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第2章
36話「黒髪の女性1」
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行くあてもなく街を彷徨うシロであったが、目に入るもの全てが新鮮だった。
緻密なデザインの建物、行き交う人の多さ、見たこともない食べ物。
山奥で過ごしていたシロにとって全てが初めての体験であり、まるで新しい玩具を与えられた少年の様にシロは目を輝かせていた。
あたりを包む夕陽の光が徐々に弱くなり、街の街灯が点灯され始める。
勿論、ウェステには街灯などなかったのだが、この街には油を用いた街灯があり、夜もある程度明るく過ごせるのだそうだ。
そして、無数の街灯を皆が協力して点灯させる。
行き交う人々が協力しながら街灯を照らす様子を不思議そうに眺めながら歩を進めるとシロは大きな広場に行き着いた。
建物が密集していた住宅地帯を抜けた先にある不自然なほど開けた広場の中央には女神を模った噴水が据えられていた。
シロは噴水の目の前まで歩み寄り、女神像の石像を見上げる。
ウェステの教会の石像と同じモチーフの女神なのだろう。
「名前は確か……」
「女神ティーレの噴水ね」
声の方に顔を向けるといつの間にか黒い髪の女性が隣で噴水を見上げていた。
「貴方、見ない顔だけどこの街の人間じゃないわね?」
青みがかった長い黒髪の女性は髪を耳に掛けながらシロに視線を送る。
切れ長の瞳から覗く黒い瞳と作り物かのように整った顔立ちが印象的な女性だ。
美人という言葉では表現することができない、まるで目の前に佇むティーレの石像がそのまま現実世界に出てきたような雰囲気の彼女にシロは思わず息を飲む。
「この広場は元々、この街を治める王族の屋敷があったの」
彼女は静かに視線を女神像を戻す。
「だけど、ラウドがギルドを設立した時に権力の象徴であった屋敷を壊してこの広場を造ったんだって。人は女神のもと皆平等。彼の理想の象徴みたいなものね」
「あっ……ありがとうございます。僕ウェステから今日この街に来たんです」
「そうなの……ウェステから……」
「じゃあ、僕は宿に戻ります……本当にありがとうございました」
何故だか分からないが、女性の放つこの世の物とは思えない雰囲気に思わずその場を逃げ出したくなったのだ。
「待って」
「!?」
背を向けその場を離れようとした瞬間、彼女はシロの腕を勢い良く掴んだ。
その力は大男に掴まれたかのように強く、簡単に振り解けそうにない。
「えっと……」
恐る恐る振り返ると薄ら微笑みを浮かべた彼女と目が合う。
細身の黒い服に黒い髪。全身に纏った黒が彼女の透き通るほどに白い肌を際立たせる。
「ねえ、君。私を行使してみる気はない?」
「えっ?」
思いがけない彼女の申し出に声が若干上擦るが、シロの心は決まっていた。
「すいません。僕はパートナーがいるのでそれは出来ません」
アリスとリリス。
2人を裏切るつもりはないのだ。
「あらそう……残念ね。じゃあ、君にここでいかがわしいことを無理やりされたって叫ぶしかないわね」
「え!?なんでそんな話になるんですか!?」
「だって、仕方ないじゃない。私の事を嫌らしい目つきで見て、私の身体を触ったのは事実なんだから……」
「いや、そんなことしてないですよ!」
何でそんな事になるのか。
シロには彼女の言っていることが全く理解できない。
「ここで私が大声を出したら治安維持のギルド職員が駆け付けてきて君は捕まるわ。そうしたら君のパートナーはどう思う?長旅をしてきた初日に女に無理矢理手を出す男……最低よね」
そう捲し立てる彼女は残念そうに視線を落とす。
「……」
どうしてこんな事になってしまったのか。
