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第五章
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☆★☆ ★☆★ ☆★☆
僕はミシェルだからなのか習わなくてもできることはあった。
ローブを軽くしたり、指輪に目くらましの魔法をかけて見えなくすることは自然とできた。軽くしたいローブや隠したい指輪に杖を当て、杖に思いを乗せる。
何もない所に物質を出すことはできなくても、自然のエネルギーを集めることも簡単だった。セシリアを癒すことも誰かに教わったわけじゃない。
けれど、一般的には初めて使う魔法は簡単にできないことが多い。例えば、四年生の時の盾盗難疑惑の真実を暴いた、ダレルの紙の鳥は難しい。
紙に何かを書いてそれを鳥に変え、届けたい相手に送るのは比較的簡単で、一、二年生の時にできる子はいる。個人差があって魔法が苦手な子もいるから全員ができるわけじゃないけど、僕のクラスは魔力が大きい子が集まっているので、バーンズ先生も高い目標を立てて授業が進んでいく。
クラレンス兄上の部屋でダレルがかけた魔法は、相手に確実に届いたことがわかるように中に小さな鳥を入れていた。これは難しい。それに、届けたい相手に紙の鳥に飛ばすのではなく、その紙の残留思念を頼りに誰かわからない相手に送るのだ。さらに食堂では、声も届けた。徐々に小さくなっていたけれどダレルが解除するまで、煩いくらいにしゃべり続けたから嫌がらせには良いかもしれない。…僕はしないけど。仕方を知っていれば、送られた人が解除することもできるけれど、ジミー・スネルはできなかった。
普通でも言葉を届けることはある。手紙の文字と共に声も送るのだ。
そのどの魔法もクラスメイトは覚えたがった。勿論、誰かに嫌がらせをしたいとかじゃない。それは、貪欲な知識欲。
剣なら、イーノックやガイに少しでも近づきたい。魔法なら、ダレルやアシュリーに。
それぞれが得意なことはわからない子に教え、クラス全体がやる気に満ちている。
五年生の初めから防御魔法を習った。自分の周りに、攻撃魔法が当たらないように見えない幕をはる。それができるようになると、複数の味方を守れるように防御魔法の範囲を広げる。もう少し上達すれば、自分以外の誰かを守れるようになるだろう。
剣などの物理的な攻撃にも備えなければならない。殺傷能力の弱い攻撃なら防御魔法で充分防ぐことはできるけれど、強い相手ならもっと強い防御が必要になる。
僕はこれが得意。…得意と言うか、自然と僕に向かう攻撃を跳ね返すことができた。
次に攻撃魔法。
攻撃魔法と言っても僕たちが今出来ることは、水を操り杖から出したり、火を操り自在にその形を変えたり、自然のエネルギーを上手く取り込むことだけ。個人により能力や属性が違うらしく、風を操るのが得意な子もいる。
暖炉や焚き火の火を起こすのではなく、一定量の炎を杖から放出させるのは魔力のコントロールが難しいらしい。
らしい…とは、僕には自然のエネルギーを取り込み、魔力によって形を変えることは小さな頃から自然とできていた。だから、簡単なことで、みんな普通にできるのだと思っていたけれどそうではないそうだ。
別に自慢するわけじゃない。でも、クラスメイトは魔法に関して、ダレルやアシュリーに対する態度と僕に対するものは同じで一目置かれている感じがして、それがミシェルの力だとしても嬉しく思う。
自然にできていたことは教えるのが難しい。コツは?と聞かれても的確に教えてあげることができないのでもどかしい。
そんな僕だけど、クラスメイトは呆れることなく「ジュリアンだからね」と、わかるようなわからないような納得の仕方をしている。そこにいるだけでいいからと言われると頼りない自分が歯痒い。
けれど、一年生の時に比べるとクラスの一員だと、自分もだけど周りも思ってくれているのがわかりとても嬉しく思う。
今までケント以外と話そうともしなかったガイも、あの事件以来クラスメイトとも話すようになった。
僕には幾分冷たい対応だけど、それはガイの性格もあるのだろう。
それまでも乞われれば、剣の稽古には付き合っていたけれど、ケントに何か言われたのかもしれない。意外というか…、丁寧な教え方でわかりやすいらしい。
魔法も得意で、特に今みんなが悪戦苦闘している攻撃魔法に秀でていてバーンズ先生も驚かれていた。
ぶっきらぼうな話し方をするにも関わらず、クラスメイトから声を掛けられることが多くなった。それを嬉しそうに見ているケントは一層綺麗になった。
すれ違ってた気持ちをお互いに話し合えたことで、今までとは違う雰囲気が二人の周りに漂う。
僕はミシェルだからなのか習わなくてもできることはあった。
ローブを軽くしたり、指輪に目くらましの魔法をかけて見えなくすることは自然とできた。軽くしたいローブや隠したい指輪に杖を当て、杖に思いを乗せる。
何もない所に物質を出すことはできなくても、自然のエネルギーを集めることも簡単だった。セシリアを癒すことも誰かに教わったわけじゃない。
けれど、一般的には初めて使う魔法は簡単にできないことが多い。例えば、四年生の時の盾盗難疑惑の真実を暴いた、ダレルの紙の鳥は難しい。
紙に何かを書いてそれを鳥に変え、届けたい相手に送るのは比較的簡単で、一、二年生の時にできる子はいる。個人差があって魔法が苦手な子もいるから全員ができるわけじゃないけど、僕のクラスは魔力が大きい子が集まっているので、バーンズ先生も高い目標を立てて授業が進んでいく。
クラレンス兄上の部屋でダレルがかけた魔法は、相手に確実に届いたことがわかるように中に小さな鳥を入れていた。これは難しい。それに、届けたい相手に紙の鳥に飛ばすのではなく、その紙の残留思念を頼りに誰かわからない相手に送るのだ。さらに食堂では、声も届けた。徐々に小さくなっていたけれどダレルが解除するまで、煩いくらいにしゃべり続けたから嫌がらせには良いかもしれない。…僕はしないけど。仕方を知っていれば、送られた人が解除することもできるけれど、ジミー・スネルはできなかった。
普通でも言葉を届けることはある。手紙の文字と共に声も送るのだ。
そのどの魔法もクラスメイトは覚えたがった。勿論、誰かに嫌がらせをしたいとかじゃない。それは、貪欲な知識欲。
剣なら、イーノックやガイに少しでも近づきたい。魔法なら、ダレルやアシュリーに。
それぞれが得意なことはわからない子に教え、クラス全体がやる気に満ちている。
五年生の初めから防御魔法を習った。自分の周りに、攻撃魔法が当たらないように見えない幕をはる。それができるようになると、複数の味方を守れるように防御魔法の範囲を広げる。もう少し上達すれば、自分以外の誰かを守れるようになるだろう。
剣などの物理的な攻撃にも備えなければならない。殺傷能力の弱い攻撃なら防御魔法で充分防ぐことはできるけれど、強い相手ならもっと強い防御が必要になる。
僕はこれが得意。…得意と言うか、自然と僕に向かう攻撃を跳ね返すことができた。
次に攻撃魔法。
攻撃魔法と言っても僕たちが今出来ることは、水を操り杖から出したり、火を操り自在にその形を変えたり、自然のエネルギーを上手く取り込むことだけ。個人により能力や属性が違うらしく、風を操るのが得意な子もいる。
暖炉や焚き火の火を起こすのではなく、一定量の炎を杖から放出させるのは魔力のコントロールが難しいらしい。
らしい…とは、僕には自然のエネルギーを取り込み、魔力によって形を変えることは小さな頃から自然とできていた。だから、簡単なことで、みんな普通にできるのだと思っていたけれどそうではないそうだ。
別に自慢するわけじゃない。でも、クラスメイトは魔法に関して、ダレルやアシュリーに対する態度と僕に対するものは同じで一目置かれている感じがして、それがミシェルの力だとしても嬉しく思う。
自然にできていたことは教えるのが難しい。コツは?と聞かれても的確に教えてあげることができないのでもどかしい。
そんな僕だけど、クラスメイトは呆れることなく「ジュリアンだからね」と、わかるようなわからないような納得の仕方をしている。そこにいるだけでいいからと言われると頼りない自分が歯痒い。
けれど、一年生の時に比べるとクラスの一員だと、自分もだけど周りも思ってくれているのがわかりとても嬉しく思う。
今までケント以外と話そうともしなかったガイも、あの事件以来クラスメイトとも話すようになった。
僕には幾分冷たい対応だけど、それはガイの性格もあるのだろう。
それまでも乞われれば、剣の稽古には付き合っていたけれど、ケントに何か言われたのかもしれない。意外というか…、丁寧な教え方でわかりやすいらしい。
魔法も得意で、特に今みんなが悪戦苦闘している攻撃魔法に秀でていてバーンズ先生も驚かれていた。
ぶっきらぼうな話し方をするにも関わらず、クラスメイトから声を掛けられることが多くなった。それを嬉しそうに見ているケントは一層綺麗になった。
すれ違ってた気持ちをお互いに話し合えたことで、今までとは違う雰囲気が二人の周りに漂う。
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