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たこ焼きパーティーが似合わない
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しおりを挟む「はーい!盛り上げ役のプリティーな双子ちゃんが来ましたよー!」
「きゃーカワイイー」
今日も寸分の狂いもなく同時に話す双子の神さんと才さんに瑠衣先輩が適当に返事をする。
「双子!ちゃんと挨拶しろ!」
「お邪魔します!!」
亜蘭さんの言葉に一気に雰囲気を変えて頭を下げる双子さんにみんなが笑い出す。そして2人は那加さんたちと同じように部屋の中を見渡した。
「うーわ!家の中も流石ですね」
「俺らの家の2倍はある!」
「いやいや、二分の一でも充分すごいと思いますよ?!」
秋が思わず突っ込む。
この家広すぎて鬼ごっこ無限にできるのに。やっぱり先輩たちの周りの人って普通じゃないんだな……とじわじわ実感してきた。那加さんも夜景が見える部屋に住んでるとか言うし、亜蘭さんもみんなそうじゃねえか?とか言われてしまうともう笑うしかない。
2人は自然な流れでテーブルに近づき、持っていた袋を開けると暮刃先輩と氷怜先輩に渡す。厳重で金ぴかの箱にはシャンパン、それからワイン。多分だけど、そんな感じの色だ。絶対に高い、どう見ても高い。わかってたけど、まだ飲むのか。アルコールって彼らには効かないのかもしれない。
「うわぁ……追加きたよ」
「なんか、シャンパンタワー出来そう……」
秋と優は追加のグラスをキッチンまで取りにきたがその目はもう虚だ。可哀想になってきてキッチンと代わろうかと聞くがまだ大丈夫と言われる。まだね。
「此処にきたかった奴らの差し入れです。めっちゃ居たんで連れてくんの無理でした」
「まあ、勝手に置いてきたんすけどね!」
ビシッと同じポーズを決める2人に暮刃先輩が苦笑する。
「そんな来たいわけ?」
「いやーそりゃ、愛の巣見たいですよー」
「あ、愛の巣、アハハ……」
乾いた笑いの秋。そんな恥ずかしい事を堂々と言われてしまい恥ずかしさ通り越して悟ったらしい。
そして数分後、赤羽さんも顔を出した。車を移動してましてと微笑みながらキッチンまでくると彼はいつも通りの笑顔を見せてくれる。
「随分と盛り上がってますね。はい、どうぞ」
「え、まさかまた、お酒……」
「まさか、そしたら渡せない」
赤羽さんがおれに渡してくれた袋。中はお肉のようだった。赤くて霜降りがたくさんある超美味しそうなお肉。でも冷蔵庫にもお肉がある事を那加さんから聞いていたはずの赤羽さんにおれは首をかしげる。
「お肉?」
「お!きたなブリアン」
「へっ」
ブリアンってまさかまさかの。
「シャトーブリアン……?」
「そっ、ブリアン。可愛いだろ赤くて」
そんな女の子の名前呼ぶみたいに。
待て待て、なんでたこ焼きパーティにA 5のお肉が登場するんだ。キャベツを切っていたおれは余計に不思議に思う。
「だ、誰かステーキ食べたかったんですか」
「いや?入れんの」
「どこに?」
「たこ焼きに」
ついにタコパじゃなくなってきた。
「あ、えと、何入れても、美味しいですもんね……?」
頑張って平静を保ちつつ、なんとか切り終わったキャベツを混ぜていく。市販のたこ焼き粉じゃなくて那加さんオリジナルのブレンドたこ焼き粉。なんでたこ焼きまで作れちゃうんだろ。しかもおれが言った材料も買ってきてくれたけど、那加さん曰く買い物中に新しいたこ焼きのレシピを思いついたらしい。
「マジで舌とろけさせるから、期待してな」
ウィンク付きの言葉にもう微笑み返すしかない。
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