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エピローグ 二コラは運命の相手と国を見つけたようです
エピローグ 二コラは自分の理想の国で幸せに暮らしているようです
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それから数年後。
「お父さん、そろそろご飯できた~?」
「ああ、ちょっと待っててくれ」
そういうと俺は、豚肉を使ったトマトスープをよそう。
「ほら、ゆっくり食いなよ?」
「やったあ! 僕にも多めにお肉頂戴?」
「お兄ちゃんばっかりずるい! あたしも!」
俺は寒い北国の寒村で、二人の子どもを育てていた。
兄と妹の二人は、いつも喧嘩ばかりしているが基本的に仲良しで、見ていてほほえましい。
「ただいま、あなた。……あ~寒かった!」
「お帰り、シンク」
彼女は俺の妻だ。
この小さな国で出会って、そして結婚した。
もちろん、この国が俺にとって「完璧な理想の国」だったわけではない。
だが、少なくとも俺が『どうしても受け入れられないこと』というもの自体はなかったため、半ば妥協する形で定住を選んだ。
そして、この村でお祭りやイベントなどを通して周囲と関わっていくうちに、この国に愛着が生まれてきた。
そんな生活の中でシンクと出会うことが出来て、彼女と愛しあって、そして可愛い子どもも産んでもらえた。
そのため、もう俺はこの国に骨をうずめる覚悟だ。
「ねえ、最近寒くて嫌! 来週はさ、もっと薪を切ってきてよ、あなた?」
「え? 面倒だけどなあ……」
「いいでしょ? 私も頑張って、お肉狩ってきてあげるから!」
妻の仕事は猟師で、狩りの実力は俺以上だ。
そのため、夕食の材料を彼女が取ってくれることも多い。
「あと、ほら! 肩揉んでくれない、あなた?」
「え? ったく、しょうがないなあ……ちょっと横になって。揉みほぐしてあげるから」
「ありがと! ……愛してるわ、あなた!」
そういいながら、妻は俺の頬にキスをしてきた。
妻は最初のうちこそ遠慮がちで思ったことを口にしていなかったが、今ではすっかり、俺に対してガンガン要求してくるようになっている。
だが、それが却ってありがたい。
俺は自分のことを、
「好きな人に何かしてもらうより、逆に何かしてあげるときのほうが嬉しいタイプ」
だというのは、イルミナとの短い同居生活の中で理解していた。
実際俺は、プレゼントをもらう時よりも、誰かのプレゼントを選んでいるときの方が楽しんでいる自分がいるのを分かっていた。
俺がシンクの妻を揉みほぐしていると、彼女は申し訳なさそうにお願いをしてきた。
「あのさ、あなた? 今週末なんだけど、友達とちょっと行きたいところがあるんだけど、行っていい?」
「友達と? どこに行きたいんだ?」
そういうとシンクはチラシを一枚出してきた。
……なるほど、近所に出来たレストランだな。だが、かなりの金額だ。
ちなみに彼女は少々浪費癖があるので、俺が家計の管理をしている。
「ね、おねがいあなた? お金だけど、家計費から出してもらっていい?」
「うーん……。けど、ちょっと高くないか、この店? そんなに重要なイベントなのか?」
「ええ。……久しぶりに留学から帰ってきた友達だから、お祝いしてあげたいと思っているのよ」
「そうか……。ならわかったよ。代わりに、来月はたくさん獲物を取ってきてくれよ!」
「ええ。任せて!」
シンクが難しい提案をしたとしても頭ごなしに否定せず、俺は可能な限り受け入れたいと思っている。もし受け入れられい提案だとしても、可能な限り相手のことを理解し、解決策を見つけるようにする。
サンティの薬物使用についてはさすがに受け入れられなかったが、少なくとも彼女との出会いは『相手のことを受け入れようとする姿勢』の大事さを教えてもらえた。
「あ、ママばっかりずるい! パパ、週末あたしたちもご馳走にしようよ!」
「うん! ……あ、そうだ! 実はさ、僕の友達がバーベキューやりたいって言ってたんだ! うちに呼んでもいい?」
「友達?」
「うん! 美味しい冷凍サーモンをもらったから、みんなで食べたいんだって!」
「あ、それならあたしも食べたい! パパ、そうしようよ!」
「ああ、そうだな。うちも美味しいベーコンを買って、そいつと一緒に食うか!」
俺がそういうと、子どもたちは嬉しそうな表情を見せた。
「やったあ! サーモンのベーコン巻きだよね? 楽しみだなあ……」
