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風邪の日の
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しおりを挟む「何度だって?秋ちゃん」
「んー、38.9」
「高いね……でも朝ごはんも食べたっていうし……うーん、ひどそうなら私車出すから病院行くほどかも見てきて」
「ほーい」
母さんのメールに秋ママからの連絡が届いたと言われ、おれも携帯を見れば秋からもグループチャットに連絡があった。
熱出たあとは宜しく。38.9。
遺言かよ。秋は運動好きで体を1番動かしてるけどなんでかよく季節の変わり目とかに風邪を引く。そして意外とおれの方が風邪をひかない。優はちゃんと気をつけてるからひかない。
携帯と再び向き合って電話。相手はすぐに出た。
「もしもし?」
「優、着替えたら行こうかなって思うんだけど」
「うん、大丈夫」
待ってたかのような返事にちょっとだけ笑いながらもねえねえと聞いてみた。
「先輩達に言ってもいいよねぇ?」
「とりあえず俺たちに丸投げした感じあるし」
「そんな気がするよねぇ、知らせだけしとこかな」
「うん」
ゼリーとかアイスとか食べやすいもの買っていこうとそんな話になって電話を切った。すぐさまグループチャットを開いて連絡。
秋、熱のため応答不可です~。
気負いさせない気軽な感じにしておいた。すぐに既読がついたけどたぶん優だと思う。先輩達電話の方がすぐに出るタイプ。
「さてと」
最近のお気に入りを着て髪の毛を整えて、冬の乾燥対策リップを塗った。椎名に行ってきますと告げて玄関を出る。
玄関から出ると壁に寄りかかった優がこちらを向く。視線が首より下に向いた。
「そのパーカー可愛い」
「やったね通販」
「安い?」
「安かった。さらにタイムセールしてた」
「いいじゃん」
裏起毛のパーカーだから冬でもあったかい日ならいけちゃうので、パッと着るにもはもってこい。優に褒められたし悩んだ日はこれにしよ。
優はあんまりだる着って感じの服はいつも着ない。でもそう言う人がたまにカジュアル着るとなんかいいんだよね。ギャップ萌えってもう死語?
いつかの赤羽さんが働いていたコンビニはマンションのすぐ近く。はーと吐いた息が白い。優がそれをみながら話し始める。
「やっと冬休みなのに可愛そうな秋」
「まあでも今日はバイト10連勤からのごろごろデーだったから」
「……本当、先輩達もよくこんなスケジュールに付き合ってくれるよね」
もうバイトが趣味くらい連日のバイトでずっと先輩達の誘いを断り続けていたおれたちはついに休みを手に入れた訳だが、一日も休みがなかったので冬休み初日は家にいることになった。
その分全力で先輩達と遊びたいと我儘を言ったにも関わらず
思わずニヤニヤしちゃうような抱擁しながらあとでたくさん構ってな、とか言われちゃってなんかもう氷怜先輩愛してます。
おれのニヤニヤとは裏腹に優が心配な顔をした。
「こんなに甘やかされてて良いんだろうか……」
「うーん?でもそれをおれたちが喜ぶことが1番先輩たちにとって嬉しいみたいだし。だからさその分明日から死ぬほどお返ししよ?」
「うん……」
こういう時の優まじで可愛いんだよな。素直さ100は果汁100と同等のフレッシュさ。おれはりんごが好きだよ。
見えてきたコンビニに入り、店内を見渡して栄養ドリンクのコーナーに一直線。
その時、ポッケのスマホが震えた。
「優、これ……」
瑠衣先輩からおれに個人チャット、画面を見せながらもにやけていたおれにつられて優もにやける。
「瑠衣先輩らしいね」
「ほんとに」
いいお土産出来た。
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