50 / 54
ハルと言えば一、カズと言えば春
06
しおりを挟む
「大丈夫?歩ける?」
ホテルから出てファミレスで晩御飯。そこに向かうはるちゃんはどことなく歩き辛そうだった。
無理をさせた自覚はある。でも、最後まではシテいない。これ、ホントにできるの?
はるちゃんは良いよって言ってくれた。
俺はギリギリ踏み止まった。
でも、幸せ。
何とか中で少しの快感を拾い始め、はるちゃんのが少し勃ち上がり安心した。はるちゃんの痴態に興奮するものの、二人とも刺激が足りないのでイクことはできない。前回と同じようにお互いのものを一緒に扱き一緒にイッた。それからもう一度軽くシャワーを浴びてホテルを出た。
はるちゃんはパスタとサラダ、俺はハンバーグのセット。向かい合って食べている。恥ずかしいのか俯きがちのはるちゃんはそれでも俺を見る。その上目遣いが俺を直撃する。主に下半身に。
「おっ!一登だ」
あれ、浮気?
はるちゃんをチラリと見て耳元でバカなことを言う直樹の頭を叩いた。直樹の後ろには中学から直樹が想いを寄せる川畑みなみが立っている。
直樹が俺と同じ高校を受けた理由の一番はこの川畑がいたからだ。そりゃ俺と一緒なら色々楽だと思ったとは思うけど、数学とか、数学とか、数学とか…そんなのは俺が居なくても何とかなる。直樹にとって川畑の代わりは居ない。その川畑の手前クラスメイトとしてはるちゃんを紹介しなければならない。
「浮気なんかしてねぇよ」
「えっ?嘘…」
「直樹、何見とれてんの?」
川畑は、はるちゃんをそれこそ穴が開くほど凝視している直樹にヤキモチだ。何だよ、押しに弱いから仕方なく付き合ってもらってるんだ…なんて言ってたのに案外好かれてるじゃん。
「いや、こいつ男だし…」
「嘘!」
「俺のクラスの藍川だよ」
「ああ、いつも一番前で相沢背負ってる感じの」
「何だよ、それ?」
「えっ、だって、前から見たらそんなじゃん…。可愛いね。わたしと同じくらい?」
「みなみのが断然可愛いし!」
直樹…そこはムキになるとこか?はるちゃん男だぞ?まあ、はるちゃんのが断然可愛いけど。
何故か一緒のテーブルで食べることになり、はるちゃんの隣に素早く移動した。それ程混んでなくて、空いてるテーブルはあるのに、直樹に押し切られた。
はるちゃんはパフェを頬張り、俺はコーヒーを飲んでいる。当然後から注文した二人は今夕食の真っ最中。
「なあなあ、次の試験も一緒に勉強するんだろ?俺も数学教えてくれよ。数Aヤバいんだ」
直樹たちが来てからはるちゃんはあまりしゃべらない。川畑が苦手なのかな?
「藍川、どうする?」
「えっ?僕はどっちでも。相沢くんが良いなら」
「何だよ…藍川はヤキモチか?」
「ちょ!坂口くん!」
「おい!直樹!」
「何何?二人はそう言う関係?」
三者三様の声は割と大きく響き、直樹に怒られた。お前が一番悪いんだろ!
「直樹、良い加減にしろよ」
「そうだよ…約束したじゃない。もしかして他でも?」
はるちゃんが不安そうな顔をする。
「いやいや、そんなわけないだろ?悪かったって。みなみにはちゃんと言っとくから」
「川畑さん、黙っててくれますか?」
「ん…どうしよっかなぁ」
「おい、みなみ!」
「お願いします」
はるちゃんは真剣に頭を下げる。俺は川畑にそこまでする気になれず、軽く睨む。それにしても男同士で付き合ってるのをすんなり受け入れてるよ。俺たちにとってはありがたいけど。
「相沢は良いわけ?わたしにそんな態度で」
「いや、まあはるちゃんのために黙ってて欲しいけど」
「はるちゃん?」
「春彦って言うんだ」
「ふぅん。はるちゃんね」
「あの!そんなふうに呼ばないでもらえますか?」
あはっ、そうだよな。俺だけ…だったな。弱みを握られててもそこは変わらないんだ。
「あら、怖い」
「お前そんな奴だったっけ?」
「あら、わたしはいつもこんな感じよ。ね、直樹」
「直樹、尻に敷かれてんのかよ」
「失礼ね」
「そうだぞ!俺は潜り込んで踏まれてんだよ」
「何だそりゃ」
「あの…それで、黙ってるのは?」
「ああ、そうね…今度、この四人で出掛けるってのはどう?ダブルデート」
「それが黙っとく条件か?男三人に女一人だけど、良いの?」
こうして四人で出掛けることが決定した。
ホテルから出てファミレスで晩御飯。そこに向かうはるちゃんはどことなく歩き辛そうだった。
無理をさせた自覚はある。でも、最後まではシテいない。これ、ホントにできるの?
はるちゃんは良いよって言ってくれた。
俺はギリギリ踏み止まった。
でも、幸せ。
何とか中で少しの快感を拾い始め、はるちゃんのが少し勃ち上がり安心した。はるちゃんの痴態に興奮するものの、二人とも刺激が足りないのでイクことはできない。前回と同じようにお互いのものを一緒に扱き一緒にイッた。それからもう一度軽くシャワーを浴びてホテルを出た。
はるちゃんはパスタとサラダ、俺はハンバーグのセット。向かい合って食べている。恥ずかしいのか俯きがちのはるちゃんはそれでも俺を見る。その上目遣いが俺を直撃する。主に下半身に。
「おっ!一登だ」
あれ、浮気?
はるちゃんをチラリと見て耳元でバカなことを言う直樹の頭を叩いた。直樹の後ろには中学から直樹が想いを寄せる川畑みなみが立っている。
直樹が俺と同じ高校を受けた理由の一番はこの川畑がいたからだ。そりゃ俺と一緒なら色々楽だと思ったとは思うけど、数学とか、数学とか、数学とか…そんなのは俺が居なくても何とかなる。直樹にとって川畑の代わりは居ない。その川畑の手前クラスメイトとしてはるちゃんを紹介しなければならない。
「浮気なんかしてねぇよ」
「えっ?嘘…」
「直樹、何見とれてんの?」
川畑は、はるちゃんをそれこそ穴が開くほど凝視している直樹にヤキモチだ。何だよ、押しに弱いから仕方なく付き合ってもらってるんだ…なんて言ってたのに案外好かれてるじゃん。
「いや、こいつ男だし…」
「嘘!」
「俺のクラスの藍川だよ」
「ああ、いつも一番前で相沢背負ってる感じの」
「何だよ、それ?」
「えっ、だって、前から見たらそんなじゃん…。可愛いね。わたしと同じくらい?」
「みなみのが断然可愛いし!」
直樹…そこはムキになるとこか?はるちゃん男だぞ?まあ、はるちゃんのが断然可愛いけど。
何故か一緒のテーブルで食べることになり、はるちゃんの隣に素早く移動した。それ程混んでなくて、空いてるテーブルはあるのに、直樹に押し切られた。
はるちゃんはパフェを頬張り、俺はコーヒーを飲んでいる。当然後から注文した二人は今夕食の真っ最中。
「なあなあ、次の試験も一緒に勉強するんだろ?俺も数学教えてくれよ。数Aヤバいんだ」
直樹たちが来てからはるちゃんはあまりしゃべらない。川畑が苦手なのかな?
「藍川、どうする?」
「えっ?僕はどっちでも。相沢くんが良いなら」
「何だよ…藍川はヤキモチか?」
「ちょ!坂口くん!」
「おい!直樹!」
「何何?二人はそう言う関係?」
三者三様の声は割と大きく響き、直樹に怒られた。お前が一番悪いんだろ!
