天使のローブ

茉莉花 香乃

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第四章

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☆ .。. 夢の中で.。.☆


森の中に座ってる。

近くで水の跳ねる音が聞こえ、川が近くにあるのがわかる。激しい流れなのか割と大きな水音は…ここからは見えないけど、滝があるのかな…。
爽やかな風が心地よく吹いている。
頬を撫でる風は新緑の匂いがした。

青い空が広がってる。
ここの周りには木が生えてなくてぽっかりと空が見える。

蝶がヒラヒラと舞っている。
濃く青い綺麗な羽が、太陽の光でキラキラと輝いて見える。


……急に暗転する。

でも真っ暗じゃない。
不思議な空間に僕と誰か…わからない誰かと一緒にいる。

「ねえ、まだ来てくれないの?」

その誰かが僕に話し掛けてくる。

「君は誰?僕はどこかに行かなければならなかったの?」
「覚えてないの?会いに来てくれるって、約束したでしょ?」
「うん…ごめん、約束していたんだね。僕は君の事を知っているの?」
「覚えてくれていれば知っているはずだけど、忘れちゃったんだね」

凄く哀しそうな雰囲気の、目の前にある塊は形がはっきりとわからない。
鳥のような、獣のような、人のような…おしゃべりしているから人なのだろう。…でもギルバートとはおしゃべりできるからそれもはっきりとはわからない。

形のない君は、僕のことを知っていると言う。僕も知っていたそうだ。思い出して友だちになりたいな。

「僕はどこで君に会ったの?」
「思い出してくれたら嬉しいな」

え~っと、どこで会ったかは教えてくれないのかな?

「君の名前はなんて言うの?」
「ああ…、やっぱり忘れてしまったんだね」

哀しそうな声に申し訳なさでいっぱいだ。

「ねえ、遊ぼ?」
「えっ?遊ぶの?何して遊ぶの?ギルも居ると良かったのにね」
「ギルってギルバート?」
「そうだよ。知ってるの?僕の友だちだよ。僕も小さい時いっぱい遊んで貰ったんだ」
「そう…、今度会う時はギルバートも一緒に会いたいな」
「良いよ。ギルは優しいから、いっぱい遊んでくれると思う」
「そうだね。じゃあ楽しみにしてる。早く会いに来てね」
「うん。でも君はどこに居るの?僕はどこに行けば君に会えるの?ねえ………」
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