月と花
強い見鬼の力を持つ、十七歳の賀茂保憲(かものやすのり)は、陰陽寮の学生、陰陽得業生(おんようとくごうしょう)をしている。十三歳の少年、小丸(こまろ)は、その強過ぎる見鬼の力のため、八歳の時に賀茂邸に預けられたが、二年前、保憲に大怪我をさせて賀茂邸を出奔した過去を持つ。保憲の式神(しきがみ)の白君(しろき)から、保憲が父親の陰陽博士(おんようはかせ)忠行(ただゆき)とともに内裏(だいり)に行ったきり帰らないことを聞かされた小丸は、葛藤を乗り越えて都へ戻る……。史実や実在の人物を中心に、独自設定も織り交ぜつつ、十代の頃の賀茂保憲と安倍晴明、そして彼らを取り巻く人々の非日常的日常を描きます。
目次
感想
あなたにおすすめの小説
藤と涙の後宮 〜愛しの女御様〜
蒼キるり
歴史・時代
藤は帝からの覚えが悪い女御に仕えている。長い間外を眺めている自分の主人の女御に勇気を出して声をかけると、女御は自分が帝に好かれていないことを嘆き始めて──
平治の乱が初陣だった落武者
竜造寺ネイン
歴史・時代
平治の乱。それは朝廷で台頭していた平氏と源氏が武力衝突した戦いだった。朝廷に謀反を起こした源氏側には、あわよくば立身出世を狙った農民『十郎』が与していた。
なお、散々に打ち破られてしまい行く当てがない模様。
斬壺(きりつぼ)
木下望太郎
歴史・時代
秘太刀“斬壺(きりつぼ)”。
その技を以て、老剣客はかつて岩を斬り、壺を斬った――割ることも砕くこともなく、真二つに――。
ただしそれができたのは、若き日のたった二度だけ。
そして今。辛苦の末に流派を継いだ彼が対峙するのは、剣才そのもののような少年。それはまるで、老剣客の積み上げたもの全てを嘲笑うかのような存在。
もし、奴を斬ることができる技があるなら――それは一つ、“斬壺”。
凡人対天才。
今、その戦いが始まり、そして終わる――。
手児奈し思ほゆ
三谷銀屋
歴史・時代
万葉集にも詠われた伝説の美女「真間の手児奈」に題材をとった古代ファンタジー&バイオレンス小説。実らぬ初恋と復讐の物語。
下総国(今の千葉県)の国造(くにのみやつこ)の娘・手児奈と、手児奈に想いを寄せる墓守の男・阿止利……一度は引き裂かれた二人が再び出会う時、残酷な現実が二人の運命を飲み込んでいく。
要塞少女
水城洋臣
歴史・時代
蛮族に包囲され孤立した城を守り抜いた指揮官は、十四歳の少女であった。
三国時代を統一によって終わらせた西晋王朝の末期。
かつて南中と呼ばれた寧州で、蛮族の反乱によって孤立した州城。今は国中が内紛の只中にあり援軍も望めない。絶体絶命と思われた城を救ったのは、名将である父から兵法・武芸を学んだ弱冠十四歳の少女・李秀であった……。
かの『三國志』で、劉備たちが治めた蜀の地。そんな蜀漢が滅びた後、蜀がどんな歴史を辿ったのか。
東晋時代に編纂された史書『華陽國志』(巴蜀の地方史)に記された史実を元にした伝奇フィクションです。
待庵(たいあん)
四谷軒
歴史・時代
【あらすじ】
千宗易(後の利休)は、山崎の戦いに臨む羽柴秀吉から、二畳の茶室を作るよう命じられる。この時代、茶室は三畳半ぐらいが常識だった。それよりも狭い茶室を作れと言われ、宗易はいろいろと考える。そして、秀吉の弟・羽柴秀長や、秀吉の正室・ねねに会い、語り、宗易はやがて茶室について「作ったる」と明言する。言葉どおり完成した茶室で、宗易は茶を点て、客を待つ。やって来た客は……。
【表紙画像】
「ぐったりにゃんこのホームページ」様より
それは喘月という名の妖刀
西紀貫之
歴史・時代
斬られし者の魂を刃紋に浮かび上がらせ、凄絶に妖しく輝く魔性の刀、喘月。その刃紋に魅入られし者は、新たな美を求め人を斬る殺刃漢と化す。
鎌倉相州の時代に生み出されし妖刀は、数多の魂を贄に、いま最高の輝きを求め将軍徳川秀忠に献上されようとしていた。将軍が呪われれば世は再び戦国の世に。
妖刀の呪いを解くため、ひとりの男に白羽の矢が立つ。
「この柳生宗章、しかと承知仕った。――」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる