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58.「邪神マジ邪神」

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「お、お嬢! どうするんスか!」
「おおおお落ち着こうゴードン! まだあわわわわ慌てる時じゃあわわわわわ」
「二人とも……よくわからないけど、落ち着いて……」

 ああ……レイラちゃんの声落ち着くな……。
 でもこの子が13を数えだしたら、いよいよ終わりだよね。いや、今はもう回りくどいことせずに、直接言ってくれる気はするけど。
 
「よし、準備全然できてないし、いったん生首エンド行っとく? 生首にしといたらしばらく無害だよね」
「何の話ッスか!?」
「ヒヒッ、めちゃくちゃしれっと悪役ムーブに切り替えようとするねキミ」

 だって!!!! このカオスな状況でどうしろって言うの!?!??
「レディ・ナイトメア」が主人公ヒロインを生首にしようとした理由、今ならめちゃめちゃわかる。

 だって扱いやすいじゃん、生首サイズ。

「言っとくけど、その後はだいたい『怪異喰』として目覚めるし、みんな捕食されて終わりだよ。ヒヒッ」
「だから!!! そういう大事なことはファンブックに書いといて!?!?!!?」
「書いたとも。立ち絵の隅っこに一行ぐらいで」
「くっそーーーー気付いてなかった!!!」

 アルバートは何かを察したのか、窓の側へ移動して外の様子を観察し始める。
 一方、エドマンドは状況についていけないらしく、頭上に「?」を浮かべて腕を組んでいた。

「あ……ほんとだ……。そろそろ誰か来る……」

 ああああああレイラちゃんの予知が発動しちゃった!?
 と思ったら、確かに門扉もんぴを動かされた気配を感じるし!
 仕方ない! ここはいったん、客として招き入れて様子を見るしか……!

「ゴードン! わたしと一緒に来て! ニコラスは透明になってついてきて! エドマンドは血涙目立つから、かぶと被って食堂の中にいて! レイラちゃんはそのまま静かに座ってて! アルバート……はなんかもうどっか行ってるし! まあいいや!」

 リナ? 知らん。廊下でエンカウントしたらその時はその時だ!

「ヒヒヒッ、分かったよ。面白い顛末てんまつを見せてもらいたいものだねぇ……」

 そう言って透明化したかと思えば、ニコラスの気配が一瞬で薄くなる。
 ついてき……あれ? 玄関のかんぬきが内側から動かされてる? まさかニコラス、もう玄関まで移動してない?

 あ。わかった。
 あいつ、先んじて出迎えるつもりだ。

  こ……この邪神ーーーーーーーッ!!!!!!!
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