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第六章
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「初めてのキスはいつ?」
「えっとね…」
それ、答えるのですか?なんでもしてあげたいと思ったけれど、これは恥ずかしい。でも、ケントは真剣だ。いつもお世話になってる隊長さんにご恩返しをしなくちゃね!
「三年生の時」
「三年生?早いね」
「そ、そうかな」
「アシュリーとはいつから付き合ってた?一年生の時は違ったよね?二年生だったかな…いつも、一緒にいる印象があるから忘れちゃった」
「さ、三年からだよ」
「えっ?じゃあ、付き合って直ぐってこと?」
「うん」
早いですか?他の人の事は知らないけれど…早いのですか?
「みんなそうなのかな?」
「僕は好きって告白した直後だったかな?」
あれ?好きっていう前だったかな?
「そうなんだ…そうだよね…付き合ってたら普通だよね」
「でも、人それぞれじゃないかな?」
あまりの落ち込み方に、なんとか元気になって欲しくて励ます。
「キスってどんな感じ?」
目をキラキラさせて、聞かれても困る。これ、僕じゃなきゃ襲われるレベルの可愛さだ。
「アシュリーとしかしたことないけど…」
「そりゃそうだよね。俺もガイ以外とは考えられない」
ガイは愛されてるんだな。でも、ケントもガイに愛されてる。自分じゃわからないのかな?
「幸せになれる感じかな…。嬉しい時や緊張してる時…どんな時でもアシュリーが側にいて僕を包んでくれるから」
「ア、アシュリーがしてくれるの?」
俯きがちに、恥ずかしそうに聞いてくる。でも、随分突っ込んだ質問だ。
「あのね…アシュからしてくれる時もあるけど、僕がしてってお願いする時もあるし、抱きついて僕からする時もあるよ」
もうヤケだ。なんでも言ってやる!
「そ、そうなんだ。でも、一番最初の時はアシュリーからだったよね?」
「うん。そうだった」
はぁっと深くため息を吐く。
「ガイはキスしたくないのかな…。やっぱり俺って…」
「じゃあ、ケントからしちゃえば?きっとガイは嬉しいと思う。どっちからって決まってるわけじゃないから」
「お、俺から?」
「そうだよ?嫌?でも、ケントはガイの事好きなんでしょう?じゃあ…」
「俺…したことないからどうしていいかわからないよ」
「ガイは?ガイは誰かとキスしたことあるのかな?」
「さあ…」
あれ?アシュリーは僕以外に誰かとキスしたことあるのかな?その先も…僕は全部アシュリーが初めてだけど、アシュリーは?
『アシュ?』
『ん?どうしたの?もう、終わった?俺はまだもう少しかかるけど』
『ち、違うんだ。気になることがあって…』
『何?』
『アシュの…アシュの初めてのキスの相手は誰?』
結構直球に聞いてしまい、僕じゃない他の誰かの名前を聞いてしまいたくなくて遮った。
『や、やっぱり、いい。練習頑張ってね』
『どうしたの?ケントと何の話してるんだ?ジュリに決まってるだろ?』
『僕なの?』
『俺を疑うのか?今晩、そんなこと疑問に思わなくなるくらい…啼かせるから、覚悟しといて。ああ、それから…ケントだから心配ないと思うけど、きっと今のジュリアン物凄く可愛く、真っ赤になってると思う。俺が帰るまで部屋から出ないでね』
「ちょっと…何真っ赤になってるの?思い出したりした?」
やっぱり、赤いんだ。
…顔が火照って熱い。
「な、なんでもないよ。それより唇で触れるだけでいいんじゃない?」
「触れるだけ?」
「うん」
「それ以上に何かあるの?」
「えっ…」
それを言うの?僕とアシュリーがいつもどんなキスをしてるかを?再び顔に熱が集まる。しかし、ケントは真剣だ。なんでも言うって決めたんだ!
「舌をね…」
ダメだ、恥ずかしい。
「そう言えばさ…俺、見たよね?ジュリアンとアシュリーがキスし…」
「あああっ!」
忘れてた。
「忘れてたよ。キスしたことある?なんて聞いといてさ…その時も…」
手を振って、それ以上言わないでアピールしてるのにわかってるのか、わかってないのか…舌入れてたな、あれは衝撃だった、なんで忘れてたんだろとニヤけてる。
「そうか、舌ね…」
「ケ、ケント!」
「でも、舌入れてどうするの?」
………憤死しそう。
「えっとね…」
それ、答えるのですか?なんでもしてあげたいと思ったけれど、これは恥ずかしい。でも、ケントは真剣だ。いつもお世話になってる隊長さんにご恩返しをしなくちゃね!
