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第2章
33話「旅路3」
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ウェステの街を出発して4日目の朝。
荒野のオアシスで野営をしたシロ達は出発するための身支度を整えていた。
荷物を手早く鞄に詰めていると、なにやらアリスが眉を潜め思い詰めているように見える。
「どうしたのアリス?」
「ああ、シロ……私達別に急ぐ旅ではないのよね?」
「うん、もちろん」
その言葉を聞いた彼女は腕を組んで黙り込んでしまう。
「あの……アリス……?」
「じゃあ、シロ。出発がちょっと遅くなっちゃうけどお願いがあるの」
シロを見つめる彼女の眼差しは真剣そのものだ。
「うん、分かったよ。それでどんなこと?」
アリスが思い詰めているのだ。
どんなことでもしてあげたい。
シロはゆっくりと頷いた。
「ありがとう……私……」
シロはゴクリと喉を鳴らし、額から汗が一筋流れる。
「身体を洗いたいの!!」
「……え!?」
想定外の内容にシロは一瞬声が上ずる。
「だってもう4日も身体洗えていないのよ?汗と砂でベトベトだし、頭もボサボサ。しかも、ここでキレイにしておかなかったらいつ次の機会があるか分からないのよ」
「そんなことか……心配して損しちゃったよ」
「そんなこと?」
「あっ……いえ、全然大丈夫!待ってるから行ってきていいよ!」
語気を強めたアリスの雰囲気を察したシロは慌てて訂正する。
「……まあいいわ。リリス!ナイ!出発する前に身体洗いに行きましょう!」
「やったー!私も行きたかったのー!」
「ほんとですか!?」
どうやらナイとリリスも同じ気持ちだったようで、彼女達は嬉々とした表情を見せる。
「じゃあ、僕とエヴィは見張りをしているから何かあったらすぐに呼んでね」
「魔物に襲われたらどっちも戦えないんだからあんまりはしゃぎ過ぎないようにな」
「はーい!」
ナイが元気よく右手を上げる。
「じゃあ、私達はあそこの岩場の影で入るからその近くで見張りよろしくね」
彼女達が岩影に向かう後姿を見送っていると、アリスがゆっくりこちらを振り返る。
「そうそう……シロ、エヴィ。言い忘れたんだけど、覗いたら殺すから」
「「あっはい」」
「よろしい」
にこやかな表情で殺気を放つアリスはカーミラを彷彿とさせた。
「彼女……しっかりしてるけど怖いな……」
エヴィは小声でシロに呟いた。
「そう?とても優しくて繊細で魅力的な人だと思うよ」
シロは魔物を見張るために湖に背を向けてゆっくりと座る。
「それは同調で感じるのか?」
「そうだね。でも、感じるっていうより、流れ込んでくるって言う方が感覚としては近いかもしれない」
「そうなんだ。前から疑問に思ってたんだけどシロはどうやって同調できるようになったの?」
「んー、それがちょっと分からないんだよね」
「分からない?」
エヴィエスは隣に座りシロに視線を向ける。
岩の向こうからは彼女達のはしゃいだ声が聞こえてくる。
「うん、僕は誰とでも同調できるみたいなんだ」
「え!?そんなことあるのか?」
エヴィエスは驚愕の表情を見せる。
「僕は行使した時に扉が見えるんだ。それで、その扉を開くと器があって、それに自分の心を注ぐんだ」
「扉か……俺には見えないな」
それはシロにしか分からない感覚なのかもしれない。
アリスやリリスにそれを説明しても器はおろか扉すら感じていなかったのだから。
「そっか、気を悪くしたらごめんね」
「いやいや、全然気にしてないよ。でも凄いな。だから二重同調なんて離れ業出来るんだって納得したよ」
「あれはアリスとリリスだから出来たんだと思う。他の人だったら無理だよ」
二重同調は器が重なり合う双子だからこそ出来た奇跡なのだ。他の人で出来る自信はシロにはない。
「そうなのか……でも、誰とでも同調できるって事はいつかパートナー変えることもあるんだね」
「え!?そんなこと考えたこともなかったよ」
「そう?普通は同調するほど絆が深まったパートナーを変えることなんて出来ないけど、シロは別だろ?」
「うーん……確かにエヴィの言う通りかもしれない。でも、僕はアリスとリリス以外の人とパートナーになる気はないよ。2人と一緒に答えを見つけたいんだ」
