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夢
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“ブツブツ、ブツブツ”
“う~ん、アレでも無い…
これでも無い…
アッ、こっちはどうだろ…?”
僕はパラパラとページを捲っては戻し、
戻しては捲ってを繰り返していた。
「殿下、マギー様よりお茶を頂いて来ました。
少しお休みになられませんか?」
ダリルが盆の上にお茶と茶菓子を持ってやって来た。
「うん、もうちょっと読み込んでから…」
ダリルの言葉も余り耳に入らず
僕は禁断の書に読み耽っていた。
「余り無理をなさると、
体を壊しますよ」
そう言ってダリルがフワッと僕に肩に
ガウンを掛けてくれた。
ランプの火がジジっと揺れて、
消えそうになった。
僕は横目で揺れるランプを見ると、
「ダリル、新しいランプを持って来てくれるかな?
これはもうダメそう」
そう言うと、ダリルは僕の本をサッと奪い取り、
「殿下、もう3日ほど眠られて居られません。
良い加減休養を取って下さい」
そう言って本に栞を挟むと、
パタンとその本を閉じた。
「あっ…」
僕は小さく囁いて奪われていく本を手で追った。
確かに森から帰って来てから
三日三晩ほど余り寝ていない。
時折ウトウトとしては起きてを繰り返していた。
僕はダリルの側に渡った本に手を伸ばすと、
ダリルにその手を掴まれた。
「殿下! 今日はもう寝て下さい。
疲れた頭では、重要なポイントも見逃してしまいます。
明日、スッキリした頭でもう一度調べ直して下さい」
ダリルはそう言うと、掴んだ僕の手を引いて
ベッドの所まで導いた。
僕をベッドに押し込むと、
「良いですか?
私が部屋に戻った途端に
ベッドから抜け出すと言う事はやめて下さいね」
そう言うとジジっと最後の音を立ててランプが消えた。
ベッドに横たわると、疲れていた事を思い出したのか、
急に眠気が襲って来た。
僕はダリルが言った様に、
ダリルが部屋を出たらそっと起き出して又
本を読もうと思っていた。
なんせこの禁断の書は僕の掌程の厚さがある。
とても2、3日で読み終えてしまえる厚さではない。
それに相まって古代文字なども使われている。
僕は辞書を引きながら辛うじてその部分は解読していた。
だから普通に読むよりも数倍時間がかかる。
『守護神の1人が呪いにかかっている。
それも人が掛けた呪いに。
デューデューの話によると、
彼女は聖龍と繋がっているではないか』
そう思うと、寝てる暇など無かった。
僕は毎日祈る様な気持ちで禁断の書を読んでいた。
でも今の所、デューデューの言っていた
4人の守護神の事や、呪いの事、
魔神に関する事、どれも見つかって居なかった。
ベッドに横たわり窓から夜空を見上げると、
綺麗な輪っかをはめた月の光がぼんやりと見えた。
それがまるで眠りの呪文の様に僕を眠りに誘った。
僕は眠気と闘いながら目を開いたり、
閉じたりとしているうちに、
とうとう眠りに入ってしまった。
僕は恐らくダリルがお茶を片付けているであろう、
ガチャガチャと言う音を聞きながら、
夢の世界へと入っていった。
夢の中に降り立つと、
そこは色とりどりの花が咲く
綺麗な野原の様なところで、
蝶や鳥が沢山飛び交って居た。
それによく見ると、
羽虫の様な羽を生やした小さな人々が
彼方此方で飛び交っている姿も見られる。
周りには木々は聳え立って居たが、
決して森の様に密集した感じでも無かった。
そこには、
“メルデーナ“
と呼ばれる人と
”エレノア“
と呼ばれる人がいた。
メルデーナはピンク色の
フワフワとした腰まである髪を風にゆらせながら、
大きな緑色の瞳でエレノアの瞳を見つめた。
その頭には色とりどりの綺麗な花で作った輪っかを被り、
花びらで作った様な可愛いドレスを着て居た。
その背にはピンクと金色の混じった綺麗な蝶の様な羽がついて居た。
「やはり行くのですか?」
メルデーナと呼ばれた人がエレノアと呼ばれた人に尋ねた。
エレノアも息を呑む様な綺麗な人で
僕と同じ様な銀色とも白色とも分からない様な
綺麗なサラサラの真っ直ぐな長い髪をして、
大きな緑色の目をして居た。
そしてその真っ白な肌には
銀色のドレスを羽織り、
一目見た限りでは、
雪の女王と見間違うような真っ白な形をして居た。
エレノアはこくりと小さく頷くと、
「万が一、
”あれ“
が復活する事があれば、
私は…いえ、私達には、
“彼”
の力が必要です…
彼はまだ深い眠りの中にいる…
彼自身その事に気付いて居ません。
私は
“彼”
を見つけなければ…
それと彼に属する
“あの者”
も…」
そう言ってメルデーナの手を取った。
「扉の守護神であるメルデーナよ。
私と血を分けた双子の妹よ。
いずれ私の守護を受けた魂を持つものが生まれる。
私は密かにその魂を選別し
“種”
を植えつけた。
もし私に何かあればその者を見つけ出してくれ。
そして
“彼の者”
と巡り会う様に…」
そう言い残すと、
彼女はシューッと真っ白な綺麗な龍に姿を変えた。
彼女はその大きな緑色の綺麗な瞳でメルデーナを見ると、
顔を近付けそっと頬擦りをすると、
「リュ、リ、リュ~」
と甲高く鳴き、空へ飛び去ってあっという間に見えなくなった。
僕はハッとして飛び起きた。
“夢か…やけにリアルな夢だったな……
そう言えばデューデューが言っていた名前って
メルデーナじゃなかったっけ?
それにあのエレノアって……もしかして?
でもなぜ僕の夢に……?
それに彼女らが言っていた彼等とは……?”
謎だらけな夢に僕は鋼の様に打つ心臓を握りしめると、
ベッドの横にいる人物に気が付いた。
ドキッとして暗がりで目を凝らすと、
その人物の輪郭がくっきりと映し出された。
“ダリル……”
彼は僕の事を心配して結局はここに居た様だ。
椅子に座ったまま
腕を組んで眠るダリルの顔にそっと見入った。
彼こそ疲れているだろうに、
彼の優先順位はいつも僕が1番だ。
最近は僕が禁断の書に係っきりだったから、
ダリルも良く図書室で調べ物をして居た。
でもダリルの方も大して収穫は無さそうだ。
アーウィンは王都に行ったまま
まだ帰って来てないけど、
王都もそろそろ落ち着いた様なので
明日頃には戻って来れそうだ。
マグノリアも身分を隠してアーウィンの助手として
王都でテキパキと立ち回った様だ。
マグノリアについて行ったシギも
老体の割にはキビキビと動き回って居た様だ。
そう、あれから3日、
3日も経ったのに、未だ何の手掛かりも見つからない。
僕がスルッとベッドから擦り落ちると、
ダリルが目ざとく目覚めた。
「殿下、もうお目覚めですか?!
まだ陽も登って居ませんよ?
夜明けまでは未だ未だの様です。
もう暫くお休みなっては如何ですか?」
ダリルが外を見ながらそう言った。
「うん、ありがとう。
もう僕は十分に休んだから大丈夫だよ。
それよりも、ダリルこそ休息が必要だよ?」
「私は大丈夫です。
十分に休ませていただきました」
「そんな椅子の上でなんて、
疲れが取れる訳ないでしょう?
何なら僕のベッドで…」
そう言いかけてハッとして口を塞いだ。
ダリルは椅子から立ち上がると、
僕の手を取った。
「あの…僕プリンセスじゃないから
そんなしなくてもちゃんと歩けるよ?」
そうは言ってもドキドキだった。
「はい、それは分かって居ますが、
まだ部屋の中は暗いので…
私は下まで行ってランプの油を取って来ますので、
殿下はまだ床に着いておいて下さい」
そう言うと、僕を又ベッドへ戻し、
油を取りに部屋を出て行った。
もう完全に目が覚めた僕は、
ダリルが戻ってくる前に着替えを済ませようと
その足でクローゼットに向かった。
僕は暗くても目が見える。
クローゼットに入り
服を見繕っている時に僕の部屋の戸が
ガチャリと開く音がした。
いや、開く音は実際はして居ない。
僕の耳が良いから、
目に魔力を集中させている今、
普通だったら聞こえない様な音が聞こえたのだ。
“誰か部屋に入って来た?”
勿論ダリルでは無い。
彼は音を殺して部屋に入って来る理由など無い。
途端僕の全身の血がザワザワと騒ぎ始めた。
“う~ん、アレでも無い…
これでも無い…
アッ、こっちはどうだろ…?”