悪いことなど一つもしていないのに何故か自分が悪いことをしたような感覚に陥る。
ただ、シロには一つだけはっきりしている事がある。
アリスとリリスを悲しませることだけはあってはならない。
「行使してみて私を使えなかったらそれでいいから」
「……分かりました。ただ、行使するだけです。パートナーにはなれません。それでも良ければ」
「いいわ。じゃあ、私の手を取って」
フフッと笑った彼女はシロに向かって手を差し出す。
魂を注げ……
「!?」
手を取った瞬間、シロの脳裏に彼女のイメージが流れ込む。
しかし、これまで同調した金髪の双子やカーミラと大きく異なっていた。
シロに流れ込んできたイメージ。
それは闇そのもの。
どこまでも深く見通すことの出来ない闇。
真っ黒な世界に自分1人が存在しているような虚無感。
「うわ!!」
その感覚に驚いたシロは思わず彼女の人器を解除した。
それは一瞬のことで、一体彼女が何の人器だったのかすら分からなかった。
人器を解除された女性は呆然とした表情で地面に座り込んでいる。
「じゃあ、僕はこれで。ありがとうございました!!!」
そう言いながらシロは振り返らず全力でその場を離れたのだった。
「見つけた」
黒髪の女性はシロが遠ざかる背中を見つめながらうわ言のように呟いた。
◆◆◆◆◆◆
全力で広場から逃げ帰り、宿に着いたシロは息を切らしながら勢いよく自分の部屋の扉を開けた。
「おかえり……ってどうした!?」
ベットに腰掛けていたエヴィエスがシロの様子に気が付き驚いた声を上げる。
「はぁはぁはぁ……エヴィ。この街って怖いんだね」
「何かあったのか?」
「いや、大丈夫。おやすみ」
心配そうな表情のエヴィエスの横を素通りしてシロはベットに潜り込んだ。
同調はしていたと思う。
でもあんな感覚は初めてだった。
何か得体の知れないものに触れてしまったかのような感覚が今も残っていた。
久しぶりのベットの感触を楽しむ余裕は全くなかった。
ーー翌日ーー
シロとエヴィエスが宿の一階ロビーで女性陣を待っていると3人が階段から降りてくる。
「お待たせ」
「おはよー!エヴィ様!シロ!」
ナイが満面の笑みでエヴィエスに右手を上げる。
「おお、おはよう」
「ナイは今日も元気だね」
「うん、元気いっぱいだよー!」
「あの……シロさん」
アリスの後ろに隠れるようにしているリリスは気まずそうな視線をシロに向ける。
「ごめんなさい!私……せっかく一緒に出かける筈だったのに……」
「いや、全然……頑張ったもんね。疲れてたんだよ」
「じゃあ……怒ってないですか?」
リリスは大きな瞳に涙を浮かべる。
「え!?怒る訳ないよ。また今度一緒に行こう!だから、そんな悲しそうな顔しないでよ」
「……はい!ありがとうございます!」
「ねぇ、シロがそんな事で怒る訳ないって言ったでしょ」
アリスが呆れた口調で背後のリリスの頭を優しく撫でた。
「じゃあ、行こうか。ギルドは北の商業地帯にあるから着いてきて」
「はーい」
エヴィエスに続いてナイが宿から出て行く。
「じゃあ、僕らも行こうか」
「ええ」
「はい!」
シロは宿から出ると降り注ぐ朝日が眩しくて思わず目を細める。
目の前を何人もの人が忙しそうに行き交う活気が溢れた朝だ。
森の穏やかな朝とは趣が異なるが、この雰囲気も嫌いではない。
今日でラウドに会えれば何かヒントが掴めるかも知れない。
シロは期待に胸を躍らせていた。
(よし!昨日は色々あったけど忘れて切り替えよう)
シロは朝日を浴びながら大きく背筋を伸ばした。
「行くわよ。エヴィエスに置いてかれるわよ」
「うん、ごめん」
シロはアリスに急かされ、小走りでエヴィエスを追いかけようとした時、ふと自分を見つめる視線を感じた。
「ダーリン!」
