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青の章
青の章1
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「アオちゃんっ、会いたかった!!」
淡い栗色の髪の青年が、勢いよく葵の胸に飛び込んでくる。
「千尋、どうして……」
よく見ればここは、慣れ親しんだ自宅の屋根裏部屋だった。
窓からは柔らかな朝日が差し込み、光が埃に反射してキラキラと光って見える。窓枠には湯呑みがそのま置かれていたが、辺りに散らばっていた筈の青紫の花は綺麗に片付けられて、青い箱にきちんと収められて端の方に置かれていた。
「心配したよぉっ、やっと会えたぁ! 本物のアオちゃんだぁ~ッ、うわぁぁぁんん!!」
泣きながら抱きついてくる千尋の懐かしい姿に、葵も胸が熱くなった。
「千尋、心配かけてごめん……」
「アオちゃん……ううん、アオちゃんが無事なら全然いいんだ。良かったよ、元気そう──」
そこで、ふと千尋が口を噤んだ。
どうしたかと思い千尋を伺うと、葵の下半身を凝視したまま動かなくなっている。
それを見て、葵も自分の惨状にギョッとなった。
チノパンも下着も臀部から破かれており、大事な部分は全て曝け出している状態だ。しかも、つい先程までフェイロンが入っていた場所からは白い液体が溢れ出し、太腿まで汚していた。
前の部分も葵が散々出したモノで染みになっていて、下半身はどこもかしこもドロドロで白いモノが所々にこびり付いている。
明らかに事後なのは言い逃れ出来ない状況の上、あまりの悲惨な姿に、何か良からぬ事が起きたのではないかと推測されてもおかしくない。
「え、えぇと、千尋、これは、その……」
なんとか言い逃れしようと言葉を探している葵に、千尋はゆっくりと聞いた事のない沈んだ声で言った。
「アオちゃん……とりあえず、お風呂行こう」
※※※
驚いたことに、あちらの世界に行く前に籠に入っていた筈の洗濯物も全部洗われており、風呂も千尋がすぐ沸かしてくれた。
どういうことかと思っていると、葵がいつ帰ってきてもいいようにと、千尋は殆どここで暮らしていたらしい。
千尋に半ば剥ぎ取られるような勢いで服を脱がせられ、一緒に入って洗ってやると言われたが、それは丁重に断った。
赤面しながら風呂で中を掻き出して一息つくと、洗面所には新しい下着と葵がいつも使っていたブルーの寝巻きが置いてある。
なぜこれの場所が分かったのだろうと不思議に思いながら居間に戻ると、卓袱台の上には千尋が温かい紅茶を用意してくれていた。
なんだか葵の方が客にでもなった気分だ。
「アオちゃん! 良かった。少し顔色がいいみたい。そうだ、これ新品だから……」
そっと渡された物を見ると、それは『お尻のトラブルに』と書かれた炎症止めの軟膏だった。
「良かったら、俺が塗ってあげるよ。一応中もちゃんと見た方がいいし。嫌かもしれないけど、こういうのはちゃんと状況証拠として確認して置いた方が、後々制裁を加える時に厳罰化しやすいし……それで、誰に、やられたの?」
低い声で問われ、葵は慌てて首を振った。
「ち、違うんだ! これは、そういう事ではなくて! あ、あの、何から話せば……」
必死で何か言い訳をしようとしたが、千尋が心配そうな顔をしてこちらを伺っているのが分かる。
いつも、誤魔化して、嘘をついていた自分をこんなにも心配して優しくしてくれる千尋。千尋なら、葵の全てを話しても受け入れてくれるのではないか?と甘えた気持ちが湧き上がる。
今は誰かに話してしまわないと、色々な思いが溢れて自分が溺れてしまいそうだった。
「あの、信じてくれるか、分からないんだけど……」