「三年生の時」
「三年生?早いね」
「そ、そうかな」
「アシュリーとはいつから付き合ってた?一年生の時は違ったよね?二年生だったかな…いつも、一緒にいる印象があるから忘れちゃった」
「さ、三年からだよ」
「えっ?じゃあ、付き合って直ぐってこと?」
「うん」
早いですか?他の人の事は知らないけれど…早いのですか?
「みんなそうなのかな?」
「僕は好きって告白した直後だったかな?」
あれ?好きっていう前だったかな?
「そうなんだ…そうだよね…付き合ってたら普通だよね」
「でも、人それぞれじゃないかな?」
あまりの落ち込み方に、なんとか元気になって欲しくて励ます。
「キスってどんな感じ?」
目をキラキラさせて、聞かれても困る。これ、僕じゃなきゃ襲われるレベルの可愛さだ。
「アシュリーとしかしたことないけど…」
「そりゃそうだよね。俺もガイ以外とは考えられない」
ガイは愛されてるんだな。でも、ケントもガイに愛されてる。自分じゃわからないのかな?
「幸せになれる感じかな…。嬉しい時や緊張してる時…どんな時でもアシュリーが側にいて僕を包んでくれるから」
「ア、アシュリーがしてくれるの?」
俯きがちに、恥ずかしそうに聞いてくる。でも、随分突っ込んだ質問だ。
「あのね…アシュからしてくれる時もあるけど、僕がしてってお願いする時もあるし、抱きついて僕からする時もあるよ」
もうヤケだ。なんでも言ってやる!
「そ、そうなんだ。でも、一番最初の時はアシュリーからだったよね?」
「うん。そうだった」
はぁっと深くため息を吐く。
「ガイはキスしたくないのかな…。やっぱり俺って…」
「じゃあ、ケントからしちゃえば?きっとガイは嬉しいと思う。どっちからって決まってるわけじゃないから」
「お、俺から?」
「そうだよ?嫌?でも、ケントはガイの事好きなんでしょう?じゃあ…」
「俺…したことないからどうしていいかわからないよ」
「ガイは?ガイは誰かとキスしたことあるのかな?」
「さあ…」
あれ?アシュリーは僕以外に誰かとキスしたことあるのかな?その先も…僕は全部アシュリーが初めてだけど、アシュリーは?
『アシュ?』
『ん?どうしたの?もう、終わった?俺はまだもう少しかかるけど』
『ち、違うんだ。気になることがあって…』
『何?』
『アシュの…アシュの初めてのキスの相手は誰?』
結構直球に聞いてしまい、僕じゃない他の誰かの名前を聞いてしまいたくなくて遮った。
『や、やっぱり、いい。練習頑張ってね』
『どうしたの?ケントと何の話してるんだ?ジュリに決まってるだろ?』
『僕なの?』
『俺を疑うのか?今晩、そんなこと疑問に思わなくなるくらい…啼かせるから、覚悟しといて。ああ、それから…ケントだから心配ないと思うけど、きっと今のジュリアン物凄く可愛く、真っ赤になってると思う。俺が帰るまで部屋から出ないでね』
「ちょっと…何真っ赤になってるの?思い出したりした?」
やっぱり、赤いんだ。
…顔が火照って熱い。
「な、なんでもないよ。それより唇で触れるだけでいいんじゃない?」
「触れるだけ?」
「うん」
「それ以上に何かあるの?」
「えっ…」
それを言うの?僕とアシュリーがいつもどんなキスをしてるかを?再び顔に熱が集まる。しかし、ケントは真剣だ。なんでも言うって決めたんだ!
「舌をね…」
ダメだ、恥ずかしい。
「そう言えばさ…俺、見たよね?ジュリアンとアシュリーがキスし…」
「あああっ!」
忘れてた。
「忘れてたよ。キスしたことある?なんて聞いといてさ…その時も…」
手を振って、それ以上言わないでアピールしてるのにわかってるのか、わかってないのか…舌入れてたな、あれは衝撃だった、なんで忘れてたんだろとニヤけてる。
「そうか、舌ね…」
「ケ、ケント!」
「でも、舌入れてどうするの?」
………憤死しそう。
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