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christmas!!!
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しおりを挟むつまりおれの言葉は余すことなく本音であって、一言だって嘘はついてない。この気持ちをうまく扱って、この人に最高の状態で寄り添いたい。
だからと言って、昨日かけたエンジンが今日も振り切っているわけではなかった。腕の中で目覚めて、ゆっくり開けた視界に、訳がわからない程綺麗で男らしくて、尚且つ色気のある寝顔がドアップになったら誰だって叫びたくもなる。
でもおれはそれをなんとか耐えて掛け布団を握りしめて、深呼吸する事に成功した。気を抜くと意識を投げた最後の場面がフラッシュバックするからだ。
「……ぶっ……くくく」
そんな必死に耐えるおれを、寝ていたはずの色男が笑い出す。もう、仕方なさそうにくしゃっと。カッコ良すぎるのに、可愛くてそれすら心臓に悪い。
「朝から震えてんなよ……はははっ」
「お、起きてたんなら助けて下さい……」
「抱きしめたら落ち着くのか?」
「ぎゃ、逆効果です……」
もはや泣きそうなおれは恥ずかしさにより氷怜先輩の胸板をぼふぼふとアタックするがビクともしない。それどころか素肌にびっくりしてしまった。
「あれ、氷怜先輩裸族!?…………あれ、ちがうこれ昨日も話したような」
「……唯斗、お前は…………はははっ」
寝起きのせいかニヒルな笑いではなく、なんだか爽快に笑ってくれちゃうもんだから結局のところむくれるを通り越して好きが先行した。乙女かよおれ。
身体を起こしたおれに気づくと、ひとしきり笑って目に涙までためた氷怜先輩はおれの髪を撫でて後ろに流した。
「悪い、あまりにも昨日と違うからな」
「そこは自分でも驚いておりまして……」
おれはスイッチが激しいのかも知れない。確かに女の子相手の自分と男の子相手の自分は雰囲気が変わることは流石に自分でも分かる。
ふいに廊下を見た氷怜先輩が欠伸を噛み殺した。片膝を立てて後ろに両手を置いて少しだらける姿。初めて見た気がして、思い浮かぶのは尻尾が生えたらライオンか黒豹か。
「なんか良い匂いすんな……あいつらもう起きてんのか」
「なんか寝起きの氷怜先輩、可愛い」
「は?」
ポロっと飛び出た言葉に氷怜先輩キョトン顔。おれは口を思わず抑えたがすでに飛び出た後だ。時計の針が数回進むとその表情が綺麗にニヒルへと変わる。
「可愛いとか言ってんなら、余裕だよなぁ……?」
こうしておれは見事に獣を目覚めさせ、牙を見せて笑った彼に抱きしめられて甘いキスが降り注ぐ。しかもそのままみんながいるリビングに連れていかれたわけで、そうなればもう親友のおもちゃだ。
「朝ごはんは唯だったかあ」
「秋それ一歩間違えたら、親父ギャグだよ」
秋のボケに優の冷静なツッコミが飛び交いそれにぎゃーぎゃー言いながらおれは逃げるためにサラダを作ることにした。朝からドキドキしっぱなしだし、2人はニヤニヤしてるし。瑠衣先輩は当然爆笑してるし、暮刃先輩は氷怜先輩に頑張ったねって何かを励ましてた。
でもそんな彼らだって今日はデートなのだ。
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