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颯真編 第九話

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キスぐらいでこんなに声をあげてしまって

可愛い…。目に入れても痛くないとはこのことなのか?

そろそろ苦しくなったので、唇を離した

横目で辺りを見渡し、夜遅くないかと伺う

案の定、辺りは暗く、子供は家に帰る時間た

優は明らかに子供…。

いや、こんな店で働いているから…とも考えたが、小さすぎる

150cmにつぶらな瞳、目は茶色で童顔

拐われてもおかしくは無い

そう考えたらいてもたってもいられず、早く家に返さなければと言う思いで、自然と優のことをお姫様抱っこしていた

びっくりするだろうし、何より顔が赤かったので少しいじめてやろうと思い

「キスがとろけてしまいそうでしたか?優お嬢様」と意地悪に言った

キスを思い出してしまったのか、顔を赤くなり下を向いた

それだけで答えがわかったので「それは良かったです。このかわいいお顔が茹でダコみたいに赤くなっていますからね」 とまた意地悪に言った
    
さらに赤くなったので、これ以上はいじめないとこうと思い「さっ、優お嬢様、お家まで案内致します」と切り替えた

すると「お、お嬢様じゃないって!」と必死そうに言う

その必死さが可愛くてクスクス笑ってしまった

「お嬢様は面白い」

「だから!そのお嬢様呼びやめてください!恥ずかしいんです…」

さすがに、やりすぎたな

「あぁ、わかった。からかってすまなかったな」と謝った

すると、優は下からジトーっと疑いの目で見てきて「今回は許す。けど、もう笑っちゃダメだからね!」と子供みたいに言う

わかったよという意味でニコッと笑いかけ会話が終わり、車に着いた

最近の車は、勝手にドアが開くようで、優を素早く助手席に乗せることができ、俺も運転席側に乗った

優に微笑みかけて静かに出発した


    
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