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甘くて酸っぱい苺のような恋愛
和解③
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“ガチャッ…”
「花音ごめん遅くなって…花音?」
花音の姿はなく、デスクの上の紙に母親から電話があったから帰ると置き手紙があった。
「帰るってこんな時間に1人で…」
慌てて帰り支度をして花音を追いかける。
「あれだけ1人で帰るなって言ったのに…」
“ピリリリリッ…”
携帯の画面には登録されていない電話番号
「はい…え!?わかりました!今行きます!」
「花音!!!」
「え!?翔君!?え…どうして?」
病院のベッドの上に擦り傷だらけの花音が座っている。
「私が電話したの。」
「お母さんが!?よかったのに~」
「怪我は!?」
「大丈夫ただ転んでちょっとワンちゃんがじゃれてきただけだよ~いや、不審者だと思って逃げたらこけちゃって…その上にワンちゃん乗ってきて…ちょっと意識失っちゃって。あ、頭も打っただけで大丈夫だよ!」
「はぁ~…」
汗だくの翔はヨロヨロしながら花音に近づく。
「夜遅くに歩くなって!」
「…翔君?」
いきなり翔が大きな声を出して花音と母親は驚く。
「よかった何もなくて…」
ギュウッと抱きしめてきた腕は温かくて少し震えてる
「ごめんなさい…」
花音も翔の背中に腕を回してギュッと服をつかんだ。
――母親の高校時代
『一緒に帰らない?』
片思いの父親に一度だけ話しかけられたことがあった。
『え?…え!?私ですか!?』
『もう暗いし…危ないよ。』
『だ、だ、大丈夫です!ありがとうございました!』
せっかく父親に話しかけれたのに、緊張しすぎて逃げ出してしまった過去があった。
花音と翔を見ていたら、自分のそんな高校時代のことを思い出した。
『彼自身をみてあげてくれ。』
父親がこの間ラウンジで言っていたこの言葉
目の前で愛おしそうに抱きしめあう二人をみたら…
二人が本気で愛し合っていることが伝わってきた
「お母さん…?」
母親がそっと帰ろうとしているところを花音が呼び止める。
「今日は…電話してくださってありがとうございました。」
「…花音、私帰るから。」
「え…待って、準備するから。」
「花音は…翔君と帰りなさい。」
「え…いいの?」
「翔君なら、これから先遅いときは送ってもらってくれそうだから…安心しておくわ。でも泊まる時は一言メールでいいから連絡ちょうだい。」
「お母さん…」
「翔君、花音をよろしくお願いします。」
「…はい。」
“ガラガラガラ…”
病室のドアの隙間から見えた母親の後姿がなんだか小さく見えて、胸の奥が切なくなる。
翔とのことを認めてくれたのに…
嬉しいはずなのにこの感情は何なんだろう――
「花音…」
「あの、翔君――」
翔が花音が言う前にうなづく。
まだ何も言ってないのに伝わってしまうってすごい――
「俺たちはこれから何度でも一緒に帰れるから。」
「お母さん!」
「…花音、見送りはいいから一緒に帰りなさいよ。」
「ううん…今日はお母さんと帰る。」
「フフッ…何それ。」
「お母さん。」
「うん?」
「ありがとう…今日も…今までも。」
「何よ急に…今までそんなこと言ったことなかかったじゃない。」
「うん…なんか急に言いたくなっちゃった。翔君のおかげかも。」
「それなら早く孫の顔を見せてちょうだい。」
「え!?ま、孫!?結婚もしてないし…」
「そういう話していないの?」
「全然…まだそんなに付き合っているわけじゃないし。」
「そう…それでもあれだけ大事にしてくれるのね。」
後ろを振り向くとまだ翔が花音と母親の姿を見送っていて一礼してくる。
「いい子ね翔君は。」
「うん…すごくいい人だよ///」
「…ごちそうさま。」
「へへ。」
翔君が優しいから
私も優しくなれる
そして他の人にも優しくしたくなる
翔君と再会してからは
ダイエットして
引きこもりの生活はやめてオシャレしたり
お母さんに甘えてばかりだったことに気づかせてくれた
これから先も一緒に過ごせたらいいなって…
私は翔君との将来を
この時考えていたんだーー
「花音ごめん遅くなって…花音?」
花音の姿はなく、デスクの上の紙に母親から電話があったから帰ると置き手紙があった。
「帰るってこんな時間に1人で…」
慌てて帰り支度をして花音を追いかける。
「あれだけ1人で帰るなって言ったのに…」
“ピリリリリッ…”
携帯の画面には登録されていない電話番号
「はい…え!?わかりました!今行きます!」
「花音!!!」
「え!?翔君!?え…どうして?」
病院のベッドの上に擦り傷だらけの花音が座っている。
「私が電話したの。」
「お母さんが!?よかったのに~」
「怪我は!?」
「大丈夫ただ転んでちょっとワンちゃんがじゃれてきただけだよ~いや、不審者だと思って逃げたらこけちゃって…その上にワンちゃん乗ってきて…ちょっと意識失っちゃって。あ、頭も打っただけで大丈夫だよ!」
「はぁ~…」
汗だくの翔はヨロヨロしながら花音に近づく。
「夜遅くに歩くなって!」
「…翔君?」
いきなり翔が大きな声を出して花音と母親は驚く。
「よかった何もなくて…」
ギュウッと抱きしめてきた腕は温かくて少し震えてる
「ごめんなさい…」
花音も翔の背中に腕を回してギュッと服をつかんだ。
――母親の高校時代
『一緒に帰らない?』
片思いの父親に一度だけ話しかけられたことがあった。
『え?…え!?私ですか!?』
『もう暗いし…危ないよ。』
『だ、だ、大丈夫です!ありがとうございました!』
せっかく父親に話しかけれたのに、緊張しすぎて逃げ出してしまった過去があった。
花音と翔を見ていたら、自分のそんな高校時代のことを思い出した。
『彼自身をみてあげてくれ。』
父親がこの間ラウンジで言っていたこの言葉
目の前で愛おしそうに抱きしめあう二人をみたら…
二人が本気で愛し合っていることが伝わってきた
「お母さん…?」
母親がそっと帰ろうとしているところを花音が呼び止める。
「今日は…電話してくださってありがとうございました。」
「…花音、私帰るから。」
「え…待って、準備するから。」
「花音は…翔君と帰りなさい。」
「え…いいの?」
「翔君なら、これから先遅いときは送ってもらってくれそうだから…安心しておくわ。でも泊まる時は一言メールでいいから連絡ちょうだい。」
「お母さん…」
「翔君、花音をよろしくお願いします。」
「…はい。」
“ガラガラガラ…”
病室のドアの隙間から見えた母親の後姿がなんだか小さく見えて、胸の奥が切なくなる。
翔とのことを認めてくれたのに…
嬉しいはずなのにこの感情は何なんだろう――
「花音…」
「あの、翔君――」
翔が花音が言う前にうなづく。
まだ何も言ってないのに伝わってしまうってすごい――
「俺たちはこれから何度でも一緒に帰れるから。」
「お母さん!」
「…花音、見送りはいいから一緒に帰りなさいよ。」
「ううん…今日はお母さんと帰る。」
「フフッ…何それ。」
「お母さん。」
「うん?」
「ありがとう…今日も…今までも。」
「何よ急に…今までそんなこと言ったことなかかったじゃない。」
「うん…なんか急に言いたくなっちゃった。翔君のおかげかも。」
「それなら早く孫の顔を見せてちょうだい。」
「え!?ま、孫!?結婚もしてないし…」
「そういう話していないの?」
「全然…まだそんなに付き合っているわけじゃないし。」
「そう…それでもあれだけ大事にしてくれるのね。」
後ろを振り向くとまだ翔が花音と母親の姿を見送っていて一礼してくる。
「いい子ね翔君は。」
「うん…すごくいい人だよ///」
「…ごちそうさま。」
「へへ。」
翔君が優しいから
私も優しくなれる
そして他の人にも優しくしたくなる
翔君と再会してからは
ダイエットして
引きこもりの生活はやめてオシャレしたり
お母さんに甘えてばかりだったことに気づかせてくれた
これから先も一緒に過ごせたらいいなって…
私は翔君との将来を
この時考えていたんだーー
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