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第4章 モラハラ夫が、思いやりある敏腕営業マンになるまで
4-4 元モラハラ夫は、抱き合わせ商法を行うリグレを退治しました
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「おはようございます!」
「あ……おはようございます」
俺はいつものように、ゲームショップに行き、獣人の女の子に声をかけた。
インキュバスの特性でもあるのだろう、彼女の笑顔を見ていると、少しだけ俺の気持ちも癒されていく。
(今日も可愛いよな、この子……そうだ、もう妻も俺を止めたりしないしデートに……)
だが、俺の思考はそこで中断された。
……俺は催眠アプリで「女性を口説くことが出来ない」という暗示をかけられていたことをその時に思い出した。
(マジかよ……。じゃあ俺はこれから、どうやって仕事するんだよ……)
「あの、ヨアンさん? どうしました?」
「え? ああ、いや……」
彼女は心配そうな表情を見せてきたが、俺は大丈夫だ、と言おうとして顔を上げた。
だが、次の瞬間。
「んだよ、きったね~店だな、ここは!」
店のドアがバタン、と開いた。
以前俺の上司だったリグレの野郎だ。
……今日はよく見知った顔に会うな、と思いながら俺はその男を見た。
「ん~? こりゃまた、裏切り者のヨアンじゃねえか? どうしたんだよ、こんなところで?」
「そりゃこっちの話だろ? あんたの方こそ、何しに来たんだよ」
一度、こいつとはため口で話してやりたかった。
ロングロング・アゴーに勤めていた時には、この男は俺に毎日のように怒鳴ってきたり、バカにしてきたりしてきたからだ。
俺の会社はエルフなど長命種が多いことから年功序列の傾向が強く、年齢の高いものが有利になりやすい。
必然的に、露骨に『エルフ優位』となる社風だったから、それらについても『指導』と言う形でお咎めが無かった。
俺が、ロングロング・アゴーを辞めたのは、業績に陰りが見えたこともあるが、それ以上にこいつの存在が大きい。
「んだよ? 会社を辞めたらため口か、コラ!」
「関係ないだろ? ……とりあえず、これ以上騒ぐと迷惑になるからやめてくれ」
「じゃあ、お前敬語を使えよな、分かんだろ? 社会人ならよ?」
社会人だったら、もう部下ではない俺の方にも敬語を使うべきだろうとは思った。
……だが、これ以上騒いで店の人に迷惑をかけるのもまずい。
「分かりました。じゃあ、そうします」
「よーし、それでいい。……んでさ、お前が今責任者?」
「え? ……あ、はい……」
リグレさんはそう言うと、獣人の店員に声をかけた。
「じゃあさ。ちょっと頼みがあんだけどさ。俺の会社、ロングロング・アゴーって言うんだけど知ってるよな?」
「はい。以前は別の方が、うちの担当で来ていたので……」
「じゃあ話は早いな。あのさ、今度俺達もビジュアルノベルを出すことにしたんだよ。んでさ、売り上げも上げなきゃいけないってわけ」
「あ、そうなんですね……そのゲームをうちにも卸してくれるのですか?」
「ああ、もちろん。今日はその話で来てやったんだからな」
そう言われた彼女は、少し表情を明るくした。
現在この世界では、ビジュアルノベルが大変人気のジャンルになっているからだ。
その為、有名なロングロング・アゴーがソフトを出すと聞いたら、このゲームショップの売り上げも上昇するだろう。
……だが、このクソリグレの提案はあまりに横暴なものだった。
「そいつをそっちにも卸してやるからさ。代わりにうちの不人気商品をセットで買ってくれよ?」
「……え?」
その話を聴いて、俺は信じられないような気になった。
こういう抱き合わせでものを売るのは、※道義的にあり得ない販売だからだ。
(※この世界の司法では、抱き合わせ商法自体は違法になっていない)
だが、リグレは悪びれもせずに言う。
「実を言うと、俺さ。3年以内に業績上げないとクビになるって言われてさ。んで、お前ら個人商店に協力してもらわないと困るのよ」
そりゃ、お前の都合だろうが、と思いながらも俺は彼がここに居ることに納得した。
この男は、以前当時は駆け出しのシナリオライターだったミケルに対して相当ひどい態度を取って、追い返したらしい。
それ以降ミケルはロングロング・アゴーとは仕事をしていない。
ただでさえ社内でも嫌われていたのだから、その責任を取って営業に異動となったのだろう。
……同じ営業部の俺としては『使えない社員を営業に回す』という会社のやり方自体、正気を疑うものなのだが。
「えっと、その……」
「なに、嫌なの? もし嫌なら、今後はオタクには商品を下ろさなくてもいいんだぜ?」
ロングロング・アゴーは現在、うちの会社に追い抜かれて陰りがあるとはいえ、いまだに業界シェアは大きい。
その為、万一商品を下ろしてもらえなくなった場合、影響は大きいだろう。
当然、店員の彼女は断りづらそうにしながらも不快そうな表情を見せていた。
(……ん?)
だが、俺は二人のやりとりを客観的な立場で見ていたことで、あることに気が付いた。
……彼女の表情をよくよく見ると、俺がデートに誘った時の表情と似たような顔をしていたのだ。
さらに、ちょうど俺が立っていた場所の近くに、彼女と、いかにも仲のよさそうな女性が二人で並んで笑っている肖像画が目に入った。
(そうか、俺に見せていたのはただの愛想笑いだったのか……)
そうはっきりわかるほど、写真の中で笑っている彼女は、魅力的な笑顔をしていた。
この表情と現在の彼女の表情を見比べれば、いくら俺でもわかる。
(……俺は……あのバカと同じことをしていたんだな……)
インキュバスはその種族の特性上秀麗な容姿をしており、そのことを高く評価される。
そのこともあり、俺は心のどこかで「俺が女の子を誘って『あげる』ことは、相手もまんざらではない」と思い込んでいた。
……だが、それは大きな勘違いだったのだ。
俺はそう考え、リグレの前に立った。
「あの、リグレさん。……その『抱き合わせ販売』はいくらなんでも横暴ですよ?」
「あんだよ、裏切り者? てめえには関係ないだろ?」
「ありますよ。俺だって会社は違うけど営業マンなんです。あなたのような売り方をしたら、小売店がつぶれるじゃないですか!」
「だから何だよ。んなもん知らねえっての!」
ああ、この男もご主人様と同じタイプか。
自分の気持ちを第一に考えて、その結果相手が苦しんでも気にしない。
俺は最後の手段とばかりに、ぽつりとつぶやく。
「……俺、ニルセンさんの部下なんですよ? リグレさんのしたこと、彼に言いつけてもいいですか?」
「げ……ニルセンの奴が、か……」
体力的に貧弱なエルフは、強靭な肉体を持つリザードマンを苦手としやすい。
ましてや、リグレさんは以前彼に一にらみで黙らさられるようなこともあった。
そのこともあり、リグレさんは少し嫌そうな表情をした。
「けっ! 今日はじゃあ帰るけどよ? そこの店員のお前、今日の話はぜって―忘れんなよな!」
そう捨て台詞を残し、リグレは去っていった。
ああ、彼はこの子の名前も覚えていないんだな。
あの大バカ者が去った後、店員は俺に頭を下げてくれた。
「……その……助けてくれてありがとうございます……」
「いや……」
俺は、彼女に礼を言われたが、逆に詫びを言わなければいけない立場だ。
遅ればせながら、ようやく理解した。
「……すみません。俺も彼と……同じ穴のムジナだったんですよね?」
「え?」
「彼を見てて分かりました。……俺、一方的にナンパして口説いて……迷惑かけましたよね……今まですみませんでした……」
「いや、その……」
どういう風の吹きまわしか分からないような表情の彼女に、俺は続けた。
「……その……もうあんなことはしないので……また、ここに仕事に来ても良いですか?」
「え?」
だが彼女は少し苦笑すると、
「なんかヨアンさんらしくないですね。……ただ、分かってくれたなら嬉しいです。……また来てくださいね?」
そう言われて俺は少しだけ気持ちが軽くなった。
……だが、ここで勘違いしちゃいけないのは、
「許してもらったからと言って、マイナスがゼロになることじゃない」
ということだ。
俺は彼女にやってきたことを考えると、せいぜい「マイナスが少しだけ減った」程度に過ぎない。
これからは、彼女だけじゃなく、彼女のお店も幸せにできるような営業をすることにしよう。
俺はそう思うことになった。
「あ……おはようございます」
俺はいつものように、ゲームショップに行き、獣人の女の子に声をかけた。
インキュバスの特性でもあるのだろう、彼女の笑顔を見ていると、少しだけ俺の気持ちも癒されていく。
(今日も可愛いよな、この子……そうだ、もう妻も俺を止めたりしないしデートに……)
だが、俺の思考はそこで中断された。
……俺は催眠アプリで「女性を口説くことが出来ない」という暗示をかけられていたことをその時に思い出した。
(マジかよ……。じゃあ俺はこれから、どうやって仕事するんだよ……)
