クロスな関係。

かのん

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初恋の人②

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『何なんだよ!!』



桐谷に突き飛ばされて、3年間の幸せな時間が一気に思い出された。
私は幸せを望んでいるわけじゃない。
たとえ辛くても、心から愛する人とやっぱり一緒にいたい。



『あの…大丈夫ですか?』



礼人なら――
泣いている女性を放っておけないから
絶対声をかけてくれるってわかってた。



女って凄いよね。
ぜんぜん悲しく泣くなって泣ける。
欲しいものが手に入るなら――。



ずっと、ずっと、礼人に会いたかった。
礼人に酷いことをされても、忘れることはできないぐらい愛していた。



今度こそ、絶対礼人を手に入れる。
邪魔をする奴は許さない、絶対に――。



「ただいまー!」



「おかえりなさい。」



「あれ?礼人は?」



「あら…?そういえばまだ未亜の部屋かしら?ちょっと見てきてくれる?」



「うん…。」



何だろう……未亜と礼人の関係が怪しくて仕方ない。
2人が一緒にいると心がざわつくというか…。



「ん?何?」



階段の途中で落ちていたのは礼人を見かけたお店のロゴが記載されてる小さな箱。
中を開けると、ダイヤではないけどハートの可愛い可愛い指輪が入っていた。
この指輪を……好きな人に渡すつもりだったんだ。



そっと階段をあがるって少し開いている未亜の部屋を見てみると
礼人が未亜のおでこにキスをしていた。



これって……そういうことなの?
礼人は未亜が好きなの…?




















どうして未亜は
私が欲しいものをすべて奪うの……?




















「……やっと手に入ると思ったのに。許さない。絶対、手に入れるっ……。」







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