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りゅう
那智詣で
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勝浦は温泉で知られている保養地である。
那智詣でにきた旅人や巡礼が、温泉に浸かってひと休みし、旅の垢を落とすことで成り立っていた。
ほとんどの旅人は徒であったが、狭いが使い勝手のいい入り江を持つ港もあることから、ここまで舟を使ってやってくるものも少なくなかった。
彼らは質のいい温泉で疲れを癒し、獲りたての美味い魚で舌鼓をうつ。
賑わいはいつものこと。
海沿いの温泉町というのは、どこもかしこも賑わうものであった。
「女など呼んでいいのか?」
酒を手酌で注ぎながら、権藤は言った。
隣にいるのは勝太夫の刺水夫を務める忠治だ。水軍崩れといわれている、顔に刀傷のある男だった。
忠治以外にも、一番舟のものたちに囲まれている。
船長である勝太夫は村長の吉右衛門となにやら話し込んでいた。
「いいってことですよ、権藤の旦那。女でもよんでぱーっと飲んで騒いでしたっていいんですよ。特に、わいらとあんたはね」
「そうもいかんだろう。わしらが、那智にいくのは、あれの祟りを拝みに行くのだからのぉ」
「祟りといっても、もう肉と油になってしまったもんに、何かすることなんかできやしませんぜ。第一、ちゃんと供養はしたじゃありませんか」
権藤は一杯呷り、盃を干すと、
「鯨と同じやり方で成仏するものなのか?」
「そりゃあ、わかりゃあしませんよ。り……アレなんてものを獲っちまった漁師はお天道様の下でもどこにもいやしねえんですから。だったら、いらんこと考えるのはなしにしましょうぜ。明日には那智でお祓いしてもらっちまえば、それでおしまいですよ」
権藤としても、特別文句を言いたいわけではない。
宴会は楽しいし、酒も食いもんも美味い。
呼ばれてやってきた女たちが三味線を上手に引き出して、陽気に歌いだせば気分も高揚してくる。
あとからやってきた女たちは鼓をもっていて叩き始める。
こんな田舎の女にしてはたいしたものであった。
他の若い男たちはかまびすしく怒鳴りあい、運ばれてきた酒を片っ端から飲み干していた。
騒がしすぎるが、不快というほどではない。
だが、少しだけ気にかかるのだ。
心配性なわけではないので、それがどういう心の持ちようなのか権藤にはよくわからなかった。
忠治は単にもとの身分の問題で馴染めていないのだと考えているようだが、そんなものは権藤にはない。
「何か、しっちょる唄でもやらせましょか」
「なら鯨捕りの唄がいいな」
「旦那は陸に出ても捕鯨のことしか頭になさそうですな。だから、そんなにつまらなそうな顔をしてるんじゃねえすか」
「そうかもしれんな。よし、景気よくやるようにあの女に行ってきてくれ」
「へいへい」
爆発しそうなぐらいに陽気な唄でも聞けば、気分も晴れるだろうと思った。
忠治に耳打ちされた女たちが、一斉に合わせて鯨捕りの唄を奏でて、唄い始めた。
勝浦には捕鯨の季節の終わった夏に太地や三輪崎から、今の彼らと同様の男たちがやってきて羽目を外す。
特に太地のような掟の厳しいところでは息抜きは頻繁にはできない。
ベンベンベン
鵜殿の衆も、かなりの数が太地からやってきて、その他のもの鯨捕りの唄にはなじみが深い。
すぐに察して、嬉しそうに唄を合わせ始める。
まだ若いものが多い鵜殿なので、調子に乗るのは早かった。
今回の休みは那智神社に行くためだけものであり、明後日には鵜殿に戻らなければならぬ。
だったら、とことんまで遊びつくさねば損だ。
愉しく騒がなければ。
一人が踊りだせば、二人が続く。
突き動かされたように踊りの素養がある者たちが加わっていった。
踊れぬものは声を出し、盛り上げる。
異常な興奮が座を支配しだした。
その中で、権藤だけはやや憮然とした態度のままであった。