その視線の方に顔を向けると、黒髪の女性が笑みを浮かべながらシロを抱きしめた。
「ひっ!」
唐突に抱きしめられたシロは全身に鳥肌が立つのを感じていた。
緻密なデザインの建物、行き交う人の多さ、見たこともない食べ物。
山奥で過ごしていたシロにとって全てが初めての体験であり、まるで新しい玩具を与えられた少年の様にシロは目を輝かせていた。
あたりを包む夕陽の光が徐々に弱くなり、街の街灯が点灯され始める。
勿論、ウェステには街灯などなかったのだが、この街には油を用いた街灯があり、夜もある程度明るく過ごせるのだそうだ。
そして、無数の街灯を皆が協力して点灯させる。
行き交う人々が協力しながら街灯を照らす様子を不思議そうに眺めながら歩を進めるとシロは大きな広場に行き着いた。
建物が密集していた住宅地帯を抜けた先にある不自然なほど開けた広場の中央には女神を模った噴水が据えられていた。
シロは噴水の目の前まで歩み寄り、女神像の石像を見上げる。
ウェステの教会の石像と同じモチーフの女神なのだろう。
「名前は確か……」
「女神ティーレの噴水ね」
声の方に顔を向けるといつの間にか黒い髪の女性が隣で噴水を見上げていた。
「貴方、見ない顔だけどこの街の人間じゃないわね?」
青みがかった長い黒髪の女性は髪を耳に掛けながらシロに視線を送る。
切れ長の瞳から覗く黒い瞳と作り物かのように整った顔立ちが印象的な女性だ。
美人という言葉では表現することができない、まるで目の前に佇むティーレの石像がそのまま現実世界に出てきたような雰囲気の彼女にシロは思わず息を飲む。
「この広場は元々、この街を治める王族の屋敷があったの」
彼女は静かに視線を女神像を戻す。
「だけど、ラウドがギルドを設立した時に権力の象徴であった屋敷を壊してこの広場を造ったんだって。人は女神のもと皆平等。彼の理想の象徴みたいなものね」
「あっ……ありがとうございます。僕ウェステから今日この街に来たんです」
「そうなの……ウェステから……」
「じゃあ、僕は宿に戻ります……本当にありがとうございました」
何故だか分からないが、女性の放つこの世の物とは思えない雰囲気に思わずその場を逃げ出したくなったのだ。
「待って」
「!?」
背を向けその場を離れようとした瞬間、彼女はシロの腕を勢い良く掴んだ。
その力は大男に掴まれたかのように強く、簡単に振り解けそうにない。
「えっと……」
恐る恐る振り返ると薄ら微笑みを浮かべた彼女と目が合う。
細身の黒い服に黒い髪。全身に纏った黒が彼女の透き通るほどに白い肌を際立たせる。
「ねえ、君。私を行使してみる気はない?」
「えっ?」
思いがけない彼女の申し出に声が若干上擦るが、シロの心は決まっていた。
「すいません。僕はパートナーがいるのでそれは出来ません」
アリスとリリス。
2人を裏切るつもりはないのだ。
「あらそう……残念ね。じゃあ、君にここでいかがわしいことを無理やりされたって叫ぶしかないわね」
「え!?なんでそんな話になるんですか!?」
「だって、仕方ないじゃない。私の事を嫌らしい目つきで見て、私の身体を触ったのは事実なんだから……」
「いや、そんなことしてないですよ!」
何でそんな事になるのか。
シロには彼女の言っていることが全く理解できない。
「ここで私が大声を出したら治安維持のギルド職員が駆け付けてきて君は捕まるわ。そうしたら君のパートナーはどう思う?長旅をしてきた初日に女に無理矢理手を出す男……最低よね」
そう捲し立てる彼女は残念そうに視線を落とす。
「……」
どうしてこんな事になってしまったのか。
悪いことなど一つもしていないのに何故か自分が悪いことをしたような感覚に陥る。
ただ、シロには一つだけはっきりしている事がある。
アリスとリリスを悲しませることだけはあってはならない。
