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しおりを挟む毎日楽しい時間ばかりで、それに伴ってスマホのアルバムはどんどん増えていく。おれも秋も優だって何かと写真に収めがちだ。写真を撮ってあとで見返してまた楽しめる。
でもなんだかそれだけじゃ勿体ない気がしてSNSを初めてみた。写真投稿がメインのそれに秋と優ももちろん誘う。
「んー、どうせ一緒にいるし一個のアカウントで良くない?」
「写真バックアップして共有してあるし、1つのアカウント3人で回す方が楽しいしな!」
こうやってなんでも楽しんでくれちゃう2人が好き。
アカウントを作るとみーちゃんに話したらオススメのコスメとおれたち3人の私服に、佳乃には秋のダンスと優のアコギとか載せてよと要望を頂いた。
おれとしてもカフェも載せたいし、コスメに留まらずヘアスタイルもメイクもなんでも載せたい。そう考えるとネタに困らない人生を生きている。
アカウントを作ってプロフィールにそれぞれの名前、当然初投稿は3人の写真。せっかくだから雑誌のスナップで撮ってもらった特にお気に入りのやつにしてみた。
「おお!なんか感動~」
「唯マメだから毎日更新するでしょ」
おれは確かにマメだけど3人でやるから1日3投稿なんて楽勝だった。最初はクラスメートがフォローしてくれて学校の友達もみんなフォローしてくれて中学からの知り合いもカフェのお客様までと段々と広がっていく。
自分でも交友関係が広いと言うことは何となくわかっているので数日でもかなりの人がフォローしてくれた。
嬉しいことに写真のお陰で知らない人からの反響もある。
「みてみて!雑誌見てくれた人からコメントいっぱいきた!」
「よかったなぁ優」
「うん」
いつもクールな優様だってこの事態は嬉しいようで、こくんと頷くもんだから可愛くて思わず抱きしめた。それにサクラ姉さんもイノさん達やアゲハさん達もフォローしてくれる不思議なつながりのあるアカウントの出来上がりだ。
ちなみに先輩達のチームの人は公に動いている人が集客のためにアカウントを作っている。つまり式や桃花は持ってないそう。アカウントを持ったところであの2人がちゃんと運用するかは怪しいが。
ピコンとアイコンが届くと、見知った人からのフォロー通知。
「紫苑さんだ」
「うげ、フォロワー20万人もいるよ……」
「バーテンにいる時いつもファンの人いるもんね」
紫苑さんはチームの幹部の人だけど、バーテンも兼任してる優しくて少しチャラい雰囲気のお兄さんだ。派手な髪が印象的で日本人だけど目鼻立ちがくっきりしている彼は瑠衣先輩が拾ってきた人らしい。
その見た目と人受けの良さから集客人員としてクラブでは前面に出ているのだ。
「あ、しかも俺らの投稿宣伝してくれた……」
可愛い弟達をよろしく。
それからは嵐のごとく通知が鳴り響き始めた。
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