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secret!!
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しおりを挟む優大丈夫かな。
心なしか、酔ってたような気がするんだよなあいつ。
「ねえねえ、レンちゃん今日初めてなんでしょう?私たちアゲハの大学時代の友達だから気楽にして良いよ!」
「ありがとうございます」
幸運にも、ものすごく話しやすいお客様で助かった。普通に女子会を開いているだけでお仕事感も特になく、唯のおかげで女子トークにもついていけるし。
「さてさて次は何頼もうかなー」
「お酒強いですねぇ」
「アゲハとは週7で飲んだ仲だしね」
つまり毎日。
それならあれだけ飲まされていたアゲハさんも大丈夫かも知れない。
だいたい先輩達も水の代わりに飲んでるから同じようなもの。
いつか自分もそうなるのかと思うけど、想像はまだできないわ。どちらかと言えば食い気ばかり増してる気がするし、最近先輩たちによって舌が肥えてきたから恐ろしい。
「レンちゃん年下だよね、それにしても綺麗だねぇ身長もあるし」
身長に関しては男だからだとは言えない。
「皆さんの方がお綺麗です。モデルさんですか?」
「やっだ!女の私たち口説いても意味ないからね」
あ、照れてる。
わざと照れ隠しに大きめのリアクションを取るところ、アゲハさんにそっくりで反応が素直だ。やっぱり友達ってどっかしらが似てるよね。俺と唯と優みたいでなんだか癒される。
「失礼します」
ボーイのお兄さんが腰から曲げて耳打ちしてくれる。次のお客様のところに移る合図だ。なんだか申し訳なくて振り返るが、勝手知ったる友達の店なのか快く手を振ってくれた。
「また飲もうね!」
席を立って同じく手を振り返し、ボーイさんの後を追う。
アゲハさんと同じ快活な人たちですごい助けられた。ここみんな上品な人ばっかりで下手なこと言えないからなぁ。
でもイノさん達の時も思ったけどお客様までいい人ばっかりだったし、アゲハさんの教育や行き届いた配慮のおかげかもしれない。
よかった、何事もなくて。
ズンズン進むボーイさんに、ふと不思議に思って首をかしげる。
「あれ、どこの席ですか?」
ホールは通り過ぎて真ん中の階段を上がっていく。こっちにも席があるのか。
「急遽新しいお客様がお見えになりましたので、その方をお願いしようかと」
「え?俺で大丈夫なんですか?」
にっこり微笑むだけでなにも答えてくれないとは何事だ。しかもここ、個室なんですけど。つまりVIPルームじゃん。
開けてくれたドアの先、最早入るしかないと意気込んだ。
「初めまして、レンです」
「ヨロシクネ~オネーサン」
少し頭を下げたまま固まる。
だってこの声、この話し方。聞き間違えるはずがない。ゆっくりゆっくり視線をあげて覗き見る。
長い足は組まれテーブルに置かれている。見覚えのある親友と同じピンクの髪に青の瞳。驚くほどの美形はもちろん……。
「る、瑠衣先輩」
テーブルにはボトルが2本。
既に一本空なんですけど。
「オネーサン、レンレンって言うんだー」
「へ?」
「ナニしてんの、座れば~?」
な、なんで他人の振りなんだろう。と言うか用事はもう終わったのか、そしたら氷怜先輩や暮刃先輩はどうしたんだ。
「ちょ、瑠衣せんぱ」
「センパイって何で?レンレンのこと知らないしー今日初めて会ったしー」
「いやいや、なんでですか。今2人だからさすがに他人の振りしなくても……あ、ていうか優がお酒飲んでて酔ってるかもしれなくて」
「アッキー」
少し大きな声で呼ばれ、はたと気付く。いつもと雰囲気が違うことに。驚いてて頭回らなかったけど、そもそも俺たちまた今回も好き勝手やってるわけで。しかも事後報告。
やべえ、これまず謝るやつだった。
「優たんには暮ちんが行った」
ああ、瑠衣先輩こんな顔できるなんて。
笑ってるのに、笑ってない。
ソファを指差し、一言。
「おすわり」
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