「行使してみて私を使えなかったらそれでいいから」
「……分かりました。ただ、行使するだけです。パートナーにはなれません。それでも良ければ」
「いいわ。じゃあ、私の手を取って」
フフッと笑った彼女はシロに向かって手を差し出す。
魂を注げ……
「!?」
手を取った瞬間、シロの脳裏に彼女のイメージが流れ込む。
しかし、これまで同調した金髪の双子やカーミラと大きく異なっていた。
シロに流れ込んできたイメージ。
それは闇そのもの。
どこまでも深く見通すことの出来ない闇。
真っ黒な世界に自分1人が存在しているような虚無感。
「うわ!!」
その感覚に驚いたシロは思わず彼女の人器を解除した。
それは一瞬のことで、一体彼女が何の人器だったのかすら分からなかった。
人器を解除された女性は呆然とした表情で地面に座り込んでいる。
「じゃあ、僕はこれで。ありがとうございました!!!」
そう言いながらシロは振り返らず全力でその場を離れたのだった。
「見つけた」
黒髪の女性はシロが遠ざかる背中を見つめながらうわ言のように呟いた。
◆◆◆◆◆◆
全力で広場から逃げ帰り、宿に着いたシロは息を切らしながら勢いよく自分の部屋の扉を開けた。
「おかえり……ってどうした!?」
ベットに腰掛けていたエヴィエスがシロの様子に気が付き驚いた声を上げる。
「はぁはぁはぁ……エヴィ。この街って怖いんだね」
「何かあったのか?」
「いや、大丈夫。おやすみ」
心配そうな表情のエヴィエスの横を素通りしてシロはベットに潜り込んだ。
同調はしていたと思う。
でもあんな感覚は初めてだった。
何か得体の知れないものに触れてしまったかのような感覚が今も残っていた。
久しぶりのベットの感触を楽しむ余裕は全くなかった。
ーー翌日ーー
シロとエヴィエスが宿の一階ロビーで女性陣を待っていると3人が階段から降りてくる。
「お待たせ」
「おはよー!エヴィ様!シロ!」
ナイが満面の笑みでエヴィエスに右手を上げる。
「おお、おはよう」
「ナイは今日も元気だね」
「うん、元気いっぱいだよー!」
「あの……シロさん」
アリスの後ろに隠れるようにしているリリスは気まずそうな視線をシロに向ける。
「ごめんなさい!私……せっかく一緒に出かける筈だったのに……」
「いや、全然……頑張ったもんね。疲れてたんだよ」
「じゃあ……怒ってないですか?」
リリスは大きな瞳に涙を浮かべる。
「え!?怒る訳ないよ。また今度一緒に行こう!だから、そんな悲しそうな顔しないでよ」
「……はい!ありがとうございます!」
「ねぇ、シロがそんな事で怒る訳ないって言ったでしょ」
アリスが呆れた口調で背後のリリスの頭を優しく撫でた。
「じゃあ、行こうか。ギルドは北の商業地帯にあるから着いてきて」
「はーい」
エヴィエスに続いてナイが宿から出て行く。
「じゃあ、僕らも行こうか」
「ええ」
「はい!」
シロは宿から出ると降り注ぐ朝日が眩しくて思わず目を細める。
目の前を何人もの人が忙しそうに行き交う活気が溢れた朝だ。
森の穏やかな朝とは趣が異なるが、この雰囲気も嫌いではない。
今日でラウドに会えれば何かヒントが掴めるかも知れない。
シロは期待に胸を躍らせていた。
(よし!昨日は色々あったけど忘れて切り替えよう)
シロは朝日を浴びながら大きく背筋を伸ばした。
「行くわよ。エヴィエスに置いてかれるわよ」
「うん、ごめん」
シロはアリスに急かされ、小走りでエヴィエスを追いかけようとした時、ふと自分を見つめる視線を感じた。
「ダーリン!」
その視線の方に顔を向けると、黒髪の女性が笑みを浮かべながらシロを抱きしめた。
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