

 食料に関しては、開発した農地で作物を栽培しています。

 地球の植物を、銀河帝国で販売していたので、購入しています。あの国には、日本から取り寄せができる人材がいるみたいです。

 こちらに欲しい人材ですが、無理は出来ないので何処にいるのかということを、現在調査中。

 あの国、色々と危険を含んでいるので、保険をかけておく必要があります。




 その人物を含めて、人材に関しては、圧倒的に不足しています。

 アニマルロイドと言う、ロボットは増加しましたが、人間は増えていません。

 難民の受け入れを提案しましたが、久我さんに反対されました。

 難民ではなく、建国を宣言した後、正式に受け入れるべきと言う事です。

 彼女の世界を見る目は、色々と進化しているので、建国に関しての意見は、助かっています。

 現状、メトロ・ギアの側には難民キャンプが存在しています。

 どの国にも属さない人たちが集まっていると言う名目ですが、ほとんどがスパイ関係です、

 スカウトしたい人材は、今の所見当たらないので、今まで放置していました。

 将来的に、人を増やすなら、家族を増やし、子供を作る必要もあるでしょう。

 ただ、現状裏技的に、猫人を増やす手段があります。人道と言う事を排除すれば、可能な悪魔的行為です。

 その実験的を、建国の日までに行う予定です。




 次に必要なのは、戦力でしょう。

 正直、今ある戦力だけで、アトランティスに存在する国家を征服する事は可能かもしれません。

 ただ、異世界人の中に、危険な能力者があり可能性があります。ギルドのデータバンクは、一部召喚者のデータがありません。

 聖王国との交渉が、今後一番の問題になりそうです。

 なので、対外的に見栄えのある、象徴を作る事にしました。

 この、メトロ・ギアは移動要塞です。変形して移動する事が可能です。

 ただ、生活の場所として利用していたので、戦闘用にするには、色々と面倒になってしまいました。

 実際、作って思いました。船として、水平に移動するならそれほど問題はありません。

 しかし、これは最終的に人型に変形します。そうなると、上下の動きが激しく、物が散乱してしまいます。

 魔法で、固定すると言う事も考えました。実際、ある程度固定する事に成功しましたが、そうすると固定中に物が使えないと言うデメリットが生まれました。

 メトロ・ギアは、組織の名前となる象徴ですが、それとは別に、旗印となる凶悪なものを作る事にしたのです。




「それが、これかにゃ?」

「はい」

 作り上げたそれを見上げて、私は笑顔でうなづきます。

「こういうのを、実際に見ると、やっぱり凄いと思います」

「敵にしたいとは、思えません」

 協力してくれた、北川君と、ライトも完成したそれを見上げています。

「色は赤じゃなくていいのですか?」

「赤じゃなくても、色々と問題ありますからね。中の機体にあわせて、白をメインに変えてあります」

 元々、アニメ好き、ロボット好きな私です。

 色々なメカを作りたいと思っています。自分が乗りたいと思うロボは数多く、いまだそのほとんどを作れていません。

 今回は、旗印となる機体という目的の元、巨大なメカを作りました。その上で、自分の趣味を混ぜ合わせ、粉の巨大な兵器が完成しました。

「ミラージュと言う銘を付けました」

 目の前には、巨大な白い機体。原作では真っ赤な機体です。足は飾りと言われたロボットの、最終進化系。その中心には、別の機体があるべきなのですが、個人的に人型兵器で一番好きなものを搭乗させました。

 こっちは白い機体で、機体の銘になったのはそちらから。単行本読んでいると急に設定が変わって混乱した事もあります。最初は、違和感ありましたが、最近は少しなれましたが、最初の方のデザインが大好きなので、作ったのはそちらです。




 研究所の能力ですと、最初は外見しか再現できませんでした。

 人型ロボットの作りたくても、色々とハードルが高すぎました。

 その後、機神を解析した事で、課題がかなりクリアできました。

 擬似的な、人型ロボットの政策は、可能になりました。

 外見のバリエーションは増えましたが、これじゃないと言う感じは今でもあります。

 動力を名前にしたロボだと、外見を似せても、違う気がするので採用していません。

 男性陣で、色々と工夫を重ねて現在も研究中です。

 この星の、高度な文明の遺産を研究した結果、色々と劇的に改良されました。

 腕の稼動一つにしても、嘘みたいな技術が詰め込まれ、殴っても壊れない腕が完成て日輪さんの完成へと繋がりました。

 魔法陣で強化するだけでなく、色々な工夫がしてあります。

 高度な侍従を、後から吸収しているだけで申し訳ないですが、これにより、色々と進化しています。

 その一つの集大成が、このミラージュです。

 色が変わっていますが、外見はオリジナルに似ています。各所に魔導砲が組み込まれ、長距離砲撃戦に向いています。

 背中のサブアームも健在です。足はありませんが、大気圏内でも普通に浮く事が可能です。

 プラズマエンジンを複数内蔵していて、戦闘継続時間は長いです。

 巨体ゆえに、小回りが利きませんが、接近戦になると、内蔵しているミラージュ・コアが分離します。

 こちらも、単体でかなりの戦闘力を持つメカです。

 原作のような、恐ろしいスペックは無いですが、小型のプラズマエンジンを両足に設置してあり、高い戦闘力をマークしています。




 メトロ・ギアの横に、ミラージュを設置します。外に野ざらしのように見えますが、周辺を特殊な結界で覆ってあるので、ほこりまみれになる事はありません。

 今まで、研究所に収納していたにゃう攻撃空母も、外に展開します。

 周りから見れば、これだけで相当な脅威になるはずです。




 次に、必要なのは法律です。

 色々なルールや、税制度、犯罪者の処罰など、これをしっかりしておかないと後で困ります。

 ただ、私にこれを作るだけの頭脳は無く、ここのメンバーも、無理でした。

 悩んだ結果、元ギルドの職員で、管理者だったルドガー達に草案をお願いしました。

 細かい法律は、その都度決めると言う事で、今は最低限のルールをつくり、運営する事になります。




 色々な準備に追われましたが、大まかな形が出来てきました。

 ちなみに国は、民主主義国家ではなく、独裁国家です。私が、国王となり、独裁政治をすると言う名目になっています。

 実際は、初期のメンバーで運営します。勢力拡大、世界制覇を目的に質しているわけではないので、これでいいのです。

 とりあえず、国と言う形式が出来れば、他の組織と交渉しやすくなります。

 だから、最後に難しい問題があります。

 他の国と交渉して、独立を認めさせなければなりません。

 ギルドのシステムだけでは、認めない勢力があるかもしれません。

 危険と言われましたが、ここは私が行くしかありません。

「なんで、私がいかねばならんのじゃ?」

「一応、姫様ですよね?」

「われは、穢れたのじゃ。もう姫ではないのじゃ!」

「変な事を、言わないでください・・・」

 誰が、この子にこんな言い方を教えたのでしょうか?

 これでも、一応聖王国の姫様みたいなので、私はシーリアを連れて、今まで後回しにしていた聖王国へと向かうのでした。







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