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第四章

4ー08

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「まあ、…もちろん奈津美ちゃんにも会いたいから間違いでは無いけどね」

他にも会いたい人が居るのだろうか?お母さんかな?マザコンは悪い事でも無いし。問題無いよ。

「奈津美もその人も喜びますね」
「ユキちゃんって…ホントに…ね」
「慎、ユキ、待った?」

奈津美が来たので三人で食事に行った。
バイト代が入ったとかで奢って貰った。これは僕まで悪かったな…。
慎之介さんはいつも僕のことを可愛がってくれるので有り難いけど、久しぶりに会う恋人たちの邪魔はしたくないので早々に別れた。

何故今日僕が一緒なのか……謎だ。



漸く夏休みになった。

特別、進学校でもないので、一年の今年は成績が悪かった生徒には補習はあるけど、僕は補習を免れた。
聞いたところによると彰君は、成績は良いらしい。
僕たちの学校はテストの成績を貼ったりしないので、あくまでも聞いた限りだけど。
僕は平均よりちょっと上辺りかな。

彰君と一緒に勉強とか出来るといいなぁ。解らないトコとか教えて貰ったりさ。考えただけで恥ずかしい…



◇    ◇    ◇    ◇    ◇



宿題をしたりお弁当の練習をしたりして、土曜日までを過ごした。

土曜日には朝早く起きてお弁当を作った。
普段から母さんを手伝って料理はしたりしていたけど、一人で作ったことが無かったので母さんが少し手伝ってくれた。

おにぎりと唐揚げ、出汁巻き玉子、ミートボール…そしてレタス、ミニトマト……作って、弁当箱に入れていく。この弁当箱は母さんが用意してくれた。
食べ終わったら、重ねられるらしい。

?…今日の為に用意してくれたの?

今まで見たことないからそうなのだろう。母さんが気合い入れてどうするのさ?

でも、母さんはどう思っているのかな?

まさか一緒に出掛ける相手が男で、僕の好きな人だとは思ってないとは思うけど……。

聞かれなければ言うつもりはない。
聞かれても言えないよ。





待ち合わせの十分前にエスポワールに着いた。

連絡先を教えていないので、行き違いが無い待ち合わせ場所があるのは有り難い。

連絡先を僕が教えなかったのを、彰君がどう思っているのか気になる。

それでも会いたいと思ってくれることが嬉しい。

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