天使のローブ

茉莉花 香乃

文字の大きさ
上 下
42 / 173
第四章

10

しおりを挟む
両手で包むように擦ると先走りが漏れ出てよく滑る。

「んっ…」

アシュリーから漏れる吐息を聞くとぞくっとする。まるで心臓に直接息を吹きかけられたようにふるりと震えた。

アシュリーの声は不思議。僕を甘く縛るんだ。嫌って言えない。嫌じゃないよ?嫌じゃないけど恥ずかしい時はある。そんな時でも僕は否とは言えない。

「…もっといっぱい…他のところ…触ってないところも触って良い?」
「うん…」

ほら…。

「でも、もうアシュが触ってないとこないよ?」

そうなんだ…。
アシュリーに身体触られるの好き。だから、いつも触って良いって聞かれたらうんって返事しちゃう。僕がアシュリーの身体を触るのも好き。

「ふふっ…じゃあ、お尻こっち向けて?ほら、こうすれば俺の触りやすいだろう?」
「えっ…?あっ…やっ」

くるりと身体の向きを変えられ、アシュリーに跨るように乗せられて恥ずかしい…。目の前にアシュリーのおちんちんがある。凄い…こんなに近くで見たの初めて…。

アシュリーの手が僕のお尻を撫でまわす。引っ張ったり、プニプニと揉んでみたり…遊んでるみたい。突然、僕のおちんちんにキスをする。舌で先端を舐めまわし唇で刺激する。同時にお尻を撫でていた手が窄まりに触れる。

「いゃ…ぁぁっ…ぁっ」

何かふわりと花の香りが部屋中に広がった。冷たいものをまとったアシュリーの指が何度も触れる。
…うん、そこは触られたことなかった。

「やっ…そんなとこ…汚いよ…?」

僕の身体を一旦降ろし、抱き起こしてくれた。アシュリーに跨がって向かい合って座る。

「ここをさ…解して、ジュリアンが許してくれたら…、ジュリアンと一つになりたいな…」

窄まりを撫でられて身体がピクリと跳ねる。

「一つに…?」
「うん…ダメ?」
「僕は…アシュリーと一つになりたい…。でも、僕は男だけど、良いの?」
「ジュリアンが良いんだ。ジュリアンだけ…愛してる」
「僕も…アシュリーの事、愛してるよ。僕の全部はアシュリーのものだ」
「嬉しいよ。こっちにお尻向けて、四つん這いになって?」
「嫌だ…アシュの顔が見れないの怖い」

それに、触れない…。

「わかったよ。痛かったら、辛かったら言って…」

アシュリーは小瓶の蓋を開けて、オイルを掌に乗せた。さっきの甘い花の香りはこれだったんだ。
開いた足の片方を胸につくくらい折りたたみ、お尻の窄まりに香油を馴染ませる。襞を揉むように何度も撫でて、指を滑らせて孔の入り口に入ろうとする。侵入を拒むようにお尻がピクリと震え、締め付けてしまう。それでも香油のぬめりは易々と指を受け入れてしまった。

「あっ……ぁんっ……やっ……、い、やぁ…はぁ……んっ…」

意味のない声が途切れることなく僕の口から漏れる。慣れない異物感は怖い。涙が溢れてくる。手を伸ばすと握り返してくれた。

「ジュリ…大丈夫?」
「うん…アシュ、好き」
「俺も愛してる。痛いなら、魔法で解そうか?そうすれば楽に俺の受け入れられる」
「嫌だ…初めてはアシュがして?アシュは嫌?こんなに怖がって、痛がって嫌いになる?」
「そんなわけないだろ?ジュリがそう言ってくれるの嬉しいよ。でも、無理しないで」
「うん…ありがとう」

アシュリーの首に抱きついて僕からキスをした。

「足、持ってて?」

自分で広げているようで一瞬躊躇ったけど、ここまで来て恥ずかしいとか言ってられない。
一本の指を馴染ませるように出し入れされて少し苦しい。一度指が抜けていく。

「あんっ…」

まるで出て行かないでと言うような声が出てしまい恥ずかしい。香油を足された指が二本になりさっきよりも圧迫感が増していて苦しさから口が閉じられない。飲みきれない唾液が頬を伝い落ちていく。

「ジュリ…ジュリ…可愛いよ。愛してる」

僕の気を紛らわせるためか耳元で愛を囁く。

ううん…きっと可愛くなんかない。だらしない顔してるんだ…。どうしよう嫌われたら…嫌だ。涙が溢れた。さっきまでとは違う涙にアシュリーが気付いてくれる。

「ジュリ…?痛いの?」
「ち、違うんだ。嫌いに、ならないで…」
「…?…どうして?俺がジュリを嫌いになるわけない」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

