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発情期編

発情期編 第九話

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「ご馳走様」と言って社長…じゃなくて、翔唯さんは、キッチンに行って、お皿を一通り洗った後に、どこか行くかと思ったらまた、僕の前に座る

翔唯さんは、ニコニコでは無いけど、雰囲気的に僕のことを微笑ましく見ている

その間に、僕はご飯を食べるけど視線が気になってぎこちない

出来れば見ないで欲しい

「なぎは、美味しそうに食べるな」

「は、はい!せっかく食べるのなら美味しく食べた方がいいと思いまして!」

「そうか…リスみたいで可愛いよ」

り、りす!?頬に溜め込む癖はあるけれど、りすといわれたのは初めてだ

「まぁ、食べててくれ」と言われたので、食べる

最近、貧困気味でおにぎりしか食べていなかったから、パクパク進んでしまい、それから直ぐに食べ終わった

「ご馳走様でした」と手を合わせる

「美味しかったか?」

「はい!とっても美味しかったです!」

 「今日は何しようか」

「何って?」

発情期だからてっきりもう、そういうのをやるのかと思ってしまった

「俺も、薬を飲んでしまったし、なぎも寝てる間に飲ませてしまったんだ。薬を飲んだからと言ってなぎの匂いには、いつも反応してるがな」と冗談じゃないのか冗談なのかは分からないけど、スルーしといた

「うーん。じゃあ、映画でも見るか?」

「え、映画?」

「あぁ、着いてこい」と言い翔唯さんは立ち上がって行ってしまった

僕も急いで立ち上がってついて行き、翔唯さんは、真っ黒の大きなドアの前で止まった

「なぎ、ここがシアタールームだ」と僕に紹介してくれて、翔唯さんはドアを開けた

中に入ると、この部屋も黒で統一されていて、とても広い。僕の真正面にはスクリーンと、レザーの2人がけソファーが置いてあった

「さて、座ろう」と促されて、翔唯さんの隣に座る。

「膝に座るか?」

「座りませんよ!翔唯さんの迷惑になってしまいますし…」

「別に迷惑じゃないんだが」と言われ断れない雰囲気だったが、さすがに社長の膝に座るのは気が引ける

「いや、僕の頭で見えなくなっても行けないですし」

「俺は何回も見たことある映画だから別にいいんだが…」と言われとうとう断れなくなってしまった

「どうしても、嫌なら強制はしない」

「わかりました。座ります」

「あぁ、じゃあこっちにこい」と膝をぽんと叩く

僕は立って翔唯さんの上に座った

座った後に頭をぽんと撫でられて照れくさくなる
    
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