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第11章 プロジェクト
第18話 嘘から捻り出た真③
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覚悟を決めた俺は料理に没頭した。
と言っても、タクト棒ぐらいの短杖を指揮者のように振ってるだけ。
実際に料理してくれてるのは衛星だ。初めはそれなりに見えるように振っていた短杖も、途中からは適当に振ってるだけだったし、最後には椅子に座って短杖を持ってるだけだったよ。だって、俺の事なんて誰も見てないんだから。
それでも料理は仕上がっていく。
こういう時は衛星が誰からも見えない存在なのは有り難いね。
ようやく食事が落ち着いて来た頃、ようやくメインイベントとなった。
三度、マリオネット若ボンが登場し、主役の登場を発表した。
「お集まりの皆さん! 自慢の料理は楽しんで頂けたでしょうか。いよいよお待ちかね、今回の主役の登場です! 今回の追い込み作戦では彼らが魔物を全て倒してくれました。そして彼らは倒した魔物を糧に進化したのです。その進化した勇姿をご覧ください。さぁ、ベイビーズの登場です!」
若ボン―――黒子の部下さん―――の合図で登場して来るベイビーズ。
もうベイビーズとは言えないほど進化して大きくなった蜘蛛の魔物だ。体高一メートルほどの化石蜘蛛が総勢五八体。はっきり言って怖い。
統制の取れた動きで綺麗に整列をすると、一斉に全員が俺の方に向きピタッと止まって動かなくなった。
これって誰が教えたんだろうね。一度も練習風景を見てないんだけど。
五八体の化石蜘蛛の登場でエルフ達から悲鳴が上がった。
確かにエルフには初お目見えだ。怖い気持ちも分かる。俺だって怖いもん。
しかし、逆に砦兵やボランティアの人達からは歓声が上がった。
「おお! 進化したのか! やっぱりお前達がやってくれたんだな!」
「俺の相棒はどいつだ!? 進化しちまって分かんなくなっちまったぜ!」
「凄い! これは強そうだ。一体いれば砦を守れるんじゃないか?」
「任せたぜー! これからも守ってくれよー!」
「頼んだわよー!」
「ベイビーズー! 最高ー!」
「強そう! 頼りにしてるわよー!」
砦で一緒にいる砦兵は進化したその姿に頼もしさを覚え、声を張り上げて声援した。ボランティアの人達も、町に放っている小さなベイビーズで慣れているのか、砦兵と一緒になって声援をあげていた。
そんな人族達の声で安心したのか、エルフ側からも話し声が聞こえて来た。
「あれが人族の味方なのか」
「とんでもない戦闘力を手に入れたのだな」
「あれが森を暴れる恐れは無いのか」
「食われないだろうか」
エルフから聞こえてくるのは心配事ばかり。それも尤もな意見だ。
「さぁ、エルフの皆様! この蜘蛛の魔物、我等はベイビーズと親しみを込めてそう呼んでいるのですが、彼らは私達人族のパートナーなのです。これからはエルフ族とも友好な関係を結ぶためにも、彼らとコミュニケーションを取っては如何でしょうか。今からの時間はコミュニケーションタイムとしまして、彼らと楽しみましょう。ちょうど彼らもお腹を空かせているようです。まだ余ってる料理を彼らに与えて親交を深めては如何でしょうか」
いいタイミングで部下さん黒子がアナウンスを入れた。
それでもエルフ達は半信半疑で動く気配が無かったが、それならと砦兵やボランティアさん達が率先してベイビーズに料理を分け与え始めた。
その姿を見て、エルフ達も徐々に行動を始めた。
初めはおっかなびっくりだったエルフ達も徐々に慣れだして、積極的にベイビーズに料理を与えていた。酒を与えている者まで出る始末だ。
魔物を酔わせて大丈夫か? と思ったけど、特に問題は無さそうだった。
そして誰かが言った。
「さすがにこいつらをベイビーとは呼べねぇよな」
「たしかにそうだな」