騎士志望のご令息は暗躍がお得意

月野槐樹
ファンタジー
王弟で辺境伯である父を保つマーカスは、辺境の田舎育ちのマイペースな次男坊。 剣の腕は、かつて「魔王」とまで言われた父や父似の兄に比べれば平凡と自認していて、剣より魔法が大好き。戦う時は武力より、どちらというと裏工作? だけど、ちょっとした気まぐれで騎士を目指してみました。 典型的な「騎士」とは違うかもしれないけど、護る時は全力です。 従者のジョセフィンと駆け抜ける青春学園騎士物語。

浮気をした婚約者をスパッと諦めた結果

下菊みこと
恋愛
微ざまぁ有り。 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】私を虐げる姉が今の婚約者はいらないと押し付けてきましたが、とても優しい殿方で幸せです 〜それはそれとして、家族に復讐はします〜

ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
侯爵家の令嬢であるシエルは、愛人との間に生まれたせいで、父や義母、異母姉妹から酷い仕打ちをされる生活を送っていた。 そんなシエルには婚約者がいた。まるで本物の兄のように仲良くしていたが、ある日突然彼は亡くなってしまった。 悲しみに暮れるシエル。そこに姉のアイシャがやってきて、とんでもない発言をした。 「ワタクシ、とある殿方と真実の愛に目覚めましたの。だから、今ワタクシが婚約している殿方との結婚を、あなたに代わりに受けさせてあげますわ」 こうしてシエルは、必死の抗議も虚しく、身勝手な理由で、新しい婚約者の元に向かうこととなった……横暴で散々虐げてきた家族に、復讐を誓いながら。 新しい婚約者は、社交界でとても恐れられている相手。うまくやっていけるのかと不安に思っていたが、なぜかとても溺愛されはじめて……!? ⭐︎全三十九話、すでに完結まで予約投稿済みです。11/12 HOTランキング一位ありがとうございます!⭐︎

7年ぶりに私を嫌う婚約者と目が合ったら自分好みで驚いた

小本手だるふ
恋愛
真実の愛に気づいたと、7年間目も合わせない婚約者の国の第二王子ライトに言われた公爵令嬢アリシア。 7年ぶりに目を合わせたライトはアリシアのどストライクなイケメンだったが、真実の愛に憧れを抱くアリシアはライトのためにと自ら婚約解消を提案するがのだが・・・・・・。 ライトとアリシアとその友人たちのほのぼの恋愛話。 ※よくある話で設定はゆるいです。 誤字脱字色々突っ込みどころがあるかもしれませんが温かい目でご覧ください。

再び巡り合う時 ~転生オメガバース~

一ノ瀬麻紀
BL
僕は、些細な喧嘩で事故にあい、恋人を失ってしまった。 後を追うことも許されない中、偶然女の子を助け僕もこの世を去った。 目を覚ますとそこは、ファンタジーの物語に出てくるような部屋だった。 気付いたら僕は、前世の記憶を持ったまま、双子の兄に転生していた。 街で迷子になった僕たちは、とある少年に助けられた。 僕は、初めて会ったのに、初めてではない不思議な感覚に包まれていた。 そこから交流が始まり、前世の恋人に思いを馳せつつも、少年に心惹かれていく自分に戸惑う。 それでも、前世では味わえなかった平和な日々に、幸せを感じていた。 けれど、その幸せは長くは続かなかった。 前世でオメガだった僕は、転生後の世界でも、オメガだと判明した。 そこから、僕の人生は大きく変化していく。 オメガという性に振り回されながらも、前を向いて懸命に人生を歩んでいく。転生後も、再会を信じる僕たちの物語。 ✤✤✤ ハピエンです。Rシーンなしの全年齢BLです。 金土日は1日3回更新。 11/23(土)19:00に完結します。 第12回BL大賞 参加作品です。 よろしくお願いします。

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?

私から略奪婚した妹が泣いて帰って来たけど全力で無視します。大公様との結婚準備で忙しい~忙しいぃ~♪

百谷シカ
恋愛
身勝手な理由で泣いて帰ってきた妹エセル。 でも、この子、私から婚約者を奪っておいて、どの面下げて帰ってきたのだろう。 誰も構ってくれない、慰めてくれないと泣き喚くエセル。 両親はひたすらに妹をスルー。 「お黙りなさい、エセル。今はヘレンの結婚準備で忙しいの!」 「お姉様なんかほっとけばいいじゃない!!」 無理よ。 だって私、大公様の妻になるんだもの。 大忙しよ。

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました

らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。 そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。 しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような… 完結決定済み

処理中です...