葵が恐る恐る話し始めると、千尋は優しく微笑んで葵に席に座るように促した。
「ゆっくり教えて、アオちゃん」
淡い栗色の髪の青年が、勢いよく葵の胸に飛び込んでくる。
「千尋、どうして……」
よく見ればここは、慣れ親しんだ自宅の屋根裏部屋だった。
窓からは柔らかな朝日が差し込み、光が埃に反射してキラキラと光って見える。窓枠には湯呑みがそのま置かれていたが、辺りに散らばっていた筈の青紫の花は綺麗に片付けられて、青い箱にきちんと収められて端の方に置かれていた。
「心配したよぉっ、やっと会えたぁ! 本物のアオちゃんだぁ~ッ、うわぁぁぁんん!!」
泣きながら抱きついてくる千尋の懐かしい姿に、葵も胸が熱くなった。
「千尋、心配かけてごめん……」
「アオちゃん……ううん、アオちゃんが無事なら全然いいんだ。良かったよ、元気そう──」
そこで、ふと千尋が口を噤んだ。
どうしたかと思い千尋を伺うと、葵の下半身を凝視したまま動かなくなっている。
それを見て、葵も自分の惨状にギョッとなった。
チノパンも下着も臀部から破かれており、大事な部分は全て曝け出している状態だ。しかも、つい先程までフェイロンが入っていた場所からは白い液体が溢れ出し、太腿まで汚していた。
前の部分も葵が散々出したモノで染みになっていて、下半身はどこもかしこもドロドロで白いモノが所々にこびり付いている。
明らかに事後なのは言い逃れ出来ない状況の上、あまりの悲惨な姿に、何か良からぬ事が起きたのではないかと推測されてもおかしくない。
「え、えぇと、千尋、これは、その……」
なんとか言い逃れしようと言葉を探している葵に、千尋はゆっくりと聞いた事のない沈んだ声で言った。
「アオちゃん……とりあえず、お風呂行こう」
※※※
驚いたことに、あちらの世界に行く前に籠に入っていた筈の洗濯物も全部洗われており、風呂も千尋がすぐ沸かしてくれた。
どういうことかと思っていると、葵がいつ帰ってきてもいいようにと、千尋は殆どここで暮らしていたらしい。
千尋に半ば剥ぎ取られるような勢いで服を脱がせられ、一緒に入って洗ってやると言われたが、それは丁重に断った。
赤面しながら風呂で中を掻き出して一息つくと、洗面所には新しい下着と葵がいつも使っていたブルーの寝巻きが置いてある。
なぜこれの場所が分かったのだろうと不思議に思いながら居間に戻ると、卓袱台の上には千尋が温かい紅茶を用意してくれていた。
なんだか葵の方が客にでもなった気分だ。
「アオちゃん! 良かった。少し顔色がいいみたい。そうだ、これ新品だから……」
そっと渡された物を見ると、それは『お尻のトラブルに』と書かれた炎症止めの軟膏だった。
「良かったら、俺が塗ってあげるよ。一応中もちゃんと見た方がいいし。嫌かもしれないけど、こういうのはちゃんと状況証拠として確認して置いた方が、後々制裁を加える時に厳罰化しやすいし……それで、誰に、やられたの?」
低い声で問われ、葵は慌てて首を振った。
「ち、違うんだ! これは、そういう事ではなくて! あ、あの、何から話せば……」
必死で何か言い訳をしようとしたが、千尋が心配そうな顔をしてこちらを伺っているのが分かる。
いつも、誤魔化して、嘘をついていた自分をこんなにも心配して優しくしてくれる千尋。千尋なら、葵の全てを話しても受け入れてくれるのではないか?と甘えた気持ちが湧き上がる。
今は誰かに話してしまわないと、色々な思いが溢れて自分が溺れてしまいそうだった。
「あの、信じてくれるか、分からないんだけど……」
葵が恐る恐る話し始めると、千尋は優しく微笑んで葵に席に座るように促した。
「ゆっくり教えて、アオちゃん」
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