「ほんとう! あたしもあれ、大好き! キノコのソテーと一緒に食べると美味しいよね!」
「ハハハ……ああ、そうだ、せっかくだから隣の爺さんも誘うかな……。ちょっと聴いてくるよ」
「気を付けてね、パパ!」
さらに、あまり人とかかわりを持つのが得意ではないタイプに対しては、俺のほうが積極的にかかわりを持つようにしている。
互いの無知はいずれ偏見となり、そして最終的にはいさかいに発展するからだ。
これも、ヨハンナとの付き合いの中で学んだものだ。
そんな風に思いながら、俺は家を出た。
(寒いな……今日は雪が振っているのか……)
俺は木枯らしに身体を震わせながら外を歩く。
正直、俺は今週末に予定したバーベキューが楽しみでならない。
可愛い我が子や近所の人たちと一緒に、美味しいものを食べるのは何よりの楽しみだからだ。
(こういう休日の楽しみ方は……独身の時には分からなかったな……)
最近俺の国では独身主義の思想が強くなっているためか、目にする記事なども『モラハラ夫または妻の醜態』や『独身の人生がいかに素晴らしいか』『子育てがいかに辛く、面倒で、つまらない苦行なのか』について語ったものばかりだ。
それ自体を否定するつもりはない。
だが、俺は『夕食に自分の料理を家族に食べてもらうこと』や『子どものバカや我がままに振り回されること』は、どんな美女とのデートよりも魅力に感じている。
なにより俺の記憶に「楽しかった思い出」や「辛くて苦しい思い出」が増えることが、なにより嬉しい。
だからこそ、少なくとも俺は結婚して家庭を作れたことは、本当に良かったと思う。
そう思っていると、向こうから良く見知った男が現れた。
「おーい、久しぶりっすね~!」
「シルートじゃん! 元気だったか?」
シルートだ。
彼はあれから俺と一緒に旅を続けてくれていたのだが、俺がこの国に定住すると決めた際に『二コラさんのことが心配なんで』と言って、一緒に住むことを決めてくれたのだ。
……まったく、本当に気のいい男だ。
彼は現在、この国で日雇いの仕事をして過ごしており、俺の家族とも仲がいい。
「最近見なかったけど、何してたんだよ、シルート?」
「ええ。近くの鉱山で短期の仕事だったんすよ。けど、たくさん稼ぎやしてね。……ほら、見てくださいよ、この黄金の塊!」
そういうとシルートは綺麗な立方体の塊を見せた。
……残念ながらこれは黄鉄鉱で黄金ではない。だが、シルートもそれは分かっているのだろう、俺に手渡してきた。
「形が綺麗だから、親方に無理行って貰ってきたんすよ。よかったらお子さんに渡してつかあさい」
息子はこういう変わった石が大好きだ。
そのため、渡すときっと喜ぶだろうと思い、俺は喜んで受け取る。
「お、ありがとうな! ……そうだ、お礼に今度バーベキューやるんだけど、シルートも来ないか?」
「え、いいんすか?」
「ああ! 子どもたちもシルートのこと好きだからな! 来てくれたら喜ぶと思うから」
「そりゃ、嬉しいっすね! ありがとうごぜえやす!」
そうシルートは嬉しそうな声を出してそんな風に笑顔を向けてくれた。
そんなシルートに別れを告げて、俺は家に帰ることにした。
すでに周りは真っ暗で、わずかに街灯のあかり(この国ではガス灯が実用化されている)に照らされた雪が幻想的な輝きを見せている。
(……ここに来るまでは大変だったけど……最初にここに来なくて良かったな……)
実は俺の住んでいる国は、出身国であった『勇者レイドの国』とはそこまで距離が離れていない。
行こうと思えば、俺は最初の国からまっすぐここに来ることも出来たくらいだ。
だが、もし俺がその選択をしていたら、きっと今のような幸せな結婚生活は送れなかったのだろうと思っている。
(本当に……この旅の中では……色々なものを教わることが出来たからな……)
イルミナとの出会いの中で俺は、自分自身が望む結婚生活を理解することが出来たし、自分の魔力が低いことへの劣等感を払拭することが出来た。
サンティとの生活の中で俺は、相手を傷つけずに話し合うことの重要性を理解できたし、他者と価値観を共有することの難しさも知ることが出来た。
ヨハンナと一緒にいた時には、他者とかかわりを持つための力を身に着けることが出来たし、差別をなくすことの難しさを痛感した。そして何より『相手を許すこと』の大切さを学ぶことが出来た。
……俺は今まで『結婚につながらなかった出会いは無駄』とも思っていたけれども、今にして思うとすべて自分にとっては糧となっていたことがわかる。
(俺が今まで出会ったみんなも……今頃幸せに暮らしているといいけどな……)
そんな風に思いながら、俺は凍える手を吐息で温めながら、帰途についた。
「お父さん、そろそろご飯できた~?」
「ああ、ちょっと待っててくれ」
そういうと俺は、豚肉を使ったトマトスープをよそう。
「ほら、ゆっくり食いなよ?」
「やったあ! 僕にも多めにお肉頂戴?」
「お兄ちゃんばっかりずるい! あたしも!」
俺は寒い北国の寒村で、二人の子どもを育てていた。
兄と妹の二人は、いつも喧嘩ばかりしているが基本的に仲良しで、見ていてほほえましい。
「ただいま、あなた。……あ~寒かった!」
「お帰り、シンク」
彼女は俺の妻だ。
この小さな国で出会って、そして結婚した。
もちろん、この国が俺にとって「完璧な理想の国」だったわけではない。
だが、少なくとも俺が『どうしても受け入れられないこと』というもの自体はなかったため、半ば妥協する形で定住を選んだ。
そして、この村でお祭りやイベントなどを通して周囲と関わっていくうちに、この国に愛着が生まれてきた。
そんな生活の中でシンクと出会うことが出来て、彼女と愛しあって、そして可愛い子どもも産んでもらえた。
そのため、もう俺はこの国に骨をうずめる覚悟だ。
「ねえ、最近寒くて嫌! 来週はさ、もっと薪を切ってきてよ、あなた?」
「え? 面倒だけどなあ……」
「いいでしょ? 私も頑張って、お肉狩ってきてあげるから!」
妻の仕事は猟師で、狩りの実力は俺以上だ。
そのため、夕食の材料を彼女が取ってくれることも多い。
「あと、ほら! 肩揉んでくれない、あなた?」
「え? ったく、しょうがないなあ……ちょっと横になって。揉みほぐしてあげるから」
「ありがと! ……愛してるわ、あなた!」
そういいながら、妻は俺の頬にキスをしてきた。
妻は最初のうちこそ遠慮がちで思ったことを口にしていなかったが、今ではすっかり、俺に対してガンガン要求してくるようになっている。
だが、それが却ってありがたい。
俺は自分のことを、
「好きな人に何かしてもらうより、逆に何かしてあげるときのほうが嬉しいタイプ」
だというのは、イルミナとの短い同居生活の中で理解していた。
実際俺は、プレゼントをもらう時よりも、誰かのプレゼントを選んでいるときの方が楽しんでいる自分がいるのを分かっていた。
俺がシンクの妻を揉みほぐしていると、彼女は申し訳なさそうにお願いをしてきた。
「あのさ、あなた? 今週末なんだけど、友達とちょっと行きたいところがあるんだけど、行っていい?」
「友達と? どこに行きたいんだ?」
そういうとシンクはチラシを一枚出してきた。
……なるほど、近所に出来たレストランだな。だが、かなりの金額だ。
ちなみに彼女は少々浪費癖があるので、俺が家計の管理をしている。
「ね、おねがいあなた? お金だけど、家計費から出してもらっていい?」
「うーん……。けど、ちょっと高くないか、この店? そんなに重要なイベントなのか?」
「ええ。……久しぶりに留学から帰ってきた友達だから、お祝いしてあげたいと思っているのよ」
「そうか……。ならわかったよ。代わりに、来月はたくさん獲物を取ってきてくれよ!」
「ええ。任せて!」
シンクが難しい提案をしたとしても頭ごなしに否定せず、俺は可能な限り受け入れたいと思っている。もし受け入れられい提案だとしても、可能な限り相手のことを理解し、解決策を見つけるようにする。
サンティの薬物使用についてはさすがに受け入れられなかったが、少なくとも彼女との出会いは『相手のことを受け入れようとする姿勢』の大事さを教えてもらえた。
「あ、ママばっかりずるい! パパ、週末あたしたちもご馳走にしようよ!」
「うん! ……あ、そうだ! 実はさ、僕の友達がバーベキューやりたいって言ってたんだ! うちに呼んでもいい?」
「友達?」
「うん! 美味しい冷凍サーモンをもらったから、みんなで食べたいんだって!」
「あ、それならあたしも食べたい! パパ、そうしようよ!」
「ああ、そうだな。うちも美味しいベーコンを買って、そいつと一緒に食うか!」
俺がそういうと、子どもたちは嬉しそうな表情を見せた。
「やったあ! サーモンのベーコン巻きだよね? 楽しみだなあ……」
「ほんとう! あたしもあれ、大好き! キノコのソテーと一緒に食べると美味しいよね!」
「ハハハ……ああ、そうだ、せっかくだから隣の爺さんも誘うかな……。ちょっと聴いてくるよ」
「気を付けてね、パパ!」
さらに、あまり人とかかわりを持つのが得意ではないタイプに対しては、俺のほうが積極的にかかわりを持つようにしている。
互いの無知はいずれ偏見となり、そして最終的にはいさかいに発展するからだ。
これも、ヨハンナとの付き合いの中で学んだものだ。
そんな風に思いながら、俺は家を出た。
(寒いな……今日は雪が振っているのか……)
俺は木枯らしに身体を震わせながら外を歩く。
正直、俺は今週末に予定したバーベキューが楽しみでならない。
可愛い我が子や近所の人たちと一緒に、美味しいものを食べるのは何よりの楽しみだからだ。
(こういう休日の楽しみ方は……独身の時には分からなかったな……)
最近俺の国では独身主義の思想が強くなっているためか、目にする記事なども『モラハラ夫または妻の醜態』や『独身の人生がいかに素晴らしいか』『子育てがいかに辛く、面倒で、つまらない苦行なのか』について語ったものばかりだ。
それ自体を否定するつもりはない。
だが、俺は『夕食に自分の料理を家族に食べてもらうこと』や『子どものバカや我がままに振り回されること』は、どんな美女とのデートよりも魅力に感じている。
なにより俺の記憶に「楽しかった思い出」や「辛くて苦しい思い出」が増えることが、なにより嬉しい。
だからこそ、少なくとも俺は結婚して家庭を作れたことは、本当に良かったと思う。
そう思っていると、向こうから良く見知った男が現れた。
「おーい、久しぶりっすね~!」
「シルートじゃん! 元気だったか?」
シルートだ。
彼はあれから俺と一緒に旅を続けてくれていたのだが、俺がこの国に定住すると決めた際に『二コラさんのことが心配なんで』と言って、一緒に住むことを決めてくれたのだ。
……まったく、本当に気のいい男だ。
彼は現在、この国で日雇いの仕事をして過ごしており、俺の家族とも仲がいい。
「最近見なかったけど、何してたんだよ、シルート?」
「ええ。近くの鉱山で短期の仕事だったんすよ。けど、たくさん稼ぎやしてね。……ほら、見てくださいよ、この黄金の塊!」
そういうとシルートは綺麗な立方体の塊を見せた。
……残念ながらこれは黄鉄鉱で黄金ではない。だが、シルートもそれは分かっているのだろう、俺に手渡してきた。
「形が綺麗だから、親方に無理行って貰ってきたんすよ。よかったらお子さんに渡してつかあさい」
息子はこういう変わった石が大好きだ。
そのため、渡すときっと喜ぶだろうと思い、俺は喜んで受け取る。
「お、ありがとうな! ……そうだ、お礼に今度バーベキューやるんだけど、シルートも来ないか?」
「え、いいんすか?」
「ああ! 子どもたちもシルートのこと好きだからな! 来てくれたら喜ぶと思うから」
「そりゃ、嬉しいっすね! ありがとうごぜえやす!」
そうシルートは嬉しそうな声を出してそんな風に笑顔を向けてくれた。
そんなシルートに別れを告げて、俺は家に帰ることにした。
すでに周りは真っ暗で、わずかに街灯のあかり(この国ではガス灯が実用化されている)に照らされた雪が幻想的な輝きを見せている。
(……ここに来るまでは大変だったけど……最初にここに来なくて良かったな……)
実は俺の住んでいる国は、出身国であった『勇者レイドの国』とはそこまで距離が離れていない。
行こうと思えば、俺は最初の国からまっすぐここに来ることも出来たくらいだ。
だが、もし俺がその選択をしていたら、きっと今のような幸せな結婚生活は送れなかったのだろうと思っている。
(本当に……この旅の中では……色々なものを教わることが出来たからな……)
イルミナとの出会いの中で俺は、自分自身が望む結婚生活を理解することが出来たし、自分の魔力が低いことへの劣等感を払拭することが出来た。
サンティとの生活の中で俺は、相手を傷つけずに話し合うことの重要性を理解できたし、他者と価値観を共有することの難しさも知ることが出来た。
ヨハンナと一緒にいた時には、他者とかかわりを持つための力を身に着けることが出来たし、差別をなくすことの難しさを痛感した。そして何より『相手を許すこと』の大切さを学ぶことが出来た。
……俺は今まで『結婚につながらなかった出会いは無駄』とも思っていたけれども、今にして思うとすべて自分にとっては糧となっていたことがわかる。
(俺が今まで出会ったみんなも……今頃幸せに暮らしているといいけどな……)
そんな風に思いながら、俺は凍える手を吐息で温めながら、帰途についた。
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