上 下
7 / 8
第一章:序章編

6 vsヤスデ

しおりを挟む
洞窟の奥に行くとさっきの数よりも遥かに大量なネズミたちがいた。
少なくとも200以上はいる。
まじかよ。
多すぎるだろ
〈ここまで増えているならキングクラスかクイーンクラスのどちらかは確実にいるはずです〉
キングクラスとクイーンクラス?
〈モンスターにおいての階級です。強さと繁殖能力が桁外れの化け物です〉
〈おそらくあの純白なネズミと漆黒のネズミの可能性が高いです〉
ランクにしたらどれくらいになりそうだ?
〈あの種族でしたらDに上る可能性があります〉
それは…
無理だな。
まだ気づかれて無さそうだし逃げられそうだな。
そうして俺は後ずさりし、ネズミの集団と戦ったところに戻ってきた。
さっきネズミの大群がいたところと別にもう一本道があった。
こっちに行くか…
そうしてしばらく歩いてもモンスターの気配がない。
カサッ
何かが蠢く音が聞こえた。
なるほど…
最初から包囲されていたわけだ。
ヤスデか?
百足ではないな。
そこには壁天井に張り付く12匹のヤスデらしきモンスターに囲まれていた。
そうして気づいた瞬間収納から槍を取り出す。
立体起動で飛び上がった。
槍技—直突き
一体の頭に突き刺さり、そいつの体が俺ごと自重によって地に落ちる。
警戒されたようだ。
天井にいたほか5体が落ちてくる。
床に来てくれたほうが戦いやすい。

槍技—五月雨突き
酸合成!
5体の外骨格が濡れるくらいの酸が5つ各個体の身体の上に合成された。
叫び声をあげて絶命した。

〈個体名ルルーのレベルが上がりました〉

レベル:10→11

HP  81→93
MP  41→54
攻撃能力39→45
防御能力38→44
魔法能力37→43
抵抗能力36→42
俊敏能力79→99
知恵能力267→270
器用能力49→54
運命能力43→46

レベルアップ熟練度アップによりスキルレベルが上昇しました。

収納Lv.3→4
酸合成Lv.5→6
結界Lv.2→3
全言語理解Lv.3→4
威圧Lv.1(new)

威圧?
スキル発動
壁に張り付いていたうち4匹が逃げ1匹だけがのこった。
ふと見てみると少し色が違う。
こいつ。上位種か?
槍技—直突き

ベキッ。
そんな音が鳴った。
相手の外骨格は無傷。
何の音かと槍を見てみるとへし折れていた。
折れた。
俺の槍が。
短い間だが俺の相棒だった。
俺が最初に殺した獲物で作った槍だ。
思い入れがあった。
殺して覚悟を決めた。
そんなことを考えていると後ろからものすごい衝撃が襲った。
瞬間俺は粘性化のスキルを使った。
HPは半分削られたがまだ生きている。
恐らく体をしならせて鞭のように攻撃したんだろう。
その衝撃で300メートル程吹き飛んだ。
大きさが5倍以上あるのだから、それをしならせたのだ。
体長が2メートル50くらいあるのだ。約50センチくらいの大きさのゴブリンなんて簡単に吹き飛ばせる。
飛ばせない道理なんてない。
辺りを見回すと骸骨がいた。
すでに白骨化して朽ち果てており長い年月此処にあったのがわかる。
苦悶の表情をしているような気がする。
魔物に食われて死んだのだろうか?
ふと気づいた。骸骨の前には金属製の槍があった。
誰の武器だろう?
明らかに最近のモノっぽいけど。
〈これは…〉
どうした?
〈これは200年以上前の代物です〉
これが?
嘘だろ?
〈穂は全く錆びていません。〉
持ち手は結構錆びてきてるけど、穂先は全然錆びてない。
骸骨の人。使わせてもらいます。
嘘みたいだ。
明らかに金属製なのにホーンラビットの槍と同じくらいしか重さがない。
すげえ。
猛スピードで黒いヤスデが向かってくる。
飛び上がり、腹についていた棘が飛来する。
棘を撃ち返そうと槍を振ると棘が真っ二つに割れた。
おいおい。まじかよ
また鞭の様にしならせて攻撃してきた。
腹を攻撃しようと槍を振り下ろそうとすると足で防御しようとした。
その防御した足を切り裂き腹を傷つけた。
ガチか?
切れ味がすごすぎる。
地面に体を叩きつけて天井まで移動した。
百足の大きさと同じくらいの黄色い液体が重力に従い落ちていく。
あれはやばい。
本当にやばい。
俺はその瞬間蜘蛛糸を作り出し、ターザンロープのようにして避けた。
危なかった。
あれを受けたら死んでいた。
蜘蛛糸の一部がさっきの液体に触れた途端溶けた。
多分あれは、酸。
いや、強酸といったほうがいいだろう。
俺よりもはるかに強い酸。
あれを受けたら身体がドロドロに溶けていた。
危険だ。
ここで倒すしかない。
なら、内臓を狙う。
この槍なら、あの外骨格も突破できるはずだ。
奴が落ちてきた。
結界。
噛みついてきた。
大顎からさっきの液体が垂れる。
まじかよ。
槍技—飛沫薙ぎ
大顎が切断された。
攻撃はからぶった。
立体起動!
槍技—直突き

立体起動で高所に昇って自重の位置エネルギーを使用して、直突きを見舞う技だ。
自由落下のエネルギーを利用し、身体深くまで槍を突き通す。
やはり、この槍なら外骨格を突破で来た。
そのまま内臓を突き破り、もう一方の外骨格を突破し、地面に突き刺さり止まった。

そうしてあのヤスデは巨体に見合う大きな甲高い鳴き声を出し、こと切れた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双

たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。 ゲームの知識を活かして成り上がります。 圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

男女比崩壊世界で逆ハーレムを

クロウ
ファンタジー
いつからか女性が中々生まれなくなり、人口は徐々に減少する。 国は女児が生まれたら報告するようにと各地に知らせを出しているが、自身の配偶者にするためにと出生を報告しない事例も少なくない。 女性の誘拐、売買、監禁は厳しく取り締まられている。 地下に監禁されていた主人公を救ったのはフロムナード王国の最精鋭部隊と呼ばれる黒龍騎士団。 線の細い男、つまり細マッチョが好まれる世界で彼らのような日々身体を鍛えてムキムキな人はモテない。 しかし転生者たる主人公にはその好みには当てはまらないようで・・・・ 更新再開。頑張って更新します。

【18禁】ゴブリンの凌辱子宮転生〜ママが変わる毎にクラスアップ!〜

くらげさん
ファンタジー
【18禁】あいうえおかきくけこ……考え中……考え中。 18歳未満の方は読まないでください。

アンチエイジャー「この世界、人材不足にて!元勇者様、禁忌を破って若返るご様子」

荒雲ニンザ
ファンタジー
ガチなハイファンタジーだよ! トロピカルでのんびりとした時間が過ぎてゆく南の最果て、余生を過ごすのにピッタリなド田舎島。 丘の上の教会にある孤児院に、アメリアという女の子がおりました。 彼女は、100年前にこの世界を救った勇者4人のおとぎ話が大好き! 彼女には、育ててくれた優しい老神父様と、同じく身寄りのないきょうだいたちがおりました。 それと、教会に手伝いにくる、オシャレでキュートなおばあちゃん。 あと、やたらと自分に護身術を教えたがる、町に住む偏屈なおじいちゃん。 ある日、そののんびりとした島に、勇者4人に倒されたはずの魔王が復活してしまったかもしれない……なんて話が舞い込んで、お年寄り連中が大騒ぎ。 アメリア「どうしてみんなで大騒ぎしているの?」 100年前に魔物討伐が終わってしまった世界は平和な世界。 100年後の今、この平和な世界には、魔王と戦えるだけの人材がいなかったのです。 そんな話を長編でやってます。 陽気で楽しい話にしてあるので、明るいケルト音楽でも聞きながら読んでね!

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

私をなおしてください

美恋( みこ )
ファンタジー
中学卒業までぽっちだった魔子は、高校生になって、いきなり彼氏を作らなければならない運命となってしまった。 はたして彼氏は出来るのでしょーか? ラブコメ学園ファンタジー系です。

処理中です...