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第11章 プロジェクト

第17話 嘘から捻り出た真②

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 現時点で最下層となっているダンジョン四〇階層ではアッシュとザガンがいた。ダンタリアンは現在三〇階層のフロアボスを指導中なのだとか。
 ホント、お前達は何処を目指してんの?

 今夜行なわれるイベントを伝えると、三人揃って参加すると嬉しそうに言われてしまった。
 その顔を見ると、「来るな」とか「来なくていい」とは言えなかったよ。だって、ベイビーズに丸薬を与える予定なんだよ? そんなのがバレたらアッシュ辺りが発狂しそうじゃないか。

 今日は人族とエルフの友好の為のイベントなんだから問題は起こしてほしくないんだよ。危険因子は出来る限り現場に入れたくなかったんだよな。
 現在進行形で不仲が進行して行ってるのを、このイベントで仲直りさせようとしてるんだ。一つでも間違えると全てがパーになるんだからね。

 俺が中央砦に見学に行ったのが悪かったんだけど、まさかこんな事になるとは予想できなかったんだよ。

 少し早いとは思ったけど、モックンの指定した集合場所までノワールに連れて行ってもらった。
 既に集合は終わっていて体長五〇センチぐらいの蜘蛛がたくさん待っていた。数えようと思ったけど、地面にいるものや樹に登っているもの、巣を張ってへばりついているものなんかがいて数えるのも難しい。
 これが、化石蜘蛛になると体長一メートルぐらいになるんだよな。ホントにいいのか? と戸惑ってしまうが、今さら後には引けない。

「集合!」
 モックンがいないからダメ元だとは思ったけど、号令をかけると俺の前に蜘蛛達が整列する。
 それはもう、一糸乱れぬ綺麗な整列だった。人間の軍隊のものより綺麗だと思った。何よりあれだけバラバラだったのに、整列するまでが一瞬だったのも良い意味の予想外だった。

 なにこれ。誰が教えたの? というか、言葉が通じるんだな。だったら話は早い、このまま説明してやろう。

「今から君達に丸薬を与える。そうすると君達は化石蜘蛛に進化するんだけど、まずはここで待機しててほしい。今夜、中央砦でイベントが開催されるので、その時に君達の紹介をする。紹介されたら一斉に出て来て、またこのように綺麗に整列してほしい。わかったかな?」

 ベイビーズは小ジャンプで同意を示した。一斉にジャンプして着地音を合わせるのだ。着地音が一つの音にしか聞こえない。素晴らしい連携だと感心してしまう。ホント誰が教えたんだろうね。

 端から順に前まで来てもらい、丸薬を与えていく。
 与えられたベイビーズはすぐに元の位置に戻り、脱皮を始める。進化のための脱皮だ。
 総勢五八体のベイビーズが化石蜘蛛に進化してしまった。
 俺はとんでもない事をしてしまったんではないかと逡巡してしまったが、もう今さら遅い。もう進化は成ったのだから。
 でも、モックンが化石蜘蛛の時にモックントンネルを完成させた実力を考えると、やはり戦力的には脅威になるんじゃないだろうか。

 こいつらって、最悪の場合に悪魔界に還せるんだろうか。

 丸薬は全員に二粒ずつ与えた。モックンが化石蜘蛛から魔王蜘蛛になるのに、丸薬を二粒食べて今の姿に進化したんだから、ベイビーズにも二粒ずつ与えたんだ。二粒なら二段階進化まではしないだろうと思ったからだ。
 予想は当たり、全員が化石蜘蛛になった。

 さっきは「ここで待機」とノリで言ってしまったが、ここは中央砦からは遠い。
 なので、ベイビーズを引きつれ森の中を移動する。
 中央砦から五分の位置にベイビーズを待機させ、俺だけで中央砦に向かった。まだしないといけない事が残っているから。

 中央砦に着くと、まずは魔物の山を出した。
 一箇所に出すと、余りに大きな山になりすぎるので、五つに分けて山にした。
 それでも高さ十メートルぐらいの山になっている。中央砦の砦兵が皆驚いてたよ。
 一応、出すと報告はしたんだけどね、全員には伝わってなかったみだいだ。伝わっててもビビるぐらいの量ではあるけどね。

 続いて、タマちゃんに頼んで魔物の山の間の四箇所に、たくさん長テーブルを作ってもらって、その上に料理を並べていってもらった。
 まぁ、色んな料理だよ。和食、洋食、中華、ファーストフードと、なんでもござれと大量に並べてもらった。超甘党のエルフのための料理も忘れず出してもらった。
 味見はしてるからね、衛星なら再現するのはお手の物だ。

 周りの兵士から一斉に生唾を飲み込む音が聞こえて来たのはご愛嬌だ。森の方からも聞こえたけど、お前達も食うの?

