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rival!!!
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しおりを挟む「氷怜先輩がご機嫌になってる!」
「さあな」
氷怜先輩が手でおれを呼んでいたので出来た料理を持ちながら駆け寄ると少し穏やかな2人になっていた。春さん那加さん共同作のまだ名もなき絶品料理をテーブルに置いて氷怜先輩に頭を撫でられながら表情を確認。いつも通りカッコい……じゃなくて、うん、やっぱり機嫌よさそうだ。
それに良かった、麗央さんの顔を見ればすぐに分かる。話したい事ちゃんと話せたんだろう。彼は微笑むとおれを見てから氷怜先輩を見たあと、少し考えるように口元に手を当てた。
「ねえ唯斗、少し良い?」
もちろんと頷くと氷怜先輩が隣の空いている席をひいた。そこに座り首を傾げる。
「何でしょう麗央さん」
麗央さんも本当にご機嫌でさっきまでの緊張していた様子も今はない。にこにこと笑って可愛く口を開いた。
「氷怜さんの事が好きでしたって、伝えたんだ」
普通は驚くところなのかもしれない。
でも、もうその言葉が嬉しい。麗央さんからおれにちゃんとその言葉を言ってくれるなんて。しかも、分かる。激しく同意。
「おれも好きなんです」
へにゃり笑ったら麗央さんキョトンとして、そしてついにぷっと吹き出した。
「あはは!もう、本当に完敗!」
「え?」
「変なプライド、やっと捨てられた。やっぱり可愛いよ唯斗、俺とは大違いだ」
「え?!」
氷怜先輩を見ても何も言わないけど、口元が少しだけ笑っている。麗央さんにまさかそんなふうに褒められるとは思わず謎の赤面をしてしまった。
きっと彼の中でいろんな葛藤があったのかも知れない。
でも、深くは分からなくても、それでも麗央さんはこんなふうに屈託なく笑う姿がよく似合う。本当に可愛くて、天使みたいな人。そんな人と好きな人が同じなんてむしろ誇らしいくらい。
彼は涙を溜めて笑った後、氷怜先輩に言う。
「氷怜さん、俺はまだあそこに出入りしていても良いんでしょうか」
「それは最初にお前に言ってる。榊の手綱をちゃんと握ってる限りあそこの出入りは自由だ」
「唯斗と遊んでも……?」
「ダメと言った覚えもねぇけど」
そんな会話に今度はおれがキョトンとする番だった。耳を疑う。
「え、あそ、遊んでくれるんですか?!おれと、麗央さんが??」
「他に誰がいるの」
ふんっと鼻を鳴らす麗央さんにもう嬉しくて立ち上がって抱きついた。しかも何という事だ、重いとは言われても避けられない。
「や、やった!!秋!優!おれ、麗央さんと遊べるみたい!!!」
抱きついたまま2人を呼ぶと一瞬で駆け寄ってきた。一気にわーわーと騒がしくなる席。
「うわずるい!麗央さん俺も!優も!」
「分かった、分かったから、秋裕も優夜もね」
「ちなみに縮めて呼んでもらえると落ち着くんですが俺たち……!」
秋が拳を握って期待の眼差し。おれも抱きついたまま期待の眼差し。優だけが俺は呼びやすいので良いですよとクールだけど本当は呼ばれたいはず。
麗央さんは不思議そうな顔で首をかしげた。
「……そんなこだわる?じゃあ、そう呼ぶ……みんなも、さん付けも敬語もいらない」
って言われてもう3人で万歳。
「やったー!!!」
「あ、じゃあまずはアゲハさんのところ行こうよ。みんなで行ったらもう全部ハッピーでまとまる」
優の言葉に賛成と叫ぶおれと秋。麗央さんは苦笑混じりで良いよと頷いた。おれはこそっと麗央さんに耳打ちする。
「実はアゲハさん、心配してておれたちのこと」
「本当優しいからね……今度謝らないと」
少し眉を下げた麗央さんはそれでもすぐに笑って見せた。
「それにアゲハ、ドレス着せたがってたもんね」
「そうなんです」
一緒に小さく吹き出した。嬉しい、こんな風に麗央さんと話せるのが本当に嬉しい。
そんなおれ達に気がついた瑠衣先輩が美味しそうなお肉料理を食べながらこちらを向く。
「ナーニ、唯ちんオレオと仲良くなったのー?」
「お、オレオ?」
「わ、瑠衣先輩のあだ名がついた!麗央さん良かったですねぇ!」
麗央さんに伝えると少し引き攣る笑顔。呼ばれ慣れない名前なのだろう。てか絶対呼ばれたことないと思うけど。
「い、良い事なの?まあなんでも良いけど……てゆか唯、敬語」
「あああ、癖が憎いぃ」
やっと李恩で慣れてきたけど今度は麗央呼びに慣れなければ。すると椎名までこっちに来て嬉しそうにスマホを取り出した。
「ねぇ、ねぇ、唯斗!麗央ちゃんと2人の写真撮っちゃダメかな……?雑誌の感じも可愛かったけど普段の感じを……!息子と可愛い子を待ち受けにして癒されたいの~」
椎名おれに女の子の服を着せるくらいだから麗央さんのお顔が好みなのは分かっていたけど、両手を合わせて懇願するほどだったのね。
流石にモデルさんに気軽に写真は……しかもおれとはまだ撮ってくれないかもと思ったけど麗央さんがにっこり笑った。
「それくらい、もちろん大丈夫ですよ」
なんたる事だ。麗央さんとまさかのツーショットが撮れるらしい。
「椎名ナイス!」
「ママでしょー」
「ママ愛してる!」
「こ、こんな時だけ呼ぶのねこの子は……」
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