「だったら何て呼ぶんだよ」
「ベイビーズは赤ちゃんなんだから、その上か?」
「チルドレン?」
「おお! それでいいんじゃないか?」
「チルドレン! いいじゃんいいじゃん!」
「おお! チルドレン! これからも頼むぜー!」
チルドレン、チルドレンと大合唱が沸き起こった。
チルドレン…ね。確かにモックンの子供達だから間違いじゃないんだけど、チルドレンって可愛い名前は似合わないと思うよ。ま、ベイビーズもそうだったんだけどね。
チルドレンと聞いて、誰も蜘蛛の子だとは想像しないと思うよ。
大量に用意した料理も酒も無くなり、最後に調査報告がちょうど来たという部下さん黒子のアナウンスでようやくお開きとなった。
調査内容は花子さんの作った畑の収穫物の種類と量が、感謝の言葉と共にこの場で発表された。
その知らせに砦兵もエルフもボランティアさん達も、皆が入り混じって喜びを分かち合った。
しかし、別に余らせる必要は無いけど、よく食ったなぁ。まったく残らなかったよ。
ボランティアさん達が、今日の調理器具や皿を洗ってくれているので、俺も手伝おうとしたんだけど、全員から拒否された。俺は手伝ってはいけない立場の人なんだそうだ。
それなら俺に料理を作らせるなって思うんだけど、それは別らしい。
最後に、エルフ達が俺の所に押し寄せて来て、マヨネーズの製造法を教えてくれと囲まれてしまった。
みんなマヨネーズが好きだよねぇ。あと、ケーキだけど、こちらではまだ出してない。
そんな余裕が無かったもそうだけど、【星菓子】みたいに信用して任せられる仲間がいないのが一番の理由だ。
また奴隷を買う? いやいや、もう辞めておこうね。元々奴隷なんて買う予定も無かったのに、優柔不断なために奴隷を買う羽目になって、苦肉の策でケーキ屋をやっただけだから。
それに俺が持たないよ。十何人の女性とって……なに? 男にすればいいって? そうだね、そうだね、そうですよね。今のところ、奴隷購入の予定はありません。
マヨネーズの件は、後日エルフの中央都市に行って教えると発表したら何とか収まった。
人間側からは、ソーセージと唐揚げが高評価で、こちらは手伝ってくれていたボランティアさん達から作ってもいいかと聞かれたので、許可しておいた。今度、ハンバーグも教える予定だ。
なんとか無事にイベントも終了し、最後に五つの各砦の長とコーポラルさん達が残り、今後についての相談をしていた。
「では最北の砦長さんは何体ですか?」
「そうですね、うちはレッテ山も近く、エルフが言うところの危険地帯も近いですから十体は欲しいですね」
「うちも、その隣ですから十体とまでは言いませんが、八体は欲しいですね」
各砦の長との居残り会議は、チルドレンを何体常駐させるかの会議だった。
「我が砦は中央の要となる砦である。今回も最終防衛ラインとして役立った実績もあり、北砦と同じく十体を所望する」
「あなた達、分かって言ってますか? 十体も常駐させるチルドレンの食料確保はできるのですか?」
「「「……」」」
コーポラルさんの質問に口ごもる各砦長。
ここではコーポラルさんって立ち位置が上なんだね。そりゃそうか、上の立場の人もコーポラルさんの事を知らなかったら自由に動けないもんね。
コーポラルさんの正体は一般兵までは知らされてないんだろうな。そういう役割なんだから当然か。
「ベイビーズもチルドレンも砦を守護するために常駐してくれます。しかし我ら人族もそんな彼らに対して無償の要求をするのは憚られます。彼らとは上手く共存していかなければ、いつかどこかで彼らとの関係が破綻するでしょう。そのために、最低限チルドレンの食料はこちらで用意してでも誠意を見せなければ彼らの協力に対して余りにも不誠実すぎるでしょう。将来、彼らとの関係がより良いものであるために考えて意見を述べて下さい」
おお、さすがはコーポラルさんだ、いい事言うじゃん。でも、チルドレンってそんなに食う奴らだったっけ?