 まだ少し時間があったので、先に森の中で待機しているベイビーズに食事を振る舞ってやったよ。我慢できずに飛び出して来られたら台無しだからね。


 そして、いよいよイベントの時間になった。

「わーっはっはっはっは、お集まりの諸君! 今日は私のイベントにようこそ! エルフも楽しんで行ってくれ!」

 トン!

 開口一番、超上から目線の演説を始めた若ボン。
 そんな偉そうな若ボンに、後ろから一瞬で現れた部下さんが首トンを放った。

 あらー、若ボンがグッタリしちゃったよ。どうするの、これ。

 そう思ってたら、部下さんがそのまま若ボンを後ろから支えて無理やり立たせて演説を始めちゃった。おお! 声もソックリだよ!

「皆様、お忙しい中お集まり頂きありがとうございます。エルフの皆様も態々お越し頂きありがとうございます。この、前に積まれている魔物の山が、先日エルフの皆様と我が人族で協力し倒した魔物でございます。エルフの皆様は肉を食さないと聞き及んでおりますが、もし食べられるのでしたらお持ち帰り頂いても構いません。必要な分はお分けしましょう。肉は食べられずとも皮が必要であれば解体の後、お届けにあがります。この度は第一回目の共同作戦で上手く連携が取れるかと心配しておりましたが、予想以上の大成果を収められましたので、エルフの皆様と今回の成果の喜びを分かち合うと共に、今後の親交を深める意味も込め、イベントを開催させて頂きました。今回の立役者はエルフの皆様もご存知のイージ卿でございます。後で、イージ卿から報告があると伺っておりますが、まずはイージ卿のご用意くださった数々の料理をご堪能下さい。人族とエルフの益々の共存を願って挨拶に代えさせて頂きます。本日はお集まり頂きありがとうございました」

 部下さんが若ボンを操り人形のように後ろから操り、身振り手振りを加えて演説を終えた。
 もう、今度からずっとそうしてれば失敗しないと思うよ。うん、次からは若ボンそっくりな人形でも用意してあげようか?

 演説が終わると我先にと料理に人が群がる。さすがに走ってる人はいなかったが、超早足の人は何人もいたよ。
 ずっと待たせてたからね、お腹も限界だったんだろう。
 料理に群がる集団とは別に、本部席の両サイドに用意した酒に群がる集団も大変な騒ぎになっていた。
 一応、今日はエルフと先日の成果の報告と親交を深める意味もあったので、人族側は兵士だけの参加になっていた。
 しかし、給仕役のために一般市民からも沢山の人が参加してくれている。今日は兵士を労う意味もあるので兵士には給仕役をさせてないのだ。
 丸一日待たせた挙句、成果ゼロだったからね。申し訳なかったのでコーポラルさんが気を使ってくれて手配してくれたのだ。

 エルフ側は当然、甘味に群がるが、つまみ食いをした一人のチャレンジ精神旺盛な兵士が「うわっ! 甘すぎて食えねー!」と言った言葉を切っ掛けに、人族側に用意した料理も食べ始めた。

「う…美味い……」
「本当だ……」
「肉……美味しいんだ」
「ああ、甘くない……」
「甘くないのにこんなに美味しいものもあったんだ……」

 そんな感想の後、エルフ側も人族側の料理に手を付け始める。
 予想通り、あっという間に料理は足らなくなった。
 そこで再びマリオネット若ボン登場。

「兵士の諸君! 料理が足らなくなった。が! 素材は目の前にあるだろう? 料理はこちらで致す故、砦兵には解体を頼みたい!」

 若ボンの腕は魔物の山を指してたが、指先はプラーンと垂れ下がっている。しかし、言わんとしてる事は誰にでも分かる。
 砦兵の腕自慢たちは、我先にと魔物の山の突撃して行った。
 見る見るうちに出来上がる魔物肉。それと共に山となっていく魔物の皮や牙などの素材。
 もう、ここで全ての解体が終わってしまいそうだ。