僕はパラパラとページを捲っては戻し、
戻しては捲ってを繰り返していた。
「殿下、マギー様よりお茶を頂いて来ました。
少しお休みになられませんか?」
ダリルが盆の上にお茶と茶菓子を持ってやって来た。
「うん、もうちょっと読み込んでから…」
ダリルの言葉も余り耳に入らず
僕は禁断の書に読み耽っていた。
「余り無理をなさると、
体を壊しますよ」
そう言ってダリルがフワッと僕に肩に
ガウンを掛けてくれた。
ランプの火がジジっと揺れて、
消えそうになった。
僕は横目で揺れるランプを見ると、
「ダリル、新しいランプを持って来てくれるかな?
これはもうダメそう」
そう言うと、ダリルは僕の本をサッと奪い取り、
「殿下、もう3日ほど眠られて居られません。
良い加減休養を取って下さい」
そう言って本に栞を挟むと、
パタンとその本を閉じた。
「あっ…」
僕は小さく囁いて奪われていく本を手で追った。
確かに森から帰って来てから
三日三晩ほど余り寝ていない。
時折ウトウトとしては起きてを繰り返していた。
僕はダリルの側に渡った本に手を伸ばすと、
ダリルにその手を掴まれた。
「殿下! 今日はもう寝て下さい。
疲れた頭では、重要なポイントも見逃してしまいます。
明日、スッキリした頭でもう一度調べ直して下さい」
ダリルはそう言うと、掴んだ僕の手を引いて
ベッドの所まで導いた。
僕をベッドに押し込むと、
「良いですか?
私が部屋に戻った途端に
ベッドから抜け出すと言う事はやめて下さいね」
そう言うとジジっと最後の音を立ててランプが消えた。
ベッドに横たわると、疲れていた事を思い出したのか、
急に眠気が襲って来た。
僕はダリルが言った様に、
ダリルが部屋を出たらそっと起き出して又
本を読もうと思っていた。
なんせこの禁断の書は僕の掌程の厚さがある。
とても2、3日で読み終えてしまえる厚さではない。
それに相まって古代文字なども使われている。
僕は辞書を引きながら辛うじてその部分は解読していた。
だから普通に読むよりも数倍時間がかかる。
『守護神の1人が呪いにかかっている。
それも人が掛けた呪いに。
デューデューの話によると、
彼女は聖龍と繋がっているではないか』
そう思うと、寝てる暇など無かった。
僕は毎日祈る様な気持ちで禁断の書を読んでいた。
でも今の所、デューデューの言っていた
4人の守護神の事や、呪いの事、
魔神に関する事、どれも見つかって居なかった。
ベッドに横たわり窓から夜空を見上げると、
綺麗な輪っかをはめた月の光がぼんやりと見えた。
それがまるで眠りの呪文の様に僕を眠りに誘った。
僕は眠気と闘いながら目を開いたり、
閉じたりとしているうちに、
とうとう眠りに入ってしまった。
僕は恐らくダリルがお茶を片付けているであろう、
ガチャガチャと言う音を聞きながら、
夢の世界へと入っていった。
夢の中に降り立つと、
そこは色とりどりの花が咲く
綺麗な野原の様なところで、
蝶や鳥が沢山飛び交って居た。
それによく見ると、
羽虫の様な羽を生やした小さな人々が
彼方此方で飛び交っている姿も見られる。
周りには木々は聳え立って居たが、
決して森の様に密集した感じでも無かった。
そこには、
“メルデーナ“
と呼ばれる人と
”エレノア“
と呼ばれる人がいた。
メルデーナはピンク色の
フワフワとした腰まである髪を風にゆらせながら、
大きな緑色の瞳でエレノアの瞳を見つめた。
その頭には色とりどりの綺麗な花で作った輪っかを被り、
花びらで作った様な可愛いドレスを着て居た。
その背にはピンクと金色の混じった綺麗な蝶の様な羽がついて居た。
「やはり行くのですか?」
メルデーナと呼ばれた人がエレノアと呼ばれた人に尋ねた。
エレノアも息を呑む様な綺麗な人で
僕と同じ様な銀色とも白色とも分からない様な
綺麗なサラサラの真っ直ぐな長い髪をして、
大きな緑色の目をして居た。
そしてその真っ白な肌には
銀色のドレスを羽織り、
一目見た限りでは、
