45 / 83
調査会議
しおりを挟む
結局あの夜は、シルバリウスにとても優しく? 抱かれた。
シルバリウスは、俺の体や性格など色々な所を褒め、どんなにシルバリウスにとって必要か精神的にも物理的にも分からされた。
確かに、明け方にはシルバリウスには俺が必要である事を理解し、必要とされる事で自信がついた気がする。
……洗脳ではないと思っているよ。
翌日? (朝方まで起きていたから翌日ではなく当日か? )は、長くはあってもそんなに激しく抱かれて居なかった筈なのだが、足腰が立たずベッドの住人となり、スチュアートもこめかみをピクピクさせていたので、ちょっと怒っていたような気がする。
やりすぎのシルバリウスに対してか、お客様を招いているこの時期にやった事に対してのどちらか又は両方かは分からなかったが。
その日1日は使い物にならず、その次の日からお客様への対応等を行っていたのだが、シルバリウスの過保護さに磨きがかかった気がする。
まぁ、俺としても一緒にいられる時間が増えるのは嬉しいから良いんだけども。
そんな訳で、訪れていた客達もある程度落ち着いた今、情報交換の場としてそれぞれの代表者が集まっての会議が行われる事になった。
因みに、リューイとシルバリウスがその場に居ることに不思議そうな顔をする者も居たが、この地の責任者枠として堂々といた。
エドガーも一瞥しただけで何も咎めなかったので問題ないだろう。
俺としても、ゲームの知識で知り得なかった事を知るチャンスなのだ。
万が一ゲームの強制力などが発生しても困るし、不安条件はなくしていきたい。
そんな話し合いの中でも興味深かったのは、ダンジョンの発生とダンジョン活動期とスタンピードとの関係だった。
ダンジョンは最初に出現する発生期、ダンジョンが大きくなる成長期、ダンジョンの成長が一時的に止まる停滞期がある。
ダンジョン停滞期は、現在国で管理しているようなダンジョンの事で、ダンジョン内の魔力が一定を超えさせずスタンピートを起こさなければ、ダンジョンは大きくならずにそのままキープ状態になるらしい。
その前段階がダンジョン成長期。ダンジョンの成長方法は人間の魔力枯渇を経験する事で魔力総量を伸ばす方法にとても似ている。
つまり、ダンジョンの魔力で小規模なスタンピードを起こす事によって成長していくのだ。
そして、ダンジョン発生期は、その名の通りダンジョンが発生し、だんだんとダンジョンが大きくなる時期で、この時期に人間がダンジョンを見つけた例は殆どない。
スタンピードまではいかないが、各地で魔物が増加するのは、このダンジョン発生期ではないかと考えられており、まさに今この時期なのではないかという推測だった。
そして、問題なのがこの魔物の増加とスタンピード。
魔物の増加率と最初に起こるスタンピードでダンジョンの大きさが推測出来るそうなのだが、国で集めた資料とこの屋敷でも貯めてきたここ半年の魔物増加率から見て、歴代最大のダンジョンの発生期なのではないかと推測された。
なんでも、100年前に起こった初級ダンジョンのスタンピードでの魔物出現数は約300体。
その後、すぐにダンジョンを発見できた為、ダンジョンの成長も止める事が出来て今に至る。
そして、記録が残っている最大規模のダンジョンであるフォンデルク上級ダンジョンの時は確かに、国中で魔物の増加が確認され、最初のスタンピートでは1,000体、2回目のスタンピートで2,000体の魔物が出現したそう。
奇しくも、2回目のスタンピード直前にダンジョンを発見したものの、間に合わず1つの街が滅んでしまったらしい。
このやっかいな所は、ダンジョンの規模が大きいほど、発生期の魔物の増加範囲と期間が長く、ダンジョンの場所を絞りにくい所なのだ。
1度でもスタンピートが起こると少なくても方角が分かる為、ダンジョン探索は少しは早まるが、あくまで方角が絞れるだけなので、フォンデルク上級ダンジョンの時のように見つけるのに時間がかかり2回目のスタンピートを迎えざるをえない可能性もある。
……お気付きだろうか。
始まりのスタンピードでの魔物発生数は約5,000体だから、別になんとかなるだろと思っていた俺。
