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kick!!
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神さん才さんが優でも唯でもなく俺に話したのには訳がある。
学校にバイト、プラスしてクラブでの稽古の平日は過ぎて休日になると、ユートピアモールという壮大な名前の超大型ショッピングモールに来た俺達。
「氷怜先輩、ここのモールわんこと触れ合いコーナーあるんですよ~」
「ん、後で行くか」
にこにこの唯に氷怜先輩がふっと笑う。いや、微笑ましいけど俺はすでに疲れ気味だ。
リョウが突き出した条件はデート、だけど別に何人でも良いというので唯も優も誘ってみた。もはやどうしたら良いかわからなかったので親友も道連れだ。
そしたら何故か氷怜先輩も暮刃先輩も参加。じゃあ俺たちもデートしようかなと暮刃先輩が微笑んだら隣で優が訝しげに見ていたのが昨日のこと。
天気は晴れ、体調も良好。
だけどずっと不機嫌オーラが刺さってくるし、俺のほっぺは散々引っ張られ赤くなっているし、その犯人の瑠衣先輩がひっついて離れないから重い。
「なんでかナー、不思議だネー、なんか増えてるシー?」
「わ、分かりましたから。本当に今日だけですから、せめて自分で歩くくらいして下さいよー……!」
そりゃもうリョウの話をしたら瑠衣先輩の機嫌がどん底に落ちた。なぜ見定められないといけないのか不満なのだろう。そのストレスに比例してかケーキの消費は激しいし、わがままがいつもの倍激しくなった。
今朝でさえ行きたくないと駄々をこねたので朝ごはんは俺が作ってあげて服も着替えさせて髪の毛もセットしてあげてようやく重い腰を上げてくれたのだ。
しかも、先輩達、俺達、リョウにプラスして双子の神さん、才さんが投入されている。未だに瑠衣先輩に内緒にしている話があるため、めちゃくちゃ首を絞められた。
でもその話はきっと俺から言わなくても今日すぐにわかるはず、だから唯達にも神さん才さんに言われたことは特に何も話していない。
神さんと才さんにはリョウのことを話している。
「と、そんな事になり今日に至ります……」
「だからこんなことになってんのね。いーじゃん!」
「チャンスチャンス!」
今日はまだどっちがどっちでショー!をしていないので神さん才さんの見分けがついていない。
片方だけ耳にかけたヘアを揃えて今日も眩しい綺麗なお顔が二つも。そんな2人は俺が気まずい報告をしたというのに親指を突き立てている。
「ポ、ポジティブっすね」
「てかまー知ってたから」
「あ、そうなんすか……って、え?!」
一晩落ち着かなくて寝不足気味なのに杞憂だったというかなんというか。
本日の集合に現れた面々を見てリョウがひっと悲鳴を上げた。俺の腕を掴み少し離れたところでひそひそとだけど怒りながら言う。
「たしかに誰でも良いとは言ったけど大物揃えてくんなよ!!」
「いや、なんか流れで……ごめん」
「しかもあの双子まで!!!!」
実はリョウとツインズはすでに面識がある。
式に神さんと才さんが戦いを教えていた時期、教え子が通って氷怜さん達もいるならなんだか面白そうと学校に乗り込んだ事があるらしい。
そこで部活でもダンスをやっていたリョウとたまたま出会ったとか。
「やあやあ、リョウ久しぶりー」
「相変わらずキャンキャン鳴くちっこい犬っころだねー」
「う、うるさい前より伸びたし!!」
「おお」
すっごい勢いで言い返してて驚いた。
ツインズは気にする様子もなくあーはいはいと流していく。
「なんで双子がくんだよ!チームの人は?」
「え?いるじゃんここに」
「何言って、瑠衣先輩達しかチームの人は……」
「だから、この2人がチームの人じゃんか」
「へ」
同時にピースを披露した2人に、だって……と絶望するリョウ。聞けば出会った時制服を着ていたし、ダンス経験者の先輩と説明されたらしい。ちなみに神さん才さんが俺たちと同じ学校な訳がない。その時の適当な嘘だって事ね。
「リ、リョウ……」
「チームの話なんかした事ないし……どおりで学校じゃ見ないはずだ……はは」
「な、涙拭けよ……」
なんか不憫になってきて思わず慰めるが神さんも才さんも腹を抱えて笑っている。こんなんじゃリョウも懐くはずがない。それにいつも1番爆笑している人が心底不機嫌で俺はとにかく話を進める。
「えーと、まあ氷怜先輩達にチームの説明してもらうよりも知り合いと話す方がわかりやすいじゃん?」
なんとか話をまとめようとするとリョウはきっとツインズを睨みつける。
「絶対邪魔すんなよ!!」
「しないしない、むしろ感謝しなって」
「だいたいリョウみたいな子犬に氷怜さん達に話しかける勇気ないでしょ」
「うるさい神!」
いや年上にその口の聞き方はどうなのだと思いながらもなんだか2人は楽しそうなので放っておこう。しかし、待て、今最後に話したのが神さんって何故わかったのだろう。
「リョウ、お前2人の違いわかんの?」
「何言ってんだよ、全然違うし。性格が悪いのが神で馬鹿なのが才!!!」
