53 / 105
伝えられぬ思い⑤
しおりを挟む
“ザワッ…”
海斗が花音をお姫様抱っこしていることにみんな驚きを隠せなかった。
「すいません、彼女俺のために飲みすぎちゃって…」
最初に花音をお姫様抱っこしている理由から話した。
「隆之、真理絵さん、ご結婚おめでとうございます。」
司会者の人が彼女をあちらに寝かせましょうか?と小声で話してきたが断った。
「隆之と真理絵さんは学生時代からの付き合いですが、隆之の猛烈なアタックで交際が始まりました。中々真理絵さんがOKだしてくれなくて、振られては2人でよく飲んでました。」
真理絵と隆之が見つめ合いながら微笑みあう。
「だから交際が始まったときは嬉しくて…しかも結婚までして…」
「振られても振られてもアタックする隆之をみて、何でこんなにもアタックするのか 疑問に思ったことがあります。」
海斗はスヤスヤ寝ている花音に目をやる。
「でも今ならわかります。隆之にとって真理絵さんは最愛の人だから。」
“ピューピュー”
友人たちが指笛を鳴らす。
「自分が経験して思うことは両思いって簡単じゃない、奇跡なんだってことです。こんな風に自分の腕の中にいても気持ちまでは掴めれないんです…」
海斗の片思いの告白に胸がキュンとしている女性は多かった。
「星の数だけ男女はいると言われていますが、最愛の人はたった1人ーーたった1人を見つけ、そして思い、思われる…奇跡を起こした隆之のあとに続きたいと思いますって俺の決意表明になってしまいました笑」
「頑張れよー!」
周りから声援を受けながら海斗はマイクの前から離れた。
「海斗。」
「隆之…ごめん、俺ーー」
「いいよ。彼女お大事に。あとーー」
“バンっ”
「いって~~」
「お前なら出来るよ、絶対!」
「隆之…」
起業するようにすすめた時と同じ台詞を海斗にかけた。
「…よいしょッ」
お酒の弱い花音は海斗が少しぐらい揺さぶっても全く起きなかった。
あれからタクシーでホテルまでいって花音の部屋に花音を運んだ。
「お休み…あと今日はありがとう。」
“ギシッ…”
横たわる花音の靴を脱がしてあげるために脚にそっと指が触れる。
「んッ…」
花音の脚がほんの僅かに海斗が触れたことによって。ピクッと脚が反応していた。
「花音…」
自分が好きな女性がホテルのベッドで不防備に寝ているーー
欲情しないほうがおかしい
花音に
触れたくて、触れたくて、触れたくて…
触れたくてたまらなかった
“ギシッ…”
花音の顔の横に手をついて、グロスでくっついている髪の毛をそっと取る。
「花音…起きて…」
「ん…」
花音が海斗の首回りに腕を絡ませてきて体が密着した。
「…ッ」
花音の吐息が耳にかかる。
胸も押し付けられて今まで抑えていた理性が吹っ飛んだ。
“ジジジッーー”
服のドレスのファスナーをゆっくりと下げる。
「…泣かないで…」
「……え?」
いきなり花音に声をかけられ、ファスナーをおろしていた手をストップさせる。
「かーーッ」
「…花音?」
「…スゥ…」
花音はまた再び寝てしまったようだった。
「…ッ」
海斗は下げたファスナーを上にあげて、花音をゆっくりとベッドに寝かせた。
“バタン…”
海斗は隣の自分の部屋に戻りベッドの上に乱暴にスーツの上着を投げつける。
「何で翔が頭をチラつくんだよ…」
花音だけでなく、海斗もエレベーターが閉まる隙間から見えた翔の顔が忘れられなかったーー
花音の中途半端な言葉の先は、『かいと』じゃなくて『かける』だ
それがわかってしまう自分に嫌気がさした
「俺はどうすれば…ッ」
一緒に広島にきてくれた
隣の部屋で寝ているのにーー
距離は明らかに近いのに遠くに感じる…
海斗が花音をお姫様抱っこしていることにみんな驚きを隠せなかった。
「すいません、彼女俺のために飲みすぎちゃって…」
最初に花音をお姫様抱っこしている理由から話した。
「隆之、真理絵さん、ご結婚おめでとうございます。」
司会者の人が彼女をあちらに寝かせましょうか?と小声で話してきたが断った。
「隆之と真理絵さんは学生時代からの付き合いですが、隆之の猛烈なアタックで交際が始まりました。中々真理絵さんがOKだしてくれなくて、振られては2人でよく飲んでました。」
真理絵と隆之が見つめ合いながら微笑みあう。
「だから交際が始まったときは嬉しくて…しかも結婚までして…」
「振られても振られてもアタックする隆之をみて、何でこんなにもアタックするのか 疑問に思ったことがあります。」
海斗はスヤスヤ寝ている花音に目をやる。
「でも今ならわかります。隆之にとって真理絵さんは最愛の人だから。」
“ピューピュー”
友人たちが指笛を鳴らす。
「自分が経験して思うことは両思いって簡単じゃない、奇跡なんだってことです。こんな風に自分の腕の中にいても気持ちまでは掴めれないんです…」
