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第141話 頑張る佐々木先輩
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僕は慌てて先輩に尋ねた。
「先輩、そんなハッキリと宣言して大丈夫だったのですか?」
「ああ、構やしないさ。
誰かにバレた時はバレた時さ。
ま、あいつももうお前には
近ずか無いだろうから大丈夫とは思うがな。
お前、部の途中だったんだろ?」
「あ、はい……
先輩はいったいどこから……」
「実はな、お前を驚かしてやりたくて、
居てもたってもいられなかったんだよ!」
「え~ 何ですか?」
「両目を閉じてこっちに来てくれ」
そう言って先輩は僕の手を引いてどこかへと歩き出した。
「先輩まだですか?
僕チョット怖いです」
「もうすぐだ。
良いと言うまで絶対開けるなよ」
暫く歩いた後で先輩が、
「1,2,3で目を開けろよ」
そう言ったので、コクコクと頷いた。
「じゃあ、1,2,3!」
僕は目を開けた。
「うわ~ 先輩、
ついに……!」
「じゃあ~ん」
そう言って先輩は僕に
取ったばかりの運転免許証を見せてくれた。
そして目の前には新車。
「先輩、この車、買ったんですか?」
「まあな、今日、ちょっとドライブしないか?」
「します! します!
ちょっと待ってて下さい!
部室を方付けてきます!」
「あ、俺も行くよ。
またあいつが現われでもしたら敵わないからな!」
「先輩、心配性ですね。
でも、付き合わせてあげましょう!」
そう言って僕達は部室へと向かった。
「ここに来ると何だか安心するな」
「先輩がここに転がって昼寝をしていたのってまだ
数か月前なんですよね。
なんだか随分昔の様に感じますよね」
先輩は窓辺に歩みより、窓から外を見た。
「まあ、そんなに経ってる訳じゃないけど、
ここは変わらなくて凄く好きだな」
「先輩、僕殆どはここに居るから、
何時でも遊びに来てくださいね。
見ての通り、部員は相変わらず
自由気ままにやってますので!」
「そうだな、ここだけは何も変わらないよな。
今度来るときはマイピロウを持ってくるわ」
「是非、是非!
そうすると何だか時間が逆戻りしたみたいですよね!」
「ハハハ、ただ、浩二が居ないんだけどな……」
僕は矢野先輩に対しては大分落ち付いてきていたけど、
先輩のそんなセリフを聞いて、
先輩も矢野先輩を失って寂しいのかなと思った。
そりゃ、そうだよな、
小さい時からずっと幼、小、中、高って一緒だったって言うし……
僕なんかよりはずっと深い結びつきがあるよな……
僕が先輩の方を見ると、
先輩は窓の桟の所に座ってカーテンを手で押しのけると、
葉の隙間から入る木漏れ日に目を細めていた。
「先輩、行きますか?」
僕がそう言うと、先輩は急に僕の手を取り自分の方へと引き寄せキスをした。
舌が絡み始めると、僕は立っていられなくなる。
先輩の膝に腰を落とすと、
僕達は我を忘れてお互いの唇を奪い合った。
先輩の手が僕のシャツの中に延びてきた時、
「先輩、ストップ、ストップ。
ここ学校です~
それに何時人が来るか分からない部室です~」
と先輩を止めた。
先輩は僕を見ると、
「行くぞ」
と言って僕の手を引いて歩き出した。
僕は只黙って先輩に手を引かれ、その後を付いて行った。
幸い、駐車場まで人に合う事は無かったけど、
先輩の顔を見ると、
明らかに僕を欲している事が分かった。
そして僕も凄く先輩が欲しかった。
「ごめんな。
本当は夜景の見えるホテルでと行きたいところだが、
俺が我慢できない。
今は近場のラブホでも良いか?」
僕が恥ずかしそうにうなずくと、
先輩は軽やかに車を走らせた。
余り近場、近場でも知ってる人に見つかるとやばいので、
僕達の生活圏エリアから少し離れた所に移った。
でも、車で走ってるうちに、
段々と平静を取り戻してきた僕達は、
僕が制服のままだと言う事に気付いて、
結局はそのまま最初の目的であったドライブに切り替える事にした。
