80 / 379
date!
4
しおりを挟む「椎名おはよう~」
「……ママでしょ唯斗、おはよう」
朝の緑茶を飲んでいたら伸びをしながら母さんが起きてきた。今日は休日だから母さんもゆっくりだ。
そもそもママって呼んでなくない?
「母さん、朝ごはん作っといたからね。食べてね」
「やった!」
ガッツポーズの母さん。
色素が薄くて身長もおれより少し低い。おれは母さん似だ。かなり若くしておれ産んだ母さんは、さっぱりしてて話しやすい。友達みたいで、お姉ちゃんのようでよく椎名と呼んで戯れるのだ。
「椎名は今日なにすんの?」
「今日久しぶりにオフなのよね~」
「秋ママか優ママと遊べば?」
「誘いますかね!」
おれの部屋は秋と優の部屋に挟まれるている。おれたちが仲良くなっていつのまにかママ友になったらしい。
母さんが湯沸かし器をつけて、食事をテーブルに並べ始める。
今日の朝ごはんは卵焼き、ウィンナー、昨日作ったポテサラに野菜スープ。ザ、朝ごはんです。
「で、今日はお出かけですか?」
「そーよ!イケメンで超有名人とね!」
「嬉しそうねぇ……唯斗のイケメン好き絶対私の遺伝だわ。あの人もイケメンだったもの」
そう父さんは確かに整っていた。こう、2枚目俳優なのだ。しかもさわやかな笑顔と優しげな目元が春さんに似ている。
「父さんイケメンだよね。くうう、もうちょっと似てくれれば!!」
「あら、なーに私に似て可愛く生まれた子の顔にご不満でも?」
「あはは、自分で言った!……いひゃいいひゃい~」
笑ったら抓られて頰を引っ張られた。そのうちに感触を試すように撫でられると母さんがハッとした。
「え、やだ唯斗肌プルプル……」
「ふっふっふ……洗面所にあるから使ってみてよ、まじで今回のパック良いから」
「よくやった!」
椎名が機嫌を直して、目玉焼きを食べ始めたのを見届けると、そろそろ秋と優の合流する時間だ。2人の髪をセットして、先輩達が迎えを待つのだ。
立ち上がって伸びをすると思わず口角が上がる。楽しみで楽しみでたまらない。
今日は白のニットにした。口元まですっぽり隠れるタートルネックで大きすぎずスマートさを残している。腰上くらいのそれにタイトジーン。靴はゴツめの皮ブーツ。髪の毛は全部あげて少し崩した。優に借りたkeinoのチェックのロングコートをすっぽり羽織って完成だ。
鏡で最終チェックをしてお財布と携帯を掴んだ。母さんがスープを飲みながらおれを凝視していた。
「そんなに気合い入れて……デートだったりして」
「うんデート!」
「へ?」
驚いた母さんにブイピースで行ってきます。
そうデートなんだよ。
44
お気に入りに追加
1,368
あなたにおすすめの小説
【BL】男なのにNo.1ホストにほだされて付き合うことになりました
猫足
BL
「浮気したら殺すから!」
「できるわけがないだろ……」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その結果、恋人に昇格。
「僕、そのへんの女には負ける気がしないから。こんな可愛い子、ほかにいるわけないしな!」
「スバル、お前なにいってんの…?」
美形病みホスと平凡サラリーマンの、付き合いたてカップルの日常。
※【男なのになぜかNo. 1ホストに懐かれて困ってます】の続編です。
ヒロイン不在の異世界ハーレム
藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。
神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。
飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。
ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?
俺にはラブラブな超絶イケメンのスパダリ彼氏がいるので、王道学園とやらに無理やり巻き込まないでくださいっ!!
しおりんごん
BL
俺の名前は 笹島 小太郎
高校2年生のちょっと激しめの甘党
顔は可もなく不可もなく、、、と思いたい
身長は170、、、行ってる、、、し
ウルセェ!本人が言ってるんだからほんとなんだよ!
そんな比較的どこにでもいそうな人柄の俺だが少し周りと違うことがあって、、、
それは、、、
俺には超絶ラブラブなイケメン彼氏がいるのだ!!!
容姿端麗、文武両道
金髪碧眼(ロシアの血が多く入ってるかららしい)
一つ下の学年で、通ってる高校は違うけど、一週間に一度は放課後デートを欠かさないそんなスパダリ完璧彼氏!
名前を堂坂レオンくん!
俺はレオンが大好きだし、レオンも俺が大好きで
(自己肯定感が高すぎるって?
実は付き合いたての時に、なんで俺なんか、、、って1人で考えて喧嘩して
結局レオンからわからせという名のおしお、(re
、、、ま、まぁレオンからわかりやすすぎる愛情を一思いに受けてたらそりゃ自身も出るわなっていうこと!)
ちょうどこの春レオンが高校に上がって、それでも変わりないラブラブな生活を送っていたんだけど
なんとある日空から人が降って来て!
※ファンタジーでもなんでもなく、物理的に降って来たんだ
信じられるか?いや、信じろ
腐ってる姉さんたちが言うには、そいつはみんな大好き王道転校生!
、、、ってなんだ?
兎にも角にも、そいつが現れてから俺の高校がおかしくなってる?
いやなんだよ平凡巻き込まれ役って!
あーもう!そんな睨むな!牽制するな!
俺には超絶ラブラブな彼氏がいるからそっちのいざこざに巻き込まないでくださいっ!!!
※主人公は固定カプ、、、というか、初っ端から2人でイチャイチャしてるし、ずっと変わりません
※同姓同士の婚姻が認められている世界線での話です
※王道学園とはなんぞや?という人のために一応説明を載せていますが、私には文才が圧倒的に足りないのでわからないままでしたら、他の方の作品を参照していただきたいです🙇♀️
※シリアスは皆無です
終始ドタバタイチャイチャラブコメディでおとどけします
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
最弱伝説俺
京香
BL
元柔道家の父と元モデルの母から生まれた葵は、四兄弟の一番下。三人の兄からは「最弱」だと物理的愛のムチでしごかれる日々。その上、高校は寮に住めと一人放り込まれてしまった!
有名柔道道場の実家で鍛えられ、その辺のやんちゃな連中なんぞ片手で潰せる強さなのに、最弱だと思い込んでいる葵。兄作成のマニュアルにより高校で不良認定されるは不良のトップには求婚されるはで、はたして無事高校を卒業出来るのか!?
転生したらBLゲームの攻略キャラになってたんですけど!
朝比奈歩
BL
ーーある日目覚めたら、おれはおれの『最推し』になっていた?!
腐男子だった主人公は、生まれ変わったら生前プレイしていたBLゲームの「攻略対象」に転生してしまった。
そのBLゲームとは、本来人気ダンスヴォーカルグループのマネージャーになってメンバーと恋愛していく『君は最推し!』。
主人公、凛は色々な問題に巻き込まれながらも、メンバー皆に愛されながらその問題に立ち向かっていく!
表紙イラストは入相むみ様に描いていただきました!
R-18作品は別で分けてあります。
※この物語はフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる