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エピローグ
05
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ジョナスとローザは順調に交際を続けている。ローザの卒業を待って婚約を発表するそうだ。結婚はまだ数年先になるみたいだけど、両陛下と王太子殿下の配慮らしい。
イーノックとマシューも密かに逢瀬を重ねている。一生公にできない関係は、二人の結びつきをより強固なものにした。
二人の父君であるハーシェルさまは最初反対されていたけれど、二人の決意の固さに渋々許された。一つだけ条件を付けて。
学園内では寮の部屋で会うことができるけれど、イーノックが卒業すれば会えない時間が増える。マシューが卒業してしばらくは、ルシアン兄上がしていたようにハーシェル家の領地で数年勉強をすることを言いつけられた。そして、その間も二人の気持ちが変わりなくあるかを見ると言われた。
イーノックは勇者としての役目があるけれど、マシューには将来ハーシェル家の管理を手伝うことを希望されている。それはつまり、何があってもマシューはハーシェル家の人間で、勇者であるイーノックもまたそうであると言うことだ。
二人の気持ちが離れるとは思わない。ハーシェルさまは形はどうであれ、二人が寄り添い生きていくことを許されたのだ。仲の良い兄弟として。
将来のことはわからない。
形ないものの永遠は確証がない。
けれど、心で繋がっている限り紙切れではない深いところで結びついている。もしかしたら、世間はいつまでも結婚しない二人を非難の目で見る時もあるかもしれない。それでも二人が二人ならそんな噂話は関係ないだろう。僕たちもついてる。
一方で、ダレルに浮いた噂はない。本人も好きとか愛だとかはまだわからないと言っている。ニコラス・グレンは今もダレルの事を想い続けている。けれど、ダレルに受け入れてもらえなくても学園に在籍している間は一番近くで見ていられる…それだけでいいんだと笑顔を見せた。
そう言えば…、アルシャントが秘宝に魔法をかけたことを国王陛下と王太子殿下に報告すると、びっくりしておられた。
今回の封印で新しい力を得たと言うことにして発表する。じゃないとせっかくアルシャントが僕たちのためにしてくれたことが無駄になってしまう。
ジョナスたちが秘宝の杖を使っているのを見れば疑問が出てくるだろう。その杖はダレルの秘宝と同じで今の作り方とは違う古代の杖だと、見る人が見ればわかってしまう。最初から知らしめておけば後で説明するより良いと判断された。
僕たちは王都に帰りその日のうちに、このことを陛下と殿下に報告した。そして、直ぐに父上や宰相さまたちにも報告した。それは出迎えてもらい、一旦別れて僕たちだけが陛下の執務室に入った後、父上たちも執務室に呼ばれた。何事かと慌てて集まる貴族たちに陛下は満面の笑みで今回の功績を我がことのように重臣に告げた。
皆にはたいそう驚かれた。それは難しい封印を成し遂げ、おまけに新しい力を得て帰ってきた勇者に対する尊敬と畏怖の混ざった讃美だった。同時にダレルの杖が指輪にある状態でも使えることと僕のローブが益々癒しの力が増したことを伝えた。しかし、その時はアルシャントが秘宝のローブにどのような力を与えてくれたのかはわかっていなかった。
精霊の森では、危険な難しい封印はしていないので怪我も魔力の極端な減少もない。だから、確かめようがなかった。なんとこのローブは僕が、ミシェルが身に付けている時に病気や怪我をしている人がローブに触れるだけでその病を治し、傷を癒す。ただ、命に関わるような重篤な病気、骨折や深い太刀傷などの怪我まではそれだけでは治せない。
勿論、寿命も延ばせない。不死などは望むべくもなく、アルシャント国の民はみな幸せな一生を送るだろう。
五人の勇者がいる限りこの国は守られている。
……アルシャントが僕たちを見守ってくれている限りこの国は安泰だ。
イーノックとマシューも密かに逢瀬を重ねている。一生公にできない関係は、二人の結びつきをより強固なものにした。
二人の父君であるハーシェルさまは最初反対されていたけれど、二人の決意の固さに渋々許された。一つだけ条件を付けて。
学園内では寮の部屋で会うことができるけれど、イーノックが卒業すれば会えない時間が増える。マシューが卒業してしばらくは、ルシアン兄上がしていたようにハーシェル家の領地で数年勉強をすることを言いつけられた。そして、その間も二人の気持ちが変わりなくあるかを見ると言われた。
イーノックは勇者としての役目があるけれど、マシューには将来ハーシェル家の管理を手伝うことを希望されている。それはつまり、何があってもマシューはハーシェル家の人間で、勇者であるイーノックもまたそうであると言うことだ。
二人の気持ちが離れるとは思わない。ハーシェルさまは形はどうであれ、二人が寄り添い生きていくことを許されたのだ。仲の良い兄弟として。
将来のことはわからない。
形ないものの永遠は確証がない。
けれど、心で繋がっている限り紙切れではない深いところで結びついている。もしかしたら、世間はいつまでも結婚しない二人を非難の目で見る時もあるかもしれない。それでも二人が二人ならそんな噂話は関係ないだろう。僕たちもついてる。
一方で、ダレルに浮いた噂はない。本人も好きとか愛だとかはまだわからないと言っている。ニコラス・グレンは今もダレルの事を想い続けている。けれど、ダレルに受け入れてもらえなくても学園に在籍している間は一番近くで見ていられる…それだけでいいんだと笑顔を見せた。
そう言えば…、アルシャントが秘宝に魔法をかけたことを国王陛下と王太子殿下に報告すると、びっくりしておられた。
今回の封印で新しい力を得たと言うことにして発表する。じゃないとせっかくアルシャントが僕たちのためにしてくれたことが無駄になってしまう。
ジョナスたちが秘宝の杖を使っているのを見れば疑問が出てくるだろう。その杖はダレルの秘宝と同じで今の作り方とは違う古代の杖だと、見る人が見ればわかってしまう。最初から知らしめておけば後で説明するより良いと判断された。
僕たちは王都に帰りその日のうちに、このことを陛下と殿下に報告した。そして、直ぐに父上や宰相さまたちにも報告した。それは出迎えてもらい、一旦別れて僕たちだけが陛下の執務室に入った後、父上たちも執務室に呼ばれた。何事かと慌てて集まる貴族たちに陛下は満面の笑みで今回の功績を我がことのように重臣に告げた。
皆にはたいそう驚かれた。それは難しい封印を成し遂げ、おまけに新しい力を得て帰ってきた勇者に対する尊敬と畏怖の混ざった讃美だった。同時にダレルの杖が指輪にある状態でも使えることと僕のローブが益々癒しの力が増したことを伝えた。しかし、その時はアルシャントが秘宝のローブにどのような力を与えてくれたのかはわかっていなかった。
精霊の森では、危険な難しい封印はしていないので怪我も魔力の極端な減少もない。だから、確かめようがなかった。なんとこのローブは僕が、ミシェルが身に付けている時に病気や怪我をしている人がローブに触れるだけでその病を治し、傷を癒す。ただ、命に関わるような重篤な病気、骨折や深い太刀傷などの怪我まではそれだけでは治せない。
勿論、寿命も延ばせない。不死などは望むべくもなく、アルシャント国の民はみな幸せな一生を送るだろう。
五人の勇者がいる限りこの国は守られている。
……アルシャントが僕たちを見守ってくれている限りこの国は安泰だ。
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