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番外編

嘘つきな魔法使いは、真実を愛したい(5)※

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  正直言って僕のそれは既に完全体になってしまっているどころか、かなり危うい状況になっていたが、気にせず頷いた。いや、正確にはわざとだ。だって僕はそれを見たかったから。

「……っ!」

 トリトンちゃんが僕のそれに触れるか触れないかのところで、暴発した。撒き散った白濁でトリトンちゃんの顔が汚れる。彫刻のような美貌が僕のもので汚れた姿に、出したばかりのものにすぐ血が通う。
 トリトンちゃんはきょとんした顔で、頬に付いた白濁を手で拭った。

「……これは?」
「精子ですよ。赤ちゃんの元です」
「子種か。ずいぶんと勿体ないことをする。人間は生殖への欲が薄いのか」
「むしろ逆ですね。孕ませたい相手なら男でも人魚でも、どんなものでも孕ませてたくなる強欲な生き物なんですよ」
「なに?」
「全身僕の精子で溺れさせれば、貴方を孕ませられないかな。なんてね」
 
 トリトンちゃんが驚いたように僕を仰ぎ見る。その瞳には未知なものに対する僅かな恐怖と、そして興味の色が滲んで見えた。

「冗談です。でも貴方に気持ちいい性交を教えてあげたいのは本当。それにはお互いの努力が必要です。僕に向かって大きく足を広げて見せて」
「……分かった」

 トリトンちゃんは少しためらいを見せつつも、僕が言った通りの格好をとった。

「……待て」

 僕がその中心に手を伸ばそうとした途端、トリトンちゃんが突如もじもじと足を閉じた。

「どうしたの?」
「なんだか変な感じだ。今まで無かったところに割れ目があって、それをお前にさらけ出してるなんて。なんだか、とてもおかしい気持ちになる」
「ああ……なるほど」

 なんて可愛いんだろう。僕は興奮に震えそうになりながら、トリトンちゃんの両脚を無理矢理開いて抑えた。

はトリトンちゃんにとって、自分の内側なわけだ。自分の中身を晒してるようで恥ずかしくなっちゃったんだね」
「なっ」
「それって凄くイイことだよ。恥ずかしいと、気持ちよくなるからね」

 トリトンちゃんが息を呑んだ。僕がトリトンちゃんのものを舐めたからだ。根元から丁寧に舐めあげると、直ぐに脚の力が抜けた。僕はその隙に抱えるように脚を大きく開かせ、後ろの穴も舐めた。

「……んあっ!」

 トリトンちゃんの小さな喘ぎ声を聞き、人魚でも感じるんだと安心した。トリトンちゃんのそこはどこもかしこも滑らかで美味しくて、僕は夢中で舐めあげた。その度にトリトンちゃんは小さな声をあげたが、嫌がる素振りは見せなかった。
 前を舐めながら後ろの窄みに指を挿し込む。トリトンちゃんの中は素晴らしく温かく、そして柔らかだった。流石に二本指を入れるのは嫌がられるかと思ったが、トリトンちゃんは小さく喘いだだけだった。
 僕は腹の奥が熱くなるのを誤魔化すように、トリトンちゃんの後ろを弄りながら全身舐めあげた。可愛らしい臍の窪み、滑らかな脇腹の曲線、そして健気に色付く乳首──。

「んっ」
「トリトンちゃんのここ、少しふっくらしてるね。吸ったら母乳が出てきそう」

 試しにちゅっと吸い上げると、トリトンちゃんは小さく声を上げた。乳首でも感じるようだ。なんて素敵な身体なんだろう。

「母乳とは……?」
「赤子を育てるとき、母親から出るものですよ」
「ああ……なるほど。人魚は基本両性だからな。そういうこともあるかもしれない」
「えっ」

 驚いて思わず顔を上げると、トリトンちゃんが焦れったそうに眉を寄せた。

「おい、舐めるなら早く舐めろ」
「えっと、でも両性って……」
「私はトリトンである限り雄のままだ。トリトンの座を降り、跡継ぎを産まない限りな。分かったら早く舐めろ」

 ツンと胸を張って乳首を舐められることを待つトリトンちゃんの痴態にも頭が沸騰しそうだったが、トリトンちゃんが子供を産む可能性があるという事実にどうにかなりそうだった。
 トリトンちゃんの口調だと今すぐには無理そうだが、いつか子供を産むことはありえるということだ。

──絶対孕ます。

 実際、人間が人魚を孕ますことが可能なのかとか、詳しいことはわからない。でも曾祖夫は人魚と人間の合いの子だという事実がある限り、あり得ないことではないのだろう。
 僕は俄然張り切ってご所望通り、トリトンちゃんの乳首を思う存分舐めたり吸ったりして楽しんだ。トリトンちゃんの喘ぎ声はすっかり甘さを含んで、後ろでも感じ始めているようだった。

「は……ぁぁんっ」
「トリトンちゃん……雄同士の性交は、もうどうやるか分かった?」
「……んっ」

 トリトンちゃんが小さく頷く。僕は耳元で囁いた。

「じゃあ、僕の準備万端な性器をどこに入れればいいかな? 入れやすいように、僕に教えて」

 先生が生徒に問いかけるようにそう言って、そっと身体を離してみた。トリトンちゃんは少し困ったような顔したが、意を決したように四つん這いになって、大きく足を広げてみせた。信じられない。なんて優秀な生徒なんだろう。

「……ここに、お前のそれを入れるのだろう」
「完璧だよトリトンちゃん。なんて素晴らしいんだ。すぐに雌にしてあげるからね」
「えっ、いや。そんなつもりじゃ……ぁぁあんッ!」

 僕は辛抱たまらずトリトンちゃんのそこに僕のものをあてがった。
 そこは当然ながら処女の破瓜のようにきつかったが、少しずつ揺すってゆっくり侵入を試みる。

「ひぃぃっ……んあああぁッ」

 トリトンちゃんの苦しげな喘ぎに、僕のものはますます熱りたってしまって困った。自分の中にこんな嗜虐心があったとは。いや、正確には感情があったことに驚く。他の人間には特別な感情を抱いたことは一切ないけど、トリトンちゃんに関しては様々な感情が涌きでてくる。トリトンちゃんの、笑顔も泣き顔も、全部僕のものにしたい。
 
「可愛いね。トリトンちゃん。まだ半分も入ってないよ。ほら、さっき気に入ってた、こことここも弄ってあげようね」

 前と乳首を同時に責めると、トリトンちゃんの中が僅かに緩んだ。僕はその隙をついて、一気に中を穿つ。

「~~っ!」

 トリトンちゃんが背中をしならせ、声がでない悲鳴を上げた。先程までの取り澄ました美貌など見る影もないほど、涙と涎を垂らして喘いでいる。ああ、なんて。なんて美しい光景だろう。

「つらい? つらいね。大丈夫だよ。すぐ気持ちよくなるからね。僕、王子だから性交は得意なんだよ。それが仕事みたいなもんだからね。ほら、ここ擦ると。ね?」

「…っ! ん、あぁぁッ! ん、ひぁあんッッッ!」

 トリトンちゃんの声色が徐々に甘いものに変わった。苦しそうな顔も可愛いけど、感じている顔もやっぱり可愛い。ああ、でも苦しそうな顔もやっぱり可愛いから。次は感じすぎて苦しい顔が見たいな。僕は穿つ速度を早めながら、後ろからトリトンちゃんの少し尖った愛らしい耳を舐めて囁いた。

「さっきの子種、トリトンちゃんの中がいっぱいになるまで何回も出してあげるね。トリトンちゃんが雌になるまで、何回も何回も出してあげるからね」
「い、ぁ、やっ、んぁぁぁぁ──ッ!」

 肯定とも否定とも取れるような喘ぎ声をあげながら、トリトンちゃんが小さく震えた。絶頂したようだ。触ると前が濡れていた。

「トリトンちゃんも喜んでくれてるんだね。嬉しいよ……」

 僕も喜びに震えながら、一際強く穿ち、はじめの子種をトリトンちゃんの中へと注いだ──。



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