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東雲
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尊は縋りたくて必死で手を伸ばす。ズンズンと奥を突かれ、されるがままである。指先が親彬の胸のあたりに触れた。そのまま下腹部までつつっとなぞり、逞しい身体を確かめるように動かす。その手をぎゅっと捕まれ、親彬の唇に押し当てられた。
(こそばかったのかしら?)
動かない頭でそんなことをぼんやり考える。
「全部挿入ったよ」
「ぜ、全部?」
「ああ…んっ」
答えながら腰を打ち付ける。
「ひゃぁ…親ぁ、ダメって」
尊のダメは最早信頼されていないだろ。しかし、考えて発している言葉ではない。ピンクに染まった身体が男の劣情を煽り、尊の中で嵩を増すのがわかった。
「あぁっ、おっきくなった…」
「…っ…尊、すまない」
「あっ、ぁぁっ、んっ…は、激しっ、ち、親…んっ、んっ」
「そんなに、噛んだらダメだろ?」
「やっ…んっ」
覆い被さりキスをする。舌を絡め、呼吸を奪うようなキス。唇が離れると、尊はハクハクと酸素を求める鯉のように小さく呼吸した。そんな慣れない姿さえも親彬には好ましく映る。小刻みに腰を打ち付けられて、全てを親彬に奪われる感覚に幸せになり、尊はふにゃりと笑った。
(親は僕で気持ち良くなってくれてる。だって、こんなに激しいんだもん…嬉しい…)
ぽたりと頬に落ちた汗を、指で掬い口に運ぶ。勿論、無意識だ。計算など始めての尊ができるわけない。しかし、それを見た親彬は驚愕する。もう『優しく』することなどできない。恥ずかしい濡れた音と肌同士がぶつかる音が混ざった、ぱちゅん、ぱんぱんと音がする。
「ああっ、んっ、んっ、んんっ、やっぁー、ダメー…親、親…すっ!」
(ダメダメ!これは云ってはダメなやつ!)
不自然に途切れた『す』に気付かれたかと不安になり見ると、真剣な顔の親彬と目が合う。その表情からは何も読み取ることはできなかった。手を伸ばして首に縋り付く。
(今は僕だけの親。親、好きだよ)
頭をひと撫でされて、キスを受ける。ラストスパートとばかりに親彬の動きがどんどん激しくなる。尊の屹立も親彬の手により高められ達してしまう。親彬も引き摺られるように尊の中に精を叩きつけた。
(こそばかったのかしら?)
動かない頭でそんなことをぼんやり考える。
「全部挿入ったよ」
「ぜ、全部?」
「ああ…んっ」
答えながら腰を打ち付ける。
「ひゃぁ…親ぁ、ダメって」
尊のダメは最早信頼されていないだろ。しかし、考えて発している言葉ではない。ピンクに染まった身体が男の劣情を煽り、尊の中で嵩を増すのがわかった。
「あぁっ、おっきくなった…」
「…っ…尊、すまない」
「あっ、ぁぁっ、んっ…は、激しっ、ち、親…んっ、んっ」
「そんなに、噛んだらダメだろ?」
「やっ…んっ」
覆い被さりキスをする。舌を絡め、呼吸を奪うようなキス。唇が離れると、尊はハクハクと酸素を求める鯉のように小さく呼吸した。そんな慣れない姿さえも親彬には好ましく映る。小刻みに腰を打ち付けられて、全てを親彬に奪われる感覚に幸せになり、尊はふにゃりと笑った。
(親は僕で気持ち良くなってくれてる。だって、こんなに激しいんだもん…嬉しい…)
ぽたりと頬に落ちた汗を、指で掬い口に運ぶ。勿論、無意識だ。計算など始めての尊ができるわけない。しかし、それを見た親彬は驚愕する。もう『優しく』することなどできない。恥ずかしい濡れた音と肌同士がぶつかる音が混ざった、ぱちゅん、ぱんぱんと音がする。
「ああっ、んっ、んっ、んんっ、やっぁー、ダメー…親、親…すっ!」
(ダメダメ!これは云ってはダメなやつ!)
不自然に途切れた『す』に気付かれたかと不安になり見ると、真剣な顔の親彬と目が合う。その表情からは何も読み取ることはできなかった。手を伸ばして首に縋り付く。
(今は僕だけの親。親、好きだよ)
頭をひと撫でされて、キスを受ける。ラストスパートとばかりに親彬の動きがどんどん激しくなる。尊の屹立も親彬の手により高められ達してしまう。親彬も引き摺られるように尊の中に精を叩きつけた。
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