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本当の夫婦に

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「アマリア。きみを愛している。俺とこれから、生涯を共にしてほしい」

 その優しい瞳で、やわらかな声音で、フレイディはその言葉を口に出した。

 アマリアの胸の中に入ってきたそれは、じわりと広がって、あたたかく、心地良い熱を体に満たしていった。

 とくとくと心臓の鼓動が速くなる。

 頬の熱が更に上がってきたようにも感じられた。

 けれどもう、羞恥よりも喜びが上回っていた。

 きっとその高揚のためだっただろう。

「……はい」

 返事はひとことだけだった。

 とても幸福な気持ちが詰まった声で、その返事は出てきた。

 きっと表情も、眼差しも、幸せが滲んだものになったはず。

 その証拠に、フレイディの瞳は、ふっと緩んだのだから。

 優しい金色がもっと幸せそうな色に変わる。

「ありがとう」

 あちらからもひとことだけだった。

 代わりに、髪を撫でていた手が下へやってきた。

 アマリアの頬に触れる。

 耳からあごにかけてをすっぽり包んでしまうほど大きな、あたたかい手。
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