海斗の片思いの告白に胸がキュンとしている女性は多かった。
「星の数だけ男女はいると言われていますが、最愛の人はたった1人ーーたった1人を見つけ、そして思い、思われる…奇跡を起こした隆之のあとに続きたいと思いますって俺の決意表明になってしまいました笑」
「頑張れよー!」
周りから声援を受けながら海斗はマイクの前から離れた。
「海斗。」
「隆之…ごめん、俺ーー」
「いいよ。彼女お大事に。あとーー」
“バンっ”
「いって~~」
「お前なら出来るよ、絶対!」
「隆之…」
起業するようにすすめた時と同じ台詞を海斗にかけた。
「…よいしょッ」
お酒の弱い花音は海斗が少しぐらい揺さぶっても全く起きなかった。
あれからタクシーでホテルまでいって花音の部屋に花音を運んだ。
「お休み…あと今日はありがとう。」
“ギシッ…”
横たわる花音の靴を脱がしてあげるために脚にそっと指が触れる。
「んッ…」
花音の脚がほんの僅かに海斗が触れたことによって。ピクッと脚が反応していた。
「花音…」
自分が好きな女性がホテルのベッドで不防備に寝ているーー
欲情しないほうがおかしい
花音に
触れたくて、触れたくて、触れたくて…
触れたくてたまらなかった
“ギシッ…”
花音の顔の横に手をついて、グロスでくっついている髪の毛をそっと取る。
「花音…起きて…」
「ん…」
花音が海斗の首回りに腕を絡ませてきて体が密着した。
「…ッ」
花音の吐息が耳にかかる。
胸も押し付けられて今まで抑えていた理性が吹っ飛んだ。
“ジジジッーー”
服のドレスのファスナーをゆっくりと下げる。
「…泣かないで…」
「……え?」
いきなり花音に声をかけられ、ファスナーをおろしていた手をストップさせる。
「かーーッ」
「…花音?」
「…スゥ…」
花音はまた再び寝てしまったようだった。
「…ッ」
海斗は下げたファスナーを上にあげて、花音をゆっくりとベッドに寝かせた。
“バタン…”
海斗は隣の自分の部屋に戻りベッドの上に乱暴にスーツの上着を投げつける。
「何で翔が頭をチラつくんだよ…」
花音だけでなく、海斗もエレベーターが閉まる隙間から見えた翔の顔が忘れられなかったーー
花音の中途半端な言葉の先は、『かいと』じゃなくて『かける』だ
それがわかってしまう自分に嫌気がさした
「俺はどうすれば…ッ」
一緒に広島にきてくれた
隣の部屋で寝ているのにーー
距離は明らかに近いのに遠くに感じる…
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R18】ドS上司とヤンデレイケメンに毎晩種付けされた結果、泥沼三角関係に堕ちました。
雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向けランキング31位、人気ランキング132位の記録達成※雪村里帆、性欲旺盛なアラサーOL。ブラック企業から転職した先の会社でドS歳下上司の宮野孝司と出会い、彼の事を考えながら毎晩自慰に耽る。ある日、中学時代に里帆に告白してきた同級生のイケメン・桜庭亮が里帆の部署に異動してきて…⁉︎ドキドキハラハラ淫猥不埒な雪村里帆のめまぐるしい二重恋愛生活が始まる…!優柔不断でドMな里帆は、ドS上司とヤンデレイケメンのどちらを選ぶのか…⁉︎
——もしも恋愛ドラマの濡れ場シーンがカット無しで放映されたら?という妄想も込めて執筆しました。長編です。
※連載当時のものです。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【完結】やさしい嘘のその先に
鷹槻れん
恋愛
妊娠初期でつわり真っ只中の永田美千花(ながたみちか・24歳)は、街で偶然夫の律顕(りつあき・28歳)が、会社の元先輩で律顕の同期の女性・西園稀更(にしぞのきさら・28歳)と仲睦まじくデートしている姿を見かけてしまい。
妊娠してから律顕に冷たくあたっていた自覚があった美千花は、自分に優しく接してくれる律顕に真相を問う事ができなくて、一人悶々と悩みを抱えてしまう。
※30,000字程度で完結します。
(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
---------------------
○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
(pixiv)https://www.pixiv.net/users/2362274
---------------------
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる