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ヒューメニア戦争編
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ヒューメニアとの戦争から半年。
世界は……比較的穏やかに魔王の征服を受け入れた。予想通り、大国ヒューメニアが魔王国へ従ったことで小国達は俺達に従ったからだ。
それに……レオンハルトの存在。ヤツが示したヒューメニアの強引な手法。内心反感を持つ国も多かったようだ。
ヒューメニアはマリア王女が戦後交渉の中心となり、自らを人質として差し出す代わりに国民の安全を保障して欲しいと希望した。
……正直、マリア王女がそこまでの覚悟で挑むとは思わなかったが。
デモニカは彼女の覚悟を気に入ったようで、完全な人質とはしなかった。定期的に王族の人間が魔王国で過ごす。これによって国内のバランスを取ることとなった。
海竜人の国メリーコーブは巫女の伝統を失った。彼らが弱体化したことによってエルフの国エルフェリアへの領土侵犯も無くなり、両国は和解への道を踏み出した。
ハーピオンはリイゼルが国内をうまく取りまとめているようだった。元々厳格な社会規範で構成される国だ。しばらくは問題は起こらないだろう。
この世界は魔王の支配下となった。
弱き者達にとっては解放された自由な世界。
しかし。
私欲に取り憑かれた者にとっては圧倒的なまでの恐怖と力を持って粛正される恐ろしき世界。
この矛盾した世界が成立するのはひとえにデモニカの存在あってこそ。
彼女自身が私欲の無い神であるから。
その世界を維持する為に俺はデモニカへとある頼み事をした。
人である俺が死んだ後も、デモニカの世界が続くように……。
◇◇◇
——魔王国。
旅立ちの日。
デモニカへ出発の報告を済ませた俺達は、別れを言う為ナルガイン達の元へ向かった。
「本当に良いのかヴィダル? 妾が移動魔法で送ってやるのじゃ」
「いや、大丈夫だ。小国から小さな村まで回りたいからな」
「そうかの。寂しくなるのぅ……」
レオリアがその猫耳を小刻みに動かし、イリアスの頭を撫でる。
「大丈夫だって! そんなにかからないし、何かあったら飛んで帰って来るからさ、ね? ヴィダル?」
「あぁ。それにイリアスにはナルガインがいるだろ? 俺達がいない間、魔王国を頼んだぞ」
「うん。分かったのじゃ」
イリアスがナルガインの後ろに隠れる。その震えた声から俺達の為に泣いてくれているのが分かった。
……この世界の支配を続ける為に必要なもの。
それは神話。
デモニカがこの世界の正統な支配者であるという証明。
その為に各地に散らばった女神エスタの伝承を集める。女神エスタが創生した世界の記憶を。
そして、邪なる者から世界を救う為に復活し、魔王となってまで戦った神の物語。
それらを編纂し、この世界の歴史とする。
それが俺の新しい仕事。
「ナル姉さまぁ……」
「ヴィダルも言ってただろ? すぐ帰ってくるさ」
ナルガインは鎧を脱ぎ、本来の姿を見せるようになっていた。それは彼女がプライドを取り戻せたからなのかもしれない。
「オレがいる限りこの国は安全だ。他の国で何かあっても何とかする。だから……」
「英雄ナルガインだな」
「こんな邪悪な英雄がいてたまるかよ」
ナルガインが気持ちの良い笑顔を浮かべ、手を差し出して来る。その手を握ると、彼女は寂しげな顔をした。
「オレが……守るから、絶対帰って来いよ。魔神竜の時みたいに消えたりしたら……怒るぞ」
「分かってる。帰って来たら仕事も山積みだろうしな」
「ははっ。ヴィダルらしい答えだな」
その様子を見ていたザビーネがオズオズと話し始めた。
「うぅ……ザビーネはぁ……お役目をちゃんと果たしますぅ……だからぁ……」
「何それ~! まるで今生の別れみたいじゃんか~!」
泣きじゃくる様子を見てレオリアが笑う。ザビーネは、顔を真っ赤にしながら涙を拭いていた。
こちらのザビーネはホークウッド村に何度も足を運ぶようになっていた。家族を殺されたバジンガル達の傷を癒すことは無いだろうが……。
「イリアスに従いホークウッド村を守るんだな。もう一人のお前にも良く言っておけ」
「は、はい……やってみますぅ」
前よりも前向きな答え。もう1人のザビーネも以前より話が通じるようになった。どちらの彼女もほんの少しだけ変わった気がするな。
彼女達に別れを告げ、フィオナの研究室へと向かう。
「なんだか嬉しそうだね」
レオリアが振り返る。そういう彼女もどことなく嬉しそうに見えた。
「この世界を見て回れると思うとな。無性に胸が高鳴るというか……そんな気がするんだ」
◇◇◇
研究室を訪ねると、フィオナは熱心に壁の黒板に式を書き込んでいた。
「なぁにフィオナ~? 政務休みなのに閉じこもって研究してるの?」
「これが私の楽しみなのです。あと少しでこの式も解けそうだから」
「何かを作ってるのか?」
「え、ええと……ちょっと……寿命を弄れないかと思いまして……」
フィオナが急に恥ずかしそうに俯いた。
「はぁ? エルフのくせに長生きしたいの? 強欲だね~!」
「うるさい! 私はただヴィダルを……」
フィオナの声が徐々に小さくなっていく。
「……私と同じだけ生きれるようにできないかなと……」
「ん? 最後何と言ったんだ?」
「い、いえ! 気にしないで! それより、もう行くのですよね?」
「ああ。デモニカ様やナルガイン達へも挨拶して来た」
「そうですか」
フィオナが微笑みかけてくれる。その姿から、血族になる前の彼女の面影が見えた気がした。
「政務は任せて下さい」
「頼りにしてるよ~フィオナ!」
レオリアが珍しく好意的なことを言う。フィオナもいつも喧嘩する時とは違う優しげな顔でレオリアを見つめた。
「貴方も。ヴィダルのこと、頼みましたよ」
レオリアがその耳を小刻みに動かす。恥ずかしがってはいるが、内心喜んでいるのが分かって笑いが込み上げた。
「2人とも、いってらっしゃい」
◇◇◇
魔王国の門が開いていく。
徐々に目の前に広大な景色が広がっていく。
いよいよだ。
俺が知っている気になっていて、本当はまだ知らない世界。この目で見てみたい世界。
そこへ旅立つ時だ。
「ヴィダル」
門が開き切った所で、声をかけられる。
「あれ~? デモニカ様、どうされたんですか?」
振り返ると、デモニカが立っていた。
不思議そうにするレオリアの問いに、彼女が顔を背ける。
「出発の報告の時にな、言えなかったことがあるのだ」
「言えなかったこと?」
なんだ?
目的は伝えたし、最初に向かう村の場所も……。
考えていると、デモニカが俺の頬に手を当てた。
「ありがとう。我の為に働いてくれて」
「……え?」
ありがとう。
胸の奥が一気に熱くなる。些細な言葉に心を揺さぶられることに戸惑った。
「其方は全霊を尽くして我の心を救ってくれた。だから……ありがとう」
デモニカがもう一度、俺の目を見つめてその言葉を繰り返す。
「あ……あ、ああ」
顔を逸らしてしまう。うまく、彼女の顔が見られない。見てしまったらきっと……泣いてしまうから。
「ちゃんと、我の口からこの言葉を送っていなかったからな」
デモニカの優しい声を聞いた時、初めて分かった。
俺は、この言葉を心の奥底で求めていたんだってことが。この世界に来る前から、ずっと……。
デモニカは小さく「それだけだ」と呟くと、背を向けその漆黒の翼を広げた。
「別れは言わぬ。2人の働き、期待しているぞ」
彼女が飛び立ち、王宮へと帰って行く。
「ふふ。今のデモニカ様、ちょっと可愛かったね~」
最後、デモニカの顔は見られなかったが、どんな顔をしていたかだけは、なぜか分かった。
「どんな姿を見ても変わらないさ」
そう。変わらない。
デモニカは俺にとって大切な……。
……。
それは帰って来た時まで取っておこう。
「行くか!」
「うん!」
そうして、俺達は広大な世界へと踏み出した。
——完。
世界は……比較的穏やかに魔王の征服を受け入れた。予想通り、大国ヒューメニアが魔王国へ従ったことで小国達は俺達に従ったからだ。
それに……レオンハルトの存在。ヤツが示したヒューメニアの強引な手法。内心反感を持つ国も多かったようだ。
ヒューメニアはマリア王女が戦後交渉の中心となり、自らを人質として差し出す代わりに国民の安全を保障して欲しいと希望した。
……正直、マリア王女がそこまでの覚悟で挑むとは思わなかったが。
デモニカは彼女の覚悟を気に入ったようで、完全な人質とはしなかった。定期的に王族の人間が魔王国で過ごす。これによって国内のバランスを取ることとなった。
海竜人の国メリーコーブは巫女の伝統を失った。彼らが弱体化したことによってエルフの国エルフェリアへの領土侵犯も無くなり、両国は和解への道を踏み出した。
ハーピオンはリイゼルが国内をうまく取りまとめているようだった。元々厳格な社会規範で構成される国だ。しばらくは問題は起こらないだろう。
この世界は魔王の支配下となった。
弱き者達にとっては解放された自由な世界。
しかし。
私欲に取り憑かれた者にとっては圧倒的なまでの恐怖と力を持って粛正される恐ろしき世界。
この矛盾した世界が成立するのはひとえにデモニカの存在あってこそ。
彼女自身が私欲の無い神であるから。
その世界を維持する為に俺はデモニカへとある頼み事をした。
人である俺が死んだ後も、デモニカの世界が続くように……。
◇◇◇
——魔王国。
旅立ちの日。
デモニカへ出発の報告を済ませた俺達は、別れを言う為ナルガイン達の元へ向かった。
「本当に良いのかヴィダル? 妾が移動魔法で送ってやるのじゃ」
「いや、大丈夫だ。小国から小さな村まで回りたいからな」
「そうかの。寂しくなるのぅ……」
レオリアがその猫耳を小刻みに動かし、イリアスの頭を撫でる。
「大丈夫だって! そんなにかからないし、何かあったら飛んで帰って来るからさ、ね? ヴィダル?」
「あぁ。それにイリアスにはナルガインがいるだろ? 俺達がいない間、魔王国を頼んだぞ」
「うん。分かったのじゃ」
イリアスがナルガインの後ろに隠れる。その震えた声から俺達の為に泣いてくれているのが分かった。
……この世界の支配を続ける為に必要なもの。
それは神話。
デモニカがこの世界の正統な支配者であるという証明。
その為に各地に散らばった女神エスタの伝承を集める。女神エスタが創生した世界の記憶を。
そして、邪なる者から世界を救う為に復活し、魔王となってまで戦った神の物語。
それらを編纂し、この世界の歴史とする。
それが俺の新しい仕事。
「ナル姉さまぁ……」
「ヴィダルも言ってただろ? すぐ帰ってくるさ」
ナルガインは鎧を脱ぎ、本来の姿を見せるようになっていた。それは彼女がプライドを取り戻せたからなのかもしれない。
「オレがいる限りこの国は安全だ。他の国で何かあっても何とかする。だから……」
「英雄ナルガインだな」
「こんな邪悪な英雄がいてたまるかよ」
ナルガインが気持ちの良い笑顔を浮かべ、手を差し出して来る。その手を握ると、彼女は寂しげな顔をした。
「オレが……守るから、絶対帰って来いよ。魔神竜の時みたいに消えたりしたら……怒るぞ」
「分かってる。帰って来たら仕事も山積みだろうしな」
「ははっ。ヴィダルらしい答えだな」
その様子を見ていたザビーネがオズオズと話し始めた。
「うぅ……ザビーネはぁ……お役目をちゃんと果たしますぅ……だからぁ……」
「何それ~! まるで今生の別れみたいじゃんか~!」
泣きじゃくる様子を見てレオリアが笑う。ザビーネは、顔を真っ赤にしながら涙を拭いていた。
こちらのザビーネはホークウッド村に何度も足を運ぶようになっていた。家族を殺されたバジンガル達の傷を癒すことは無いだろうが……。
