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第四章
4ー10
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「ここ、冬になったらライトアップするらしいよ。この近くのクリスマスイルミネーションも綺麗だし冬になったらまた、来ような」
優しい笑顔の彰君に「うん」って答えたけど、僕は不安だった。
夏休み前の数日を学校で過ごすのが大変だったのに……。
こうして会えるのはもしかしたら夏休みだけなのかな……。
楽しい時間はあっと言う間に終わる。
帰りは水族館での話しをずっとしてた。
ラッコやペンギンのいかに可愛かったか、イルカの賢さを興奮気味で話した。
そうすると、彰君が、
「ユキの方がずっと可愛いよ」
何かボソッと言われた。
ちゃんと聞き取れなくて、「えっ?」って見ると、「何でもない」って…なんて言ったんだろうか?
エスポワールまで帰って来て、晩御飯も一緒に食べた。
エスポワールは夜に定食などの食事って感じのものは無かった。でも、日によってカレーやシチューがあったりするらしい。
マスターの気紛れで作られるそのカレーとシチューは絶品らしいので、今度僕も食べてみたいな。今日無いのが残念だよ。
今日はスパゲッティとオムレツを頼んで二人で分けて食べた。彰君が楽しそうにしてくれているので、僕も楽しいし、嬉しい。
「ねえ、また来週会ってくれる?」
おずおずって感じで彰君が聞いてくれる。
「うん、会いたい」
「ホント?…どこ行こうか?」
「あっ、あそこは?」
僕は動物園と遊園地が一緒になってる近くのパークの名を出した。
僕が小さい頃、毎年の様に家族で行った場所だ。
「あそこ、プールもあるよね?」
「うん……ユキ、プール入りたい?」
「えっ、別にどっちでもいいよ」
「俺は……嫌だ」
彰君泳げないのかな?水が怖いとか?
「彰、ユキちゃんなんか勘違いしてるみたいだぞ」
テーブルの食器を片付けに来たマスターがニヤニヤしながら彰君を見ていた。
「いいよ。勘違いでも。嫌なものは嫌なんだから」
何か分からないけど「いっぱい乗り物乗ろうね」って言ったら、頭撫でられた。
「じゃあ、今度は俺がお昼用意するよ」
「いいの?」
「ああ、でもサンドイッチな」
「うん、嬉しい」
彰君、料理とかするんだ。
意外。
優しい笑顔の彰君に「うん」って答えたけど、僕は不安だった。
夏休み前の数日を学校で過ごすのが大変だったのに……。
こうして会えるのはもしかしたら夏休みだけなのかな……。
楽しい時間はあっと言う間に終わる。
帰りは水族館での話しをずっとしてた。
ラッコやペンギンのいかに可愛かったか、イルカの賢さを興奮気味で話した。
そうすると、彰君が、
「ユキの方がずっと可愛いよ」
何かボソッと言われた。
ちゃんと聞き取れなくて、「えっ?」って見ると、「何でもない」って…なんて言ったんだろうか?
エスポワールまで帰って来て、晩御飯も一緒に食べた。
エスポワールは夜に定食などの食事って感じのものは無かった。でも、日によってカレーやシチューがあったりするらしい。
マスターの気紛れで作られるそのカレーとシチューは絶品らしいので、今度僕も食べてみたいな。今日無いのが残念だよ。
今日はスパゲッティとオムレツを頼んで二人で分けて食べた。彰君が楽しそうにしてくれているので、僕も楽しいし、嬉しい。
「ねえ、また来週会ってくれる?」
おずおずって感じで彰君が聞いてくれる。
「うん、会いたい」
「ホント?…どこ行こうか?」
「あっ、あそこは?」
僕は動物園と遊園地が一緒になってる近くのパークの名を出した。
僕が小さい頃、毎年の様に家族で行った場所だ。
「あそこ、プールもあるよね?」
「うん……ユキ、プール入りたい?」
「えっ、別にどっちでもいいよ」
「俺は……嫌だ」
彰君泳げないのかな?水が怖いとか?
「彰、ユキちゃんなんか勘違いしてるみたいだぞ」
テーブルの食器を片付けに来たマスターがニヤニヤしながら彰君を見ていた。
「いいよ。勘違いでも。嫌なものは嫌なんだから」
何か分からないけど「いっぱい乗り物乗ろうね」って言ったら、頭撫でられた。
「じゃあ、今度は俺がお昼用意するよ」
「いいの?」
「ああ、でもサンドイッチな」
「うん、嬉しい」
彰君、料理とかするんだ。
意外。
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