天使のローブ

茉莉花 香乃

文字の大きさ
上 下
35 / 173
第四章

03

しおりを挟む
「今まで黙っててごめんね」
「俺も言ってなかったからあいこだな」
「ギルがね“あいつ”に会いたくないって言うから、てっきりアシュの事だと思ってたんだ」
「俺はマックスが不機嫌になるから、ジュリにそんなおっかないマックスに会わせない方が良いと思ったんだ。今も、睨んでただろ?自分が認めない限りテリトリーに入れるのを嫌がるんだ。案外人見知りだったりしてな…、そんな訳ないか…。でも、もう一年になるからそろそろ挨拶しといた方が良いかなって。ジュリアンならきっとマックスも好きになると思ったんだ」
「でも、僕たちと同じで…」
「ん?何?」
「えっと…僕たちと同じで仲良しなんだね、ギルとマックスは」
「そうだな…知らなかったよ」

これからはほんとに二人きりだな、なんて言いながら僕を抱きしめる。

…そうか、今まではギルバートとマクシミリアンに見られてたんだ…恥ずかしい。

「仲直りして、あっちのベッドで寝てくれるかな?そしたら二人きりだね」
「ジュリは二人きりで何したいの?」

何って…。
だって…だって…。

「アシュは意地悪だよ」
「俺は我慢してたんだ」

真剣な眼で見つめられてドキンと心臓が跳ねる。碧い瞳がゆらゆらと誘うように煌めく。

「ギルたちはいいの?」
「今頃仲良くしてるよ…ジュリ、愛してるよ」
「アシュ…僕も愛してる」

いつの間にかアシュリーは僕に覆い被さり、髪をかき上げて額にキスをする。

慈しむようなキスは神聖な儀式のようで、僕に誓いを立てるように囁かれる『愛してる』の言葉は何度もアシュリーから貰ってるのにキラキラと僕に降り注ぐ。

お返しがしたくて、アシュリーの背中に腕を回し思ったままを口にする。

「僕の全てはアシュリーのものだよ。僕の全てをあげる。ミネルヴァ…愛してる」

びっくりしたような、嬉しそうな顔が見えたけど直ぐに眼、鼻、唇と舌でなぞるアシュリーに目を開けていられない。
キスが深くなり、舌で上顎の内側を刺激されると途端に身体が震える。

「あっ…んっ…」

舌の根元から絡められて強く吸われた。

「あっ…アシュ…好き…」
「俺も、好き、ねえ?触っても良い?」
「いつも触ってるじゃない?」
「もっといっぱい。俺に全部くれるんだろ?」
「…うん。全部…あげる」
「ありがと…」

そう言って僕の服を脱がし、アザにキスをする。
…これはいつものこと。アザは少しずつはっきりしたものになってきている。

胸の先端にキスをする。
…これもいつものこと。触れられる度に敏感になっているような気がする。

でもアシュリーの身体はもっと下に下りてゆく。お臍を舐めて、さらに下に…。

「ズボン下ろすよ」
「あっ…えっ?」

僕の返事を待たずにズボンとパンツを下された。プルンと飛び出た僕の小さなおちんちんがゆらゆらと揺れていて恥ずかしい。するとアシュリーは躊躇いもせずに触ってる。

あの…僕のおちんちんは…アシュリーのもの?

「アシュ、汚いよ?」
「ん?俺は平気。気になる?ジュリが気になるなら、浄化の魔法をかける」

そう言う間もアシュリーの手はゆるゆると動く。

「あっ、アシュ…、触っちゃやだ…」

自分でもあまり触ったことないから他人からの、ましてや大好きなアシュリーに触られてるって思うだけでどうにかなっちゃう。

アシュリーに縋りつきたいのにお臍を舐め回し、僕のを握っているから髪を梳いて、柔らかいブロンドのサラサラと指を抜けていくのを恨めしく思う。

「ジュリアン、俺の触ってくれる?」
「アシュリーは僕の…?」

僕はアシュリーに全てをあげた。

「アシュリーも全部僕にくれるの?」
「ああ、全てだ。全てあげる。俺の過去も未来も…全て」

アシュリーがズボンを下ろしパンツを脱いだ。僕のより大きなおちんちんが元気に上を向いて、ぬらぬらと光ってる。吸い寄せられるように手を伸ばした。全然嫌じゃない。

お互いに相手のものを擦るけど、僕はアシュリーのを上手く扱けていないだろう。与えられる初めての刺激に身体が、思考が付いていかない。

「あっ…アシュ…あぁ…」

するとアシュリーは自分のと僕のを一緒に持って擦りだした。
気持ち良い…。
どのくらいそうしていたかわからない。長い時間のような一瞬のような…。

「も、ダメ…離して…」
「いいよ、このまま。一緒に」
「うん、アシュ…一緒ね……あぁ…」

ほぼ同時に達してアシュリーの手が二人分の白濁で汚れた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

侯爵令息セドリックの憂鬱な日

めちゅう
BL
 第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける——— ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした

なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。 「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」 高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。 そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに… その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。 ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。 かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで… ハッピーエンドです。 R18の場面には※をつけます。

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

職業寵妃の薬膳茶

なか
BL
大国のむちゃぶりは小国には断れない。 俺は帝国に求められ、人質として輿入れすることになる。

大好きなBLゲームの世界に転生したので、最推しの隣に居座り続けます。 〜名も無き君への献身〜

7ズ
BL
 異世界BLゲーム『救済のマリアージュ』。通称:Qマリには、普通のBLゲームには無い闇堕ちルートと言うものが存在していた。  攻略対象の為に手を汚す事さえ厭わない主人公闇堕ちルートは、闇の腐女子の心を掴み、大ヒットした。  そして、そのゲームにハートを打ち抜かれた光の腐女子の中にも闇堕ちルートに最推しを持つ者が居た。  しかし、大規模なファンコミュニティであっても彼女の推しについて好意的に話す者は居ない。  彼女の推しは、攻略対象の養父。ろくでなしで飲んだくれ。表ルートでは事故で命を落とし、闇堕ちルートで主人公によって殺されてしまう。  どのルートでも死の運命が確約されている名も無きキャラクターへ異常な執着と愛情をたった一人で注いでいる孤独な彼女。  ある日、眠りから目覚めたら、彼女はQマリの世界へ幼い少年の姿で転生してしまった。  異常な執着と愛情を現実へと持ち出した彼女は、最推しである養父の設定に秘められた真実を知る事となった。  果たして彼女は、死の運命から彼を救い出す事が出来るのか──? ーーーーーーーーーーーー 狂気的なまでに一途な男(in腐女子)×名無しの訳あり飲兵衛  

処理中です...