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エピローグ

えぴろーぐー03

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だからエスポワールにいきなり現れた時はびっくりした。

その日二人が来ることは知っていたので、そいつの後ろから奈津美さんが見えて……僅かな沈黙のあと、裕樹と奈津美さんが大笑いした。

「彰、奈津美の彼だよ」と優しく教えてくれた裕樹をそれでもそいつから遠ざけたのを覚えている。

本能が「裕樹を近付けてはいけない」と言っていた。



◇◇◇◇◇



「おはよ~」

裏口から裕樹が入って来た。

今日も可愛い。

空かさず眼鏡を取り上げ、前髪を梳き上げてピンで留めた。

誰にも見せたくはないけど、俺の前ではね。

鍵をかけて、お弁当と鞄をカウンターに置いて裕樹を抱きしめる。

両手で頬を持ちキスをする。

まだ恥ずかしいのか赤くなる裕樹に深いキスをする。

「…あっ…ん…っん…あっ…彰…」

途端に裕樹の口から可愛い喘ぎ声が聞こえる。

舌で歯列をなぞり、口内も順になぞっていく。

舌を先端から吸い付き絡める。

そして、絡めていた舌を開放してまた触れるだけのキスをする。

キスの合間に裕樹を顔を盗み見ると惚けたようなでも嬉しそうな笑顔がこのキスを裕樹が望んでいるのが分かって、いつまでもしていたくなる。

でも、段々と下半身に熱が集まってくるし、裕樹はそろそろ足に力が入らなくなるだろう。

「裕樹、いらっしゃい」

「……っん」

まだ、惚けてる。

可愛い。

ぎゅっと抱きしめる。

「そんな可愛い顔で…煽ってるの?直ぐに二階に連れて行きたくなるよ?」

「えっ、えっ、彰が…う~」

可愛い。

「今日はどうする?」

少し体を離して顔を覗き込めば、

「えっとね、宿題は終わったけど、勉強教えてくれる?」

もう直ぐ、夏休みが終わる。

一日中一緒に居られなくなるけど、裕樹とは学校でも会えるし、帰りにエスポワールに寄ることも出来る。

「そう?じゃあ勉強しようか」

「うん。彰と同じ大学行けるように今から頑張っておかないとね」

「…!」

思わずさっき離したばかりの裕樹を腕の中に閉じ込める。



ああっ幸せ。

この幸せをくれた裕樹を大切にしよう。

二人で歩いて行けるように。




END
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