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朝朗

04

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「尊…おいで」
「うん」

嬉し恥ずかし、両想いになって初めての触れ合いだ。尊は親彬の膝の上に、脚を広げ、跨ぐように向かい合わせに座る。脇の下に両腕を回し、コアラのように抱きついた。ぎゅっと力を込めて抱きしめ返されると、嬉しすぎて泣けてくる。

「親、好き…」

一生云わないと思っていた自分の気持ちを改めて口にする。

「俺も好きだ、尊」
「嬉しい…」
「尊…」

名前を呼ばれると同時に押し倒され、ぴったりとくっついていた身体に隙間ができた。そのわずかな隙間が堪らなく淋しい。でも、それを埋めるようなキスが降る。

啄ばむように唇同士を触れ合わせる。少しカサついた親彬の唇をリアルに感じ、ぶるっと震えた。親彬の舌が尊の唇の形をなぞるように動き、やがて口内に入ってくる。迎えるように舌を絡め、唾液を交換する。

「はぁ…ぁ」

想い合ってのキスがこんなに気持ち良いものだとは思わなかった。勿論、尊は親彬だけしか経験はない。前の二回はおっかなびっくりで、流されたような気がする。自分の気持ちに気付いてからも、その気持ちは出さないようにしていた。

「尊、良いか?」
「何が?」
「えっ?」

(えっ、て何?親は何を聞いてきたの?ここで、『良いか?』ってことは…ええっ!そう云うこと?!)

「う、うん」

あからさまにホッとした顔で、再びキス。それからの親彬は早かった。キスで惚けている間に着物を全て脱がされた。首筋に舌を這わせ、鎖骨、胸を執拗に舐められる。尊はされるがまま、喘いでいる。舌だけではなく、掌で撫で回され、硬くなった胸の突起を指先で擦られるとくすぐったくて身を捻る。

「ひゃっ…やっ、親、やだっ、て…」

親彬はまだ単衣を羽織っている。その単衣を脱がせて、親彬に一矢報いたい。親彬にとっても、そこは性感帯だったはず。両手で合わせを持って、脱がせようとするけれど、親彬にしてみれば、やはり、縋っているようにしか見えないだろう。健気な尊をぎゅっと抱きしめる。尊は脱がせるのを邪魔された格好だが、親彬は内心悶えた。

「尊、愛しい君。もう、俺だけの人になって…。誰にも触らせたくない。誰にも見せたくない。尊、愛してる」

歯の浮くような台詞も親彬なら似合う。しかし、舞い上がりそうなそんな台詞に、尊は少し寂しさを覚えた。

(これって、僕だけに云ってるってことは…ないよね…。でも、好きって、愛してるって云ってくれた。僕はそれで満足だよ)
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