 解体された肉は、何故か俺の前に積み上げられる。

 「なんで!」と声を大にして問うが、誰も答えてくれない。というか、目を合わせてくれる者もいない。皆、肉だけ置いて、目を合わさないようにして、さっさと魔物の山に戻って行くのだ。
 「おなしゃす!」という言葉だけが連呼されていた。
 ちゃんと「お願いします」と言ってるのかもしれないけど、早口だし、最後までこっちを向いて言わないから「おなしゃ」としか聞こえない。

 どうすんの、これ。俺の自力じゃ無理だよ? 悪魔達も食べるほうに混じってるから手伝いもいないし、後ろからはボランティアの人達の視線が熱いし。
 この人達もまだ食ってないんだよな。仕方がない、必殺作ってるフリだな。

 まずは衛星に短く細い杖を用意してもらった。タクト棒みたいなやつだ。
 そして、俺の動きに合わせて衛星に作ってもらうのだ。
 杖を目の前に向けて振ると、そこに大きな寸胴鍋の炭焼きコンロセットが現れる。
 その横に向けて杖を振ると大きな台が現れ、その上には同じく大きなまな板がセットされている。

 次に肉を杖で指し、衛星がそれに合わせて肉を浮かべ、杖の動き通りにまな板の上に乗せると、バラバラバラと肉が細切れになる。
 その細切れ肉を纏めて浮かせて鍋に放り込む。同じように野菜も細切れにして鍋にぶち込む。
 その過程を都合十個作った。

 次も同様に肉を細切れにするが、大きめのぶつ切りにして大きな中華鍋に放り込む。中華鍋の中は多めに油を張っている。こっちは唐揚げだ。
 鍋の方は灰汁を綺麗にして後は放置でいいから、中華鍋を二セット出して両手で操作してるフリを続けると、衛星がせっせと唐揚げを仕上げていく。

 揚がった唐揚げは、バーベキューでよく使われる網目の金網を台の上に出して、その金網の上に次々と置いていく。
 塩をふりかけ少し置いて油が切れれば完成だ。
 仕上がった唐揚げはボランティアの人達に指示して大皿に盛ってもらい、出来た順に出して行ってもらう。途中つまみ食いはオーケーにした。だって、よだれが、ね。

 ある程度唐揚げを出した後は、粗挽きウィンナーだ。
 これも簡単。解体された内臓から腸を取り出して洗浄して置いておく。
 使えそうな肉を全てクラッシュしてミンチにする。見てる人からは風魔法の小竜巻に見える事だろう。
 割合とか、どうでもいい。とりあえず、片っ端からミンチにして腸に詰めていく。衛星が上手く調整してくれるはずだ。
 それをまた新たに出した寸胴鍋セットに湯をはり、中に入れて茹でるだけ。
 出来上がったものは皿に盛り付けマヨネーズとマスタードを横に添えておく。

 スープも出来上がったので、先にスープを出してもらった。味は衛星が整えてくれてある。
 次々と揚がる唐揚げも同時進行で出し続けてもらっている。今のところ、つまみ食いの方が多いみたいだけど。
 最後にマヨネーズとケチャップを大量に出して料理は終了だ。
 種類は少ないが、量だけは十分だろう。ついでにスティック野菜を用意してエルフ側のテーブルに出しておいた。マヨネーズ、ケチャップを一緒に添えておく。蜂蜜は……一応置いておいたよ。今日は友好のための食事会も兼ねてるからね。

 どやぁー! っと、食事風景を見てみるが、もう残りが僅かになっている。
 なんで? と思ったら酒飲み組まで食事側に参戦しているのだ。しかもエルフも混ざって大混乱になっている。
 椅子は用意せず、立食形式にしてるので何とかなってるが、残り僅かになってきて奪い合いが所々で起こり始めている。
 ただ、エルフは再び自分達のテーブルに戻るものが出始めた。目当てはスティック野菜だ。
 特にマヨネーズを気に入ったようで、何度も何度もマヨネーズを付けて食べている。
 誰も気にしてない所を見ると、この世界には”二度付け厳禁”という格言は無いようだ。

 肉料理から離れないエルフもいるようだけど、大半はスティック野菜――まぁ、マヨネーズなんだけど――に感動して手が止まらないようだ。

 解体の方も粗方終わったようで、解体仕事を終えたものも料理に参戦してくる。
 俺の前には肉の山、山、山。

 おーし! やってやんよ! こうなったらトコトン作ってやんよ!


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100万文字達成です!
いや~、これはちょっと嬉しい。
今までの作品で100万文字に到達したものが無かったので、地味に嬉しいです。
これからも、よろしくお願いします。

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