完全にゲーム脳だったみたいだ。
そして、全て繋がった気がした。
そもそも、あのゲーム内でダンジョンは出てこないのに、”スタンピード”と言うダンジョンと関係する用語が出てくる時点で少し不思議だったのだ。
今回領地で発生する”始まりのスタンピード”がダンジョン発生後の1回目のスタンピードだとすると、勇者召喚後の最終局面である大規模な魔物の発生もまた、スタンピードだったのではないだろうか。
という事は、ダンジョンが発生したという事で、恐らく発生場所は”漆黒の森”の中なのだろう。
この漆黒の森はこのフォンデルク辺境伯領とローワン王国にまたがっている。何なら、漆黒の森の四分の三はフォンデルク領に接している。
ゲームはローワン王国の描写しかないが、それでも最後は相当な魔物が襲って来ていた。それがスタンピードだとすると、この国にもスタンピードが来ないわけがないのではないだろうか。
ゲームの描写では、最後は2万の魔物と記載があったが、これは全体なのか、ローワン王国だけの話なのか全くの不明だ。
フォンデルク上級ダンジョンの1回目のスタンピードと、今回の”始まりのスタンピード”で発生する魔物数を考えても約5倍の差。
ダンジョンの大きさとまたそれに伴うスタンピードの規模も規格外だろう。
……せっかく生還したし、何ならシルバリウスとも結ばれましたけど、死亡フラグでしょうか。
シルバリウスは、俺の体や性格など色々な所を褒め、どんなにシルバリウスにとって必要か精神的にも物理的にも分からされた。
確かに、明け方にはシルバリウスには俺が必要である事を理解し、必要とされる事で自信がついた気がする。
……洗脳ではないと思っているよ。
翌日? (朝方まで起きていたから翌日ではなく当日か? )は、長くはあってもそんなに激しく抱かれて居なかった筈なのだが、足腰が立たずベッドの住人となり、スチュアートもこめかみをピクピクさせていたので、ちょっと怒っていたような気がする。
やりすぎのシルバリウスに対してか、お客様を招いているこの時期にやった事に対してのどちらか又は両方かは分からなかったが。
その日1日は使い物にならず、その次の日からお客様への対応等を行っていたのだが、シルバリウスの過保護さに磨きがかかった気がする。
まぁ、俺としても一緒にいられる時間が増えるのは嬉しいから良いんだけども。
そんな訳で、訪れていた客達もある程度落ち着いた今、情報交換の場としてそれぞれの代表者が集まっての会議が行われる事になった。
因みに、リューイとシルバリウスがその場に居ることに不思議そうな顔をする者も居たが、この地の責任者枠として堂々といた。
エドガーも一瞥しただけで何も咎めなかったので問題ないだろう。
俺としても、ゲームの知識で知り得なかった事を知るチャンスなのだ。
万が一ゲームの強制力などが発生しても困るし、不安条件はなくしていきたい。
そんな話し合いの中でも興味深かったのは、ダンジョンの発生とダンジョン活動期とスタンピードとの関係だった。
ダンジョンは最初に出現する発生期、ダンジョンが大きくなる成長期、ダンジョンの成長が一時的に止まる停滞期がある。
ダンジョン停滞期は、現在国で管理しているようなダンジョンの事で、ダンジョン内の魔力が一定を超えさせずスタンピートを起こさなければ、ダンジョンは大きくならずにそのままキープ状態になるらしい。
その前段階がダンジョン成長期。ダンジョンの成長方法は人間の魔力枯渇を経験する事で魔力総量を伸ばす方法にとても似ている。
つまり、ダンジョンの魔力で小規模なスタンピードを起こす事によって成長していくのだ。
そして、ダンジョン発生期は、その名の通りダンジョンが発生し、だんだんとダンジョンが大きくなる時期で、この時期に人間がダンジョンを見つけた例は殆どない。
スタンピードまではいかないが、各地で魔物が増加するのは、このダンジョン発生期ではないかと考えられており、まさに今この時期なのではないかという推測だった。
そして、問題なのがこの魔物の増加とスタンピード。