「あの、ヨアンさん? どうしました?」
「え? ああ、いや……」
彼女は心配そうな表情を見せてきたが、俺は大丈夫だ、と言おうとして顔を上げた。
だが、次の瞬間。
「んだよ、きったね~店だな、ここは!」
店のドアがバタン、と開いた。
以前俺の上司だったリグレの野郎だ。
……今日はよく見知った顔に会うな、と思いながら俺はその男を見た。
「ん~? こりゃまた、裏切り者のヨアンじゃねえか? どうしたんだよ、こんなところで?」
「そりゃこっちの話だろ? あんたの方こそ、何しに来たんだよ」
一度、こいつとはため口で話してやりたかった。
ロングロング・アゴーに勤めていた時には、この男は俺に毎日のように怒鳴ってきたり、バカにしてきたりしてきたからだ。
俺の会社はエルフなど長命種が多いことから年功序列の傾向が強く、年齢の高いものが有利になりやすい。
必然的に、露骨に『エルフ優位』となる社風だったから、それらについても『指導』と言う形でお咎めが無かった。
俺が、ロングロング・アゴーを辞めたのは、業績に陰りが見えたこともあるが、それ以上にこいつの存在が大きい。
「んだよ? 会社を辞めたらため口か、コラ!」
「関係ないだろ? ……とりあえず、これ以上騒ぐと迷惑になるからやめてくれ」
「じゃあ、お前敬語を使えよな、分かんだろ? 社会人ならよ?」
社会人だったら、もう部下ではない俺の方にも敬語を使うべきだろうとは思った。
……だが、これ以上騒いで店の人に迷惑をかけるのもまずい。
「分かりました。じゃあ、そうします」
「よーし、それでいい。……んでさ、お前が今責任者?」
「え? ……あ、はい……」
リグレさんはそう言うと、獣人の店員に声をかけた。
「じゃあさ。ちょっと頼みがあんだけどさ。俺の会社、ロングロング・アゴーって言うんだけど知ってるよな?」
「はい。以前は別の方が、うちの担当で来ていたので……」
「じゃあ話は早いな。あのさ、今度俺達もビジュアルノベルを出すことにしたんだよ。んでさ、売り上げも上げなきゃいけないってわけ」
「あ、そうなんですね……そのゲームをうちにも卸してくれるのですか?」
「ああ、もちろん。今日はその話で来てやったんだからな」
そう言われた彼女は、少し表情を明るくした。
現在この世界では、ビジュアルノベルが大変人気のジャンルになっているからだ。
その為、有名なロングロング・アゴーがソフトを出すと聞いたら、このゲームショップの売り上げも上昇するだろう。
……だが、このクソリグレの提案はあまりに横暴なものだった。
「そいつをそっちにも卸してやるからさ。代わりにうちの不人気商品をセットで買ってくれよ?」
「……え?」
その話を聴いて、俺は信じられないような気になった。
こういう抱き合わせでものを売るのは、※道義的にあり得ない販売だからだ。
(※この世界の司法では、抱き合わせ商法自体は違法になっていない)
だが、リグレは悪びれもせずに言う。
「実を言うと、俺さ。3年以内に業績上げないとクビになるって言われてさ。んで、お前ら個人商店に協力してもらわないと困るのよ」
そりゃ、お前の都合だろうが、と思いながらも俺は彼がここに居ることに納得した。
この男は、以前当時は駆け出しのシナリオライターだったミケルに対して相当ひどい態度を取って、追い返したらしい。
それ以降ミケルはロングロング・アゴーとは仕事をしていない。
ただでさえ社内でも嫌われていたのだから、その責任を取って営業に異動となったのだろう。
……同じ営業部の俺としては『使えない社員を営業に回す』という会社のやり方自体、正気を疑うものなのだが。
「えっと、その……」
「なに、嫌なの? もし嫌なら、今後はオタクには商品を下ろさなくてもいいんだぜ?」
ロングロング・アゴーは現在、うちの会社に追い抜かれて陰りがあるとはいえ、いまだに業界シェアは大きい。
その為、万一商品を下ろしてもらえなくなった場合、影響は大きいだろう。
当然、店員の彼女は断りづらそうにしながらも不快そうな表情を見せていた。
(……ん?)