雪の女王と見間違うような真っ白な形をして居た。
エレノアはこくりと小さく頷くと、
「万が一、
”あれ“
が復活する事があれば、
私は…いえ、私達には、
“彼”
の力が必要です…
彼はまだ深い眠りの中にいる…
彼自身その事に気付いて居ません。
私は
“彼”
を見つけなければ…
それと彼に属する
“あの者”
も…」
そう言ってメルデーナの手を取った。
「扉の守護神であるメルデーナよ。
私と血を分けた双子の妹よ。
いずれ私の守護を受けた魂を持つものが生まれる。
私は密かにその魂を選別し
“種”
を植えつけた。
もし私に何かあればその者を見つけ出してくれ。
そして
“彼の者”
と巡り会う様に…」
そう言い残すと、
彼女はシューッと真っ白な綺麗な龍に姿を変えた。
彼女はその大きな緑色の綺麗な瞳でメルデーナを見ると、
顔を近付けそっと頬擦りをすると、
「リュ、リ、リュ~」
と甲高く鳴き、空へ飛び去ってあっという間に見えなくなった。
僕はハッとして飛び起きた。
“夢か…やけにリアルな夢だったな……
そう言えばデューデューが言っていた名前って
メルデーナじゃなかったっけ?
それにあのエレノアって……もしかして?
でもなぜ僕の夢に……?
それに彼女らが言っていた彼等とは……?”
謎だらけな夢に僕は鋼の様に打つ心臓を握りしめると、
ベッドの横にいる人物に気が付いた。
ドキッとして暗がりで目を凝らすと、
その人物の輪郭がくっきりと映し出された。
“ダリル……”
彼は僕の事を心配して結局はここに居た様だ。
椅子に座ったまま
腕を組んで眠るダリルの顔にそっと見入った。
彼こそ疲れているだろうに、
彼の優先順位はいつも僕が1番だ。
最近は僕が禁断の書に係っきりだったから、
ダリルも良く図書室で調べ物をして居た。
でもダリルの方も大して収穫は無さそうだ。
アーウィンは王都に行ったまま
まだ帰って来てないけど、
王都もそろそろ落ち着いた様なので
明日頃には戻って来れそうだ。
マグノリアも身分を隠してアーウィンの助手として
王都でテキパキと立ち回った様だ。
マグノリアについて行ったシギも
老体の割にはキビキビと動き回って居た様だ。
そう、あれから3日、
3日も経ったのに、未だ何の手掛かりも見つからない。
僕がスルッとベッドから擦り落ちると、
ダリルが目ざとく目覚めた。
「殿下、もうお目覚めですか?!
まだ陽も登って居ませんよ?
夜明けまでは未だ未だの様です。
もう暫くお休みなっては如何ですか?」
ダリルが外を見ながらそう言った。
「うん、ありがとう。
もう僕は十分に休んだから大丈夫だよ。
それよりも、ダリルこそ休息が必要だよ?」
「私は大丈夫です。
十分に休ませていただきました」
「そんな椅子の上でなんて、
疲れが取れる訳ないでしょう?
何なら僕のベッドで…」
そう言いかけてハッとして口を塞いだ。
ダリルは椅子から立ち上がると、
僕の手を取った。
「あの…僕プリンセスじゃないから
そんなしなくてもちゃんと歩けるよ?」
そうは言ってもドキドキだった。
「はい、それは分かって居ますが、
まだ部屋の中は暗いので…
私は下まで行ってランプの油を取って来ますので、
殿下はまだ床に着いておいて下さい」
そう言うと、僕を又ベッドへ戻し、
油を取りに部屋を出て行った。
もう完全に目が覚めた僕は、
ダリルが戻ってくる前に着替えを済ませようと
その足でクローゼットに向かった。
僕は暗くても目が見える。
クローゼットに入り
服を見繕っている時に僕の部屋の戸が
ガチャリと開く音がした。
いや、開く音は実際はして居ない。
僕の耳が良いから、
目に魔力を集中させている今、
普通だったら聞こえない様な音が聞こえたのだ。
“誰か部屋に入って来た?”
勿論ダリルでは無い。
彼は音を殺して部屋に入って来る理由など無い。
途端僕の全身の血がザワザワと騒ぎ始めた。
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