魔物の増加率と最初に起こるスタンピードでダンジョンの大きさが推測出来るそうなのだが、国で集めた資料とこの屋敷でも貯めてきたここ半年の魔物増加率から見て、歴代最大のダンジョンの発生期なのではないかと推測された。
なんでも、100年前に起こった初級ダンジョンのスタンピードでの魔物出現数は約300体。
その後、すぐにダンジョンを発見できた為、ダンジョンの成長も止める事が出来て今に至る。
そして、記録が残っている最大規模のダンジョンであるフォンデルク上級ダンジョンの時は確かに、国中で魔物の増加が確認され、最初のスタンピートでは1,000体、2回目のスタンピートで2,000体の魔物が出現したそう。
奇しくも、2回目のスタンピード直前にダンジョンを発見したものの、間に合わず1つの街が滅んでしまったらしい。
このやっかいな所は、ダンジョンの規模が大きいほど、発生期の魔物の増加範囲と期間が長く、ダンジョンの場所を絞りにくい所なのだ。
1度でもスタンピートが起こると少なくても方角が分かる為、ダンジョン探索は少しは早まるが、あくまで方角が絞れるだけなので、フォンデルク上級ダンジョンの時のように見つけるのに時間がかかり2回目のスタンピートを迎えざるをえない可能性もある。
……お気付きだろうか。
始まりのスタンピードでの魔物発生数は約5,000体だから、別になんとかなるだろと思っていた俺。
完全にゲーム脳だったみたいだ。
そして、全て繋がった気がした。
そもそも、あのゲーム内でダンジョンは出てこないのに、”スタンピード”と言うダンジョンと関係する用語が出てくる時点で少し不思議だったのだ。
今回領地で発生する”始まりのスタンピード”がダンジョン発生後の1回目のスタンピードだとすると、勇者召喚後の最終局面である大規模な魔物の発生もまた、スタンピードだったのではないだろうか。
という事は、ダンジョンが発生したという事で、恐らく発生場所は”漆黒の森”の中なのだろう。
この漆黒の森はこのフォンデルク辺境伯領とローワン王国にまたがっている。何なら、漆黒の森の四分の三はフォンデルク領に接している。
ゲームはローワン王国の描写しかないが、それでも最後は相当な魔物が襲って来ていた。それがスタンピードだとすると、この国にもスタンピードが来ないわけがないのではないだろうか。
ゲームの描写では、最後は2万の魔物と記載があったが、これは全体なのか、ローワン王国だけの話なのか全くの不明だ。
フォンデルク上級ダンジョンの1回目のスタンピードと、今回の”始まりのスタンピード”で発生する魔物数を考えても約5倍の差。
ダンジョンの大きさとまたそれに伴うスタンピードの規模も規格外だろう。
……せっかく生還したし、何ならシルバリウスとも結ばれましたけど、死亡フラグでしょうか。
133
お気に入りに追加
1,598
あなたにおすすめの小説
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
【完結】僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。
⭐︎表紙イラストは針山糸様に描いていただきました

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
転生先がヒロインに恋する悪役令息のモブ婚約者だったので、推しの為に身を引こうと思います
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【だって、私はただのモブですから】
10歳になったある日のこと。「婚約者」として現れた少年を見て思い出した。彼はヒロインに恋するも報われない悪役令息で、私の推しだった。そして私は名も無いモブ婚約者。ゲームのストーリー通りに進めば、彼と共に私も破滅まっしぐら。それを防ぐにはヒロインと彼が結ばれるしか無い。そこで私はゲームの知識を利用して、彼とヒロインとの仲を取り持つことにした――
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる