sweet!!

仔犬

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date!

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「椎名おはよう~」

「……ママでしょ唯斗、おはよう」


朝の緑茶を飲んでいたら伸びをしながら母さんが起きてきた。今日は休日だから母さんもゆっくりだ。
そもそもママって呼んでなくない?

「母さん、朝ごはん作っといたからね。食べてね」

「やった!」

ガッツポーズの母さん。

色素が薄くて身長もおれより少し低い。おれは母さん似だ。かなり若くしておれ産んだ母さんは、さっぱりしてて話しやすい。友達みたいで、お姉ちゃんのようでよく椎名と呼んで戯れるのだ。

「椎名は今日なにすんの?」

「今日久しぶりにオフなのよね~」

「秋ママか優ママと遊べば?」

「誘いますかね!」


おれの部屋は秋と優の部屋に挟まれるている。おれたちが仲良くなっていつのまにかママ友になったらしい。

母さんが湯沸かし器をつけて、食事をテーブルに並べ始める。
今日の朝ごはんは卵焼き、ウィンナー、昨日作ったポテサラに野菜スープ。ザ、朝ごはんです。


「で、今日はお出かけですか?」

「そーよ!イケメンで超有名人とね!」

「嬉しそうねぇ……唯斗のイケメン好き絶対私の遺伝だわ。あの人もイケメンだったもの」


そう父さんは確かに整っていた。こう、2枚目俳優なのだ。しかもさわやかな笑顔と優しげな目元が春さんに似ている。

「父さんイケメンだよね。くうう、もうちょっと似てくれれば!!」

「あら、なーに私に似て可愛く生まれた子の顔にご不満でも?」

「あはは、自分で言った!……いひゃいいひゃい~」

笑ったら抓られて頰を引っ張られた。そのうちに感触を試すように撫でられると母さんがハッとした。

「え、やだ唯斗肌プルプル……」

「ふっふっふ……洗面所にあるから使ってみてよ、まじで今回のパック良いから」

「よくやった!」


椎名が機嫌を直して、目玉焼きを食べ始めたのを見届けると、そろそろ秋と優の合流する時間だ。2人の髪をセットして、先輩達が迎えを待つのだ。

立ち上がって伸びをすると思わず口角が上がる。楽しみで楽しみでたまらない。

今日は白のニットにした。口元まですっぽり隠れるタートルネックで大きすぎずスマートさを残している。腰上くらいのそれにタイトジーン。靴はゴツめの皮ブーツ。髪の毛は全部あげて少し崩した。優に借りたkeinoのチェックのロングコートをすっぽり羽織って完成だ。

鏡で最終チェックをしてお財布と携帯を掴んだ。母さんがスープを飲みながらおれを凝視していた。


「そんなに気合い入れて……デートだったりして」

「うんデート!」

「へ?」



驚いた母さんにブイピースで行ってきます。
そうデートなんだよ。
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