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っていう夢
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しおりを挟む「あーあー笑った笑った!可笑しい~。よしオマエは今日からアッキーでー」
「それ俺っすよね、やった!」
「そー、んで唯ちんと優たんネ」
「はーい!」
瑠衣があだ名をつけたという事はすっかり気に入ったわけで、この一瞬で彼らを気に入ったのかと赤羽は楽しくなってくる。
あだ名を簡単に受け入れるところもなかなか見応えがあって良い、という彼の考えは誰もしらない。
氷怜もひとしきり笑うと楽しそうに言う。
「良いのか、そんな暢気なこと言って。俺たちを負かすらしいけどな」
「それはそれ、なんでしょう?」
暮刃の言葉にまだ唯達の雰囲気が変わる。
「はい」
一瞬でスイッチが切り替割るのだ。
氷怜は目の前の唯を見つめていた。可愛さを仕舞い込み、色気が見え隠れする唯に氷怜は目を細めた。
「……唯斗、だな」
唯斗は本名であり、芸名としては唯を使っている。隠しているわけではないが殆どの人間が唯と呼ぶので少し驚いた。
自分の本名を知っていたのかと。
「いいな、お前」
それだけ言うと氷怜はソファに戻ってしまう。一瞬唯が息を呑み固まった横で瑠衣が秋の頬を掴む。
「……ひーが気に入った」
「え?」
「オレもオマエ気に入ったけど」
綺麗な目が真っ直ぐに見つめてくる。青と緑が揺らめく海みたいだ。その目が秋を飲み込もうとしていると秋も気が付いた。
いきなりの言葉に秋は驚いたが、それでも瑠衣の雰囲気も何もかも既に秋も同じ気持ちだった。もとより憧れ続けた相手が、すんなりと、不思議なくらい。
「俺もです」
笑った秋の雰囲気が優しくなる。
瑠衣よりも背は低いが随分と落ち着いていて爽やかな笑顔だ。素直な言葉に瑠衣は満足げにニッと笑った。綺麗な指で秋の頬を引っ張る。
「みんなで、後でケーキ食べに来なよー。あいつのケーキ美味いヨー」
「え、那加さん料理まで出来るんすか!男って感じなのに……やっぱno name違うな」
指をさされた那加が緩く手を挙げた。感心する秋に那加は笑顔を返しながらも瑠衣のケーキストックの心配をしていたが。
「俺は優って、呼ぶね」
どうやら自分たちは気に入られたらしい。目の前の暮刃もまた自分に少なからず興味があるように思えた。そしてまた自分も。
優は案外冷静に目の前の状況を見ていた。そうなると少しだけいたずらな心が芽生えてしまうではないか。
黒い瞳が少し細まり、口元はいたずらに微笑む。
「……暮刃さんも気に入ってくれますか?俺のこと」
「驚いた……君意外と……」
最後はクスリと微笑む暮刃に優もほほえみ返す。
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