確かに今日はたくさん食ったみたいだけど、元々化石蜘蛛だった頃のモックンは土でも岩でも食ってたんだよ? そこまで気を使う必要はないと思うんだけど。
「では、うちは六体にしておきますかな」
「そうですな、うちも端ではありませんし、六体が適当でしょうな」
北から二番目と四番目の長が六体に減らすと決めたようだ。
「それなら最北のうちは十五体にして頂きましょう」
最北の長が増やすと言い放った。
「その心は?」
「五体でローテーションを組みます。五体を砦に常駐させ、五体を休ませます。残りの五体と砦兵を組ませ、魔物を狩りに行かせます。砦兵だけで狩りに行かせるより成果を上げるでしょう」
「なるほど、素晴らしいお考えです。最北は十五体、北二砦は六体、南二砦も六体ですね。中央と最南はどうしますか?」
コーポラルさんの問い掛けに見事答えて見せた最北砦の長。六体の要望は通ったようだ。
結果、北から十五、六、十六、六、十五の計五八体のチルドレンの配置が決まった。中央砦の長が一番多く持つ事に拘った結果だった。
その代わり、狩りに多めのチルドレンを使い、魔物肉を町へと卸す条件を飲ませるコーポラルさんだった。
数を多くして中央砦の長の立場を立てつつ、ただでは起きないところは『上手いな』と感心してしまった。
「さて、お待たせしました。今の会議結果通り、配置をお願いできますでしょうか」
そうなんだ。名目上、俺の従魔となってるので、俺が命令を下さなければならないので、会議が終わるのを待たされてたのだ。
たしかに俺の言う事も聞いてくれるけど、たぶんコーポラルさんの命令でも聞いてくれるよ。
そうは言っても町で大々的に俺の従魔だと発表しちゃってるからね。命令したフリだけでもしておかないといけないんだって。
砦長達の前で、チルドレンに行き先と、行った先で言う事を聞くように命令してようやく解散となった。
あー疲れた。これで自分の後始末がようやく終わったよ。もう魔物が出るイベントには絶対参加しないぞ!
あっ! 明日はエルフにマヨネーズ講習だった! まだ終わってなかったよ。
と言っても、タクト棒ぐらいの短杖を指揮者のように振ってるだけ。
実際に料理してくれてるのは衛星だ。初めはそれなりに見えるように振っていた短杖も、途中からは適当に振ってるだけだったし、最後には椅子に座って短杖を持ってるだけだったよ。だって、俺の事なんて誰も見てないんだから。
それでも料理は仕上がっていく。
こういう時は衛星が誰からも見えない存在なのは有り難いね。
ようやく食事が落ち着いて来た頃、ようやくメインイベントとなった。
三度、マリオネット若ボンが登場し、主役の登場を発表した。
「お集まりの皆さん! 自慢の料理は楽しんで頂けたでしょうか。いよいよお待ちかね、今回の主役の登場です! 今回の追い込み作戦では彼らが魔物を全て倒してくれました。そして彼らは倒した魔物を糧に進化したのです。その進化した勇姿をご覧ください。さぁ、ベイビーズの登場です!」
若ボン―――黒子の部下さん―――の合図で登場して来るベイビーズ。
もうベイビーズとは言えないほど進化して大きくなった蜘蛛の魔物だ。体高一メートルほどの化石蜘蛛が総勢五八体。はっきり言って怖い。
統制の取れた動きで綺麗に整列をすると、一斉に全員が俺の方に向きピタッと止まって動かなくなった。
これって誰が教えたんだろうね。一度も練習風景を見てないんだけど。
五八体の化石蜘蛛の登場でエルフ達から悲鳴が上がった。
確かにエルフには初お目見えだ。怖い気持ちも分かる。俺だって怖いもん。
しかし、逆に砦兵やボランティアの人達からは歓声が上がった。
「おお! 進化したのか! やっぱりお前達がやってくれたんだな!」
「俺の相棒はどいつだ!? 進化しちまって分かんなくなっちまったぜ!」
「凄い! これは強そうだ。一体いれば砦を守れるんじゃないか?」
「任せたぜー! これからも守ってくれよー!」
「頼んだわよー!」
「ベイビーズー! 最高ー!」
「強そう! 頼りにしてるわよー!」
砦で一緒にいる砦兵は進化したその姿に頼もしさを覚え、声を張り上げて声援した。ボランティアの人達も、町に放っている小さなベイビーズで慣れているのか、砦兵と一緒になって声援をあげていた。
そんな人族達の声で安心したのか、エルフ側からも話し声が聞こえて来た。
「あれが人族の味方なのか」
「とんでもない戦闘力を手に入れたのだな」
「あれが森を暴れる恐れは無いのか」
「食われないだろうか」
エルフから聞こえてくるのは心配事ばかり。それも尤もな意見だ。
「さぁ、エルフの皆様! この蜘蛛の魔物、我等はベイビーズと親しみを込めてそう呼んでいるのですが、彼らは私達人族のパートナーなのです。これからはエルフ族とも友好な関係を結ぶためにも、彼らとコミュニケーションを取っては如何でしょうか。今からの時間はコミュニケーションタイムとしまして、彼らと楽しみましょう。ちょうど彼らもお腹を空かせているようです。まだ余ってる料理を彼らに与えて親交を深めては如何でしょうか」
いいタイミングで部下さん黒子がアナウンスを入れた。
それでもエルフ達は半信半疑で動く気配が無かったが、それならと砦兵やボランティアさん達が率先してベイビーズに料理を分け与え始めた。
その姿を見て、エルフ達も徐々に行動を始めた。
初めはおっかなびっくりだったエルフ達も徐々に慣れだして、積極的にベイビーズに料理を与えていた。酒を与えている者まで出る始末だ。
魔物を酔わせて大丈夫か? と思ったけど、特に問題は無さそうだった。
そして誰かが言った。
「さすがにこいつらをベイビーとは呼べねぇよな」
「たしかにそうだな」
「だったら何て呼ぶんだよ」
「ベイビーズは赤ちゃんなんだから、その上か?」
「チルドレン?」
「おお! それでいいんじゃないか?」
「チルドレン! いいじゃんいいじゃん!」
「おお! チルドレン! これからも頼むぜー!」
チルドレン、チルドレンと大合唱が沸き起こった。
チルドレン…ね。確かにモックンの子供達だから間違いじゃないんだけど、チルドレンって可愛い名前は似合わないと思うよ。ま、ベイビーズもそうだったんだけどね。
チルドレンと聞いて、誰も蜘蛛の子だとは想像しないと思うよ。
大量に用意した料理も酒も無くなり、最後に調査報告がちょうど来たという部下さん黒子のアナウンスでようやくお開きとなった。
調査内容は花子さんの作った畑の収穫物の種類と量が、感謝の言葉と共にこの場で発表された。
その知らせに砦兵もエルフもボランティアさん達も、皆が入り混じって喜びを分かち合った。
しかし、別に余らせる必要は無いけど、よく食ったなぁ。まったく残らなかったよ。
ボランティアさん達が、今日の調理器具や皿を洗ってくれているので、俺も手伝おうとしたんだけど、全員から拒否された。俺は手伝ってはいけない立場の人なんだそうだ。
それなら俺に料理を作らせるなって思うんだけど、それは別らしい。
最後に、エルフ達が俺の所に押し寄せて来て、マヨネーズの製造法を教えてくれと囲まれてしまった。
みんなマヨネーズが好きだよねぇ。あと、ケーキだけど、こちらではまだ出してない。
そんな余裕が無かったもそうだけど、【星菓子】みたいに信用して任せられる仲間がいないのが一番の理由だ。
また奴隷を買う? いやいや、もう辞めておこうね。元々奴隷なんて買う予定も無かったのに、優柔不断なために奴隷を買う羽目になって、苦肉の策でケーキ屋をやっただけだから。
それに俺が持たないよ。十何人の女性とって……なに? 男にすればいいって? そうだね、そうだね、そうですよね。今のところ、奴隷購入の予定はありません。
マヨネーズの件は、後日エルフの中央都市に行って教えると発表したら何とか収まった。
人間側からは、ソーセージと唐揚げが高評価で、こちらは手伝ってくれていたボランティアさん達から作ってもいいかと聞かれたので、許可しておいた。今度、ハンバーグも教える予定だ。