「なあ、携帯で夜景の奇麗なスポットを探してくれるか?」
先輩の問いに、僕は直ぐに
東京近郊で夜景の奇麗なスポットを検索した。
数十点のスポットが出てきて、
一つ一つの詳細を読み上げた。
そこで僕達が選んだのは、
現地点から近く、
週末に良くデートスポットになると言う場所だった。
GPSでそこまでたどり着くと、
平日とはいえど、カップルがパラパラと居るのがうかがえた。
日もすっかりと落ちて暗くなってきてはいるものの、
流石の夜景スポット、
夜景が良く見えるようにか、
その場所は明かりがうっすらとある程度だった。
広場の様に開けたところで、
中腹まで降りていける散歩道などもあった。
薄暗い上に、知った人も居ないに違ないと思った僕達は、
誰にも気兼ねなく手をつないでいた。
まえからやりたかった事ではあったけど、
人前で先輩と手をつなげると言う事が
こんなに嬉しい事だとは想像もしなかった。
中腹まで降りて来ると、
そこにはほとんど人が居なかった。
僕達はもし人が来てもあまり目立たない街頭の当たらない
端のベンチに腰かけた。
「あのさ、」
先輩が切り出した。
「お前、俺には言わなかったみたいだけど、
あの雑誌、読んだんだろ?」
「あ……」
「あれな、俺について書かれている事は、
俺が言った事じゃないんだ」
「え?」
「全て仕組まれた事さ。
後継者何て世間に対しては聞こえはいいが、
全て作られた後継者だ。
いわば親の傀儡だな」
「そんな……」
「実際さ、読んでわかったと思うけど、
あの後継者たち、全てα世界のαたちだよ。
あれがαの世界なんだよ。
子供の意見何て在って無い物さ。
俺たちもあがいて、あがいて、反抗するが……
何時しか俺たちも親のレールに乗っかって、
次第にはそれが正しいと思い始めるんだよな。
そして、数年後には親と同じ考えを持つ
αの出来上がりという訳さ。
本当はあの雑誌に載るのも嫌でな。
強く反発したんだけど……
情けないよな。
親に勝つにはまだまだだよな。
早く堂々と要を俺の運命だと宣言したいのに、
このまま宣言してもまだ完全にお前を守ることは出来ない……
そんな自分が凄くもどかしくて歯がゆい。
もっと、もっと力を付けて、誰にも手出しできない男にならないとな」
「そんな……
先輩は精一杯、僕を守ってくれています。
先輩が居なかったら、乗り越えられなかった壁も沢山あります。
先輩、まだ時間は沢山あるので、焦らずに行きましょう。
僕は、先輩がここに居てくれたら、
それだけで幸せなんですから」
そう言って僕は先輩の手をギュッと
握りしめた。
先輩は涙ぐんでいたのか、
鼻をスンとすすって僕の肩に寄り添ってきた。
「なあ、今週末は俺の誕生日じゃないか?
一緒に少し遠出をして1泊しないか?」
「是非、行きたいです!
絶対、両親から許可貰います!」
「ハハハ、頼もしいな。
じゃあ、頼むとしようかな?
両親の許可をもらったらラインしてくれな」
「もうどこへ行くか決めてるんですか?」
「それは行ってからのお楽しみだな。
それとな、まだ早いんだけど、
お前の誕生日には夏休みだし、
少し羽を伸ばして沖縄へ行きたい」
「凄い……
沖縄……
僕、修学旅行の希望を沖縄にしたんですよ。
まだ決まっていませんが、
先輩と沖縄か~
凄く楽しそう……
僕、バイト代ずっと貯めてるんですよ!」
「お前の誕生日だ。
俺が全て準備する。
お前はそうだな、差し詰め両親の許可が下りるように
頑張ってくれ」
そう言って先輩は僕の肩にポンと手を置いた。
「先輩、そんなハッキリと宣言して大丈夫だったのですか?」
「ああ、構やしないさ。
誰かにバレた時はバレた時さ。
ま、あいつももうお前には
近ずか無いだろうから大丈夫とは思うがな。
お前、部の途中だったんだろ?」
「あ、はい……
先輩はいったいどこから……」
「実はな、お前を驚かしてやりたくて、
居てもたってもいられなかったんだよ!」
「え~ 何ですか?」
「両目を閉じてこっちに来てくれ」
そう言って先輩は僕の手を引いてどこかへと歩き出した。
「先輩まだですか?
僕チョット怖いです」
「もうすぐだ。
良いと言うまで絶対開けるなよ」
暫く歩いた後で先輩が、
「1,2,3で目を開けろよ」
そう言ったので、コクコクと頷いた。
「じゃあ、1,2,3!」
僕は目を開けた。
「うわ~ 先輩、
ついに……!」
「じゃあ~ん」
そう言って先輩は僕に
取ったばかりの運転免許証を見せてくれた。
そして目の前には新車。
「先輩、この車、買ったんですか?」
「まあな、今日、ちょっとドライブしないか?」
「します! します!
ちょっと待ってて下さい!
部室を方付けてきます!」
「あ、俺も行くよ。
またあいつが現われでもしたら敵わないからな!」
「先輩、心配性ですね。
でも、付き合わせてあげましょう!」
そう言って僕達は部室へと向かった。
「ここに来ると何だか安心するな」
「先輩がここに転がって昼寝をしていたのってまだ
数か月前なんですよね。
なんだか随分昔の様に感じますよね」
先輩は窓辺に歩みより、窓から外を見た。
「まあ、そんなに経ってる訳じゃないけど、
ここは変わらなくて凄く好きだな」
「先輩、僕殆どはここに居るから、
何時でも遊びに来てくださいね。
見ての通り、部員は相変わらず
自由気ままにやってますので!」
「そうだな、ここだけは何も変わらないよな。
今度来るときはマイピロウを持ってくるわ」
「是非、是非!
そうすると何だか時間が逆戻りしたみたいですよね!」
「ハハハ、ただ、浩二が居ないんだけどな……」
僕は矢野先輩に対しては大分落ち付いてきていたけど、
先輩のそんなセリフを聞いて、
先輩も矢野先輩を失って寂しいのかなと思った。
そりゃ、そうだよな、
小さい時からずっと幼、小、中、高って一緒だったって言うし……
僕なんかよりはずっと深い結びつきがあるよな……
僕が先輩の方を見ると、
先輩は窓の桟の所に座ってカーテンを手で押しのけると、
葉の隙間から入る木漏れ日に目を細めていた。
「先輩、行きますか?」
僕がそう言うと、先輩は急に僕の手を取り自分の方へと引き寄せキスをした。
舌が絡み始めると、僕は立っていられなくなる。
先輩の膝に腰を落とすと、
僕達は我を忘れてお互いの唇を奪い合った。
先輩の手が僕のシャツの中に延びてきた時、
「先輩、ストップ、ストップ。
ここ学校です~
それに何時人が来るか分からない部室です~」
と先輩を止めた。
先輩は僕を見ると、
「行くぞ」
と言って僕の手を引いて歩き出した。
僕は只黙って先輩に手を引かれ、その後を付いて行った。
幸い、駐車場まで人に合う事は無かったけど、
先輩の顔を見ると、
明らかに僕を欲している事が分かった。
そして僕も凄く先輩が欲しかった。
「ごめんな。
本当は夜景の見えるホテルでと行きたいところだが、
俺が我慢できない。
今は近場のラブホでも良いか?」
僕が恥ずかしそうにうなずくと、
先輩は軽やかに車を走らせた。
余り近場、近場でも知ってる人に見つかるとやばいので、
僕達の生活圏エリアから少し離れた所に移った。
でも、車で走ってるうちに、
段々と平静を取り戻してきた僕達は、
僕が制服のままだと言う事に気付いて、
結局はそのまま最初の目的であったドライブに切り替える事にした。
「なあ、携帯で夜景の奇麗なスポットを探してくれるか?」
先輩の問いに、僕は直ぐに
東京近郊で夜景の奇麗なスポットを検索した。
数十点のスポットが出てきて、
一つ一つの詳細を読み上げた。