「人を指さしちゃダメだぞー」
ビシと言い放ったリョウにケラケラ笑うツインズ。そう言われて2人を交互に見返すが首を捻るほかない。
いや、何もわからんわ。
学校にバイト、プラスしてクラブでの稽古の平日は過ぎて休日になると、ユートピアモールという壮大な名前の超大型ショッピングモールに来た俺達。
「氷怜先輩、ここのモールわんこと触れ合いコーナーあるんですよ~」
「ん、後で行くか」
にこにこの唯に氷怜先輩がふっと笑う。いや、微笑ましいけど俺はすでに疲れ気味だ。
リョウが突き出した条件はデート、だけど別に何人でも良いというので唯も優も誘ってみた。もはやどうしたら良いかわからなかったので親友も道連れだ。
そしたら何故か氷怜先輩も暮刃先輩も参加。じゃあ俺たちもデートしようかなと暮刃先輩が微笑んだら隣で優が訝しげに見ていたのが昨日のこと。
天気は晴れ、体調も良好。
だけどずっと不機嫌オーラが刺さってくるし、俺のほっぺは散々引っ張られ赤くなっているし、その犯人の瑠衣先輩がひっついて離れないから重い。
「なんでかナー、不思議だネー、なんか増えてるシー?」
「わ、分かりましたから。本当に今日だけですから、せめて自分で歩くくらいして下さいよー……!」
そりゃもうリョウの話をしたら瑠衣先輩の機嫌がどん底に落ちた。なぜ見定められないといけないのか不満なのだろう。そのストレスに比例してかケーキの消費は激しいし、わがままがいつもの倍激しくなった。
今朝でさえ行きたくないと駄々をこねたので朝ごはんは俺が作ってあげて服も着替えさせて髪の毛もセットしてあげてようやく重い腰を上げてくれたのだ。
しかも、先輩達、俺達、リョウにプラスして双子の神さん、才さんが投入されている。未だに瑠衣先輩に内緒にしている話があるため、めちゃくちゃ首を絞められた。
でもその話はきっと俺から言わなくても今日すぐにわかるはず、だから唯達にも神さん才さんに言われたことは特に何も話していない。
神さんと才さんにはリョウのことを話している。
「と、そんな事になり今日に至ります……」
「だからこんなことになってんのね。いーじゃん!」
「チャンスチャンス!」
今日はまだどっちがどっちでショー!をしていないので神さん才さんの見分けがついていない。
片方だけ耳にかけたヘアを揃えて今日も眩しい綺麗なお顔が二つも。そんな2人は俺が気まずい報告をしたというのに親指を突き立てている。
「ポ、ポジティブっすね」
「てかまー知ってたから」
「あ、そうなんすか……って、え?!」
一晩落ち着かなくて寝不足気味なのに杞憂だったというかなんというか。
本日の集合に現れた面々を見てリョウがひっと悲鳴を上げた。俺の腕を掴み少し離れたところでひそひそとだけど怒りながら言う。
「たしかに誰でも良いとは言ったけど大物揃えてくんなよ!!」
「いや、なんか流れで……ごめん」
「しかもあの双子まで!!!!」
実はリョウとツインズはすでに面識がある。
式に神さんと才さんが戦いを教えていた時期、教え子が通って氷怜さん達もいるならなんだか面白そうと学校に乗り込んだ事があるらしい。
そこで部活でもダンスをやっていたリョウとたまたま出会ったとか。
「やあやあ、リョウ久しぶりー」
「相変わらずキャンキャン鳴くちっこい犬っころだねー」
「う、うるさい前より伸びたし!!」
「おお」
すっごい勢いで言い返してて驚いた。
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「なんで双子がくんだよ!チームの人は?」
「え?いるじゃんここに」
「何言って、瑠衣先輩達しかチームの人は……」
「だから、この2人がチームの人じゃんか」
「へ」
同時にピースを披露した2人に、だって……と絶望するリョウ。聞けば出会った時制服を着ていたし、ダンス経験者の先輩と説明されたらしい。ちなみに神さん才さんが俺たちと同じ学校な訳がない。その時の適当な嘘だって事ね。
「リ、リョウ……」
「チームの話なんかした事ないし……どおりで学校じゃ見ないはずだ……はは」
「な、涙拭けよ……」
なんか不憫になってきて思わず慰めるが神さんも才さんも腹を抱えて笑っている。こんなんじゃリョウも懐くはずがない。それにいつも1番爆笑している人が心底不機嫌で俺はとにかく話を進める。
「えーと、まあ氷怜先輩達にチームの説明してもらうよりも知り合いと話す方がわかりやすいじゃん?」
なんとか話をまとめようとするとリョウはきっとツインズを睨みつける。
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「リョウ、お前2人の違いわかんの?」
「何言ってんだよ、全然違うし。性格が悪いのが神で馬鹿なのが才!!!」
「人を指さしちゃダメだぞー」
ビシと言い放ったリョウにケラケラ笑うツインズ。そう言われて2人を交互に見返すが首を捻るほかない。
いや、何もわからんわ。
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