遊びというのは全員が盛り上がらなければなんとも面白くないものである。
自分の存在が枷となって座敷がつまらなくなるのは野暮というものだ。
権藤はこっそりと立ち上がり座敷から抜け出した。
部屋の中でその動きに気づいたのは勝太夫一人だけだったが、見ないふりをしてくれた。
権藤の今の気持ちを察してくれたのだろう。
そのあたり、やはり鵜殿船団の頭に相応しいというべき男であった。
「……厠でもいっておくか」
彼らの停まっている旅籠は大きかったが、屋内には厠がなかった。
一度外に出て用を足さねばならない。
座敷のある二階から階段を降り、裏口を抜け外に出た。
反対側からは陽気な鯨捕りの唄と三味線の音色が響いてくる。
大合唱に近い大騒ぎだった。
もっと大人数がやってきて金をばら撒く太地の衆でさえ、これほどではないと列席した女たちは思った。
(みな、竜退治に浮かれておるな)
理由はわかっている。
アレ―――口にこそ出さないが、竜を仕留めたときの興奮がいまだ冷めやらないのだ。
どれほど大物の鯨を獲ったとしても、あの時ほどの熱は持ちえないだろう。
恐怖に頭を掴まれながら、死に物狂いで銛を打ち、最後にはとどめを刺したあのときの。
そして、最初に竜に銛を打ち、最後に頭に大剣をぶん刺した権藤のことを水夫たちは英雄のように崇めたてた。
勝太夫の率いる一番舟の水夫はまだマシなほうだったが、他の舟のものたち権藤に熱いまなざしを送り始め、道端ですれ違っただけで、涙を流して褒めたたえるものがでる始末だった。
これまでも一人の刃刺として一目置かれていたが、それを遥かに通りこした憧憬の視線を送られ、鵜殿で一番といっていいぐらい手の付けられない人気者になってしまったのである。
宴会中に忠治ぐらいしか寄ってこなかったのは、勝太夫があえて自分の配下に言い含めたからである。
鯨捕りの唄であれだけ熱狂しなければ、きっと座敷を抜け出すことも難しかったかもしれない。
「面倒なことだ」
もし、勝太夫が心の狭い男であったのならば自分の筆頭刃刺の立場を脅かすものとして排斥されていたかもしれない。
その意味で吉右衛門と勝太夫には頭が上がらなくなってしまった。
とはいえ、この調子で村を歩くたびに寄ってこられてはおいそれと銛の鍛錬もできないし、本業の捕鯨にも差しさわりがある。
下手をしたら、鯨捕りを続けるためには鵜殿を出ていかねばならないかもしれない。
まことに困ったものだ、と権藤は頭を抱えたくなった。
厠が果てしなく遠いところにあるような錯覚にさえ陥った。
「うむ?」
そのとき、表側の通りの先に飲み屋があり、その陰に数人の男たちが立っているのがみえた。
位置からすると先ほどまで権藤がいた、鵜殿の鯨衆の座敷を見上げることができる。
そのくせ、二階の窓辺に座り込んでも見つけることは出来なさそうに陰に隠れていた。
しかも、男たちは腰に佩刀している。
武士であることは明白だった。
(……鯨捕りをなぜ武士が見張る? 宿改めか? いや、目付が詮議するようなものはわしたちにはないはずだ)
権藤は酒に強いので、さっきまで吞んだ程度では頭が鈍くなったりはしない。
こっそりと近づいてみた。
興味がわいたというよりも警戒心が高まったのである。
油断なく周囲に目を配りながら、接近する。
何故か罠の臭いがした。
(おっと……)
知った顔である。
腰まで垂らした白い総髪に覚えがあった。
山川久三郎という、そろそろ初老といってもいい年齢の藩士だった。
まだ若者の頃から真っ白な髪をしていたので、藩の者たちに「若白髪」と呼ばれていた。
白髪に相応しい歳になっても綽名は変わっていない。
万事、他人に興味のない権藤が覚えているのは、山川が柳生新陰流剣術においては師範代になっていたせいである。
子供のころに道場で見かけたことがあったが、教えを乞うたことはない。
(なといせ、こんなところに若白髪がいる?)