自分の両隣には金髪の双子が立っている。それが誰か別の人に変わる想像はシロには全く出来なかった。
「答えね……」
シロの力強い言葉を聞いたエヴィエスは空を仰ぐ。
心地よい風が彼の茶色い髪を揺らす。
「じゃあ、その答えを見つけるのを俺にも手伝わせてもらっていいかな?」
「!?」
思いがけない申し出にシロはエヴィエスを見つめる。
「まだ同調も出来ない半人前だけど、必ず同調出来るようになる。そうしたら、5人で色んな世界を見て回ろう」
「でも……どれだけ時間が掛かるか分からないんだよ。それに本当に答えが見つかる保証もないし……」
「それは分かってる。でも、俺達友達だろ?友達の力になってやりたいってだけさ」
エヴィエスはそう言いながらにこやかに笑った。
「……ありがとう」
ずっと1人で暮らしていた時の記憶が走馬灯のように蘇る。
あの時は、こんなにも温かい人に囲まれるとは思わなかった。
ずっとずっと、友達が欲しかった。
アリスとリリスが共に来てくれると言った時と同じくらい嬉しい。
「……っておい!泣いてんのか?」
「いや!泣いてない泣いてない!」
そう言って慌てて誤魔化したが、目頭が熱くなっているのを感じていた。
「ところで、シロ……」
不意にエヴィエスがシロの肩に腕を回し耳打ちをする。
「岩の裏で女性陣が裸になってるけど、覗くか?」
エヴィエスは口の端を引き上げ、悪巧みをしているような笑顔を見せる。
「いやいやいやいや、そんなことしないよ!アリスとリリスが傷つくことは絶対にしない」
シロは首を左右に振りながら手も胸の前で大きく降って否定をする。
「ははっ!真面目だな。シロは。まあ、そういうところがシロの魅力なんじゃないかな」
そう言いながらエヴィエスは子供のような笑顔を見せた。
◆◆◆◆◆◆
シロがエヴィエスと友情を深めた同時刻。
岩の向こうの水辺では3人が身体を洗っていた。
「あー、気持ちいい。やっぱりこれ買ってきて良かったわ」
アリスは旅に持ってきていた石鹸を泡立てなから髪を洗っていた。
植物の油から作った石鹸は高級品で普通は手が出ないのだが、この旅のために奮発して買っていたのだ。
「あっ!アリスちゃん凄い!石鹸持ってるの!?」
「ええ、結構高かったけどね……ナイも使う?」
そう言いながらアリスは石鹸をナイに手渡す。
「ありがとー!これでエヴィ様も私の魅力にメロメロだよ!」
ナイは嬉々として石鹸を泡立てる。
「そう言えば、アリスちゃんとリリスちゃんって顔はそっくりなのに胸の大きさ全然違うんだね」
「……ぐぅぅ。そのことをいの一番に触れるんじゃないわ」
「ナイさん。それは姉さんが一番気にしていることなんで……」
リリスのフォローがよりアリスの胸をえぐる。
「はぁ……でもまあ、ここで怒っても大きくなるわけじゃないし、久しぶりに身体を洗えたからいいわよ」
そう言うとアリスは再び髪を洗い始める。
「あの……ナイさんはエヴィさんの事……好きなんですか?」
「うん!大好き!」
身体を洗うリリスにナイは無邪気笑みを見せる。
「でも、エヴィ様。私のこと魅力に全然気が付かないんだよー。結構魅力的だと思うんだけどなぁ」
ナイはそう言いながら泡に塗れた自身の胸を両手で持ち上げる。
「まあ、アンタがそんなに無邪気だからエヴィもどうしていいか分からないんじゃないかしら?」
コンプレックスを指摘されたばかりのアリスは頭の泡を流しながら冷たく答える。
「えー、そうなのかな?でも前に俺の嫁にしてやるって言ってくれたんだよ」
アリスの言葉にナイは不満げに唇を尖らせる。
「……それ、アンタの妄想じゃないの?」
「そんなことないよ!だってこれ見て!」
そう言いながらナイは胸元に付けているネックレスを見せる。
「これをくれた時に、言ってくれたんだよ!」
アリスとリリスは目を細めながらそのネックレスを見つめる。
それは随分と古ぼけた木のペンダントに見える。少なくとも最近の物ではないのは確かだ。
「えっと……ナイさん。これもらった時って何歳の時ですか?」
「んー、もう覚えてないけど、私が泣いている時にくれたの!」
「そうですか……」
幸せそうな笑みを見せるナイであったが、もしかしたらエヴィエスはもう覚えていないのではないか。
その考えがリリスの脳裏に一瞬よぎったが口にするのをやめた。
その後、金髪の双子はナイからエヴィエスがどれだけカッコいいのかを延々と聞かされることになったのだが、それを語る彼女の笑顔は恋する少女そのものだった。
荒野のオアシスで野営をしたシロ達は出発するための身支度を整えていた。
荷物を手早く鞄に詰めていると、なにやらアリスが眉を潜め思い詰めているように見える。
「どうしたのアリス?」
「ああ、シロ……私達別に急ぐ旅ではないのよね?」
「うん、もちろん」
その言葉を聞いた彼女は腕を組んで黙り込んでしまう。
「あの……アリス……?」
「じゃあ、シロ。出発がちょっと遅くなっちゃうけどお願いがあるの」
シロを見つめる彼女の眼差しは真剣そのものだ。
「うん、分かったよ。それでどんなこと?」
アリスが思い詰めているのだ。
どんなことでもしてあげたい。
シロはゆっくりと頷いた。
「ありがとう……私……」
シロはゴクリと喉を鳴らし、額から汗が一筋流れる。
「身体を洗いたいの!!」
「……え!?」
想定外の内容にシロは一瞬声が上ずる。
「だってもう4日も身体洗えていないのよ?汗と砂でベトベトだし、頭もボサボサ。しかも、ここでキレイにしておかなかったらいつ次の機会があるか分からないのよ」
「そんなことか……心配して損しちゃったよ」
「そんなこと?」
「あっ……いえ、全然大丈夫!待ってるから行ってきていいよ!」
語気を強めたアリスの雰囲気を察したシロは慌てて訂正する。
「……まあいいわ。リリス!ナイ!出発する前に身体洗いに行きましょう!」
「やったー!私も行きたかったのー!」
「ほんとですか!?」
どうやらナイとリリスも同じ気持ちだったようで、彼女達は嬉々とした表情を見せる。
「じゃあ、僕とエヴィは見張りをしているから何かあったらすぐに呼んでね」
「魔物に襲われたらどっちも戦えないんだからあんまりはしゃぎ過ぎないようにな」
「はーい!」
ナイが元気よく右手を上げる。
「じゃあ、私達はあそこの岩場の影で入るからその近くで見張りよろしくね」
彼女達が岩影に向かう後姿を見送っていると、アリスがゆっくりこちらを振り返る。
「そうそう……シロ、エヴィ。言い忘れたんだけど、覗いたら殺すから」
「「あっはい」」
「よろしい」
にこやかな表情で殺気を放つアリスはカーミラを彷彿とさせた。
「彼女……しっかりしてるけど怖いな……」
エヴィは小声でシロに呟いた。
「そう?とても優しくて繊細で魅力的な人だと思うよ」
シロは魔物を見張るために湖に背を向けてゆっくりと座る。
「それは同調で感じるのか?」
「そうだね。でも、感じるっていうより、流れ込んでくるって言う方が感覚としては近いかもしれない」
「そうなんだ。前から疑問に思ってたんだけどシロはどうやって同調できるようになったの?」
「んー、それがちょっと分からないんだよね」
「分からない?」
エヴィエスは隣に座りシロに視線を向ける。
岩の向こうからは彼女達のはしゃいだ声が聞こえてくる。
「うん、僕は誰とでも同調できるみたいなんだ」
「え!?そんなことあるのか?」
エヴィエスは驚愕の表情を見せる。
「僕は行使した時に扉が見えるんだ。それで、その扉を開くと器があって、それに自分の心を注ぐんだ」
「扉か……俺には見えないな」
それはシロにしか分からない感覚なのかもしれない。
アリスやリリスにそれを説明しても器はおろか扉すら感じていなかったのだから。
「そっか、気を悪くしたらごめんね」
「いやいや、全然気にしてないよ。でも凄いな。だから二重同調なんて離れ業出来るんだって納得したよ」
「あれはアリスとリリスだから出来たんだと思う。他の人だったら無理だよ」
二重同調は器が重なり合う双子だからこそ出来た奇跡なのだ。他の人で出来る自信はシロにはない。
「そうなのか……でも、誰とでも同調できるって事はいつかパートナー変えることもあるんだね」
「え!?そんなこと考えたこともなかったよ」
「そう?普通は同調するほど絆が深まったパートナーを変えることなんて出来ないけど、シロは別だろ?」
「うーん……確かにエヴィの言う通りかもしれない。でも、僕はアリスとリリス以外の人とパートナーになる気はないよ。2人と一緒に答えを見つけたいんだ」
自分の両隣には金髪の双子が立っている。それが誰か別の人に変わる想像はシロには全く出来なかった。
「答えね……」
シロの力強い言葉を聞いたエヴィエスは空を仰ぐ。
心地よい風が彼の茶色い髪を揺らす。
「じゃあ、その答えを見つけるのを俺にも手伝わせてもらっていいかな?」
「!?」
思いがけない申し出にシロはエヴィエスを見つめる。
「まだ同調も出来ない半人前だけど、必ず同調出来るようになる。そうしたら、5人で色んな世界を見て回ろう」
「でも……どれだけ時間が掛かるか分からないんだよ。それに本当に答えが見つかる保証もないし……」
「それは分かってる。でも、俺達友達だろ?友達の力になってやりたいってだけさ」
エヴィエスはそう言いながらにこやかに笑った。
「……ありがとう」
ずっと1人で暮らしていた時の記憶が走馬灯のように蘇る。
あの時は、こんなにも温かい人に囲まれるとは思わなかった。
ずっとずっと、友達が欲しかった。
アリスとリリスが共に来てくれると言った時と同じくらい嬉しい。
「……っておい!泣いてんのか?」
「いや!泣いてない泣いてない!」
そう言って慌てて誤魔化したが、目頭が熱くなっているのを感じていた。
「ところで、シロ……」
不意にエヴィエスがシロの肩に腕を回し耳打ちをする。
「岩の裏で女性陣が裸になってるけど、覗くか?」
エヴィエスは口の端を引き上げ、悪巧みをしているような笑顔を見せる。
「いやいやいやいや、そんなことしないよ!アリスとリリスが傷つくことは絶対にしない」
シロは首を左右に振りながら手も胸の前で大きく降って否定をする。
「ははっ!真面目だな。シロは。まあ、そういうところがシロの魅力なんじゃないかな」
そう言いながらエヴィエスは子供のような笑顔を見せた。
◆◆◆◆◆◆
シロがエヴィエスと友情を深めた同時刻。
岩の向こうの水辺では3人が身体を洗っていた。
「あー、気持ちいい。やっぱりこれ買ってきて良かったわ」
アリスは旅に持ってきていた石鹸を泡立てなから髪を洗っていた。
植物の油から作った石鹸は高級品で普通は手が出ないのだが、この旅のために奮発して買っていたのだ。
「あっ!アリスちゃん凄い!石鹸持ってるの!?」
「ええ、結構高かったけどね……ナイも使う?」
そう言いながらアリスは石鹸をナイに手渡す。
「ありがとー!これでエヴィ様も私の魅力にメロメロだよ!」
ナイは嬉々として石鹸を泡立てる。
「そう言えば、アリスちゃんとリリスちゃんって顔はそっくりなのに胸の大きさ全然違うんだね」
「……ぐぅぅ。そのことをいの一番に触れるんじゃないわ」
「ナイさん。それは姉さんが一番気にしていることなんで……」
リリスのフォローがよりアリスの胸をえぐる。
「はぁ……でもまあ、ここで怒っても大きくなるわけじゃないし、久しぶりに身体を洗えたからいいわよ」
そう言うとアリスは再び髪を洗い始める。
「あの……ナイさんはエヴィさんの事……好きなんですか?」
「うん!大好き!」
身体を洗うリリスにナイは無邪気笑みを見せる。
「でも、エヴィ様。私のこと魅力に全然気が付かないんだよー。結構魅力的だと思うんだけどなぁ」
ナイはそう言いながら泡に塗れた自身の胸を両手で持ち上げる。
「まあ、アンタがそんなに無邪気だからエヴィもどうしていいか分からないんじゃないかしら?」
コンプレックスを指摘されたばかりのアリスは頭の泡を流しながら冷たく答える。
「えー、そうなのかな?でも前に俺の嫁にしてやるって言ってくれたんだよ」
アリスの言葉にナイは不満げに唇を尖らせる。
「……それ、アンタの妄想じゃないの?」
「そんなことないよ!だってこれ見て!」
そう言いながらナイは胸元に付けているネックレスを見せる。
「これをくれた時に、言ってくれたんだよ!」
アリスとリリスは目を細めながらそのネックレスを見つめる。
それは随分と古ぼけた木のペンダントに見える。少なくとも最近の物ではないのは確かだ。
「えっと……ナイさん。これもらった時って何歳の時ですか?」
「んー、もう覚えてないけど、私が泣いている時にくれたの!」
「そうですか……」
幸せそうな笑みを見せるナイであったが、もしかしたらエヴィエスはもう覚えていないのではないか。
その考えがリリスの脳裏に一瞬よぎったが口にするのをやめた。
その後、金髪の双子はナイからエヴィエスがどれだけカッコいいのかを延々と聞かされることになったのだが、それを語る彼女の笑顔は恋する少女そのものだった。
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