宮廷画家令嬢は契約結婚より肖像画にご執心です！～次期伯爵公の溺愛戦略～

一生の宝物

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「宮廷画家様には、これからも俺の専属でいてもらわなければな」

　ちょっとふざけたような言葉でそんなふうに言う。

　アマリアも混ぜ返すように言った。

「元よりそのつもりでしたわ」

「そうか。それはうっかりした」

　言い合い、アマリアがフレイディのほうを見上げると、視線が合った。

　ふっと、お互い微笑み合ってしまう。

「次はアマリアと二人での絵が欲しいな。だがアマリアが描くのだから無理だろうか」

　フレイディはそのように言い、アマリアは少し考えた。

「そうですね、鏡を使えば描けるかもしれません」

　鏡に映すと反転されてしまうが、自分で自分を描くなら、それが一番確実なのだ。

「なるほど。それは名案だ」

　アマリアが鏡の前で、絵を描く。

　フレイディは、その横に立っているか座っているかしてもらう。

　そうすれば、反転にはなるが、二人で絵の中に収まることはできる。