そういえば少し前に奉行所の同心である旧友・木曾野蔵之介と鵜殿にやってきたことがあったと思い出した。
あのときは、確か……
想像したのは抜け荷の探索だ。
鵜殿で見かけて、今度は勝浦で見かければ、つまり権藤達を疑っているとしか考えられない。
だが、疑問なのは男たちの中に木曽野がいないことだった。
抜け荷の探索というのならば、奉行所の役人がいて当然なのに、見たところ与力はおろか同心らしきものもいない。しかも藩士にしてはやや人相の悪い連中ばかりであった。
(踏み込むつもりか……)
しばらく見ていたが、山川たちはじっと二階の座敷を見張っているだけで動く気配はみせない。
一人が大口を開けて欠伸をしていることから、張り詰めた緊張もないようなので、命のかかったことはしばらくなさそうだった。
ここで見つかっては面倒だと考え、権藤はそっとその場から離れた。
厠あたりまでいくと、調子が変わって別の鯨捕りの唄が聞こえていた。
いつまでも座敷から抜け出していたらもしかしたら探しに来るものもいるかもしれない。
そろそろ戻らねばならなかった。
(しかし、なんのためにわしらを見張っているのだ)
その疑問だけは脳裏から離れそうになかった。
那智詣でにきた旅人や巡礼が、温泉に浸かってひと休みし、旅の垢を落とすことで成り立っていた。
ほとんどの旅人は徒であったが、狭いが使い勝手のいい入り江を持つ港もあることから、ここまで舟を使ってやってくるものも少なくなかった。
彼らは質のいい温泉で疲れを癒し、獲りたての美味い魚で舌鼓をうつ。
賑わいはいつものこと。
海沿いの温泉町というのは、どこもかしこも賑わうものであった。
「女など呼んでいいのか?」
酒を手酌で注ぎながら、権藤は言った。
隣にいるのは勝太夫の刺水夫を務める忠治だ。水軍崩れといわれている、顔に刀傷のある男だった。
忠治以外にも、一番舟のものたちに囲まれている。
船長である勝太夫は村長の吉右衛門となにやら話し込んでいた。
「いいってことですよ、権藤の旦那。女でもよんでぱーっと飲んで騒いでしたっていいんですよ。特に、わいらとあんたはね」
「そうもいかんだろう。わしらが、那智にいくのは、あれの祟りを拝みに行くのだからのぉ」
「祟りといっても、もう肉と油になってしまったもんに、何かすることなんかできやしませんぜ。第一、ちゃんと供養はしたじゃありませんか」
権藤は一杯呷り、盃を干すと、
「鯨と同じやり方で成仏するものなのか?」
「そりゃあ、わかりゃあしませんよ。り……アレなんてものを獲っちまった漁師はお天道様の下でもどこにもいやしねえんですから。だったら、いらんこと考えるのはなしにしましょうぜ。明日には那智でお祓いしてもらっちまえば、それでおしまいですよ」
権藤としても、特別文句を言いたいわけではない。
宴会は楽しいし、酒も食いもんも美味い。
呼ばれてやってきた女たちが三味線を上手に引き出して、陽気に歌いだせば気分も高揚してくる。
あとからやってきた女たちは鼓をもっていて叩き始める。
こんな田舎の女にしてはたいしたものであった。
他の若い男たちはかまびすしく怒鳴りあい、運ばれてきた酒を片っ端から飲み干していた。
騒がしすぎるが、不快というほどではない。
だが、少しだけ気にかかるのだ。
心配性なわけではないので、それがどういう心の持ちようなのか権藤にはよくわからなかった。
忠治は単にもとの身分の問題で馴染めていないのだと考えているようだが、そんなものは権藤にはない。
「何か、しっちょる唄でもやらせましょか」
「なら鯨捕りの唄がいいな」
「旦那は陸に出ても捕鯨のことしか頭になさそうですな。だから、そんなにつまらなそうな顔をしてるんじゃねえすか」
「そうかもしれんな。よし、景気よくやるようにあの女に行ってきてくれ」
「へいへい」
爆発しそうなぐらいに陽気な唄でも聞けば、気分も晴れるだろうと思った。
忠治に耳打ちされた女たちが、一斉に合わせて鯨捕りの唄を奏でて、唄い始めた。
勝浦には捕鯨の季節の終わった夏に太地や三輪崎から、今の彼らと同様の男たちがやってきて羽目を外す。
特に太地のような掟の厳しいところでは息抜きは頻繁にはできない。
ベンベンベン
鵜殿の衆も、かなりの数が太地からやってきて、その他のもの鯨捕りの唄にはなじみが深い。
すぐに察して、嬉しそうに唄を合わせ始める。
まだ若いものが多い鵜殿なので、調子に乗るのは早かった。
今回の休みは那智神社に行くためだけものであり、明後日には鵜殿に戻らなければならぬ。
だったら、とことんまで遊びつくさねば損だ。
愉しく騒がなければ。
一人が踊りだせば、二人が続く。
突き動かされたように踊りの素養がある者たちが加わっていった。
踊れぬものは声を出し、盛り上げる。
異常な興奮が座を支配しだした。
その中で、権藤だけはやや憮然とした態度のままであった。
遊びというのは全員が盛り上がらなければなんとも面白くないものである。
自分の存在が枷となって座敷がつまらなくなるのは野暮というものだ。
権藤はこっそりと立ち上がり座敷から抜け出した。
部屋の中でその動きに気づいたのは勝太夫一人だけだったが、見ないふりをしてくれた。
権藤の今の気持ちを察してくれたのだろう。
そのあたり、やはり鵜殿船団の頭に相応しいというべき男であった。
「……厠でもいっておくか」
彼らの停まっている旅籠は大きかったが、屋内には厠がなかった。
一度外に出て用を足さねばならない。
座敷のある二階から階段を降り、裏口を抜け外に出た。
反対側からは陽気な鯨捕りの唄と三味線の音色が響いてくる。
大合唱に近い大騒ぎだった。
もっと大人数がやってきて金をばら撒く太地の衆でさえ、これほどではないと列席した女たちは思った。
(みな、竜退治に浮かれておるな)
理由はわかっている。
アレ―――口にこそ出さないが、竜を仕留めたときの興奮がいまだ冷めやらないのだ。
どれほど大物の鯨を獲ったとしても、あの時ほどの熱は持ちえないだろう。
恐怖に頭を掴まれながら、死に物狂いで銛を打ち、最後にはとどめを刺したあのときの。
そして、最初に竜に銛を打ち、最後に頭に大剣をぶん刺した権藤のことを水夫たちは英雄のように崇めたてた。
勝太夫の率いる一番舟の水夫はまだマシなほうだったが、他の舟のものたち権藤に熱いまなざしを送り始め、道端ですれ違っただけで、涙を流して褒めたたえるものがでる始末だった。
これまでも一人の刃刺として一目置かれていたが、それを遥かに通りこした憧憬の視線を送られ、鵜殿で一番といっていいぐらい手の付けられない人気者になってしまったのである。
宴会中に忠治ぐらいしか寄ってこなかったのは、勝太夫があえて自分の配下に言い含めたからである。
鯨捕りの唄であれだけ熱狂しなければ、きっと座敷を抜け出すことも難しかったかもしれない。
「面倒なことだ」
もし、勝太夫が心の狭い男であったのならば自分の筆頭刃刺の立場を脅かすものとして排斥されていたかもしれない。
その意味で吉右衛門と勝太夫には頭が上がらなくなってしまった。
とはいえ、この調子で村を歩くたびに寄ってこられてはおいそれと銛の鍛錬もできないし、本業の捕鯨にも差しさわりがある。
下手をしたら、鯨捕りを続けるためには鵜殿を出ていかねばならないかもしれない。
まことに困ったものだ、と権藤は頭を抱えたくなった。
厠が果てしなく遠いところにあるような錯覚にさえ陥った。
「うむ?」
そのとき、表側の通りの先に飲み屋があり、その陰に数人の男たちが立っているのがみえた。
位置からすると先ほどまで権藤がいた、鵜殿の鯨衆の座敷を見上げることができる。
そのくせ、二階の窓辺に座り込んでも見つけることは出来なさそうに陰に隠れていた。
しかも、男たちは腰に佩刀している。
武士であることは明白だった。
(……鯨捕りをなぜ武士が見張る? 宿改めか? いや、目付が詮議するようなものはわしたちにはないはずだ)
権藤は酒に強いので、さっきまで吞んだ程度では頭が鈍くなったりはしない。
こっそりと近づいてみた。
興味がわいたというよりも警戒心が高まったのである。
油断なく周囲に目を配りながら、接近する。
何故か罠の臭いがした。
(おっと……)
知った顔である。
腰まで垂らした白い総髪に覚えがあった。
山川久三郎という、そろそろ初老といってもいい年齢の藩士だった。
まだ若者の頃から真っ白な髪をしていたので、藩の者たちに「若白髪」と呼ばれていた。
白髪に相応しい歳になっても綽名は変わっていない。
万事、他人に興味のない権藤が覚えているのは、山川が柳生新陰流剣術においては師範代になっていたせいである。
子供のころに道場で見かけたことがあったが、教えを乞うたことはない。
(なといせ、こんなところに若白髪がいる?)
そういえば少し前に奉行所の同心である旧友・木曾野蔵之介と鵜殿にやってきたことがあったと思い出した。
あのときは、確か……
想像したのは抜け荷の探索だ。
鵜殿で見かけて、今度は勝浦で見かければ、つまり権藤達を疑っているとしか考えられない。
だが、疑問なのは男たちの中に木曽野がいないことだった。
抜け荷の探索というのならば、奉行所の役人がいて当然なのに、見たところ与力はおろか同心らしきものもいない。しかも藩士にしてはやや人相の悪い連中ばかりであった。
(踏み込むつもりか……)
しばらく見ていたが、山川たちはじっと二階の座敷を見張っているだけで動く気配はみせない。
一人が大口を開けて欠伸をしていることから、張り詰めた緊張もないようなので、命のかかったことはしばらくなさそうだった。
ここで見つかっては面倒だと考え、権藤はそっとその場から離れた。
厠あたりまでいくと、調子が変わって別の鯨捕りの唄が聞こえていた。
いつまでも座敷から抜け出していたらもしかしたら探しに来るものもいるかもしれない。
そろそろ戻らねばならなかった。
(しかし、なんのためにわしらを見張っているのだ)
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