「イリアスに従いホークウッド村を守るんだな。もう一人のお前にも良く言っておけ」
「は、はい……やってみますぅ」
前よりも前向きな答え。もう1人のザビーネも以前より話が通じるようになった。どちらの彼女もほんの少しだけ変わった気がするな。
彼女達に別れを告げ、フィオナの研究室へと向かう。
「なんだか嬉しそうだね」
レオリアが振り返る。そういう彼女もどことなく嬉しそうに見えた。
「この世界を見て回れると思うとな。無性に胸が高鳴るというか……そんな気がするんだ」
◇◇◇
研究室を訪ねると、フィオナは熱心に壁の黒板に式を書き込んでいた。
「なぁにフィオナ~? 政務休みなのに閉じこもって研究してるの?」
「これが私の楽しみなのです。あと少しでこの式も解けそうだから」
「何かを作ってるのか?」
「え、ええと……ちょっと……寿命を弄れないかと思いまして……」
フィオナが急に恥ずかしそうに俯いた。
「はぁ? エルフのくせに長生きしたいの? 強欲だね~!」
「うるさい! 私はただヴィダルを……」
フィオナの声が徐々に小さくなっていく。
「……私と同じだけ生きれるようにできないかなと……」
「ん? 最後何と言ったんだ?」
「い、いえ! 気にしないで! それより、もう行くのですよね?」
「ああ。デモニカ様やナルガイン達へも挨拶して来た」
「そうですか」
フィオナが微笑みかけてくれる。その姿から、血族になる前の彼女の面影が見えた気がした。
「政務は任せて下さい」
「頼りにしてるよ~フィオナ!」
レオリアが珍しく好意的なことを言う。フィオナもいつも喧嘩する時とは違う優しげな顔でレオリアを見つめた。
「貴方も。ヴィダルのこと、頼みましたよ」
レオリアがその耳を小刻みに動かす。恥ずかしがってはいるが、内心喜んでいるのが分かって笑いが込み上げた。
「2人とも、いってらっしゃい」
◇◇◇
魔王国の門が開いていく。
徐々に目の前に広大な景色が広がっていく。
いよいよだ。
俺が知っている気になっていて、本当はまだ知らない世界。この目で見てみたい世界。
そこへ旅立つ時だ。
「ヴィダル」
門が開き切った所で、声をかけられる。
「あれ~? デモニカ様、どうされたんですか?」
振り返ると、デモニカが立っていた。
不思議そうにするレオリアの問いに、彼女が顔を背ける。
「出発の報告の時にな、言えなかったことがあるのだ」
「言えなかったこと?」
なんだ?
目的は伝えたし、最初に向かう村の場所も……。
考えていると、デモニカが俺の頬に手を当てた。
「ありがとう。我の為に働いてくれて」
「……え?」
ありがとう。
胸の奥が一気に熱くなる。些細な言葉に心を揺さぶられることに戸惑った。
「其方は全霊を尽くして我の心を救ってくれた。だから……ありがとう」
デモニカがもう一度、俺の目を見つめてその言葉を繰り返す。
「あ……あ、ああ」
顔を逸らしてしまう。うまく、彼女の顔が見られない。見てしまったらきっと……泣いてしまうから。
「ちゃんと、我の口からこの言葉を送っていなかったからな」
デモニカの優しい声を聞いた時、初めて分かった。
俺は、この言葉を心の奥底で求めていたんだってことが。この世界に来る前から、ずっと……。
デモニカは小さく「それだけだ」と呟くと、背を向けその漆黒の翼を広げた。
「別れは言わぬ。2人の働き、期待しているぞ」
彼女が飛び立ち、王宮へと帰って行く。
「ふふ。今のデモニカ様、ちょっと可愛かったね~」
最後、デモニカの顔は見られなかったが、どんな顔をしていたかだけは、なぜか分かった。
「どんな姿を見ても変わらないさ」
そう。変わらない。
デモニカは俺にとって大切な……。
……。
それは帰って来た時まで取っておこう。
「行くか!」
「うん!」
そうして、俺達は広大な世界へと踏み出した。
——完。
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