だが、俺は二人のやりとりを客観的な立場で見ていたことで、あることに気が付いた。
……彼女の表情をよくよく見ると、俺がデートに誘った時の表情と似たような顔をしていたのだ。
さらに、ちょうど俺が立っていた場所の近くに、彼女と、いかにも仲のよさそうな女性が二人で並んで笑っている肖像画が目に入った。
(そうか、俺に見せていたのはただの愛想笑いだったのか……)
そうはっきりわかるほど、写真の中で笑っている彼女は、魅力的な笑顔をしていた。
この表情と現在の彼女の表情を見比べれば、いくら俺でもわかる。
(……俺は……あのバカと同じことをしていたんだな……)
インキュバスはその種族の特性上秀麗な容姿をしており、そのことを高く評価される。
そのこともあり、俺は心のどこかで「俺が女の子を誘って『あげる』ことは、相手もまんざらではない」と思い込んでいた。
……だが、それは大きな勘違いだったのだ。
俺はそう考え、リグレの前に立った。
「あの、リグレさん。……その『抱き合わせ販売』はいくらなんでも横暴ですよ?」
「あんだよ、裏切り者? てめえには関係ないだろ?」
「ありますよ。俺だって会社は違うけど営業マンなんです。あなたのような売り方をしたら、小売店がつぶれるじゃないですか!」
「だから何だよ。んなもん知らねえっての!」
ああ、この男もご主人様と同じタイプか。
自分の気持ちを第一に考えて、その結果相手が苦しんでも気にしない。
俺は最後の手段とばかりに、ぽつりとつぶやく。
「……俺、ニルセンさんの部下なんですよ? リグレさんのしたこと、彼に言いつけてもいいですか?」
「げ……ニルセンの奴が、か……」
体力的に貧弱なエルフは、強靭な肉体を持つリザードマンを苦手としやすい。
ましてや、リグレさんは以前彼に一にらみで黙らさられるようなこともあった。
そのこともあり、リグレさんは少し嫌そうな表情をした。
「けっ! 今日はじゃあ帰るけどよ? そこの店員のお前、今日の話はぜって―忘れんなよな!」
そう捨て台詞を残し、リグレは去っていった。
ああ、彼はこの子の名前も覚えていないんだな。
あの大バカ者が去った後、店員は俺に頭を下げてくれた。
「……その……助けてくれてありがとうございます……」
「いや……」
俺は、彼女に礼を言われたが、逆に詫びを言わなければいけない立場だ。
遅ればせながら、ようやく理解した。
「……すみません。俺も彼と……同じ穴のムジナだったんですよね?」
「え?」
「彼を見てて分かりました。……俺、一方的にナンパして口説いて……迷惑かけましたよね……今まですみませんでした……」
「いや、その……」
どういう風の吹きまわしか分からないような表情の彼女に、俺は続けた。
「……その……もうあんなことはしないので……また、ここに仕事に来ても良いですか?」
「え?」
だが彼女は少し苦笑すると、
「なんかヨアンさんらしくないですね。……ただ、分かってくれたなら嬉しいです。……また来てくださいね?」
そう言われて俺は少しだけ気持ちが軽くなった。
……だが、ここで勘違いしちゃいけないのは、
「許してもらったからと言って、マイナスがゼロになることじゃない」
ということだ。
俺は彼女にやってきたことを考えると、せいぜい「マイナスが少しだけ減った」程度に過ぎない。
これからは、彼女だけじゃなく、彼女のお店も幸せにできるような営業をすることにしよう。
俺はそう思うことになった。
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