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っていう夢
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決戦の日、晴れ舞台。
なんとでも言える最高の日だ。
「衣装OK!メイク道具OK!」
「立ち位置OK!歌順OK!」
「練習OK!気合は?」
「OK!!!」
3人で円陣を組み控え室に大きな掛け声が響いた。何度も何度も練りに練ったパフォーマンスは自分たちの持てる全てを詰め込んだ。テンションは収まりが効かないが、本番になればスイッチが入るだろう。たぶん。
たぶん、がついてしまうくらいには気合が入りすぎていた。白い衣装に身を包んだ3人の笑顔はどこかぎこちない。
そんな3人に柔らかな声がかけられる。
「みんな、来ちゃった」
「……え、春さん?」
3人が大好きな、大大好きな先輩に当たる春が控え室に顔を出した。俳優の彼がフェスに出る事は無いので椎名が呼んだのだろう。
犬の如く尻尾を振って駆け寄る3人を春は保護者のように微笑みながら受け止めた。
「大丈夫?」
「ああ春さんだ~忙しいかと思って会えなかったから~嬉しい~」
「マイナスイオン……」
「あー落ち着く~」
「ごめんね。最近俺もドタバタしてて今日も実は君たちの出番まで居られなくて……」
春の大河ドラマの撮影は順調と聞いていたが、多忙になってしまうのは仕方のない事だ。
会えないと踏んでいただけにこのタイミングで会いに来てくれる事が唯たちにはもう感動ものだ。
「いやいや、今日も撮影ですよね。その前に来てくれるなんてぇ……うう」
「唯泣くなよ、移るだろお!」
「2人ともやめてよそれが移るから……」
唯の涙がみるみる伝染していき、3人の目が潤む。その頭を撫でながら春はやっぱりと苦笑した。
「テンション高くなってるんじゃないかなって思ってたんだよね……」
緊張と昂りでいつもと様子が違くなってないか、息子のように可愛がってきた後輩の様子を撮影の合間をぬって見に来たのだ。
春はいつもと変わらぬ優しい口調で話しかける。春の声は誰もを癒す魔法だ。
「君たちなら大丈夫。椎名さんも君たちのことを信じてるし僕だってこんなに誇らしい子達他にいないから」
「は、春さん……」
「式くんと桃花くんも心配してたけど、あの子達も今日ライブがあるからこれを渡してほしいって……」
式と桃花は椎名の事務所に所属するもう一つのアイドルユニットだ。同じ時期にデビューしライバルであり良き共である。ちなみに桃花は唯の最古ファンであるがこれは周知の事実だ。
そんな2人が春に託したものは香水だった。みんなでひとつずつ買ったこれはお守りのような存在だ。自分たちのは使い切ってしまい今日はつけてこれないと零したのを覚えていたらしい。
「おおお、お守りだぁ~」
「ああほら、もう泣いちゃダメ目が晴れたら大変でしょ」
「う、そうだった」
なんとか涙を堪える3人に春は香水を振ってあげる。花の香りは優しい。
式も桃花も頑張ってる。なら俺たちもだ。
「……春さん、ありがとう。もう大丈夫です」
ようやくふわりと笑って見せた3人。こうなれば彼らの勢いは止まらない。
春は確信して立ち上がり微笑む。
「うん、君たちは無敵だ」
なんとでも言える最高の日だ。
「衣装OK!メイク道具OK!」
「立ち位置OK!歌順OK!」
「練習OK!気合は?」
「OK!!!」
3人で円陣を組み控え室に大きな掛け声が響いた。何度も何度も練りに練ったパフォーマンスは自分たちの持てる全てを詰め込んだ。テンションは収まりが効かないが、本番になればスイッチが入るだろう。たぶん。
たぶん、がついてしまうくらいには気合が入りすぎていた。白い衣装に身を包んだ3人の笑顔はどこかぎこちない。
そんな3人に柔らかな声がかけられる。
「みんな、来ちゃった」
「……え、春さん?」
3人が大好きな、大大好きな先輩に当たる春が控え室に顔を出した。俳優の彼がフェスに出る事は無いので椎名が呼んだのだろう。
犬の如く尻尾を振って駆け寄る3人を春は保護者のように微笑みながら受け止めた。
「大丈夫?」
「ああ春さんだ~忙しいかと思って会えなかったから~嬉しい~」
「マイナスイオン……」
「あー落ち着く~」
「ごめんね。最近俺もドタバタしてて今日も実は君たちの出番まで居られなくて……」
春の大河ドラマの撮影は順調と聞いていたが、多忙になってしまうのは仕方のない事だ。
会えないと踏んでいただけにこのタイミングで会いに来てくれる事が唯たちにはもう感動ものだ。
「いやいや、今日も撮影ですよね。その前に来てくれるなんてぇ……うう」
「唯泣くなよ、移るだろお!」
「2人ともやめてよそれが移るから……」
唯の涙がみるみる伝染していき、3人の目が潤む。その頭を撫でながら春はやっぱりと苦笑した。
「テンション高くなってるんじゃないかなって思ってたんだよね……」
緊張と昂りでいつもと様子が違くなってないか、息子のように可愛がってきた後輩の様子を撮影の合間をぬって見に来たのだ。
春はいつもと変わらぬ優しい口調で話しかける。春の声は誰もを癒す魔法だ。
「君たちなら大丈夫。椎名さんも君たちのことを信じてるし僕だってこんなに誇らしい子達他にいないから」
「は、春さん……」
「式くんと桃花くんも心配してたけど、あの子達も今日ライブがあるからこれを渡してほしいって……」
式と桃花は椎名の事務所に所属するもう一つのアイドルユニットだ。同じ時期にデビューしライバルであり良き共である。ちなみに桃花は唯の最古ファンであるがこれは周知の事実だ。
そんな2人が春に託したものは香水だった。みんなでひとつずつ買ったこれはお守りのような存在だ。自分たちのは使い切ってしまい今日はつけてこれないと零したのを覚えていたらしい。
「おおお、お守りだぁ~」
「ああほら、もう泣いちゃダメ目が晴れたら大変でしょ」
「う、そうだった」
なんとか涙を堪える3人に春は香水を振ってあげる。花の香りは優しい。
式も桃花も頑張ってる。なら俺たちもだ。
「……春さん、ありがとう。もう大丈夫です」
ようやくふわりと笑って見せた3人。こうなれば彼らの勢いは止まらない。
春は確信して立ち上がり微笑む。
「うん、君たちは無敵だ」
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