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肝試し、気持ち試し
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「式大丈夫?」
「ああ大丈夫、お前らはなんかあったか」
「ううん何にもない!」
そか、とそっけない返事をしながらも式が何気なく唯の頭に手を置いた。本当にいつから仲良くなったのか不思議だが羨ましくてならないマエタはぶっきらぼうに式に声をかけた。
「なんかやべえ音したけど?」
「あーまあ、変なのに絡まれたけど帰ったから。ほら行こうぜ」
「帰ったって……」
この数分で?複数人は居たのに?など色々と気になることがあったのに唯斗がマエタの腕と式の腕をギュッと組みながら歩き始めるからその思考は一気に飛んでいった。
「た、たたたかせせうううで」
細い。やらかい。いい匂い。やばい。しんぞうでる。
死にかけのマエタが顔を真っ赤にする。暗闇でもわかってしまいそうなほど。
「ん?こうしたほうが肝試しっぽくて楽しいよねぇ」
こんなに見当違いな返事をするくらい唯斗はそれこそ同性からの想いに鈍感だが、周りの状況把握はお手のものだ。式がきた方向にはもちろん見られてはいけない死屍累々があるのだから、ここはとにかくマエタに知られず先に進んだほうがいいと判断して唯斗はにこにこと歩き出す。
「さてさて、じゃんじゃん行っちゃお~!」
壊れたオモチャのようになったマエタを見ながら式は哀れ過ぎて眉を寄せた。
「……唯、こいつさっきまでお前と会話出来てたか?」
「うん!楽しかったよね~マエタくん」
「そそそそそそうだな」
「あはは、どうしたのマエタくん噛みすぎだよ」
「……お前のせいだよ唯」
呆れる式に当然唯斗の返事は「なんでおれ?」だ。
暗闇でもわかる曇りなき眼差しに式はため息をついた。
「他に変なところはなかったからサッサと帰ろうぜ」
「だねぇ行こう行こう!そういえば、式のペアの人は??」
「さあ」
悪いな吉乃。
心の中では謝りながら必要な犠牲であったと割り切る式。おかげでちょっかいを出すような人間は片付いたが残りの不安は優だ。優は名前の通り優しいから傷つかないといいが。
さらに眉間の皺を深ませた式の腕を唯が引っ張る。なんだよ、と言いかけるがいつものおちゃらけた顔ではない。大人みたいな優しい笑顔で笑うのだ。
「優はめちゃくちゃ美人でめちゃくちゃカッコいいんだよ」
相変わらずこんな時だけ察しがいい。
式の心を読み取ったようなタイミングで優の話を始める唯にマエタは意味がわからず首を傾げた。
「さ、ささ坂下がどうかかしたのかかっ??」
「優は最高ってこと!」
「ああ大丈夫、お前らはなんかあったか」
「ううん何にもない!」
そか、とそっけない返事をしながらも式が何気なく唯の頭に手を置いた。本当にいつから仲良くなったのか不思議だが羨ましくてならないマエタはぶっきらぼうに式に声をかけた。
「なんかやべえ音したけど?」
「あーまあ、変なのに絡まれたけど帰ったから。ほら行こうぜ」
「帰ったって……」
この数分で?複数人は居たのに?など色々と気になることがあったのに唯斗がマエタの腕と式の腕をギュッと組みながら歩き始めるからその思考は一気に飛んでいった。
「た、たたたかせせうううで」
細い。やらかい。いい匂い。やばい。しんぞうでる。
死にかけのマエタが顔を真っ赤にする。暗闇でもわかってしまいそうなほど。
「ん?こうしたほうが肝試しっぽくて楽しいよねぇ」
こんなに見当違いな返事をするくらい唯斗はそれこそ同性からの想いに鈍感だが、周りの状況把握はお手のものだ。式がきた方向にはもちろん見られてはいけない死屍累々があるのだから、ここはとにかくマエタに知られず先に進んだほうがいいと判断して唯斗はにこにこと歩き出す。
「さてさて、じゃんじゃん行っちゃお~!」
壊れたオモチャのようになったマエタを見ながら式は哀れ過ぎて眉を寄せた。
「……唯、こいつさっきまでお前と会話出来てたか?」
「うん!楽しかったよね~マエタくん」
「そそそそそそうだな」
「あはは、どうしたのマエタくん噛みすぎだよ」
「……お前のせいだよ唯」
呆れる式に当然唯斗の返事は「なんでおれ?」だ。
暗闇でもわかる曇りなき眼差しに式はため息をついた。
「他に変なところはなかったからサッサと帰ろうぜ」
「だねぇ行こう行こう!そういえば、式のペアの人は??」
「さあ」
悪いな吉乃。
心の中では謝りながら必要な犠牲であったと割り切る式。おかげでちょっかいを出すような人間は片付いたが残りの不安は優だ。優は名前の通り優しいから傷つかないといいが。
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「優はめちゃくちゃ美人でめちゃくちゃカッコいいんだよ」
相変わらずこんな時だけ察しがいい。
式の心を読み取ったようなタイミングで優の話を始める唯にマエタは意味がわからず首を傾げた。
「さ、ささ坂下がどうかかしたのかかっ??」
「優は最高ってこと!」
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