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その後の話
包まれた愛④
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「誠二!会いに来たよ!」
誠一さんから、美緒さんが仕事に行っている間に
誠二に会えるように、日程を組んでくれて
私は誠二達が住んでいる家へ向かった。
家はバリアフリーになっていて誠二が住むには最適な家。
部屋のあらゆるところから
古さを感じつつも、どこか温かさを感じた。
誠二は私の顔を見ると
ゆっくりとほほ笑んでくれた。
誠二の笑顔はどこか寂しさを感じる笑顔だったけど
今は穏やかな笑顔だった。
美緒さんとの生活に満足しているのだろう。
「誠二、幸せそうでよかった。安心したよ」
「ありがとう、円花。円花のおかげで今の生活があるんだよ」
「みんなそう言うけど、違うよ。美緒さんと誠二の愛だよ。お互いを大事に思いながら、自分も傷つけて、それでも相手をずっと愛して……」
「だけど、俺達のせいで多くの人を傷つけた」
「誠二……だから、結婚しないの?私、美緒さんと誠二は結婚するものだと思っていた」
「俺達は、一緒にご飯を食べて、一緒のベッドに寝るだけでも奇跡なんだ。これ以上望むものはないよ」
「そうかもしれないけど……子供ができたらどうするの?」
「それは……」
「私、結婚して欲しい、美緒さんと」
「……」
「永一君も望んでいるんだよ?2人の子供だよ?」
「永一が?」
「永一君が、2人には結婚してほしいって。永一君だけじゃない、誠一さんも望んでいるの、もちろん私も」
「なんで、みんなが……」
「確かにさ、ただの紙切れ一枚のことだよ、結婚って。だけどさ、その紙切れ一枚のことにずっと苦しんできたのが2人じゃない。だからこそ、結婚するのが怖いのかもしれないけど、私達のためにも、誠二達には最高に幸せに
なってほしいの!生きるって選択をしたからこそ、後悔するような生き方をしてほしくない!誠二達が思っている以上に、永一君も誠一さんも傷ついていないよ!」
「美緒は、受け入れてくれるだろうか」
「分かっているくせに……美緒さんは絶対受け入れてくれる。絶対世界一綺麗な笑顔で返事してくれるよ!」
「でも、俺、もうこんな身体になって……」
「私がドレスを探してくるから!あと、会場なんだけどさ……」
「円花、俺達会場を借りれるほどお金はないんだ」
「うん、だからこそ、素敵な会場があるの」
「素敵な会場?」
「海よ!この近くにあるじゃない!海のBGMに夕日、そしてそれに映えるような美しいウェディング姿の美緒さん……最高に素敵よ」
「美緒は喜ぶだろうか」
「馬鹿ねぇ……美緒さんは喜ぶよ。だって、美緒さんは誠二以上に誠一さんや永一君に負い目を感じているはずだよ。だからこそ、その2人が美緒さんの結婚式を祝福してくれているって知ったら、嬉しいと思う。豪華な式場じゃなくていい。誰と挙げて、誰に祝福してもらうかが、大事なんだよ」
「そうだよな、分かった。結婚式を挙げよう」
「よし!じゃあ、誠一さん達にもそう伝えるね!」
「円花、本当にありがとう、何から何まで」
誠一さんから、美緒さんが仕事に行っている間に
誠二に会えるように、日程を組んでくれて
私は誠二達が住んでいる家へ向かった。
家はバリアフリーになっていて誠二が住むには最適な家。
部屋のあらゆるところから
古さを感じつつも、どこか温かさを感じた。
誠二は私の顔を見ると
ゆっくりとほほ笑んでくれた。
誠二の笑顔はどこか寂しさを感じる笑顔だったけど
今は穏やかな笑顔だった。
美緒さんとの生活に満足しているのだろう。
「誠二、幸せそうでよかった。安心したよ」
「ありがとう、円花。円花のおかげで今の生活があるんだよ」
「みんなそう言うけど、違うよ。美緒さんと誠二の愛だよ。お互いを大事に思いながら、自分も傷つけて、それでも相手をずっと愛して……」
「だけど、俺達のせいで多くの人を傷つけた」
「誠二……だから、結婚しないの?私、美緒さんと誠二は結婚するものだと思っていた」
「俺達は、一緒にご飯を食べて、一緒のベッドに寝るだけでも奇跡なんだ。これ以上望むものはないよ」
「そうかもしれないけど……子供ができたらどうするの?」
「それは……」
「私、結婚して欲しい、美緒さんと」
「……」
「永一君も望んでいるんだよ?2人の子供だよ?」
「永一が?」
「永一君が、2人には結婚してほしいって。永一君だけじゃない、誠一さんも望んでいるの、もちろん私も」
「なんで、みんなが……」
「確かにさ、ただの紙切れ一枚のことだよ、結婚って。だけどさ、その紙切れ一枚のことにずっと苦しんできたのが2人じゃない。だからこそ、結婚するのが怖いのかもしれないけど、私達のためにも、誠二達には最高に幸せに
なってほしいの!生きるって選択をしたからこそ、後悔するような生き方をしてほしくない!誠二達が思っている以上に、永一君も誠一さんも傷ついていないよ!」
「美緒は、受け入れてくれるだろうか」
「分かっているくせに……美緒さんは絶対受け入れてくれる。絶対世界一綺麗な笑顔で返事してくれるよ!」
「でも、俺、もうこんな身体になって……」
「私がドレスを探してくるから!あと、会場なんだけどさ……」
「円花、俺達会場を借りれるほどお金はないんだ」
「うん、だからこそ、素敵な会場があるの」
「素敵な会場?」
「海よ!この近くにあるじゃない!海のBGMに夕日、そしてそれに映えるような美しいウェディング姿の美緒さん……最高に素敵よ」
「美緒は喜ぶだろうか」
「馬鹿ねぇ……美緒さんは喜ぶよ。だって、美緒さんは誠二以上に誠一さんや永一君に負い目を感じているはずだよ。だからこそ、その2人が美緒さんの結婚式を祝福してくれているって知ったら、嬉しいと思う。豪華な式場じゃなくていい。誰と挙げて、誰に祝福してもらうかが、大事なんだよ」
「そうだよな、分かった。結婚式を挙げよう」
「よし!じゃあ、誠一さん達にもそう伝えるね!」
「円花、本当にありがとう、何から何まで」
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