そこで僕達が選んだのは、
現地点から近く、
週末に良くデートスポットになると言う場所だった。
GPSでそこまでたどり着くと、
平日とはいえど、カップルがパラパラと居るのがうかがえた。
日もすっかりと落ちて暗くなってきてはいるものの、
流石の夜景スポット、
夜景が良く見えるようにか、
その場所は明かりがうっすらとある程度だった。
広場の様に開けたところで、
中腹まで降りていける散歩道などもあった。
薄暗い上に、知った人も居ないに違ないと思った僕達は、
誰にも気兼ねなく手をつないでいた。
まえからやりたかった事ではあったけど、
人前で先輩と手をつなげると言う事が
こんなに嬉しい事だとは想像もしなかった。
中腹まで降りて来ると、
そこにはほとんど人が居なかった。
僕達はもし人が来てもあまり目立たない街頭の当たらない
端のベンチに腰かけた。
「あのさ、」
先輩が切り出した。
「お前、俺には言わなかったみたいだけど、
あの雑誌、読んだんだろ?」
「あ……」
「あれな、俺について書かれている事は、
俺が言った事じゃないんだ」
「え?」
「全て仕組まれた事さ。
後継者何て世間に対しては聞こえはいいが、
全て作られた後継者だ。
いわば親の傀儡だな」
「そんな……」
「実際さ、読んでわかったと思うけど、
あの後継者たち、全てα世界のαたちだよ。
あれがαの世界なんだよ。
子供の意見何て在って無い物さ。
俺たちもあがいて、あがいて、反抗するが……
何時しか俺たちも親のレールに乗っかって、
次第にはそれが正しいと思い始めるんだよな。
そして、数年後には親と同じ考えを持つ
αの出来上がりという訳さ。
本当はあの雑誌に載るのも嫌でな。
強く反発したんだけど……
情けないよな。
親に勝つにはまだまだだよな。
早く堂々と要を俺の運命だと宣言したいのに、
このまま宣言してもまだ完全にお前を守ることは出来ない……
そんな自分が凄くもどかしくて歯がゆい。
もっと、もっと力を付けて、誰にも手出しできない男にならないとな」
「そんな……
先輩は精一杯、僕を守ってくれています。
先輩が居なかったら、乗り越えられなかった壁も沢山あります。
先輩、まだ時間は沢山あるので、焦らずに行きましょう。
僕は、先輩がここに居てくれたら、
それだけで幸せなんですから」
そう言って僕は先輩の手をギュッと
握りしめた。
先輩は涙ぐんでいたのか、
鼻をスンとすすって僕の肩に寄り添ってきた。
「なあ、今週末は俺の誕生日じゃないか?
一緒に少し遠出をして1泊しないか?」
「是非、行きたいです!
絶対、両親から許可貰います!」
「ハハハ、頼もしいな。
じゃあ、頼むとしようかな?
両親の許可をもらったらラインしてくれな」
「もうどこへ行くか決めてるんですか?」
「それは行ってからのお楽しみだな。
それとな、まだ早いんだけど、
お前の誕生日には夏休みだし、
少し羽を伸ばして沖縄へ行きたい」
「凄い……
沖縄……
僕、修学旅行の希望を沖縄にしたんですよ。
まだ決まっていませんが、
先輩と沖縄か~
凄く楽しそう……
僕、バイト代ずっと貯めてるんですよ!」
「お前の誕生日だ。
俺が全て準備する。
お前はそうだな、差し詰め両親の許可が下りるように
頑張ってくれ」
そう言って先輩は僕の肩にポンと手を置いた。
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