なんとか無事にイベントも終了し、最後に五つの各砦の長とコーポラルさん達が残り、今後についての相談をしていた。
「では最北の砦長さんは何体ですか?」
「そうですね、うちはレッテ山も近く、エルフが言うところの危険地帯も近いですから十体は欲しいですね」
「うちも、その隣ですから十体とまでは言いませんが、八体は欲しいですね」
各砦の長との居残り会議は、チルドレンを何体常駐させるかの会議だった。
「我が砦は中央の要となる砦である。今回も最終防衛ラインとして役立った実績もあり、北砦と同じく十体を所望する」
「あなた達、分かって言ってますか? 十体も常駐させるチルドレンの食料確保はできるのですか?」
「「「……」」」
コーポラルさんの質問に口ごもる各砦長。
ここではコーポラルさんって立ち位置が上なんだね。そりゃそうか、上の立場の人もコーポラルさんの事を知らなかったら自由に動けないもんね。
コーポラルさんの正体は一般兵までは知らされてないんだろうな。そういう役割なんだから当然か。
「ベイビーズもチルドレンも砦を守護するために常駐してくれます。しかし我ら人族もそんな彼らに対して無償の要求をするのは憚られます。彼らとは上手く共存していかなければ、いつかどこかで彼らとの関係が破綻するでしょう。そのために、最低限チルドレンの食料はこちらで用意してでも誠意を見せなければ彼らの協力に対して余りにも不誠実すぎるでしょう。将来、彼らとの関係がより良いものであるために考えて意見を述べて下さい」
おお、さすがはコーポラルさんだ、いい事言うじゃん。でも、チルドレンってそんなに食う奴らだったっけ?
確かに今日はたくさん食ったみたいだけど、元々化石蜘蛛だった頃のモックンは土でも岩でも食ってたんだよ? そこまで気を使う必要はないと思うんだけど。
「では、うちは六体にしておきますかな」
「そうですな、うちも端ではありませんし、六体が適当でしょうな」
北から二番目と四番目の長が六体に減らすと決めたようだ。
「それなら最北のうちは十五体にして頂きましょう」
最北の長が増やすと言い放った。
「その心は?」
「五体でローテーションを組みます。五体を砦に常駐させ、五体を休ませます。残りの五体と砦兵を組ませ、魔物を狩りに行かせます。砦兵だけで狩りに行かせるより成果を上げるでしょう」
「なるほど、素晴らしいお考えです。最北は十五体、北二砦は六体、南二砦も六体ですね。中央と最南はどうしますか?」
コーポラルさんの問い掛けに見事答えて見せた最北砦の長。六体の要望は通ったようだ。
結果、北から十五、六、十六、六、十五の計五八体のチルドレンの配置が決まった。中央砦の長が一番多く持つ事に拘った結果だった。
その代わり、狩りに多めのチルドレンを使い、魔物肉を町へと卸す条件を飲ませるコーポラルさんだった。
数を多くして中央砦の長の立場を立てつつ、ただでは起きないところは『上手いな』と感心してしまった。
「さて、お待たせしました。今の会議結果通り、配置をお願いできますでしょうか」
そうなんだ。名目上、俺の従魔となってるので、俺が命令を下さなければならないので、会議が終わるのを待たされてたのだ。
たしかに俺の言う事も聞いてくれるけど、たぶんコーポラルさんの命令でも聞いてくれるよ。
そうは言っても町で大々的に俺の従魔だと発表しちゃってるからね。命令したフリだけでもしておかないといけないんだって。
砦長達の前で、チルドレンに行き先と、行った先で言う事を聞くように命令してようやく解散となった。
あー疲れた。これで自分の後始末がようやく終わったよ。もう魔物が出るイベントには絶対参加しないぞ!
あっ! 明日はエルフにマヨネーズ講習だった! まだ終わってなかったよ。
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