「直樹、良い加減にしろよ」
「そうだよ…約束したじゃない。もしかして他でも?」
はるちゃんが不安そうな顔をする。
「いやいや、そんなわけないだろ?悪かったって。みなみにはちゃんと言っとくから」
「川畑さん、黙っててくれますか?」
「ん…どうしよっかなぁ」
「おい、みなみ!」
「お願いします」
はるちゃんは真剣に頭を下げる。俺は川畑にそこまでする気になれず、軽く睨む。それにしても男同士で付き合ってるのをすんなり受け入れてるよ。俺たちにとってはありがたいけど。
「相沢は良いわけ?わたしにそんな態度で」
「いや、まあはるちゃんのために黙ってて欲しいけど」
「はるちゃん?」
「春彦って言うんだ」
「ふぅん。はるちゃんね」
「あの!そんなふうに呼ばないでもらえますか?」
あはっ、そうだよな。俺だけ…だったな。弱みを握られててもそこは変わらないんだ。
「あら、怖い」
「お前そんな奴だったっけ?」
「あら、わたしはいつもこんな感じよ。ね、直樹」
「直樹、尻に敷かれてんのかよ」
「失礼ね」
「そうだぞ!俺は潜り込んで踏まれてんだよ」
「何だそりゃ」
「あの…それで、黙ってるのは?」
「ああ、そうね…今度、この四人で出掛けるってのはどう?ダブルデート」
「それが黙っとく条件か?男三人に女一人だけど、良いの?」
こうして四人で出掛けることが決定した。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
【完結】遍く、歪んだ花たちに。
古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
[本編完結]彼氏がハーレムで困ってます
はな
BL
佐藤雪には恋人がいる。だが、その恋人はどうやら周りに女の子がたくさんいるハーレム状態らしい…どうにか、自分だけを見てくれるように頑張る雪。
果たして恋人とはどうなるのか?
主人公 佐藤雪…高校2年生
攻め1 西山慎二…高校2年生
攻め2 七瀬亮…高校2年生
攻め3 西山健斗…中学2年生
初めて書いた作品です!誤字脱字も沢山あるので教えてくれると助かります!
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
【完結・BL】DT騎士団員は、騎士団長様に告白したい!【騎士団員×騎士団長】
彩華
BL
とある平和な国。「ある日」を境に、この国を守る騎士団へ入団することを夢見ていたトーマは、無事にその夢を叶えた。それもこれも、あの日の初恋。騎士団長・アランに一目惚れしたため。年若いトーマの恋心は、日々募っていくばかり。自身の気持ちを、アランに伝えるべきか? そんな悶々とする騎士団員の話。
「好きだって言えるなら、言いたい。いや、でもやっぱ、言わなくても良いな……。ああ゛―!でも、アラン様が好きだって言いてぇよー!!」
初恋はおしまい
佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。
高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。
※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
【完結】終わりとはじまりの間
ビーバー父さん
BL
ノンフィクションとは言えない、フィクションです。
プロローグ的なお話として完結しました。
一生のパートナーと思っていた亮介に、子供がいると分かって別れることになった桂。
別れる理由も奇想天外なことながら、その行動も考えもおかしい亮介に心身ともに疲れるころ、
桂のクライアントである若狭に、亮介がおかしいということを同意してもらえたところから、始まりそうな関係に戸惑う桂。
この先があるのか、それとも……。
こんな思考回路と関係の奴らが実在するんですよ。
告白ゲーム
茉莉花 香乃
BL
自転車にまたがり校門を抜け帰路に着く。最初の交差点で止まった時、教室の自分の机にぶら下がる空の弁当箱のイメージが頭に浮かぶ。「やばい。明日、弁当作ってもらえない」自転車を反転して、もう一度教室をめざす。教室の中には五人の男子がいた。入り辛い。扉の前で中を窺っていると、何やら悪巧みをしているのを聞いてしまった
他サイトにも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる