32 / 173
第四章
ーーー
しおりを挟む
☆ .。. 夢の中で.。.☆
森の中に座ってる。
近くで水の跳ねる音が聞こえ、川が近くにあるのがわかる。激しい流れなのか割と大きな水音は…ここからは見えないけど、滝があるのかな…。
爽やかな風が心地よく吹いている。
頬を撫でる風は新緑の匂いがした。
青い空が広がってる。
ここの周りには木が生えてなくてぽっかりと空が見える。
蝶がヒラヒラと舞っている。
濃く青い綺麗な羽が、太陽の光でキラキラと輝いて見える。
……急に暗転する。
でも真っ暗じゃない。
不思議な空間に僕と誰か…わからない誰かと一緒にいる。
「ねえ、まだ来てくれないの?」
その誰かが僕に話し掛けてくる。
「君は誰?僕はどこかに行かなければならなかったの?」
「覚えてないの?会いに来てくれるって、約束したでしょ?」
「うん…ごめん、約束していたんだね。僕は君の事を知っているの?」
「覚えてくれていれば知っているはずだけど、忘れちゃったんだね」
凄く哀しそうな雰囲気の、目の前にある塊は形がはっきりとわからない。
鳥のような、獣のような、人のような…おしゃべりしているから人なのだろう。…でもギルバートとはおしゃべりできるからそれもはっきりとはわからない。
形のない君は、僕のことを知っていると言う。僕も知っていたそうだ。思い出して友だちになりたいな。
「僕はどこで君に会ったの?」
「思い出してくれたら嬉しいな」
え~っと、どこで会ったかは教えてくれないのかな?
「君の名前はなんて言うの?」
「ああ…、やっぱり忘れてしまったんだね」
哀しそうな声に申し訳なさでいっぱいだ。
「ねえ、遊ぼ?」
「えっ?遊ぶの?何して遊ぶの?ギルも居ると良かったのにね」
「ギルってギルバート?」
「そうだよ。知ってるの?僕の友だちだよ。僕も小さい時いっぱい遊んで貰ったんだ」
「そう…、今度会う時はギルバートも一緒に会いたいな」
「良いよ。ギルは優しいから、いっぱい遊んでくれると思う」
「そうだね。じゃあ楽しみにしてる。早く会いに来てね」
「うん。でも君はどこに居るの?僕はどこに行けば君に会えるの?ねえ………」
森の中に座ってる。
近くで水の跳ねる音が聞こえ、川が近くにあるのがわかる。激しい流れなのか割と大きな水音は…ここからは見えないけど、滝があるのかな…。
爽やかな風が心地よく吹いている。
頬を撫でる風は新緑の匂いがした。
青い空が広がってる。
ここの周りには木が生えてなくてぽっかりと空が見える。
蝶がヒラヒラと舞っている。
濃く青い綺麗な羽が、太陽の光でキラキラと輝いて見える。
……急に暗転する。
でも真っ暗じゃない。
不思議な空間に僕と誰か…わからない誰かと一緒にいる。
「ねえ、まだ来てくれないの?」
その誰かが僕に話し掛けてくる。
「君は誰?僕はどこかに行かなければならなかったの?」
「覚えてないの?会いに来てくれるって、約束したでしょ?」
「うん…ごめん、約束していたんだね。僕は君の事を知っているの?」
「覚えてくれていれば知っているはずだけど、忘れちゃったんだね」
凄く哀しそうな雰囲気の、目の前にある塊は形がはっきりとわからない。
鳥のような、獣のような、人のような…おしゃべりしているから人なのだろう。…でもギルバートとはおしゃべりできるからそれもはっきりとはわからない。
形のない君は、僕のことを知っていると言う。僕も知っていたそうだ。思い出して友だちになりたいな。
「僕はどこで君に会ったの?」
「思い出してくれたら嬉しいな」
え~っと、どこで会ったかは教えてくれないのかな?
「君の名前はなんて言うの?」
「ああ…、やっぱり忘れてしまったんだね」
哀しそうな声に申し訳なさでいっぱいだ。
「ねえ、遊ぼ?」
「えっ?遊ぶの?何して遊ぶの?ギルも居ると良かったのにね」
「ギルってギルバート?」
「そうだよ。知ってるの?僕の友だちだよ。僕も小さい時いっぱい遊んで貰ったんだ」
「そう…、今度会う時はギルバートも一緒に会いたいな」
「良いよ。ギルは優しいから、いっぱい遊んでくれると思う」
「そうだね。じゃあ楽しみにしてる。早く会いに来てね」
「うん。でも君はどこに居るの?僕はどこに行けば君に会えるの?ねえ………」
0
お気に入りに追加
146
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
大好きなBLゲームの世界に転生したので、最推しの隣に居座り続けます。 〜名も無き君への献身〜
7ズ
BL
異世界BLゲーム『救済のマリアージュ』。通称:Qマリには、普通のBLゲームには無い闇堕ちルートと言うものが存在していた。
攻略対象の為に手を汚す事さえ厭わない主人公闇堕ちルートは、闇の腐女子の心を掴み、大ヒットした。
そして、そのゲームにハートを打ち抜かれた光の腐女子の中にも闇堕ちルートに最推しを持つ者が居た。
しかし、大規模なファンコミュニティであっても彼女の推しについて好意的に話す者は居ない。
彼女の推しは、攻略対象の養父。ろくでなしで飲んだくれ。表ルートでは事故で命を落とし、闇堕ちルートで主人公によって殺されてしまう。
どのルートでも死の運命が確約されている名も無きキャラクターへ異常な執着と愛情をたった一人で注いでいる孤独な彼女。
ある日、眠りから目覚めたら、彼女はQマリの世界へ幼い少年の姿で転生してしまった。
異常な執着と愛情を現実へと持ち出した彼女は、最推しである養父の設定に秘められた真実を知る事となった。
果たして彼女は、死の運命から彼を救い出す事が出来るのか──?
ーーーーーーーーーーーー
狂気的なまでに一途な男(in腐女子)×名無しの訳あり飲兵衛
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした
なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。
「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」
高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。
そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに…
その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。
ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。
かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで…
ハッピーエンドです。
R18の場面には※をつけます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる